馬尾は、脊柱管を通る神経の束で、馬尾から分かれた神経は、左右の脚に伸びています。 そのため、馬尾が圧迫されると両脚にしびれが起こります。 また、馬尾はぼうこうの機能を調節しているため、進行すると排尿障害が現れたり、寝たきりになったりする可能性もあります。 馬尾型が疑われる場合は、すぐに整形外科を受診することがすすめられます。 神経根は、馬尾から左右に分かれた神経の根元です。 神経根のふくらんだ部分は、痛みのセンサーとしての働きを持っているので、圧迫されると強い痛みが起こります。 多くは片側の脚だけに痛みが起こります。 ただし、多くの場合、数年以内に自然によくなります。 自分の腰部脊柱管狭窄が、どちらのタイプか調べるためにも、 脚のしびれや痛みが1週間以上続く場合は、整形外科を受診してください。 脊柱管を通る神経の束の馬尾への圧迫が長期間続くと、将来的に寝たきりになる可能性もあります。 また、排尿障害が重くなると、手術を受けてもよくならないことがあります。 そこで、 馬尾型の脊柱菅狭窄症の場合は、薬による治療を数か月続けてもよくならなければ手術が検討されます。 神経根型では、痛みで仕事ができない場合や、痛みのためうつ状態になりかけているといった場合に手術を考えます。 手術では、 神経を圧迫している部分の骨を取り除く除圧術などが行われます。 手術時間は1~2時間ほどで、1~2週間ほど入院します。 デスクワークが中心の人であれば、手術後2週間ほどで復帰でき、重労働をする人の場合は約3か月かかることもあります。
次のこんにちわ。 運営者で理学療法士の平林です。 脊柱管狭窄症で困っていませんか? 長い距離を歩けない• 太ももやふくらはぎ、足の裏がしびれる• 足の裏側の感覚が鈍い・薄い など。 このような症状を感じているのではないでしょうか。 脊柱管狭窄症という腰の痛み、足裏のしびれや感覚障害を主として症状があります。 これは、脊髄神経の通り道が狭くなってしまう事によって、生じる病状と言われています。 この脊柱管狭窄症は、神経症状が起きるのが特徴であり。 症状が改善しづらい。 とも言われています。 しかし、実際はそうでもありません。 脊柱管狭窄症でも、痛みやしびれ、感覚障害など、改善する可能性も多いにあるのです。 その中で、脊柱管狭窄症の一つの疑問として。 運動をして大丈夫なの? という悩みがあります。 答えは『大丈夫』になるのですが。 そこで、今回は、 【脊柱管狭窄症は運動していいいのか? 】というテーマ話していきたいと思います。 この記事を読めば、脊柱管狭窄症でも運動をするべきだ! という事が理解できると思います。 そしてあなたの症状の改善に繋がると思います。 是非、熟読してほしいと思います。 それでは、本日もよろしくお願いいたします。 1 脊柱管狭窄症に効果的な運動 ベスト5 脊柱管狭窄症については、今までに多くの研究がなされ、運動方法も考案されています。 すべて効果のあるものです。 しかし、 同じ病名がついていても、脊柱管狭窄症の原因や細かい状態は人それぞれ異なります。 体を右に曲げると症状が出る人、体を後ろに反らすと症状が強くなる人等症状は様々です。 従って、最終的には自分に合った運動を見つけ、症状を改善させることが必要となります。 脊柱管狭窄症という病気についての知識、解剖学の知識などを増やし、理解を深めることでより効果的な運動を発見することも可能となります。 今回、5つの方法をご紹介しますが、その考え方について理解していただき、ご自分に合うように調整していただければと思います。 それでは、宜しくお願いいたします。 1-1 姿勢を正す運動 立ったときの姿勢、座ったときの姿勢の中心部分を作るのは脊柱です。 脊柱の中には脊髄 馬尾神経含む が通っていますので、脊柱の姿勢 形 によって内部の神経も影響を受けます。 脊柱の中の脊柱管が何らかの理由で狭くなっている場合 狭窄している場合 、脊柱の姿勢 曲がり具合など によって神経が圧迫されることがあります。 従って「姿勢を正す運動」というのは、必ずしも理想的な姿勢にするという事ではありません。 すでに脊柱管狭窄症を発症していて脊柱の変形が生じている場合、理想的な せすじを伸ばしたまっすぐな 姿勢が良いとは限らないのです。 ここでの姿勢を正すというのは、基本的、理想的な姿勢を理解した上で、ご自分のなかでもっとも、症状の出にくい姿勢をとるということで理解していただければと思います。 