(この記事は2020年2月17日の段階で最新情報に加筆・更新しています) (さらに2020年2月23日の段階で最新情報に加筆・更新しています) (さらに2020年2月28日の段階で最新情報に加筆・更新しています) (さらに2020年3月7日の段階で最新情報に加筆・更新しています) こんにちは、医師の森田です。 新型コロナウイルス、ついに臨時休校が決定しましたね。 対応に追われておられる方々も多いと思います。 我が家も小中学生が3人居ますので、てんやわんやです…。 (子どもたちは大喜びですが) ということで、今回はコロナウイルスについて現時点でわかっていること、間違いやすいポイント、その対策などをわかりやすく6つのポイントで解説しようと思います。 本日3月6日現在の最新情報がこんなところです。 死者が続々と出ている「新型」のウイルスなのですから、それも当然の反応ですね。 たしかに正体のわからないものは怖いもの。 しかしそれは「疑心暗鬼」かもしれません。 暗闇を一人で歩いていれば、柳が揺れるのも幽霊に、ただの街路樹も鬼に思えてしまいます…。 そう、疑心暗鬼から抜け出すには、鬼の正体を正確に見極めればいいのです。 では、我々が今「鬼」に思えてしまう新型コロナウイルスの正体は何なのか? 実は厚生労働省からこんな発表もあります。 出典:厚生労働省・新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解(2020年2月24日 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議) これはデータにも表れています。 先日クルーズ船の乗客・乗員の詳細なデータが報告されましたが、 NIID国立感染症研究所/現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例 2020年2月19日掲載 これ、簡単に言いますと、 乗客・乗員 3711名 _____________ うち検査陽性 531名 _____________ 症状のある人 276名 症状のない人 255名 ということです。 つまり、 検査陽性の方のうち約半数が軽症にすらならない「無症状 Asymptomatic confirmed cases 」 ということですね。 上記の厚労省の見解と合わせると、 実際に感染しても 半数は無症状で、 たとえ症状が出ても殆どの方は軽症。 ということが言えると思います。 死者数や感染者数の報道が連日繰り返されるなかで、実は検査陽性になっても症状すら出ない方、軽症で治ってしまう方が多数おられるということはなかなか報道されにくく、必要以上の不安がまして言ってしまうのではないかな、と思います。 …とはいえ、中国ではすでに3千人以上が亡くなっているとのこと。 日本でもすでに6名の方が亡くなられています。 そう簡単に安心は出来ない!と思うのも当然です。 ではどんな方々が亡くなられているのでしょう?感染しても無症状・軽症で終わってしまう人と、重症〜死亡まで至ってしまう人は何が違うのでしょう? 実は、中国での死者はほとんど高齢者やそもそも病弱だった人など、と報告されています。 さきほどの厚労省の発表にもこう書いてあります。 出典:厚生労働省・新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解(2020年2月24日 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議) 実は、コロナの影に隠れて全然報道されなくなっちゃったインフルエンザですが一昨年(2018年)の日本人の死亡者は3000人以上です…。 でも皆さんの中でインフルエンザ=死亡!と言うイメージはないですよね。 そう、それは、インフルエンザの死亡例もやはり高齢者や病弱な人が中心で、病院や施設で生活している方が多いからなのです。 ということは、もうおわかりですね。 「普通に元気な人なら免疫力で対処できて 症状すら出ない人も多い 、症状が出ても軽症で治まる病気」 ということでしょう。 で・・・その 『免疫力』が次のポイントとなります。 一般の方にはイメージが薄いと思いますが、実は、ばい菌やウイルスはそこら中に居るのです。 普通のイメージだと、インフルエンザもノロウイルスも、罹ってる人にはウイルスが居るけど、それ以外のところは居ない。 