新薬の抗ヒスタミン薬である「ルパフィン」、「デザレックス」、「ビラノア」の違いは? 「デザレックス」「ビラノア」「ルパフィン」はいずれも2016~2017年に登場した抗ヒスタミンの新薬です。 「「デザレックス」「ビラノア」はこれまでの抗ヒスタミン薬に比べ、効果が高く、さらに眠気などの副作用が改善された薬剤です。 デザレックス」は「クラリチン」を改良したもので、クラリチンの代謝によって生じる効果の個人差が、少なくなるよう改良されています。 「ルパフィン」は最も新しく、これまでの薬剤にある抗ヒスタミン作用に加え、抗PAF作用という新しい作用機序をもった薬剤です。 その分効果発現が早く、抗炎症作用や気管支収縮等の抑制、遅延型アレルギー症状の抑制効果も期待されています。 以下ではそれぞれの違いを見てきます。 効果の比較は一概には言えませんが、 一般的には「ルパフィン」>「ビラノア」>「デザレックス」と考えられています。 1回20mgまで 増量可。 (12歳から服用可) 「デザレックス」: 1日1回5mgを服用。 (12歳から服用可) 「ビラノア」 :1日1回20mg、 空腹時に服用。 (15歳から服用可) 「ルパフィン」、「デザレックス」は食事に関係なく服用できますが、「ビラノア」は空腹時に服用することとなっており、食後に服用すると大きく効果が弱まってしまう為、注意が必要です。 「ビラノア」は食前1時間前か、食後2時間後に服用しましょう。 「デザレックス」:影響なし 「ビラノア」 :一緒に服用すると、血中濃度が下がり、効果が弱くなる可能性があります。 91時間 「デザレックス」 :1. 75時間 「ビラノア」 :1. 0時間 (各添付文書より抜粋) 最高血中濃度到達時間は、主に効果発現までの時間を比較する指標となります。 一般的には「ルパフィン」が最も早く、15分程度で効果が現れるとされています。 効果発現は「ルパフィン」>「ビラノア」>「デザレックス」と考えられます。 「ルパフィン」 :4. 76時間 「デザレックス」 :19. 5時間 「ビラノア」 :10. 54時間 (各添付文書より抜粋) 上記の半減期だけを比べると「ルパフィン」の持続時間が短いように見えますが、ルパタジンは服用後デスロラタジンへと代謝される為、デザレックス同様20時間程度の半減期があります。 3% 「デザレックス」:1. 一方「ルパフィン」に運転等の機械操作に関して注意することとされています。 50円 「デザレックス」:1錠65. 50円 「ビラノア」 :1錠75. 60円 よって 価格の安さは「デザレックス」>「ルパフィン」>「ビラノア」です。
次の記事の内容• 回答:『デザレックス』は、個人差の大きかった『クラリチン』を改良した薬 『デザレックス(一般名:デスロラタジン)』と『クラリチン(一般名:ロラタジン)』は、どちらもです。 『デザレックス』は、 遺伝的素質によって効き目に差が生じないように、『クラリチン』を改良した薬です。 また、『クラリチン』のような用法指定もなく、いつ飲んでも良いのも特徴です。 『デザレックス』と『クラリチン』は、どちらもアレルギーの薬の中では眠くなりにくく、自動車運転などにも影響しないため、使いやすい薬です。 吸収された後、主に肝臓の代謝酵素「CYP3A4」や「CYP2D6」による代謝を受けて「デスロラタジン」となって初めて、薬としての作用を発揮するようになります1。 1 クラリチン錠 添付文書 しかし、この代謝酵素の働きには人によって差があるため、薬の効き目にも個人差が生じてしまうことがあります。 『デザレックス』は、元から活性体「デスロラタジン」の形をしているため、代謝酵素による活性化の必要がありません2。 そのため、どんな人でも安定した効果を発揮することができます。 実際、『デザレックス』は「CYP3A4」や「CYP2D6」の阻害剤と併用しても血中濃度に影響しないことが確認されています2。 2 デザレックス錠 インタビューフォーム 『デザレックス』には用法の縛りもない 『クラリチン』の臨床試験は全て「夕食後」の服用で行われたため、用法も「夕食後」で指定されています3。 3 クラリチン錠 インタビューフォーム 『デザレックス』には、こうした用法の縛りはありません2。 そのため、食後や寝る前などのタイミングに縛られることなく、いつ飲んでも良い薬です。 そのため、添付文書上でも自動車運転への注意喚起は記載されていません1。 実際、ことが確認されています4。 