魔法使いの約束の配信日(リリース日)はいつ? 2019年11月26日リリース! 魔法使いの約束の配信日(リリース日)は、 2019年11月26日です。 まほやくのダウンロードはこちら! 魔法使いの約束ってどんなゲーム? coly初となるファンタジーアプリ!魔法使いと心を繋ぐ育成ゲーム! 『魔法使いの約束』(まほやく)は、coly初となるスマホ向け ファンタジーアプリです。 本作では 、魔法使いたちと心を繋ぐストーリーが展開。 メインシナリオは、『アイドリッシュセブン』などを手がけた「 都志見文太」氏が担当します。 キャラクターページでは、21人のイラストに加え、ボイスも公開。 「日野聡」さんや「立花慎之介」さん、「森川智之」さんなどのベテランから、「伊東健人」さんや「土岐隼一」さんなど今をときめく若手声優まで、豪華声優陣が揃っています。 冷酷で心無い魔法使いと言われている。 他者に干渉されることを煩わしく思っており、人前に姿を現すことは少ない。 優しい性格で、人間と魔法使いが共に暮らせる平和な世界を望んでいる。 少し天然なところも。 同じ中央の魔法使いのオズとは面識があるらしい。 気さくで面倒見がいい兄貴肌。 剣技が得意で魔法を使わなくても強い。 誰とでも仲良くなれる性格だが、北の魔法使いのオーエンだけは例外。 そのため、世間知らずなところがある。 真面目で素直な性格で、魔法の力は人を助けるために使うべきだと思っている。 魔法使いの約束の事前登録・特典情報 9月3日〜事前登録開始!【事前登録終了】 魔法使いの約束では、事前登録者数に応じてゲーム内で使用できるアイテムをプレゼントするキャンペーンが実施されました。
次のオーエンのせいだ。 我ながらチョロすぎる。 申し訳ない。 ちなみに、便宜的に「傷」シリーズの記事に入れているが、あまり厄災の傷には触れない予定である。 厄災にかかわりのない「傷」には触れていく。 今回はメインストーリーはもちろん、 イベントストーリーについても盛大なネタバレ記事になる予定である。 不快に思われる方はUターンをお願いしたい。 また、毎度のことであるが、カード・親愛ストーリーは全く読んでいない上での妄想である。 ご容赦願いたい。 ほぼ二次創作である。 また、記事中の画像は全てゲームアプリ内の引用である。 実のところ、このイベストを読むまで、私は彼のことがよく掴めずにいた。 ファウストとの主従関係くらいしか、彼を構成するものが強調されてこなかったからだと思う。 イベストを経由した今、レノックスは 「代替」であるという印象が、私の中に最も強く残っている。 「代替」とは決してネガティブな意味ではないことをことわっておく。 「誰かの代わりに誰かを守る」ということが言いたいのだ。 とりあえずここでは、レノックスが 「誰かの代わりに誰かを守る」役割を担っていることを確認しておきたい。 加えて、羊のことによく表れているように、 「守る」ことへの執着が強い。 この執着の発端は、間違いなく ファウストを守り切れなかったことにある。 レノックスもまた、厄災とは関係なしに 「傷」を負っているのだ。 ところが、この「傷」はレノックスにとって「不幸」ではない。 彼自身も不幸だとは思っていないだろう。 この執着のおかげで、彼はファウストに再会し、羊飼いたちと世代を超えて交流し、ルチルミチルという家族に準じた存在と縁を結んでいる。 はじまりはたとえ代替であっても、レノックスの執着はその「代替」を「ホンモノ」に変えていくのである。 フィガロを苛立たせた原因は、おそらくこのあたりにあるのだろう。 フィガロは 「執着したって甲斐がない、自分は切り替えが早い」 レノックスは 「自分は執念深い。 フィガロは諦めが早い」 ということで、主にフィガロがイライラする。 何に対しての執着かというと、 「(守るべき、愛する)誰か」に対するものが話題になっている場面である。 ルチルミチルをあっさりミスラに渡そうとするフィガロと、あくまでも自分が守ろうとするレノックスの対立である。 これはそのまま、ファウストをめぐる二人の関係性にもあてはまる。 この喧嘩の直後に明かされるのは、 かつてフィガロがファウストを「手放した」という事実である。 「ファウスト様がアレクアレクで、アレク様と革命に夢中で、なんだか興が覚めてしまったと…」 重大な事実である。 かつてフィガロは、ファウストを弟子にして、可愛がってやろうとしていたらしいのである。 つまり、 フィガロはファウストを愛そうとしていたということである。 しかし、手放した。 ファウストが自分ではない者を愛したからだ。 