まず健康な時の理想的な脊柱の形は自然な彎曲を持っています。 腰椎 腰の部分 は前方に凸となります。 この姿勢を基本として、ご自分の楽な、症状の少ない姿勢を探りましょう。 横座りは脊柱が側弯するのでよくありません。 例外的に、この座り方で症状が改善される場合は問題ありません。 脊柱が側弯します。 良い姿勢のイメージ 1-2 体幹 腹筋 をつける運動 体幹筋の一つ、腹直筋が大切である。 体幹筋は体の中心部分を取り巻く筋群です。 おおまかに分けると腹筋と背筋になります。 これらの体幹筋は姿勢を保ったり、動作時に常に働いたりする重要な筋肉となります。 腹筋について、よく腹筋運動で鍛えるのは腹直筋ですが、その他にも腹斜筋 内・外 、腹横筋などがあります。 腹筋は起き上がりの時などに大切な筋で、弱くなると寝返りや起き上がりがしにくくなります。 また、 重い物を持ち上げるときに腹圧 お腹の中の圧力 を高める作用があります。 【腹筋の運動】• 両手の先を膝につけるつもりで、両膝を曲げる• 息を吐きながらゆっくりと頭を上げる• 上がったところで1,2,3と数える• ゆっくり下す 無理する必要はありません。 できる範囲で10回程度を目標に行いましょう。 1-3 体幹 背筋 をつける運動 背筋の運動も行ってみましょう。 安全、簡単に行える腰上げからやってみましょう。 腰をゆっくりと上げて1,2,3と数える• 動作で痛みなどが生じる場合は中止してください。 応用編で、四つ這いの姿勢で対角線上の手足を上げる方法もあります。 交互に行います。 バランスが不安定でふらつく場合は、四つ這いではなく腹ばいで行うとよいでしょう。 1-4 体の柔軟性をあげる運動 柔軟性が保たれていると、姿勢の改善効果があり、スムーズで余裕のある動作を行うことができます。 神経障害があると筋の柔軟性が損なわれることも多いので、柔軟性を意識した運動をすると良いでしょう。 強い痛みが出ない範囲で行います。 まず、 両膝を抱え込む運動です。 ゆっくりと背中の下側を伸ばす感じで行います。 ストレッチはゆっくりと時間をかけて行いますが、痛みなどの症状があるときはすぐに中止してください。 片膝を抱え込む運動も行ってみましょう。 反対側に倒すひねりの運動を加えても良いですが、無理のない程度で。 膝を伸ばして片方の足を上げる運動もおすすめの方法ですが、しびれが悪化する場合は中止してください。 症状が出ない程度で良いですので少しずつ上げてみましょう。 ふくらはぎも伸ばしてみましょう。 タオルなどを利用するとよいでしょう。 ゆっくりと時間をかけて伸ばしてください。 下肢の筋肉を活動させることで血流を良くすることができます。 下肢には大腿四頭筋など大きな筋群があり第二の心臓とも呼ばれています。 スクワット動作、 椅子からの立ち上がり動作を行うとよいでしょう。 次にふくらはぎ 下腿三頭筋など ですが、 立位でかかとの上げ下ろしや、寝た姿勢でもできる 足首の運動がお勧めです。 つま先をしっかりと上下に動かすのがポイントです。 2 脊柱管狭窄症の運動の目的 ここでは、脊柱管狭窄症の運動の目的を紹介したいと思います。 2-1 血流を改善して症状をやわらげる 脊柱管狭窄症は血流を改善することで、その症状を緩和することができます。 病院で処方される脊柱管狭窄症の薬は、血管を拡張させることで血流を改善させるものがあります。 血流を改善させることで多くの症例で改善がみられるようです。 動かずに、同じ姿勢でいると血流が悪くなります。 運動することで、血流の改善を望むことができます。 2-2 神経が圧迫されている部位の除圧 神経にとって悪い姿勢でいると、神経そのものや神経に栄養を送る血管が圧迫されて神経にダメージを与えてしまいます。 運動を行うことで姿勢を改善し神経への圧迫を改善します。 2-3 症状を発症させない為の体づくり 脊柱管狭窄症の根本的な原因は一つではありませんが、発症する前から対策を行っておくことで、発症のリスクを減らすことができると考えられます。 健康な状態では 理想的な姿勢を意識して生活をします。 偏った姿勢 横座り や長時間同じ姿勢が続かないように注意します。 適度な運動も大切です。 腰部に負担のかかる運動は避け、下肢の筋力を使う運動をします。 また、 体幹の筋力も重要ですので、腹筋や背筋が衰えないように維持をしておきましょう。 