4 Am J Rhinol. 5 デザレックス錠 添付文書 薬剤師としてのアドバイス:たくさんある抗ヒスタミン薬をうまく使い分ける アレルギー治療に使う「抗ヒスタミン薬」には、既に色々な種類の薬があり、状況によって使い分けが行われています。 逆に、眠くならなくともアレルギーの症状が治まらなければ薬を飲む意味がありません。 しかし、「抗ヒスタミン薬」は全体的に効果・副作用ともに個人差が大きく、どの薬が合うのかは実際に薬を飲んでみないとわかりません。 そんな中で、個人差の少ない『デザレックス』は多くの人にとって安定した効果を期待できる薬と言えます。 であることが報告されています6。 6 Curr Med Res Opin. 21:1-8, 2016 PMID: 『デザレックス』と『ビラノア』の登場によって、「抗ヒスタミン薬」の布陣はより盤石になり、自分により合う薬を見つけられるようになることが期待されています。 ほか 利益相反 COI 特定の製薬企業との利害関係、開示すべき利益相反関係にある製薬企業は一切ありません。
次の第2世代 抗ヒスタミン薬の強さのグループ分け 強さ 商品名 一般名 強い ザイザル レボセチリジン塩酸塩 アレロック オロパタジン塩酸塩 デスロラタジン ビラスチン ルパフィン ルパタジン 中間 ジルテック セチリジン塩酸塩 ベポタスチンベシル酸塩 エバステル エバスチン アレジオン エピナスチン塩酸塩 弱い フェキソフェナジン塩酸塩 クラリチン ロラタジン 実は、第二世代抗ヒスタミン薬をすべて一度に比較した試験というのは無いようです。 なので、ネット上で信頼できそうな医師や薬の専門家のサイトを参考にして、私の判断で第二世代の抗ヒスタミン薬11種類の表を作成しました。 上から順にアレルギーの薬の強さを並べたつもりです。 しかし、 ランキングというよりも、強いグループ、中間のグループ、弱いグループと3つのグループに分かれるんだなという認識程度に思って頂きたい というのが本音です。 2018年7月3日 追記 ルパフィンの強さを追加しました。 比較的最近出た薬になるので、薬の効果は強い部類に入ります。 効果の強さと眠気の強さ この表を見て、 「あっ、ザイザルとかアレロックは効果が強いのか~。 そしたら、眠気も強いだろうから気をつけなきゃ。 」 とお思いの方もいるかと思います。 でも、この表はあくまでも 強さの比較だけであって、眠気の比較ではありません。 薬のイメージとしては、抗アレルギー作用の強い薬=眠気の強い薬という考えをお持ちの方もいると思います。 そう思うのは、ごくごく自然なことだと思います。 しかし、それは古い世代の第一世代の抗ヒスタミン薬に当てはまることであって、 第二世代の抗ヒスタミン薬に当てはめて考えることは適切ではありません。 「第二世代」というくらいですから、世代が進むにつれて、 薬の効果は強く、副作用の眠気は低くという、目的で抗ヒスタミン薬は開発されてきました。 アレルギー薬の眠気について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になると思います。 【関連記事】 スポンサーリンク 抗ヒスタミン薬の開発の歴史 第一世代抗ヒスタミン薬 薬の進化の歴史としては、 第一世代の抗ヒスタミン薬が最初に市場で販売されました。 この薬は、効 果が表れるのが早い反面、眠気の副作用の頻度が高いことから、鼻水や蕁麻疹がすぐにとまるが、眠気が強く出るというイメージがついたと思います。 その経緯が、第二世代の薬の開発に生かされます。 第二世代の抗ヒスタミン薬 第一世代の抗ヒスタミン薬の不足している部分を改善し、患者や医師の要望に応えるために開発されたのが、第二世代の抗ヒスタミン薬です。 抗ヒスタミン薬の効果は、高く、なおかつ眠気を少なくしたい。 そのことで、鼻水やじんましんをとめるけれども、眠気は出ないようにして、患者さんの生活の質を高めることができます。 2017年にルパフィンという薬が発売されたのが、もっとも最近になります。 CMでよく耳にするアレジオンやアレグラなどは、発売から10年以上経っているベテラン選手とは知らなかったです。 第二世代の抗ヒスタミン薬では、ザイザル、アレロックあたりが一番効力が強い。 第一世代の抗ヒスタミン薬の眠気の副作用を軽減する目的で、第二世代の抗ヒスタミン薬が開発された。
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