手放したあとファウストが火刑という憂き目にあい、行方しれずになっても追わなかった。 フィガロが戦線離脱したあとにファウストを守ったのは他ならぬレノックスである。 行方しれずになった彼を追ったのもレノックスだ。 現フィガロが、「求められないなら、愛することを諦める(愛せない)」というスタンスであるのに対し、 現レノックスは「求められなくても、愛することを諦めない(追いかける)」というスタンスなのだ。 フィガロが静かに怒りを感じたのは、 「かつての自分の面影を見たから」だとも考えられる。 「いざ情が芽生えても、己の心をなかなか信用できぬのじゃ、本当は寂しがり屋の優しい子なのにのう」 なぜ愛情を信じられなくなり、フィガロは「孤独の正しい味わい方」を知る身となったのか。 もともと孤独しか知らなければ、愛情を知らなければ、そんなことにはならない。 彼は愛情を知ってしまったのだ。 彼が愛することを「手放さざるをえない」ような過去を経験したということである。 それはある意味、過去の 「傷」である。 「愛することの代償」を知るからこそ、フィガロは、チレッタに中絶をすすめ、アーサーを石にしようとしたのだ。 ファウストの前からも姿を消した。 代償を受ける前に、「愛する対象」を消してしまえば、そこから逃げてしまえば、傷つかない。 それが現フィガロの「傷つかない」論理なのだ。 メインストーリー前半、ファウストを引き止めるフィガロはこんなことを言っている。 「気が遠くなるような長い時間、ひとりでいても傷がいやせないなら、君には誰かが必要なんだよ」 これは、実はフィガロ自身にも言えることなのではないのか。 もしも彼が本当に愛することを諦めているなら、なぜ北の国から出て南の国に来たのだろうか。 なぜレノックスを引き入れたのか、なぜ人と関わるのか、ルチルミチルを導こうとするのか… フィガロがかつて「愛情」によって受けた傷は、ひとりでいるだけでは癒されないからだ。 そして、どこかに、「愛する」ことへの未練が残っているのではないのか。 行方不明になっていたレノックスの羊を抱くオーエンは、例の「傷」により、人格が変わっていた。 この 「傷」の詳細については、以下の記事で詳しく考察しているので、参照いただきたい。 なぜ今回、唐突にオーエンの「傷」が発動していたのかといえば、「雨・湿気」が引き金になっているからだろう。 もともとオーエンは、「暗い、じめじめしたところにいた」ということがメインストーリーで判明していた。 つまり、 まだ「恐ろしい魔法使い」というレッテルに縛られる前の、本来のオーエンであったころを思い出させる環境がトリガーになっているのである。 羊を仲間たちのもとに返すためだ。 それに対しオーエンは 「僕はおいてけぼりでいいの?」 という、なんとも心をえぐられる反応をしてくる。 かつてのオーエンが、集団からはじかれ、じめじめしたところに置いていかれていたことが透けて見える。 そこにはネズミや獣しかいなかった…だからかれは「けだものに詳しい」のである。 しかしオーエンはケダモノではない。 彼は長らく孤独を生きているのだ。 至極北の国の魔法使いらしい。 そんなオーエンに対しレノックスは 「お前が生きたいなら連れて行く…どうしたい?」 と意思確認をしてくる。 結局オーエンはこれに応えず、羊を無言で返す。 再度 「行かないのか?」と呼び止められ 「行かない」と言い残して、逃げるようにその場を去ってしまう。 この行動、いろいろな要因が重なったものだと思われる。 まずレノックスの問いかけが 「どうしたい?」だったこと。 意思を問われても、答えられないのだ。 (詳細は参照) 答えに困っている間に、賢者はレノックスに 「いいんですか?(不安)」という問いかけをし、レノックスは 「ダメかもしれないが…(消極的)」と答えている。 オーエンはそこからを読み取ったのだ。 羊とちがって、「自分は歓迎されざる存在である」ことを。 望まれない、求められないことを察したオーエンは、拒否することで、それに従った。 愛されることを知らないオーエンは、求められる人格に従うことでしか、自分を保てないのだ。 さらに、前述したように、 レノックスが「誰かの代わりに守る」存在であったことも、原因の一つだろう。 オーエンは自分を守ってくれる騎士を渇望している。 騎士は明確に「守る」という役割を帯びており、庇護者の意思に関係なく、「俺が守ってやる」というスタンスである。 むしろ 相手を強制的に「守られる者」に仕立て上げる存在であって、「守ってあげようか?どうしたい?」などと聞いてくることはない。 結局ここでもオーエンは、 「守られる者」として求められることを渇望しているのだ。 