坐骨神経痛の症状とは? 腰痛と坐骨神経痛の違いは? 腰痛と坐骨神経痛は間違えやすいといわれています。 違いは何なのでしょう? 腰痛は、腰とお尻部分に痛さや重さなどの症状が出ますが、坐骨神経痛は、腰やお尻のほか、下肢の痺れやつっぱり感が出ます。 腰痛と共に症状が出る場合もありますので、自分の痛む部分を注意してみましょう。 坐骨神経痛のセルフチェック 代表的な坐骨神経痛の痛みは下記のような症状です。 もし気になることがあれば、自己判断はせずに医療機関に受診しましょう。 お尻や脚の片側、もしくは両方の脚に一定の痛み、またはしびれがある。 少しでも動かしたり歩いたりすると、脚の痛みやしびれからすぐに立ち止まってしまう。 腰や脚を動かすことで痛みやしびれが激しくなる。 安静にした状態でもお尻や脚が痛む• 脚だけでなく、腰の部分まで痛みを感じたり、しびれたりする。 痛みやしびれ以外にジリジリと焼けるような痛みがある。 立っているだけで痛み出し、立つことが困難である。 お尻が痛かったり、しびれたりして座っていられない。 身体を曲げると痛む• 立ち上がるときに痛みを感じる• 脚の筋肉の左右差がある。 足の裏にもジリジリするしびれがある。 足の裏の皮膚の感覚が鈍くなる。 症状の進行 坐骨神経痛の痛みには初期の段階から痛みが進行すると何か違いが出るのでしょうか? 初期症状 腰やお尻の内側に軽いしびれや違和感を感じる。 痛みは時々感じる程度が多い。 中期の症状 下肢、太ももの裏側や膝の裏側に違和感を感じたり、しびれや痛みを感じるようになる。 末期の症状 足の指先までしびれるようになる。 同時に下肢にしびれを伴う痛みを感じるようになる。 坐骨神経痛の原因は? それでは、具体的に坐骨神経痛の原因となっている疾患についてみてみましょう。 腰椎椎間板ヘルニア 20代から30代の男性に多く、特に重たいものなどをよく持ったりする肉体労働の多い職業の人やいつも同じような姿勢で仕事をしている人に多く発症します。 背骨(脊椎)は、椎体という骨で構成されていて、この椎体という骨の間には骨の摩擦を防ぐクッションの役割をする椎間板という軟骨が交互に積み重なっています。 椎間板の中にはゼリーのような状態の髄核という部分があります。 椎間板ヘルニアは、同じ姿勢を繰り返したり、長時間同じ姿勢でいることや、急に重たいものを持つなどの行動から、この椎間板の中の髄核が押し出されたり、椎間板がずれて飛び出してしまい、近くの神経を圧迫したり、刺激したりすることで起こる症状です。 そして症状が腰の部分や背骨に近いところで起こるのが腰椎椎間板ヘルニアです。 治療が早ければ、2ヶ月程度で症状が治まってきますが、重症になると生活習慣や行動などを見直すなど、根気強い治療が必要です。 腰椎すべり症 40代から50代に多い疾患です。 このような状態になると、長時間の歩行が困難になります。 椎間板が弱くなり、腰を支えられず、腰骨が前や後ろにすべる形でずれる疾患です。 このような状態になると、脊柱管という部分を圧迫し、痛みやしびれなどの症状を発症させます。 まれにぎっくり腰のような強い痛みを感じることもあります。 椎間板の衰えや変形が原因のことが多いので、時間が経つにつれ、徐々に痛みが大きくなり、症状も進行していくような形です。 変形性腰椎症 筋肉の衰えや過剰な動きなどによって、腰骨に押し物されるような形になり、椎間板が変形し、骨が増殖し、まるでとげのような形に変形し、神経を刺激することでしびれや痛みを発症することがあります。 これを変形性腰椎症といいます。 50代から60代に多く発症し、しびれや痛みから動くことを控えるようになります。 その結果筋肉までも衰え、骨の変形に拍車をかけるような形になります。 痛みと相談しながらも筋肉を衰えさせないトレーニングや体幹トレーニングをすることで進行を遅らせることが可能です。 治療は、重症になると、手術になります。 腰部脊柱管狭窄症 脊柱管とは、背骨の真ん中にあり、脳から背骨に沿って伸びている神経を守る背骨の隙間のことをいいます。 この脊柱管が加齢や先天的な原因などによって、狭くなり神経を圧迫し、痛みやしびれなどの症状を引き起こします。 