10月以降に旬を迎えるスルメイカは、イカの種類のなかでも特に巨大なわたが特徴です。 このわたを捨てるのは忍びない……と思ったら、ぜひ試してみてほしいのが自家製のイカの塩辛。 なんと、塩辛に使えるわたはスルメイカだけなんだそう。 しかも、「わたを冷蔵庫で1日程度置いて脂を落とす」という裏技で、市販のものとは全然違う、臭みのないうまみたっぷりの塩辛に仕上がるんだとか。 教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の魚のプロ、<東信水産>の石戸宏さん。 イカの身の簡単なさばき方も解説しているので、初心者でも安心です! 新鮮なイカの選び方 塩辛は加熱しないだけに、なによりも素材の鮮度が命。 新鮮なイカは見た目で簡単にわかるそう。 「上は店に入荷して数日たったイカ、下が入荷して1日目のイカです。 全然違いますよね。 ピンと全体にハリがあり、色鮮やか、黒目が澄んでいるのが新鮮な証拠です。 ただし、どんなに新鮮なイカでも、生のものはアニサキスという寄生虫がいる恐れがあるため、一度冷凍してから使うとよいでしょう。 スルメイカ…1杯• 塩…適量• 酒…適量• 「胴とわたがくっついている部分に指を入れて、ゆっくりと足を引っ張りながらはがします。 わたの上部についているスミも引っ張って取り除きましょう。 最後に、くちばしの根元に包丁を入れて、胴部分と足部分を切り離します。 足は硬いので塩辛には向きません。 「胴とえんぺらの接続部分に指を入れて、えんぺらを引っ張りながら皮を外していきます。 えんぺらの皮はむきにくいので、むかなくてもOKです。 軟骨がまな板と並行になるようにイカを置き、横に包丁を入れ、胴を開きます。 縦半分に切り、細切りにする。 ザルに入れ、全体に塩をふりかけ(焼き魚程度の塩加減が目安)、冷蔵庫に20分程度入れて水分を抜く。 20分経ったら取り出して胴を酒で洗い、再び冷蔵庫で1日半程度置き、水分を抜く。 胴と混ぜ合わせ、お好みで味噌、みりんを少々入れて味をととのえる。 冷蔵庫で1晩寝かせて、完成。 臭みなし、プリプリで美味! 市販のものとはまったく違う、臭みがなく、プリプリ新鮮で美味しい塩辛は、ご飯にもお酒のお供にもぴったり。 箸が止まらないので、あっという間になくなってしまいそうですが、「毎日しっかりかき混ぜながら保存すれば、冷蔵庫で1週間程度日持ちします」とのこと。 寝かせる時間はかかりますが、市販のものとは全然違う、手作り塩辛。 スルメイカの旬の時期に、ぜひ一度は試してみてほしいレシピです。
次のイカの塩辛は普通、イカの身を細く切り、そのイカの肝を塩でしめて身と肝をあえて作る発酵食品です。 身質が非常に良く、アオリイカと並ぶ高級イカの仲間です。 比較的身が柔らかく、刺身に向いています。 うま味もイカの中では多く含んでいますが、肝(肝臓)はほとんどありません。 これに対しスルメイカは、身質がヤリイカよりも硬く、うま味、甘みは生ではやや少ないですが、その肝はふっくらとして、大ぶりで濃厚なうま味があります。 この両者のいいとこどり、ヤリイカの身にスルメイカの肝で作った塩辛はまさに絶品です。 ハイブリッド塩辛を作ろう 塩辛作りは一度覚えてしまえば、ごく簡単。 材料さえあればすぐできて、作りたてから発酵が進んでまろやかになるまで、さまざまな味の変化が楽しめます。 /ヤリイカ、スルメイカとも背中(ビニールのような甲が付いている方)に親指をぐっと奥まで入れながら、肝と付いている身の部分をはがす。 はがしたら、足を持ってそっと引き抜くと肝が取れる。 そっとやらないと肝が切れて使えなくなるので要注意! 2. /肝に付いている肝以外の物を取ったら、目の上の部分で肝を切り離す。 あまり肝寄りに包丁を入れると肝が破けるので注意。 スルメイカの肝(写真上)はぷっくり、ヤリイカの肝(写真下)はほとんどない。 /スルメイカの肝から墨袋をはずす。 墨袋は肝に縦に通っている細い袋。 これをつまんで静かに引っ張ると肝からはがれる。 /ヤリイカの身から耳をはがす。 身の皮を剥(む)くかはお好みで。 剥かなくても食べたときにさしさわることはない。 写真右下は身から取って捨てる目、トンビ(口)、墨袋、2本ある長い足の先。 吸盤がきついので、この長い足2本は先を切り取っておく。 /耳と身、足を3~5mm程度の幅に切る。 身は縦に包丁を入れて割き、縦半分に2枚にしてから、それをザクザクと切っていく。 /水切り用のざるに、切った身、耳、足を入れ、塩を全体にまぶしてよく混ぜる。 肝はやさしく手にとって、塩をきつめに全体にまぶしてざるに寝かせ、冷蔵庫で一昼夜、受け皿をあてがって水を切る。 水をよく切らないと出来上がりが水っぽく生臭くなるので注意。 /水を切った肝をまな板に置き、縦に包丁を入れて割き、包丁で皮から肝をこそげ取る。 こそげ取ったら皮を取り除き、包丁で肝をたたいてなめらかにする。 /容器に身と7、みりんか日本酒(甘めが好きならみりん、辛めなら日本酒)を入れて清潔な箸でよくかき混ぜる。 その後1日1回、箸でかき混ぜて発酵を進ませる。 食べてみるとヤリイカの身はやわらかく、スルメイカの身の塩辛とは一味違います。 作り立ては、身がまだ刺身のような状態で肝あえという感じですが、3日後ぐらいから塩のカドが取れ、1週間ぐらいすると発酵が進んだまろやかな味になりました。 スルメイカの身はイカ焼きにしておいしくいただきました。 作り立て。 肝あえの風情。 さっぱりした感じ。 5日後。 肝の色が濃くなり、塩のカドが取れて濃厚な味に。
次のカロリー表示について 1人分の摂取カロリーが300Kcal未満のレシピを「低カロリーレシピ」として表示しています。 数値は、あくまで参考値としてご利用ください。 栄養素の値は自動計算処理の改善により更新されることがあります。 塩分表示について 1人分の塩分量が1. 5g未満のレシピを「塩分控えめレシピ」として表示しています。 数値は、あくまで参考値としてご利用ください。 栄養素の値は自動計算処理の改善により更新されることがあります。 1日の目標塩分量(食塩相当量) 男性: 8. 0g未満 女性: 7. カロリー表示、塩分表示の値についてのお問い合わせは、下のご意見ボックスよりお願いいたします。
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