オーエンがレノックスに、無条件に庇護されなかったのは、奇しくも彼が「代替」であったからである。 しつこいようだが、オーエンを不安や恐怖の色眼鏡で見ないこと、オーエンを無条件で守ること、の両方ができるのは、「騎士」であるカインしかいないのだ。 それを可能にするのは、カインが肉体感覚でオーエンを感じるという状況。 「目」という肉体のつながりは、オーエンをかろうじてこの世につなぎとめる命綱である。 ひとまず整理するなら 愛したいのに、愛さない、愛し方を知らない:フィガロ 愛されたいのに、愛されない、愛され方を知らない:オーエン ということになろうか。 ここで思い出されるのは、 泡沫イベントストーリーである。 オーエンはミチル対し、こんなことを言っている。 「フィガロのことが好きなら、もっとフィガロのことを知った方がいいよ」 フィガロはムルにこう言われている 「どうしてミチルたちに本当の姿を見せないの?怖いから?楽しいから?それとも安心したいから?」 オーエンのセリフは、自身の願望のようにも思われる。 「(主にカインに対して)、本当の僕を知ってほしい、知って愛してほしい…」ということだろう。 オーエンは ミチルとフィガロでそれを試して、観察しようとしている。 そこにカインと自分との関係性を重ねようとしているのではないか。 一方のフィガロは、 ミチルとルチルが「好き」だから、「本当の姿を見せない」という主張のようだ。 隠していれば、本当の自分が愛されることはない。 そして、自分も愛することはない… フィガロは彼らを「好き」といいつつ、愛を避けている。 かつて愛したために受けた代償を、避けようとしている。 なぜなら、今回は自分が石になり消えるからだ。 代償を負うのは、残される者たちなのだ。 おそらくファウストのことを「かつて愛し(かけ)た」からではないか…と邪推する) 結局泡沫イベではフィガロの真実はルチルミチルには明らかにされず、オーエンの実験は失敗に終わった。 もし成功していたら…オーエンはカインに何を打ち明けたのだろうか。 考えるだけで心臓が痛い。 このように、ある意味では、 フィガロもオーエンも「愛する・愛される」ことが「傷」になっているキャラクターなのである。 それはもちろん厄災によりつけられた傷ではない。 しかし大いなる厄災は、その光で、このような 過去の「傷」を浮き彫りにしていってしまう。 この物語の結末は、こういった「傷」を、魔法使いたちが愛せるようになる…というものだと思いたいものである。 月もそれを望んでいる…と私は信じている。 南の魔法使いをあまり考察してこなかったため、ずいぶん中途半端なものになってしまった。 申し訳ない限りである。 今回のイベントストーリーは、イベントのエピソード自体も切ないものだったが、オーエンとフィガロの過去を思うと、さらに切なさが倍増するという構造であった… それにしても、 約束とは、愛とは、友達とは…一体なんなのか。 ストーリーを読むたびにわからなくなるが、とにかく魔法使いたちの幸せを願うばかりである。 長文におつきあいいただき、ありがとうございました!.
次のオーエンのせいだ。 我ながらチョロすぎる。 申し訳ない。 ちなみに、便宜的に「傷」シリーズの記事に入れているが、あまり厄災の傷には触れない予定である。 厄災にかかわりのない「傷」には触れていく。 今回はメインストーリーはもちろん、 イベントストーリーについても盛大なネタバレ記事になる予定である。 不快に思われる方はUターンをお願いしたい。 また、毎度のことであるが、カード・親愛ストーリーは全く読んでいない上での妄想である。 ご容赦願いたい。 ほぼ二次創作である。 また、記事中の画像は全てゲームアプリ内の引用である。 実のところ、このイベストを読むまで、私は彼のことがよく掴めずにいた。 ファウストとの主従関係くらいしか、彼を構成するものが強調されてこなかったからだと思う。 イベストを経由した今、レノックスは 「代替」であるという印象が、私の中に最も強く残っている。 「代替」とは決してネガティブな意味ではないことをことわっておく。 「誰かの代わりに誰かを守る」ということが言いたいのだ。 とりあえずここでは、レノックスが 「誰かの代わりに誰かを守る」役割を担っていることを確認しておきたい。 加えて、羊のことによく表れているように、 「守る」ことへの執着が強い。 この執着の発端は、間違いなく ファウストを守り切れなかったことにある。 レノックスもまた、厄災とは関係なしに 「傷」を負っているのだ。 ところが、この「傷」はレノックスにとって「不幸」ではない。 彼自身も不幸だとは思っていないだろう。 