こんなイメージですよね。 でもそれは違う。 これはインフルエンザでも同じ。 元気な無症状の人にもウイルスが居るのです。 ということは、こういうイメージですね。 結局のところ、症状が出るでない、軽症で済むか、重症に至るか、そのへんのことって、 自分の免疫力とウイルスの感染性とのせめぎ合いで決まる。 ということなんですね。 これについては、抗がん剤や免疫抑制剤またはHIVなどで免疫力が落ちた状態(免疫不全)状態になった人がいかにばい菌やウイルスに弱いかを考えれば容易に想像できるところだと思います。 普段、自分の免疫がどれだけ仕事をしてくれているのか、感謝しないといけないですね。 2月23日現在、日本の全国各地で新型コロナウイルスの感染者が続々と報告され「市中感染」が発生している状況です。 感染しても無症状の方が多いことを考えると、もはや「封じ込め」が困難な段階になりつつあると言っていいでしょう。 もうしばらくしたら、インフルエンザやノロウイルスのように 「その辺に当たり前にいるウイルス」として日本中に蔓延する日も遠くないと思っておいたほうが良いのかもしれません。 そう考えると、 自分の免疫力を落とさない! これがいかに大事なことか、がよくわかります。 そのためには、 ・夜更かしをしない。 ・暴飲暴食をしない。 ・過重労働をしない。 ・ストレスを溜め込まない など規則正しい睡眠・食生活など、普通のことを心がけたいところです。 色々なサプリやら食品やら商品やらが今回の騒ぎに便乗して「免疫力を上げる!」と言わんばかりに宣伝をしていますが、実は免疫力を上げる方法って確かな確証のあるものはわかっていないんです。 (腸内細菌に関してはかなり確からしいデータが出つつありますが、それにしても個人差が大きく一つの栄養素や食べ物などの解決策には結びつきにくいようです。 ) その辺のことはこの記事に詳しく書かれています。 また、上記の通りご高齢の方やすでに病気を持たれている方は重症になりやすい…。 その場合は早く病院に行って治療すべきです。 2月23日現在における国の正式なアナウンスでは、「相談・受診の目安」は以下のようになっています。 重要なのは、まず 帰国者・接触者相談センターに相談すること。 これを見ると、最初は軽症でも1週間してから重症になるケースも多いようです。 では、そのとき『重症と軽症を見分けるポイント』はあるのでしょうか? 実は、肺炎の重症度は医師でなくてもなんとなくわかる範囲でわかるといえばわかります(注1)。 それは日本呼吸器学会が、成人市中肺炎診療ガイドライン2017としてまとめていまして、その中に 「肺炎の重症度判定法(A-DROP)」という項目があるのです。 (注1)厳密に言えば、今回の新型コロナウイルス肺炎についてはまだ新しすぎて詳しいことはわかっていないので詳細は不明というのが本当のところなのですが…ま、そうは言っても肺炎は肺炎ですし、少なくとも何も情報がない状態より、こうした考え方があることを知っておいてもいいと思います。 それがこちら。 jrs. php? ・1〜2個なら微妙。 ・0個なら軽症の可能性が高いでしょう。 (注2)酸素飽和度は自宅でも簡単に計測できます。 指にクリップのようなものを挟むだけですから(全然痛くないです)。 もちろん、Amazonなどの通販で購入できます。 今回のコロナウイルスの肺炎では重症化の兆候として「呼吸苦」が出ることが多いようですので、「呼吸苦」という曖昧な症状を数字で見ることが出来る「酸素飽和度」は貴重な情報となります。 5000円もしないので、ご高齢の方だったりそもそも肺の疾患をお持ちの方などは購入しておいてもいいと思います。 こうした、簡易的な判定法をブックマークしておくと、いざと言うときに安心ですね。 では今回の新型コロナ、どうやったら予防が出来るのでしょうか? コロナウイルスの感染経路は「接触感染」・「飛沫感染」と言われています。 電車の吊り革、エレベーターのボタン、階段の手すりなど、人の手が触れることの多いところはすべて感染経路になりえます。 とはいえ、最終経路はほとんどが 「自分の手」です。 自分の手が、 自分の口や鼻に触れることで、 自分に感染するわけですね。 ですから、 こまめに手を洗う。 これが接触感染を防止する最も有効な手段となります。 単純なようで最も効果がある予防法なので、ここはぜひとも抑えておいて下さい。 