3 脊柱管狭窄症にトリガーポイントって効果あるの? トリガーポイント、聞きなれない方もいらっしゃると思います。 ごく簡単に言うと、 「押すと痛いところ コリコリと硬い部分・硬結:こうけつ 」 と考えてください。 親指などで押すと、痛かったり、押したところとは違う別の場所に痛みを生じたりします。 背骨が変形して脊柱管狭窄症を生じている場合など、このトリガーポイントを治療しても骨の変形が治るわけではありません。 トリガーポイント治療の効果は痛みなどの症状の改善です。 神経障害が起こると、このトリガーポイントを生じることがあります 姿勢が悪いなどその他の理由もたくさんあります。 このトリガーポイントのために慢性疼痛を起こしている場合、これを治療することで症状が緩和されることがあります。 4 巷に流行している、治療法で良くなるのか? 脊柱管狭窄症の治療法は様々なものが考案されています。 「これだけ体操」• 「朝30秒の正座」• 「痛みナビ体操」• 「脱力蹴り出し体操」• 「骨盤カイロ」 それ以外にも多くの方法が紹介されています。 それぞれが効果のあるものだと考えられますが。 どれか一つの方法が、すべての人に同様に効果がある。 というわけではありません。 今回ご紹介した5つの要素を基本として、それ以外の治療法を試すとよいでしょう。 自分に合ったものが見つかれば幸運です。 最終的に自分に合ったものを取捨選択して、継続していきましょう。 5 実際に脊柱管狭窄症を克服した人の体験談 では、ここで実際のお話を紹介したいと思います。 Sさん 女性 60代 ある日、朝の日課の散歩の最中に初めて、ふとももの裏にしびれを感じたとの事。 それ以降、朝の散歩の度になんどかしびれを感じるようになっていた。 毎日ではないが、2,3日に一度くらいの頻度で散歩の最中に数回感じることがあったとの事。 腰の痛みは全くないのであるが、常に腰の重さは感じていた。 で、始めてしびれを感じた日から約4カ月後。 日課であった、散歩の途中にしびれが強くなって、歩くのも辛くなってしまった。 なんとか、引きずりながらも自宅に戻り、そのまま病院を受診する事にしたところ。 診断は脊柱管狭窄症であった。 確かにおかしいなぁと思っていたが、脊柱管狭窄症と診断されて、しびれの原因がはっきりしました。 それから、治療として、筋トレやストレッチといった、リハビリが始まり、少しづつ行う事で、症状は軽くなっていきました。 リハビリを始めてから6カ月で大体、しびれも気にならなくなりました。 今でも日課の散歩は続けていますが、前以上に、腰には気を使いながら生活するようになりました。 今では、足のしびれが気にならなくなって嬉しく思っています。 私が経験 担当 した例は多くありますが、克服したと言うのが正確かどうかはわかりませんが、手術によって歩行状態が改善し、日常生活ができるようになられた方は多くおられます。 ただし、 手術の決断が遅い例が多かったためか、しびれは残っているとおっしゃる方も少なくありませんでした。 私の父親の例をご紹介すると、脊柱管狭窄症で歩行障害を生じました。 杖の使用を勧めてしばらく使っていましたが、整形外科から脊柱管狭窄症の改善薬を処方していただき、最近は杖を使用せず、ある程度の距離は歩けるようになっています。 長時間無理をすると症状が強く出ることはありますが、無理をしなければ日常生活は大丈夫なようです。 保存的、薬物療法が効果のあった例と言えます。 初期から症状が強い場合は早めに決断をすると良いようです。 本人だけでなく家族 子など も脊柱管狭窄症についての知識を深め、手術についてのアドバイスができるようになるとよいですね。 手術を もう年だからという理由で 避ける方が多いという印象を受けます。 現代は80歳でも手術を受ける時代です。 もっと早く手術していれば…と感じることも少なくありません。 要介護状態にならないためにも早めの決断をお勧めします。 症状が軽ければ運動療法などのリハビリの効果があります。 症状が軽めの人は病院でのリハビリを一度試してみることをお勧めします。 6 まとめ 今回は脊柱管狭窄症の運動についてお伝えしました。 脊柱管狭窄症は適切な運動 姿勢の改善含む により症状を改善させることができます。 できるだけ早期から対策をすると良いでしょう。 