これを腰部脊柱管狭窄症といいます。 変形性腰椎症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニアが同時進行した場合もこのような症状を発症します。 椎間板が飛び出したり、変形したり、または滑り出した椎間板の髄核が、近くの脊柱管を圧迫し狭くなることで、刺激になり、痛みやしびれが起きます。 この場合は多くが腰には痛みが出ずに、太ももや膝下にしびれを感じます。 そのため、しびれのある部分を解消しようとマッサージなどをしても解消されることはなく、治療には、根本的な治療、つまり椎間板の問題を解決しないと痛みやしびれも解消されません。 上記のようにいくつもの疾患の重なりで起こることが多いため、50代、60代以上の人に多く発症し、重症になると、歩行が困難になります。 また稀に身体の一部でマヒが起こります。 梨状筋症候群 梨状筋とは、仙骨と太ももの外側の付け根をつなぐ筋です。 この梨状筋が疲労や姿勢の悪さなどで血行不良になり、固まり、神経を刺激し、痛みやしびれを起こすものです。 お尻の上のほうやお尻の外側のくぼみの周りにしびれを感じることが多いです。 この症状は、若い人から高齢まで誰でも発症する可能性があります。 またスポーツで発症することの多い症状でもあります。 仙腸関節障害 仙腸関節とは、骨盤にある仙骨と腸骨をつなぐ関節のことです。 姿勢の悪さや運動不足などの原因で関節の機能がきちんと働かず、急に立ち上がったり、急に歩き出すときに痛みを感じることがあります。 発症に年齢は関係ないといわれています。 筋肉の緊張 筋肉の緊張でも痛みやしびれを発症します。 お尻や太ももなどの筋肉のコリが原因で腰周りやお尻に痛みやしびれを感じます。 妊娠 妊娠によるホルモンバランスの崩れや体重の増加によって、身体の重心にズレを生じ、腰に負担をかけ、痛みやしびれを発症することがあります。 瘢痕組織 筋肉が傷つくと、その損傷した部分が元通りになる過程で、発達するとき、まるで芽のように発達します。 これを瘢痕組織といいますが、それが神経を圧迫し、しびれや痛みを引き起こすことがあります。 脊髄腫瘍 まれに脊髄内に腫瘍ができ、その腫瘍が原因で腰の神経を圧迫し、しびれや痛みを引き起こすことがあります。 感染症 まれに腰の辺りに菌やウィルスが入り込んで感染症を引き起こし、これが原因で痛みやしびれを引き起こすことがあります。 精神的要因 過剰なストレスや精神的な疾患を患うことで、腰のあたりや下肢4に坐骨神経痛のようなしびれや痛みを引き起こすことがあります。 この場合は、神経の圧迫やズレなどの物理的な原因でないため、治療には、心療内科や精神科などで適切な治療を受けることが大切です。 また日常生活でストレスの原因を取り除くなどを行うと症状が軽くなります。 その他 そのほかにも、尿路結石や子宮や卵巣の疾患、または骨髄腫などの重大な疾患が原因でも坐骨神経痛のような症状があらわれます。 下肢のしびれや痛み、又は腰の痛みなどが一週間以上続くようなときは医療機関に受診するようにしてください。 坐骨神経痛の治療方法 坐骨神経痛の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか? 薬物療法 坐骨神経痛と診断された場合、多くがまず薬物療法を行います。 痛み止めの消炎鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげるための筋緊張弛緩剤、または血流を良くして症状の緩和を促す血管拡張剤などの薬剤を処方されます。 神経ブロック療法 神経を圧迫する痛みの場合は、局所麻酔薬によって、神経に刺激が行かなくなるようにブロックする方法がとられることがあります。 主に整形外科や麻酔科、ペインクリニックを受診した場合に行われる処置法です。 理学療法 比較的軽い症状や他の治療法と平行して行われる方法です。 軽い運動やマッサージなど、身体機能の改善や代謝機能を促す目的の治療法です。 