これはインフルエンザとか他の感染症でも大体同じことが言えます。 手洗いの方法はこちらを参考にして下さい。 「飛沫感染」ということはつまり、くしゃみなどで飛沫が飛ぶ範囲(だいたい2mくらい)しかウイルスは飛ばない、ということ。 mhlw. html ちなみに、たんぽぽの綿毛のようにふわふわと風にのって空気中を飛んでいって感染することを「空気感染」といいいますが、いまのところ新型コロナウイルスは空気感染はしないと言われています。 飛沫感染と空気感染の中間のような「エアロゾル感染」というものがありますが、厚生労働省の見解は「『飛沫が空気中で混ざり合ってエアロゾルを形成し、これを吸引して感染する』というもので、空気感染ではなく、飛沫感染に相当すると考えられます。 」とのことですので、現時点ではあまり考えなくていいと思います。 mhlw. html Q7 つまり、通常ではウイルスは空気中に飛んでないので、マスクは感染防御的にはあまり効果がないということですね(ま、たとえ空気感染するとしてもN95マスクのような密閉されるタイプのもの以外のマスクは意味ないみたいので、推奨できませんが)。 マスクはむしろ、自分が感染しているときに「他人にうつさない」という意味で有効です。 マスクで飛沫を飛ばさない、ということですね。 特に、「何も症状がないときにマスクを買いだめ」するような行為は厳に慎みましょう。 感染して本当にマスクが必要な人に行き渡らなくなれば、社会全体に悪影響が及びますから。 韓国では7万件以上ウイルス検査をしているのに、日本はまだ数千件…。 なんで日本は検査をもっとしないんだ! 感染件数を減らしたいための検査控えでは? という悲痛な声がツイッターなどSNSで飛びかっています。 これについてはどう考えればいいのでしょうか。 コロナウイルスへの疑心暗鬼を解くにはその正体を見ることが大事だったように、今回も「検査」というものの真の姿を正確に捉えることで、「検査」への考え方もわかると思います。 コロナウイルスの検査はPCR検査という、細胞の中の遺伝子を見つけ出す検査です。 インフルエンザのように病院で検査したらその場で10分で結果が出るというものではなく、検体を地方衛生研究所または国立感染症研究所など専門の検査機関に送ったうえで遺伝子を見つけ出す作業に入るため、結果が出るまで数日かかるのが通常です。 これはあまり知られていないことかもしれませんが、実はPCR検査は特異度は高い検査なのですが、感度は高くないのです。 これ、超簡単に言うと、 「陽性」と言う結果は信頼性が高いものの、 「陰性」と言う結果は信頼性が低い、 ということ。 クルーズ船の乗員・乗客の中で検査陰性の結果が出たのに、その後陽性になった人が何人もおられましたが(感染初期では検査陽性にならない)、これも「陰性」という結果の信頼性が低いことを示しています。 『検査結果は「陰性」でしたが、でもまだ陽性の可能性があります』 というのが本当の説明で、ということは陰性でも結局、発熱やら咳などの症状がある人は全員、自宅安静、出勤停止が妥当な判断。 ということになるわけですね。 結果が同じなら検査する意味あるのかな? というところはしっかり考えるべき課題です。 「結果が同じ」と言うのは「陽性」の結果でもそう。 たとえ陽性の結果が出ても、今現在コロナウイルスに対する根本治療薬は 開発されていません。 (エイズウイルスの薬やインフルエンザの薬が効くかもしれないという報告は出つつありますが、まだ症例が少なく本当に効くのかはわかりません。 ) ということは、検査が陽性でも陰性でも治療としては以下のような同じ対応をとることになります。 実は日本の人口あたり病床数は世界一。 最善の治療が受けられる可能性は世界一高いはずです。 そしてそれは、検査が陽性でも陰性でも無検査でも結局は同じ治療なのです。 後述の通り、重症の場合は日本でも積極的な検査が推奨されていますので、重症で命の危険がある場合は検査のうえで、副作用を度外視してでもエイズウイルスの薬なども使用されることもあるでしょう。 一方、検査をすることでのデメリットもあります。 いまの我々のミッションとは何でしょうか? 言うまでもなく、それは 「コロナウイルスによる健康被害(特に後遺症を残すような重症化や死亡例)を極力減らし、この危機を乗り切ること」 です。 