4月29日、参院予算委員会で立憲民主党の蓮舫参院幹事長(右手前から2人目)の質問に答弁する安倍晋三首相(左)(写真:時事) 全国民も巻き込んだ「アベノマスク狂騒曲」が1カ月も続いている。 全戸へのマスク配布を言い出した安倍晋三首相は「効果はある。 できる限り速やかに配る」と意地を張るが、与党内から「やらなければよかった」(自民若手)との自嘲の声も出る。 結果的に善政のつもりが大誤算となった安倍首相のいら立ちが、コロナショックに対する一強政権の狼狽ぶりも浮き彫りにしている。 マスク配布中止要請に必死の反論 アベノマスク関連の費用も含めた2020年度補正予算は4月30日に成立した。 衆参両院でわずか4日間の審議の中で、野党側は「マスク配布は止めるべきだ」(立憲民主)と繰り返し要求したが、安倍首相は色をなして反論。 その表情には「ここで引いたら、求心力も失う」との危機感がにじんでいた。 安倍首相が全住所への布マスク各2枚の投函を唐突に表明したのは4月1日のことだった。 首相サイドは「すでに介護施設などに配布し感謝されていたとの成功体験が首相の背中を押した」と解説する。 しかし、ネット上では「エイプリルフール?」と揶揄する声があがり、布マスクの有効性への疑問や466億円も税金を投入することへの批判が相次いだ。 配布開始直後には不良品が混入していることが発覚し、配達作業も中断。 「相次ぐ不手際や疑問」(自民若手)が国民的な不興を買った。 政界で「10万円政局」と揶揄された前代未聞の補正予算案の組み替えにより、国会審議は1週間遅れとなった。 論戦の舞台となった4月28日の衆院予算委では、立憲民主の大串博志氏がアベノマスクを厳しく批判し、反論する安倍首相との感情的なやり取りに、委員会室も一時騒然となった。
次の安倍首相は「布マスクは洗剤で洗うことで、再利用が可能なことから、急激に拡大しているマスク需要に対応するうえで、極めて有効だ」と説明したが、費用が「1枚200円程度」(菅義偉官房長官)、全世帯に配布すると単純計算で200億円以上かかることから、疑問の声もあがっている。 そんななか、安倍首相と太いパイプを持つ政治ジャーナリストの 田崎史郎氏が3日放送のテレビ番組『 とくダネ!』(フジテレビ系)に出演し、今回の政策について説明した。 まず田崎氏は、「安倍総理の周辺で考えて、政府にマスク班ってありましてね。 40人ぐらいの官僚の方々が集まっているチームがあるんです。 経済産業省とか厚労省とか総務省で。 そこで考え出したアイデアなんです」と背景を説明。 さらに以下のように政策の意義を強調した。 「1、2カ月すれば4枚、6枚と増やしていけるんです。 だから1、2カ月先の4枚か、今の2枚かという判断がひとつある。 そもそも布製マスクは介護施設や障害者施設に配布しまして、来週は小中学校に配るんです。 そこから一般の方に配っていくってことなんです」 「布製マスク、嫌だっていう方、いらっしゃるかもしれないのですけど、サージカルマスクはまず医療機関に渡さないといけない。 医療機関で足りない状況を解消しないといけない。 今マスク需要が非常に多くて、1人1カ月に30枚使うとすると1億2000万人いますから36億枚必要なんですね。 そういう需要が生じているんです。 需要を減らす効果を狙っているんです」 田崎氏の説明を受け、全国紙記者は語る。 医療機関への支援についても、欧米では大胆な人員投入策や多額の資金投入を打っていますが、日本では目立った支援策が聞こえてきません。 しびれを切らした日本医師会から、勝手に『医療危機的状況宣言』を発表されてプレッシャーを受けるという始末です。 そもそも医療機関などへのマスク配布と全世帯への配布は、まったく別の話で、たった2枚だけを200億円以上の税金を投入して配布することに意味があるのかということで、世論から批判を浴びているわけです。 感染症対策の第一人者である(神戸大学病院感染症内科教授の)岩田健太郎医師をはじめ、多くの専門家が今回の政策に疑問を投げかけているとおり、場当たり的な印象が否めません」 また、厚労省関係者も「今回の首相の措置はどちらかというと、感染症拡大に不安を抱いている国民の皆さんに安心してもらいたいとの考えだったのではないかと思います。 マスクをすることで感染拡大を防ぐ意識をもってもらいたいという意味もあると思います」(2日付当サイト記事より)と、国民の精神面を意識した施策との認識を示している。 「政府広報官じゃないよね」 田崎氏といえば、安倍首相とは頻繁に会食などを共にする関係で、メディアでも安倍政権を擁護する場面が多い論客としも知られているが、『とくダネ!』の発言に対して、インターネット上では次のような声が上がっている。
次の電機メーカーのシャープが生産を開始するなどマスクの国内製造の増産が進んでいる一方、急速な需要の拡大で店頭では品薄の状態が続いている。 対策本部での安倍首相の説明によると、3月中には全国の医療機関に1500万枚の医療用マスクを配布。 4月の第2週には追加で1500万枚を配布する予定だ。 高齢者施設、障害者施設、全国の小学校・中学校向けには布マスクを確保し、順次必要な枚数を配布する。 その上で、5月にかけて布マスクをさらに1億枚を確保するめどが立ったことから、4月の第2週に決定する緊急経済対策に、布マスクの買上げを盛り込み、全世帯に2枚ずつ配布することにしたという。 安倍首相も「世帯においては必ずしも十分な量ではなく、また、洗濯などの御不便をお掛けします」と述べていた。 また、布マスクの効果について疑問視する声も出ており、WHO(世界保健機関)も新型コロナウイルスに関して「綿やガーゼなどの布マスクは、どんな状況であれ勧めない」と文書で。 安倍首相は近く緊急経済対策をまとめると宣言しているが4月1日の、参院決算委員会で現金給付について「国民全員に一律に行うのではない」と。 そのため、現金の一律給付を期待していた人々を中心に、マスク配布に激しく反発する声が出ている。 ・モデルのゆきぽよさん 「その税金を現金で困ってる人にあげた方がプラスになる」.
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