認知行動療法 痛みを引き起こす行動を知り、また痛みについての間違った認識を改め、日常生活で身体に負担のかからない方法を知り行動する治療法です。 脊髄(脳)刺激療法 脊髄の近くに電極を埋め、電気信号を送ることで脳を刺激し、痛みを取り除く治療法です。 初期の薬剤療法やそのほかの治療法で効果が見られない場合に行われることが多く、また多くが脊柱管狭窄による坐骨神経痛の時に行われます。 外科的療法 さまざまな治療法で効果があまり見られない場合や、直腸や膀胱など内臓に障害がある場合は、手術が行われる場合があります。 坐骨神経痛の予防や改善 坐骨神経痛は、普段の生活習慣を見直すことで症状の改善や予防することができます。 すでに症状のある場合は、担当の医師に相談し、無理せずに行いましょう。 予防のためにも無理はせず、出来るところから行いましょう。 筋肉のコリを招きます。
次の文/川口陽海 病院では医師から、『腰痛を治すには運動しましょう!ストレッチが良いですよ』などのアドバイスをされることがあります。 しかし、どんな運動やストレッチが良いのか具体的な指導がなく、わからなくて困った経験はありませんか? また、WEBで検索するとたくさんの記事や動画などが出てきて、どれが自分に合うものか、やってよいのかどうかわからず、さらに混乱してしまいます。 下手にやってかえって悪化してしまうのも怖いし、はじめるのに躊躇してしまうかもしれません。 そのお気持ちは良くわかります。 ひと口に腰痛・坐骨神経痛と言っても、人によって症状は千差万別ですから、どのようなストレッチが適しているのかは文字通り一人ひとり違うのです。 筆者のでは、一人ひとりの症状にあったストレッチやエクササイズを指導していますが、どのようなストレッチが適しているか、次のような基準で判断しています。 1.痛みが出る部位 2.痛みの出る動き、痛みがやわらぐ動き 3.ストレッチをしている時や、した後の感覚 この3つです。 このうち 1.痛みが出る部位 と 3.ストレッチをしている時、した後の感覚は、腰痛の方自身でも判断ができると思いますので、今回はその方法をお伝えしたいと思います。 なぜストレッチで腰痛・坐骨神経痛が改善するのか? そもそも、なぜストレッチで腰痛や坐骨神経痛が改善するのでしょうか? 腰痛や坐骨神経痛の原因には様々なものがあります。 例えば、病院では椎間板ヘルニアや腰椎分離すべり症など、背骨の異常や神経の圧迫が原因とされることがあります。 しかしそれ以上に多いのが、実は筋肉が原因の腰痛です。 過労や長時間同じ姿勢で座りっぱなし、または立ちっぱなし、睡眠不足、運動不足、ストレスなどがあると、筋肉がこり固まって血行不良をおこし、痛みをおこします。 これが腰や骨盤の周囲、脚などの筋肉におこると、腰痛や坐骨神経痛となるのです。 例えば、脊柱起立筋という背骨を支える筋肉がこり固まってしまうと、下の画像の赤いエリアのように、腰や殿部(お尻)に痛みをおこすことがあります。 本連載ではおなじみですが、このような筋肉由来の痛み症状を『筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん)』といいます。 ストレッチでこり固まった筋肉を伸ばし、ゆるめると、この『トリガーポイント』がゆるみ、血行が回復します。 そのために痛みが改善するのです。 『』について詳しくは、以下のページをご覧下さい。 ストレッチをしている時、した後の感覚 ストレッチをしている時、また、した後の感覚により、そのストレッチが適しているかある程度判断することができます。 このような感覚が生じる場合は、ストレッチをおこなわないでください。 ストレッチをする際の注意 ストレッチを安全に効果的におこなうためには、いくつか注意するべきことがあります。 ストレッチをする場所 ・安定した平らな場所を選び、リラックスした服装・姿勢でおこなってください。 ・布団やベッドの上では危ない場合があります。 無理に行なわない ・ストレッチは自分の身体の硬さにあわせておこなってください。 ・これからご紹介する画像などと同じようにできなくても構いません。 ・無理に行なうとかえって痛みが悪化してしまう場合があります。 以上の注意事項を良く理解しておこなってください。 それでは具体的なストレッチをご紹介していきます。 腰部の痛みを改善するストレッチ 腰部(ベルトラインの上)に痛みがある場合、原因になる筋肉とそのストレッチ方法には、次のようなものがあります。 【脊柱起立筋とそのストレッチ】 このような腰部の痛みを改善するストレッチは、以下のようにおこないます。 イスなどに腰かけ、脚をやや開きます。 膝の間に頭を入れるようにして、上半身を前に倒していきます。 この時に、背中は大きく丸めず、股関節から体を倒すようにしてください。 図では手のひらを床につけていますが、そこまでできなくても可能なところまで前に屈めてみましょう。 そのまま力を抜いて深呼吸しながら、30秒~1分ほどストレッチします。 そしてゆっくりと上半身をおこして戻ります。 これを2~3回繰り返します。 この動作をすることに怖さがある場合は、少しずつゆっくりやってみてください。 【腸腰筋】 このような腰部の痛みを改善するストレッチは、以下のようにおこないます。 軽く足を開いて立ち、骨盤に手を当て、骨盤を前に押し出すようにしながら身体を軽く反らし、ゆっくり戻します。 この時に、腰だけを反らさずに、脚から身体全体を反らすような意識でおこないます。 はじめは小さく反らすだけで良いので、楽~に軽く何度か繰り返してみましょう。 やっているうちに段々大きく反らせるようになるかもしれませんが、無理せず気持ちよい程度におこなってください。 この動作をすることに怖さがある場合は、少しずつゆっくりやってみてください。 殿部の痛みを改善するストレッチ 殿部(ベルトラインの下)に痛みがある場合、原因になる筋肉とそのストレッチ方法には、次のようなものがあります。 【腰方形筋】 このような部位の痛みを改善するストレッチは、以下のようにおこないます。 仰向けから片膝を胸に引き寄せ、その膝を反対に倒して腰をひねるようにストレッチします。 適度に腰からお尻の筋肉が伸びたところで止め、そのまま力を抜いて深呼吸しながら、30秒~1分ほどストレッチします。 そしてゆっくりと脚を戻して仰向けに戻ります。 次に反対側も同じようにおこなってみましょう。 これを2~3回繰り返します。 この動作をすることに怖さがある場合は、少しずつゆっくりやってみてください。 【中殿筋】 【大殿筋】 このような殿部の痛みを改善するストレッチは、以下のようにおこないます。 足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。 片方の足首を、反対の膝に乗せます。 そのまま上半身を股関節から前に倒します。 背中や腰は丸め過ぎず、胸を脚に近づけるようにしていきます。 適度にお尻の筋肉が伸びたところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。 終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。 これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。 脚(ももの裏側)の痛みを改善するストレッチ 脚(ももの裏側)に痛みがある場合、原因になる筋肉とそのストレッチ方法には、次のようなものがあります。 【ハムストリング】 このストレッチでは、バスタオルなどを使用します。 仰向けになり、バスタオルを片脚のつま先あたりにかけます。 そこからバスタオルを引っ張るようにして脚を上に伸ばしていきます。 適度に腿裏からアキレス腱が伸びたところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。 終わったら脚をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。 これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。 