そのためには韓国のように 「一日何万件でも検査をして徹底的に患者を洗い出す」 と言う方法もあれば、 「そもそも検査は信頼性が高くないので全員を検査対象にはせず対象を限定し、その代わり重症症例への対応を万全にする」 と言う方法もあります。 事実、2月27日現在、厚生労働省からはこうした通知で 重症者には積極的に検査をする ように通知されています。 厚労省事務連絡 「新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について」 疑似症患者(渡航歴や濃厚接触歴があり症状がある人など)の定義とは別に、 以下の場合についても行政検査を行うこと。 ・ 37. しかし、 「検査を増やせばすべてがうまくいくという単純なものではない」 ということは強調しておきたいところです。 多くの方が感染しても無症状〜軽症ということでしたね。 ということは、病院に行かなくても治る可能性がかなり高いということです。 また、現在のところたとえ発熱や咳が出始めた、と言ってもまだまだコロナウイルス感染は少数です。 確率的には、インフルエンザや普通の風邪のほうが圧倒的に高いですね。 となると、軽い症状ならまずは自宅で様子を見るというのが現実的な対応です。 そんな時便利なのが、薬局や通販・Amazonで買える市販薬の常備薬。 実は病院でもらう薬と全く同じ成分の薬もたくさんあります。 今回は特に軽症のコロナウイルス感染で使えそうな薬(病院でもらうのと同じ成分のもの)を紹介しておきます。 で、辛い頭痛・発熱のときに使える解熱鎮痛剤の定番といえばカロナール。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)と比較すると効果はマイルドですが、副作用も少なく比較的安全性の高い薬です。 〜いま日本人が知っておくべき6つのこと でした。 注:この記事は投げ銭形式です。 医療は誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」、 という信念なので医療情報は基本的に無償で提供いたします。 様々な苦難に遭遇した夕張市民の軌跡の物語、夕張市立診療所の院長時代のエピソード、様々な奇跡的データ、などを一冊の本にしております。 日本の明るい未来を考える上で多くの皆さんに知っておいてほしいことを凝縮しておりますので、是非お読みいただけますと幸いです。
次のコロナ「頭痛」を感じる人の割合は13. 5万例を超えるによると、新型コロナウイルスの主な初期症状として 頭痛を感じた人は13. Symptoms of COVID-19 are non-specific and the disease presentation can range from no symptoms asymptomatic to severe pneumonia and death. As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever 87. 出典 つまり、新型コロナウイルスに感染したからと言って、必ずしも全ての人が頭痛症状を感じるわけではなく、13. また、厚生労働省のによると、頭痛症状に関しては以下のように記載があります。 多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など), 頭痛,倦怠感などがみられる. 下痢や嘔吐などの消化器症状の頻度は多くの報告で 10%未満であり,SARS や MERS よりも少ないと考えられる.初期症状はインフルエンザや感冒に似ており,この時期にこれらとCOVID-19 を区別することは困難である. 頭痛症状と同様に併記されている新型コロナウイルスの症状• 「発熱」• 「下痢」 について、以下2つの記事をそれぞれご参照ください。 このことから厚生労働省も頭痛症状を、新型コロナウイルスの初期症状の一つと認めていることが分かります。 しかし注意点としては、頭痛を感じるからと言って、必ずしも新型コロナウイルスでないということは前述のとおりですが、• インフルエンザや• 感冒(風邪のこと) と区別することは難しいということです。 つまり、たとえ新型コロナウイルスでなかったとしても、インフルエンザウイルスに感染している可能性もあるので、病院で検査を行うことが重要であると言えます。 新型コロナウイルスによる頭痛以外の初期症状について、詳細はこちらの記事をご参照ください。 