症状が進行したり、症状が強かったりする場合は手術の検討も積極的に行いましょう。 早期の手術で後遺症が少なくなります。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 皆様のご健康をお祈りいたします。 というか、なにそれ? って思いませんか。 我々、医療者であれば良く聞く診断ではありますが、まだまだ聞きなれない診断でしょう。 脊柱管狭窄症は適切な治療を行えば、症状の改善は可能です。 全ての人が治る。 というわけにはいきませんが、 治せる可能性は高いと考えています。 今回、紹介した運動などは、参考にして、試して欲しいと思います。 実際に試しても効果を感じない場合ももちろんあります。 というのも、色々な原因が考えられるのです。 そもそも、正確にできていない可能性がある• 回数や負荷量が多いかもしれない、足りないかもしれない• できているつもりになっている など、このように改善しない可能性が考えられるのです。 つまり、一概に運動の効果がない。 とまだ言えないのです。 このように思ってほしいと思います。 ということで、脊柱管狭窄症を治す方法はまだある。 と考えてほしいと思います。 今回の話も少しでも参考になれば嬉しく思います。 本日も最後までありがとうございました。 mamotte運営管理者で理学療法士の平林です。 このサイトはPT・OT・STのリハビリテーションの専門家のみが監修しており。 リハビリのプロの視点から【正しい情報や知識を伝える】事をモットーにしています。 医療は、あらゆる情報が飛び交っており、情報過多の状態です。 その中で信憑性があって、信頼できる情報はどれくらいあるのか?甚だ、疑問を感じる事でしょう。 そこで、当サイトは、リハビリのプロの視点からのみで作成した内容にする事で、【正しい情報や知識を伝えてきたい】と願っています。 このサイトを通じて、あなたの体の症状の悩みが解決できたら嬉しい限りです。 少しでもこのサイトがあなたの力になれるように精進していきたいと想っております。 よろしくお願いいたします。
次の脊柱管狭窄症の症状でお悩みの人の話を聞いていると 「先生、私は脊柱管狭窄症になってから極端に筋肉が落ちた気がするんですがスクワットや腹筋などの筋トレをした方が良いでしょうか?」 といった質問をよくいただきます。 このように、ご自分で筋力トレーニングをした方が良いのか迷っている人もいれば、お医者さんなどに筋肉をつけた方が良いとアドバイスされた人も多いと思います。 しかし、私は脊柱管狭窄症の人が腹筋運動やスクワットなど、いわゆる筋トレを行うのは非常に危険な事だと考えています。 そこでこのページでは、脊柱管狭窄症の人が腹筋やスクワットなどの筋トレを行うリスクについて説明をさせていただきます。 ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です 医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。 スポンサーリンク 筋肉を鍛えれば脊柱管狭窄症の症状が発生しにくいという事はない? 見出しでも触れているように、私は筋肉の強さと痛みの発生の関係性には疑問を持っています。 はっきり言って、筋力が強ければ体の痛みが感じにくいという考え方は間違っていると個人的に思っています。 そのため、脊柱管狭窄症の人が腹筋やスクワットといった筋トレを行う事には反対です。 少し難しい話になってしまいますが、筋肉というのは筋繊維という繊維状の物質の集合体で形成されています。 繊維状の物質というのは、その繊維の方向に沿った力に対しては非常に強い抵抗力を発揮します。 しかし、繊維の方向に沿わない「せん断力」のような横からの力が加わると、繊維状の物質は簡単に破壊されてしまうという特徴を持っています。 この特徴は私の仮説でも何でもなくて簡単な物理学になります。 人間の筋繊維はそれぞれの関節の可動域に沿って付着していますので、関節の構造上問題ない動きであればかなりの負担でも耐える事ができ、逆に関節の構造上で問題のある動きであれば、些細な動作であっても簡単に筋肉や組織は破壊されてしまいます。 そのため、どんなに筋力を鍛えた所で、関節の構造上で問題のある動作が加わると体を痛める事を防ぐ事は出来ないんですね。 