この執着のおかげで、彼はファウストに再会し、羊飼いたちと世代を超えて交流し、ルチルミチルという家族に準じた存在と縁を結んでいる。 はじまりはたとえ代替であっても、レノックスの執着はその「代替」を「ホンモノ」に変えていくのである。 フィガロを苛立たせた原因は、おそらくこのあたりにあるのだろう。 フィガロは 「執着したって甲斐がない、自分は切り替えが早い」 レノックスは 「自分は執念深い。 フィガロは諦めが早い」 ということで、主にフィガロがイライラする。 何に対しての執着かというと、 「(守るべき、愛する)誰か」に対するものが話題になっている場面である。 ルチルミチルをあっさりミスラに渡そうとするフィガロと、あくまでも自分が守ろうとするレノックスの対立である。 これはそのまま、ファウストをめぐる二人の関係性にもあてはまる。 この喧嘩の直後に明かされるのは、 かつてフィガロがファウストを「手放した」という事実である。 「ファウスト様がアレクアレクで、アレク様と革命に夢中で、なんだか興が覚めてしまったと…」 重大な事実である。 かつてフィガロは、ファウストを弟子にして、可愛がってやろうとしていたらしいのである。 つまり、 フィガロはファウストを愛そうとしていたということである。 しかし、手放した。 ファウストが自分ではない者を愛したからだ。 手放したあとファウストが火刑という憂き目にあい、行方しれずになっても追わなかった。 フィガロが戦線離脱したあとにファウストを守ったのは他ならぬレノックスである。 行方しれずになった彼を追ったのもレノックスだ。 現フィガロが、「求められないなら、愛することを諦める(愛せない)」というスタンスであるのに対し、 現レノックスは「求められなくても、愛することを諦めない(追いかける)」というスタンスなのだ。 フィガロが静かに怒りを感じたのは、 「かつての自分の面影を見たから」だとも考えられる。 「いざ情が芽生えても、己の心をなかなか信用できぬのじゃ、本当は寂しがり屋の優しい子なのにのう」 なぜ愛情を信じられなくなり、フィガロは「孤独の正しい味わい方」を知る身となったのか。 もともと孤独しか知らなければ、愛情を知らなければ、そんなことにはならない。 彼は愛情を知ってしまったのだ。 彼が愛することを「手放さざるをえない」ような過去を経験したということである。 それはある意味、過去の 「傷」である。 「愛することの代償」を知るからこそ、フィガロは、チレッタに中絶をすすめ、アーサーを石にしようとしたのだ。 ファウストの前からも姿を消した。 代償を受ける前に、「愛する対象」を消してしまえば、そこから逃げてしまえば、傷つかない。 それが現フィガロの「傷つかない」論理なのだ。 メインストーリー前半、ファウストを引き止めるフィガロはこんなことを言っている。 「気が遠くなるような長い時間、ひとりでいても傷がいやせないなら、君には誰かが必要なんだよ」 これは、実はフィガロ自身にも言えることなのではないのか。 もしも彼が本当に愛することを諦めているなら、なぜ北の国から出て南の国に来たのだろうか。 なぜレノックスを引き入れたのか、なぜ人と関わるのか、ルチルミチルを導こうとするのか… フィガロがかつて「愛情」によって受けた傷は、ひとりでいるだけでは癒されないからだ。 そして、どこかに、「愛する」ことへの未練が残っているのではないのか。 行方不明になっていたレノックスの羊を抱くオーエンは、例の「傷」により、人格が変わっていた。 この 「傷」の詳細については、以下の記事で詳しく考察しているので、参照いただきたい。 なぜ今回、唐突にオーエンの「傷」が発動していたのかといえば、「雨・湿気」が引き金になっているからだろう。 もともとオーエンは、「暗い、じめじめしたところにいた」ということがメインストーリーで判明していた。 つまり、 まだ「恐ろしい魔法使い」というレッテルに縛られる前の、本来のオーエンであったころを思い出させる環境がトリガーになっているのである。 羊を仲間たちのもとに返すためだ。 それに対しオーエンは 「僕はおいてけぼりでいいの?」 という、なんとも心をえぐられる反応をしてくる。 かつてのオーエンが、集団からはじかれ、じめじめしたところに置いていかれていたことが透けて見える。 そこにはネズミや獣しかいなかった…だからかれは「けだものに詳しい」のである。 しかしオーエンはケダモノではない。 彼は長らく孤独を生きているのだ。 至極北の国の魔法使いらしい。 そんなオーエンに対しレノックスは 「お前が生きたいなら連れて行く…どうしたい?」 と意思確認をしてくる。 