中国では発症から病院受診までの期間は約 5 日, 入院までの期間は約 7 日と報告されており,症例によっては発症から 1 週間程度で重症化してくるものと考えられる.さらに重症化する事例では 10 日目以降に集中治療室に入室という 経過をたどるようである(図2). 図2 新型コロナウイルス感染症の典型的な経過 要するに、頭痛症状等を感じてから7日後には呼吸困難に陥り、入院治療が必要となる可能性があります。 (しかし若者は軽症で済むことが多いと報告されており、詳細は「」の記事をご参照ください。 十分な• 栄養 などをとることで、死のリスクを減少させることに繋がるはずです。 について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。 また、新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。 コロナ「頭痛症状だけ」という場合はあるの? 新型コロナウイルスの症状として、頭痛だけという場合はあるのでしょうか? 結論からいうと、新型コロナウイルスの症状として頭痛症状だけ現れるという事例に関する研究はありません。 もちろん、前述の通り新型コロナウイルスの初期症状として「頭痛」を感じる人は13. (出典) 咳をすることで発生する飛沫感染についてはこちらの記事をどうぞ。 したがって「頭痛」を感じるというだけでは、新型コロナウイルス感染症にかかっていることを示す手がかりとしては弱いと言えるでしょう。 新型コロナウイルスの症状として、頭痛だけという場合はあるのかどうかを、新型コロナウイルス陽性と判定された実際の事例4つをみていきましょう。 によると、名古屋市の新型コロナウイルスに関連した患者の発生について、以下のように公表されています。 患者Aについて (1)概要 60 歳代 女性 市内在住 日本国籍 主な症状:発熱、鼻汁、頭痛 ここから分かることとして、患者Aの場合は、新型コロナウイルスに感染した際の主な症状として頭痛だけではなく、• 鼻汁 も感じていたということです。 についてはこちらの記事をどうぞ。 次に患者Bはどうでしょうか? 患者Bについて (1)概要 40 歳代 女性 市内在住 日本国籍 主な症状:発熱 患者Bも同様に、頭痛だけの症状はないどころか、むしろ発熱の症状しかありません。 新型コロナウイルスに感染した場合に、最もよく見られる初期症状「発熱」についてはこちらの記事をどうぞ。 では、患者Cの場合は、以下のように記載があります。 患者Cについて (1)概要 60 歳代 男性 市内在住 日本国籍 主な症状:発熱、咳、倦怠感 患者Cも患者Bと同様に頭痛症状はありません。 では最後に患者Dは以下の通りです。 患者Dについて (1)概要 60 歳代 男性 市内在住 日本国籍 主な症状:発熱 患者Dも患者B・Cと同様に、頭痛症状はないようです。 ここから分かることとして、「頭痛症状だけ」を感じたとしても、新型コロナウイルス感染症に掛かっていることを示す手がかりとしては弱いと言えるでしょう。 しかし前述の通り、新型コロナウイルスの初期症状として13. 頭痛と同様に、• 新型コロナウイルスの初期症状の一つである「喉の痛み」や、• 医療機関受診の目安 等について学びたい方はこちらの記事をご参照ください。 コロナ「頭痛薬」 新型コロナウイルスの初期症状の一つである頭痛を感じた場合、 頭痛薬を服用してもよいのかどうかを、市販で販売されている頭痛薬の例を挙げて説明します。 まず、頭痛薬といっても、様々な種類がありますが、新型コロナウイルスと頭痛薬に関してWHOが言及しているのは• イブプロフェン• アセトアミノフェン の2つです。 () イブプロフェンというのは、発熱時や痛みがあるときに、日常的に誰もが使う可能性がある一般医薬品として身近な薬です。 () Amazonでも以下のようなイブプロフェンが配合される商品を販売しています。 さらに具体的にいうと、世界保健機関(WHO)は新型コロナに感染している疑いがある場合、頭痛治療に用いられる抗炎症薬「イブプロフェン」の使用について、「控えることを求める勧告はしない」と主張しています。 () またWHOは、イブプロフェンよりもアセトアミノフェンを勧めていますが、まだ調査を進めている段階であると以下のように主張しています。 フランスのベラン保健相は14日、新型ウイルス感染時、イブプロフェンなど抗炎症薬服用は「悪化させ得る」とツイッターに書き込んでいた。 