また、膝の裏を両手で持つ方法や、座ってタオルで伸ばす方法などもありますので、次の画像を参考におこなってみましょう。 また腰の痛みをやわらげるストレッチについては、本連載で以前詳しく記事にしております。 よろしければそちらもぜひご覧いただき、参考になさってください。 その他以下の記事で様々な腰痛改善エクササイズをご紹介しております。 ぜひお読みください。 文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。 腰痛トレーニング研究所代表。 治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。 自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。 現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。 【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】 東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301 TEL:03-6457-8616.
次のお尻の痛みなど坐骨神経痛の症状が出たら、原因となる疾患を鑑別する必要があります 「 坐骨神経痛」(ざこつしんけいつう)という言葉は、テレビや雑誌などにも多く登場するので、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 程度は様々ですが、生活に支障がでるほど症状が重くなるケースもあるため、「坐骨神経痛」を経験した人は、「再発は絶対にイヤだ!」と思うことでしょう。 「坐骨神経痛」はポピュラーな名前ですが、原因となる疾患については意外と知られていないようです。 それは、「坐骨神経痛」自体は 病気の名前ではなく、症状に付けられた呼び方だからです。 今回は、あらゆる年齢で起こりうる「坐骨神経痛」と、関連する疾患についてお話しましょう。 <坐骨神経痛の原因…お尻の痛み・太もものしびれの症状と治し方 目次>• お尻が痛い・太もものしびれ・太ももの裏が痛い症状は坐骨神経痛かも 赤色の部分は症状の出る範囲、黄色線が坐骨神経です 「坐骨神経痛で辛くて……」という方に、痛い場所や痛み方を聞いてみると、訴える症状は人それぞれです。 「太ももの前側がしびれていて」「ふくらはぎから足の指先まで痛む」「お尻だけが痛む」などなど。 そして、症状も「ビビーッと電気が走るような」「いつもピリピリしている」「張りが強くてつっぱった感じがする」など、多種多様な表現があります。 これは「坐骨神経痛」の解釈が人それぞれ違うためのようですが、下半身に痛みやしびれ、違和感があるという部分は一致しているようです。 そもそも「坐骨」とは、椅子に座った時に座面に当たる左右のお尻の骨のことです。 このお尻の骨辺りに違和感が出ると「坐骨神経痛かな?」と思ったり、太ももの後ろ側、前側関係なく、太もも以下に症状が出れば「坐骨神経痛になってしまった」と考える人もいるようです。 まずは、「坐骨神経痛」と言われる症状の出る部位を確認しておきましょう。 右上の図を参照してください。 腰部、骨盤部から足の末端にかけて、太くて長い神経があります。 これが「坐骨神経」です。 これだけ長い神経なので、その途中で何かしらの神経への刺激が加わると、この神経に沿った領域に痛みやしびれの症状が出てしまいます。 坐骨神経は、お尻、太もも裏、ふくらはぎなど体の後面を通っているため、お尻から足の指の範囲に症状が出ることが多いのです。 また、坐骨神経は膝の裏辺りで枝分かれしているため、障害を受けている部位によっては、膝より下の外側面辺りに症状を感じることもあります。 【坐骨神経痛の症状チェック】痛みやしびれの程度 坐骨神経は図でわかるように、とても長い神経です。 広範囲に症状を出す可能性があるため、とても重要であることがいえます。 この坐骨神経がどの部分で障害されるかにより、症状の出る範囲や症状も違いますが、下の表に多くみられるものを挙げてみました。 