結局オーエンはこれに応えず、羊を無言で返す。 再度 「行かないのか?」と呼び止められ 「行かない」と言い残して、逃げるようにその場を去ってしまう。 この行動、いろいろな要因が重なったものだと思われる。 まずレノックスの問いかけが 「どうしたい?」だったこと。 意思を問われても、答えられないのだ。 (詳細は参照) 答えに困っている間に、賢者はレノックスに 「いいんですか?(不安)」という問いかけをし、レノックスは 「ダメかもしれないが…(消極的)」と答えている。 オーエンはそこからを読み取ったのだ。 羊とちがって、「自分は歓迎されざる存在である」ことを。 望まれない、求められないことを察したオーエンは、拒否することで、それに従った。 愛されることを知らないオーエンは、求められる人格に従うことでしか、自分を保てないのだ。 さらに、前述したように、 レノックスが「誰かの代わりに守る」存在であったことも、原因の一つだろう。 オーエンは自分を守ってくれる騎士を渇望している。 騎士は明確に「守る」という役割を帯びており、庇護者の意思に関係なく、「俺が守ってやる」というスタンスである。 むしろ 相手を強制的に「守られる者」に仕立て上げる存在であって、「守ってあげようか?どうしたい?」などと聞いてくることはない。 結局ここでもオーエンは、 「守られる者」として求められることを渇望しているのだ。 オーエンがレノックスに、無条件に庇護されなかったのは、奇しくも彼が「代替」であったからである。 しつこいようだが、オーエンを不安や恐怖の色眼鏡で見ないこと、オーエンを無条件で守ること、の両方ができるのは、「騎士」であるカインしかいないのだ。 それを可能にするのは、カインが肉体感覚でオーエンを感じるという状況。 「目」という肉体のつながりは、オーエンをかろうじてこの世につなぎとめる命綱である。 ひとまず整理するなら 愛したいのに、愛さない、愛し方を知らない:フィガロ 愛されたいのに、愛されない、愛され方を知らない:オーエン ということになろうか。 ここで思い出されるのは、 泡沫イベントストーリーである。 オーエンはミチル対し、こんなことを言っている。 「フィガロのことが好きなら、もっとフィガロのことを知った方がいいよ」 フィガロはムルにこう言われている 「どうしてミチルたちに本当の姿を見せないの?怖いから?楽しいから?それとも安心したいから?」 オーエンのセリフは、自身の願望のようにも思われる。 「(主にカインに対して)、本当の僕を知ってほしい、知って愛してほしい…」ということだろう。 オーエンは ミチルとフィガロでそれを試して、観察しようとしている。 そこにカインと自分との関係性を重ねようとしているのではないか。 一方のフィガロは、 ミチルとルチルが「好き」だから、「本当の姿を見せない」という主張のようだ。 隠していれば、本当の自分が愛されることはない。 そして、自分も愛することはない… フィガロは彼らを「好き」といいつつ、愛を避けている。 かつて愛したために受けた代償を、避けようとしている。 なぜなら、今回は自分が石になり消えるからだ。 代償を負うのは、残される者たちなのだ。 おそらくファウストのことを「かつて愛し(かけ)た」からではないか…と邪推する) 結局泡沫イベではフィガロの真実はルチルミチルには明らかにされず、オーエンの実験は失敗に終わった。 もし成功していたら…オーエンはカインに何を打ち明けたのだろうか。 考えるだけで心臓が痛い。 このように、ある意味では、 フィガロもオーエンも「愛する・愛される」ことが「傷」になっているキャラクターなのである。 それはもちろん厄災によりつけられた傷ではない。 しかし大いなる厄災は、その光で、このような 過去の「傷」を浮き彫りにしていってしまう。 この物語の結末は、こういった「傷」を、魔法使いたちが愛せるようになる…というものだと思いたいものである。 月もそれを望んでいる…と私は信じている。 南の魔法使いをあまり考察してこなかったため、ずいぶん中途半端なものになってしまった。 申し訳ない限りである。 今回のイベントストーリーは、イベントのエピソード自体も切ないものだったが、オーエンとフィガロの過去を思うと、さらに切なさが倍増するという構造であった… それにしても、 約束とは、愛とは、友達とは…一体なんなのか。 ストーリーを読むたびにわからなくなるが、とにかく魔法使いたちの幸せを願うばかりである。 長文におつきあいいただき、ありがとうございました!.
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