これについて聞かれたWHO報道官は、危険性を証明する研究結果はまだなく「調査を進めている段階だ」と強調した。 しかし「家で服用するならアセトアミノフェンを勧める。 イブプロフェンではない」と述べた。 また「専門家の処方がある時は別だ」とも指摘した。 当然のことですが、医師から頭痛薬を処方された場合は安心して頭痛薬を服用できますが、薬局などで購入するのであれば、WHOに従ってアセトアミノフェン主剤の薬の一例として、こちらの頭痛薬を服用するのがよいでしょう。 しかし、アセトアミノフェンと同様に、熱さましや痛み止めとして使用することが多いイブプロフェンなどにも、• 空腹時の服用を避けたり、• 飲む人の年齢 など、副作用が発生してしまう落とし穴が存在します。 そこで、併用薬がある人や、服用に際して不明なことや不安がある場合は、ドラッグストアや薬局にいる身近な医療従事者である薬剤師に遠慮なく相談するようにしましょう。 () についてはこちらの記事をご参照ください。 について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。 新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をご覧ください。 についてはこちらの記事をどうぞ。 についてはこちらの記事をご参照ください。 については以下の記事をご覧ください。 についてはこちらの記事をどうぞ。 新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
次のコロナウイルスは人や動物の間で広く感染を引き起こすウイルスで、感染すると主に発熱や咳などの呼吸器症状が見られます。 2020年5月13日現在、全世界に感染が広がっているのはいずれの種類でもない新種のコロナウイルスです。 新型コロナウイルス感染症の症状 現在、中国から全世界に感染が広がり、パンデミック(世界的に流行が拡大すること)となっている(COVID-19)の症状は、軽症の場合と重症化した場合に分けることができます。 初期症状では軽症で、発熱や咳など風邪のような症状が見られるほか、嗅覚・が生じることがあります。 人によっては下痢・嘔吐などの消化器症状や意識障害などの神経症状が現れることもあります。 また、重症化するとを発症します。 ただし、感染した人全員に症状が見られるとは限らず、無症状で経過する例もあります。 通常のウイルス感染症では、他者へウイルスを感染させる可能性がもっとも高いのは、症状が強く現れる時期といわれています。 しかし、新型コロナウイルスの場合は無症状の場合、軽症の段階、重症化した段階それぞれで感染する可能性があると考えられており、症状のない人からうつる可能性も想定し、日頃から感染症対策を行う必要があります。 具体的には、感染者の体内のウイルス量は、症状が出る数日前から増加し、症状が出る0. 7日前に最大となるとされます。 日本でも東京など都市部で感染経路が追えない感染者が多数発生している現状から、体調管理に気を配り、体調の変化を感じる場合には積極的なマスク着用を行い、感染拡大を防ぐようにすることが重要です。 以下では、新型コロナウイルスの症状を初期症状、重症化したときの症状に分けてお伝えします。 新型コロナウイルス感染症の初期症状 新型コロナウイルス感染症の初期症状では、鼻水や咳、発熱、軽い喉の痛み、や体のだるさ(倦怠感)など、風邪のような症状が生じます。 特に、37. そのほか、人によっては鼻づまりや鼻水、、痰や 血痰 けったん 、下痢などが生じることもあります。 新型コロナウイルス感染症の初期症状はおよそ5~7日間程度続き、重症化しなければ次第に治っていきます。 新型コロナウイルス感染症が重症化すると 新型コロナウイルス感染症の初期症状が5〜7日間で軽快せず重症化すると、肺炎を発症し、呼吸が苦しくなる、いわゆる呼吸困難の状態に陥ることがあります。 また肺炎だけでなく、上気道炎やなど、そのほかの呼吸器系器官にも炎症が生じるケースもあります。 新型コロナウイルス感染症が重症化し肺炎が生じても、半数以上の場合は症状に対する治療を行うことで徐々に回復します。 しかし、肺炎が悪化し重篤化すると急性呼吸器症候群()や、などが起こり、場合によっては死に至るケースもあります。 