坐骨神経痛がおきている場合、腰部やお尻などに筋肉の緊張がみられるケースも多く、坐骨神経痛に併せて不快な症状を感じる場合もあります。 ほとんどの場合は、片側のお尻や下肢に痛みやしびれが出ますが、両側に症状が出ている場合は早急に病院へ行きましょう。 悪化すると肛門周囲へしびれが生じたり、排尿障害になることもあります。 腰の痛み、お尻の痛み• お尻、太もも裏、足へかけての痛み、しびれ• 体を動かすと痛みやしびれが悪化する(問題のある部位の状態により、前にかがめない、後ろへ体を反らすことが出来ないなど)• 痛みのため歩行が困難になる• 足に力が入らなくなる• 下半身の筋肉の太さに左右差が出てくる• 座っていられなくなる• 足を触ると感覚が鈍くなっている 【坐骨神経痛の原因】考えられる疾患・病気 坐骨神経痛が出るような疾患では、歩行が困難になることもあります 坐骨神経痛自体は疾患の名前ではないため、坐骨神経の痛みが出た場合は、原因になる疾患が何かを調べる必要があります。 例えば、転倒した後に足への痛みやしびれを感じるようになった時のように、坐骨神経痛らしき症状が出たきっかけがはっきりしている場合と、ある日突然に痛み出した時のように、原因が自分でもよくわからない場合があります。 心当たりが無い場合は、最近他に体の不調はないかを思い返し、病院で診察を受ける際に医師に伝えましょう。 以下に、坐骨神経痛に関わる主な疾患を挙げてみます。 坐骨神経痛の原因:椎間板ヘルニアによるもの 椎間板は、背骨を構成している各骨(椎骨)と骨の間にあります。 体への衝撃を吸収するという重要な役割があり、弾力性もあるのですが、この椎間板が負荷によってはみだしてしまうことがあるのです。 この時神経が刺激されると、坐骨神経の通っている範囲に症状を出します。 「」「」などもご覧ください。 坐骨神経痛の原因:脊柱管狭窄症によるもの 神経が通っている背骨の中央にあるトンネルが、主に老化により狭くなってしまうことで症状が出ます。 しばらく歩いていると、腰の痛み、足の方へ痛みやしびれ、つっぱり感が出るようになり、途中で休まないと足が前に出なくなることもあります。 詳しくは、「」「」などもご覧ください。 坐骨神経痛の原因:腰椎の分離 腰椎の分離症は、腰の骨のある部分が切れてしまい、レントゲンで確認することができます。 分離しているからといって、必ずしも腰痛などの症状があるとは限りませんが、問題はこの部分が不安定になった場合です。 分離した状態では、切れた部分からその骨が前方へズレるようにすべってしまい、神経が刺激されると坐骨神経痛や脊柱管狭窄症の症状をおこすことになります。 詳しくは「レントゲンで発見!腰椎分離・すべり症とは」をご覧ください。 すべり症によるもの 坐骨神経坐骨神経痛の原因:梨状筋症候群によるもの お尻にある筋肉の中に梨状筋(りじょうきん)と呼ばれる筋肉があり、坐骨神経はこの筋肉の下を通っています。 ところが、スポーツや仕事などで腰や股関節などに負担がかかり続けると、この梨状筋にもストレスが及ぶことがあります。 梨状筋の状態が悪くなり、坐骨神経を圧迫してしまうと、坐骨神経痛の症状が現れます。 坐骨神経痛の原因:腫瘍による痛みの場合も…まずは整形外科の受診を また、背骨に癌が転移した場合や、背骨の中央を通っている脊髄の腫瘍により、坐骨神経痛を伴う場合があります。 安静にしていても痛みが変わらない、夜間も痛みが続くなど、今までに経験したことのない症状であれば、早めに病院へ行きましょう。 腰の違和感や痛みが続いた後に、坐骨神経に沿った痛みやしびれが出る場合もありますが、「坐骨神経痛かな?」と思ったら、まず整形外科で検査を受けましょう。 レントゲンやMRIで腰の状態を確認することができます。 悪化させると大変なものもありますので、痛みの我慢し過ぎには、注意して下さい。 自分でできる手軽な予防法、対策法は「」に詳しくまとめています。 病院での治療を検討している方は、「」をご覧ください。
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