具体的に言えば、脊柱管狭窄症の場合は首や背中や腰の関節が大きく症状の発生に関わっている疾患ですので、どんなに筋肉を鍛えた所で首や背中や腰の関節の構造上おかしな動作をしてしまうと症状の発生を抑える事は出来ないんです。 具体的な例 こういった事は私が患者さんを診ていた経験則からも、非常に理にかなった考え方だと思っています。 脊柱管狭窄症の患者さんではありませんが、実際にパワーリフティング(重たいバーベルを持ち上げる競技)の全国大会などに出ている選手を一時期何人も診させていただいた経験がありますが、普段は100キロ以上のバーベルを軽々と持ち上げる人々が次々と体を痛める出来事がありました。 あまりにも同じジムに所属している人のケガが続いたので、どんなトレーニングをしているのか聞いてみたら、痛めた人は皆同じトレーニングをしていたんですね。 そのトレーニングとは20~30キロほどの重りを持って、斜め上前方向に持ち上げるというトレーニング内容でした(名前忘れました) 人間の関節はてこの原理で力を発生させています。 てこの原理というのは支点より作用点が遠くなれば多くの力が必要になり、近ければ近いほど少ない力で作業が行えます。 少し難しい話ですが、人間の体で言い直しますね。 簡単に言えば自分の立っている位置や座っている位置より遠くで作業をすればするほど、支点になる腰には負担が大きくなり、近くで作業をすれば負担は少なくなるという事です。 つまり何か作業をする時は、できるだけ作業をする場所に近づいて作業をすれば体への負担は減らせます。 逆に遠ざかれば遠ざかるほど、関節への負担は大きくなるという事ですね。 先ほど説明したトレーニングは、斜め上前方向に重りを持ち上げるトレーニングであり、自分の位置からは遠ざかっていく動作ですので関節に加わる負担は非常に大きいんです。 (更に肩の関節の構造上、斜め上に腕を持っていくのは腕が肩関節から抜ける方向の力であり負担は大きいんです) その人達は普段であれば100キロ以上のバーベルを軽々持ち上げる筋肉の怪物達な訳ですが、その五分の一程度の重さのトレーニングであっても、動作の方向性に問題がある場合は簡単に関節を壊してしまうといった良い例だと思います。 つまり、どんなに筋肉を鍛えた所で、関節の構造上にそぐわない方向の力が加わると人間の体は簡単に壊れてしまうんです。 そのため、筋肉を鍛えれば脊柱管狭窄症の痛みを感じにくくなるという事はないと思いますし、今現在脊柱管狭窄症の痛みを抱えている人は筋肉を鍛えたら脊柱管狭窄症の症状が改善するという事も考えにくいです。 脊柱管狭窄症の人が筋トレを行う危険性 ここまでは、筋力トレーニングが脊柱管狭窄症の痛みの改善にはあまり意味がないという事を説明させていただきました。 まだ意味がないだけならいいんですが、 筋トレには脊柱管狭窄症の症状を悪化させる危険性があるんです。 ここからは、その筋トレの危険性について説明させていただきます。 まず筋トレとはどういった理論なのかを簡単に説明させていただきますね。 筋肉に負荷や負担がかかると、その筋肉がダメージを受け筋繊維が損傷してしまいます。 その損傷した部分を修復する時に、同じ様な負荷や負担がかかっても次回からは壊れないようにより強い筋肉がつくられます。 このメカニズムが、一般的にみなさんも知っている筋トレのメカニズムです。 そして 負荷や負担が大きすぎると怪我などに繋がるわけです。 ここで覚えておいて欲しい点は1つ。 筋トレというのは、わざと負担や負荷を体にかけるという事です。 ではその点を踏まえた上で、脊柱管狭窄症など体に痛みを抱えている人が筋トレをした場合を考えてみましょう。 脊柱管狭窄症の症状で苦しまれている人の症状にはかなり個人差があると思います。 ですが、多くの症状の中にある共通点があります。 その共通点とは、 通常なら何でもない日常動作の中に、痛みを感じるという事です。 言い方を変えれば、普通の状態ならなんでもないような立ち上がったり歩いたりといった弱い負担や負荷が体にかかっただけで、痛みが出る状態になっているという事です。 ご存知の人も多いと思いますが、脊柱管狭窄症とは神経が通っている脊柱管の変形によって中の神経を圧迫してしまい発生する疾患です。 この脊柱管の変形部分には常に強い炎症反応が発生しています。 炎症とは組織が損傷した時に発生する物質で、痛みの情報を脳に伝える事から発痛物質とも呼ばれています。 