以下の症状に該当する場合は、新型コロナウイルス感染症が重症化している可能性が懸念されます。 厚生労働省の提示する緊急性の高い症状• 顔色が悪い• 唇が紫色に変色している• 第三者から見て、様子がいつもと異なる• 呼吸数が増え、息が荒くなった• 急に息苦しさが生じた• 少しでも動くと息苦しく感じる• 胸に痛みがある• 座っていないと呼吸ができず、横になれない• 呼吸の際に肩が大きく動く(肩で息をしている)• 呼吸に抵抗が生じ、ゼーゼーと音がする• 意識がぼんやりとしている• 第三者が声をかけても応答がない• 重症化する人の特徴 は、コロナウイルスによる一般的な風邪よりも重症化しやすいといわれていますが、必ずしも重症化するわけではありません。 現在、どのような人が重症化しやすいかは十分に分かっていませんが、高齢者である、にかかっている、心臓・肺などの持病がある、または免疫抑制剤や抗がん剤治療を受けているなどの理由で免疫機能が低下している人はリスクが高いと考えられています。 当初、小児は重症化のリスクは高くないと考えられていました。 しかし高齢者ほどではありませんが、小児の中でも年齢の低い乳幼児で重症化する傾向があることが指摘されてきています。 同様に、高齢者だけではなく乳幼児やさらに妊婦も重症化には注意が必要と考えたほうがよいでしょう。 インフルエンザとは何が違うのか はインフルエンザウイルスによるもので、一方のコロナウイルスは一般的な風邪のおよそ10~15%(流行期は35%)を占める原因ウイルスでもあります。 風邪の原因ウイルスには、ほかにもライノウイルスやアデノウイルスなどがあります。 風邪の多くは喉の痛み、鼻水、くしゃみ、咳などの症状が中心で全身症状はあまり見られません。 インフルエンザにおいては高熱や、関節痛・、体のだるさなどの全身症状が比較的急速に現れるのが特徴です。 は発熱や咳など風邪のような症状が中心であるものの、インフルエンザのように全身症状(特に強い倦怠感)が見られる場合もあります。 感染が疑われる場合の対処方法 発熱やだるさ、息苦しさなど新型コロナウイルスへの感染が疑われるような症状があった場合、まずは会社や学校を休み、外出を控えて自宅で安静にしましょう。 発熱のある間は外出を控えたうえで毎日体温を測定し、どのくらいの熱が何日程度続いたかを記録しておくとよいでしょう。 帰国者・接触者相談センターへの問い合わせが必要な場合• 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)、高熱などの強い症状のいずれかがある場合• 症状には個人差があるため、強い症状だと感じる場合はすぐに相談をしてください。 病院の受診時にはマスクを着用するなどして感染の拡大防止に努めるようにしましょう。 また、においや味が分からなくなる嗅覚・を感じた場合、発熱やだるさ、息苦しさがなければ、ひとまず外出を控え、様子をみるようにしましょう。 この時点では、病院の受診も控えましょう。 また、発熱、だるさ、息苦しさなどの症状がないまま嗅覚・味覚障害が2週間以上続いた場合には、以外の病気が隠れている可能性があるため、耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。 一人ひとりの対策がもっとも重要 は、現時点で都市部を中心とした感染の拡大が起こっています。 3月中旬までの感染者の多くは接触歴の確認できる、いわゆる感染経路が分かる感染者でしたが、今はそうではない人の増加が著しく感染対策もそれに合わせて変えていく必要があります。 緊急事態宣言が発令されましたが、今後も長期にわたってこのような状況が続くことも予測されます。 これにより、短期的に新型コロナウイルスと戦うという姿勢から、新型コロナウイルスと共に新生活様式を作り上げるという姿勢が重要になってきています。 専門家会議からも以下のような新しい生活様式が提案されています。 新型コロナウイルスへの感染を予防する上で、もっとも大切なことは個人個人の行動変容です。 一人ひとりが感染予防対策に努め、風邪やと同様に手洗いやうがい、マスクの着用による咳エチケットなどを行いましょう。 また、3密の回避や人との接触を避けることで感染拡大のスピードを遅くし、重症患者が増え医療機関が対応できなくならないようにすることが重要です。
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