炎症は組織の損傷部分に発生する物質ですので、背骨や軟骨などの変形部分には通常よりも強い炎症反応が発生しやすくなっているんですね。 この炎症は近くの神経を興奮させて感覚を過敏にさせる特徴を持っています。 感覚が過敏になると、普段であれば負担になりにくい弱い負担や動作でも痛みが発生しやすくなります。 感覚が過敏になるという事は、簡単に言えば、通常よりも負担を感じやすい体になってしまっているという事です。 この様に日常生活の中のわずかな負担や負荷だけで、痛みを感じやすい状況になっている人に筋トレをすればどうなるか? 答えは簡単です。 より症状が悪化します。 筋トレは多くの場合、日常生活よりも体にかける負担や負荷は大きいですから。 スクワットや腹筋運動、もしくは他の筋力トレーニングでも工夫をすれば、かなり体への負担を減らして行う事は勿論可能です。 ただし、日常生活のわずかな負担や負荷でも、痛みを感じるような状態の人にとっては、そういったかなり気をつかった筋トレであっても負担や負荷は大きすぎます。 そして、そもそも上記で説明させていただいた様に、筋力の強さが体の症状の改善に繋がるとは思えません。 こういった事などが私が考える筋トレの危険性です。 実際に脊柱管狭窄症の症状を改善するために一生懸命スクワットや腹筋などの筋トレをして、症状を重症化している人も珍しくありませんので気をつけて下さいね。 スポンサーリンク 脊柱管狭窄症から発生している症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的 ここまでは、脊柱管狭窄症の人が腹筋やスクワットなどの筋力トレーニングを行う危険性について説明させていただきました。 もしあなたが現在感じている症状が脊柱管狭窄症が原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院などで行われているマッサージや治療では改善しにくい症状のはずです。 実は脊柱管狭窄症の症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。 脊柱管狭窄症のように、背骨の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。 炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。 感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。 つまり、こういった症状の方にマッサージやバキボキするような、比較的強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。 どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。 (そちらの方が患者ウケは良いと思いますので) 逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。 脊柱管狭窄症のように、骨や軟骨の変形や神経の圧迫が痛みに大きく関わっていたとしても、その症状には筋肉の緊張状態や炎症の有無も痛みにはかなりの部分で関わっています。 強い刺激で行う治療では、強い炎症による過敏性が邪魔をして改善する可能性は低いと思いますが、弱い刺激で行う治療であれば、しっかり周辺の筋肉を動かし、血行を促進する事が出来れば炎症や筋緊張は軽減して症状が改善する事も珍しくありません。 弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。 もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。 症状によっては限界もありますが、私は脊柱管狭窄症の治療をそれなりに得意にしていますので。 以上で「脊柱管狭窄症の人が腹筋やスクワットなどの筋トレを行うリスク」のページの説明を終了させていただきますが、下記に脊柱管狭窄症に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。 おすすめ記事 スポンサーリンク 脊柱管狭窄症に関しての記事.
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