[いつ読んだ] 4~7年前に、中学か小学の教科書で [あらすじ] ロシアの軍人と馬の話 最後に馬が死にます [覚えているエピソード] 川か滝のほとりで馬が死ぬシーン。 馬の尾から七色の雫が滴る、世界が青い、というような美しい描写。 たしかタイトルも「子馬」でした。 文学に親しむきっかけの作品でずっと探していたので、わかってすごく嬉しいです。 本当にありがとうございました。 68 : 小説.物語 要約・抄録 中学校就学前の児童にも最適。 「あの坂をのぼれば」「爪王」「鼓くらべ」「くるみ割り」「子馬」「最後の一句」の6作品を収録。 ndl. 3 : 叢書.全集.選集 対象利用者 児童 資料の種別 図書 言語(ISO639-2形式) jpn : 日本語 世界短篇文学全集〈第12〉ロシア文学 20世紀 1963年 - — 古書, 1963 奥野 信太郎 著 表紙画像有り タイトル 世界短篇文学全集 著者 奥野信太郎 等編 出版地 東京 出版社 集英社 出版年月日等 1963 大きさ、容量等 414p 図版 ; 20cm JP番号 58005375 DOI 10. jp2 投稿日: 作成者 カテゴリー , タグ , , ,.
次の過去を克服するためには未来が必要なのではないか。 アンドレイは愛する妻や子を失い、自身も捕虜としてドイツ軍に従事することで、人間として尊厳を徐々に失っていく。 「p50しばらくの間、習慣で頭をすくめたものだ。 殴られはしないか、とでも思うようにね。 つまりドイツの収容所が、そんなくせをつけたわけさ…」過去に捉われた彼が出会った戦争孤児の少年。 この少年がアンドレイにくっついて離れようとしないのもまた、彼もまた心に傷を負っているが故だろう。 アンドレイも少年も、お互いがお互いに未来を見ていたのかもしれない。 アンドレイは妻に対して辛くあたることもある。 けれども心の奥底では妻を愛しく思う、この二面性。 他の作品、『子持ちの男』(止むに止まれず息子を殺す父親)や『るり色のステップ』(孫が目の前で犠牲になった過去を語る老人)でも、描かれるのは妻や息子など肉親に対する激しい暴力性と、それとは真逆の優しさだ。 戦争という非常事態でこそ、この二面性が強く現れるのだろうか。 それともこの二面性こそが、ロシア人の本質を表しているのだろうか。 ところで所々に出てくる「仕えただから」とか「飲むといいだ」とかは、方言を表しているのだろうか?(というか、田舎といったら何故東北っぽい言葉を使う?)原文は分からないが、仮に田舎であることが分かるような書かれ方だとしても、こんな言い回しは却って不自然でなんだかイマイチ。 これは嬉しい文庫の新版です。 初版が1960年ですから、約50年ぶりと言うことになりますね。 ナショナリズムとの関連で語られることの多いショーロホフ(旧ソ連の文豪。 ノーベル文学賞受賞)ですが、社会科学と違って、文学には、流派はともあれ、人間そのものを見つめる姿勢があることを本短編集から感じました。 共産主義や原理主義的宗教にありがちな人間に優越するイデオロギーは、微塵も感じられませんし、もちろん「断罪」もありません。 決して繊細ではありませんが、ロシア文学に通底するごつごつとして素朴な人間像がそこにはあります。 あのソビエトでよくぞこのような文章が書け、また、大衆や党執行部が受け入れたとしみじみ思います。 人間は悪にも正義にもなりうること。 良心の呵責はどこまでも背負わなければならないこと。 決して読みやすい小説ではありませんが、体当たりする価値のある作品集だと思います。 ノーベル文学賞作家、ショーロホフによる短編5編。 (ちなみに「静かなるドン」とか書いてる作家。 表題の「人間の運命」、 「夫の二人いる女」 「子持ちの男」 「るり色のステップ」 「他人の血」の5編。 すべてがすべて、ハッピーエンドなわけじゃない。 基本的に、きれいな描写でもない。 でも、すべて読み終わった後に、きれいな爽快感。 ・・・・爽快感というより、「うん。 」ってうなずける、すっと入ってくる。 中でも、「子持ちの男」が1番好きです。 ロシアという国や、共産党といった特殊性は正直、わかりません。 でも、この小説では、 その土地を愛すること、 何が自分にとって譲れないものなのかを、 疑似体験とまではいかなくても、のぞくことはできることはできると思います。 米川正夫氏、漆原隆子氏の訳も素敵です。 無人島に、1冊持っていくなら、この本かもしれません。
次のノーベル賞作家のショーロフの短編集。 ロシアの自然を描くこの作家の筆致は匂い立つように美しい。 読んでいると、まるで彼の地に立って、ドン川の流れを聞きながら、濡れた土の匂いを嗅いでいるような心地になる。 そ ノーベル賞作家のショーロフの短編集。 ロシアの自然を描くこの作家の筆致は匂い立つように美しい。 読んでいると、まるで彼の地に立って、ドン川の流れを聞きながら、濡れた土の匂いを嗅いでいるような心地になる。 それと対照的なのが政治と軍隊で、本来はそんなものにはあまり関係がない農民たちの生活を飲みこんで、破壊してしまう。 自分の家族を皆殺されてしまい、戦争孤児との出会いによって救われる男を書いた表題作が一番心に残った。 戦争で独りぼっちになってしまった二人が肩を寄せ合って生きていく姿に、ショーロフの人間愛を感じる。 これだからロシア文学はやめられない。 佐藤優さんの解説が目当てで読んでみたのですが、素晴らしい内容でした。 これを読むと子供を虐待なんて出来なくなると思います。 軍に命令されて我が子を大衆の前で…なんで運命 これだからロシア文学はやめられない。 佐藤優さんの解説が目当てで読んでみたのですが、素晴らしい内容でした。 これを読むと子供を虐待なんて出来なくなると思います。 軍に命令されて我が子を大衆の前で…なんで運命はこんなに残酷なのだろうか。 何故私達の大切な物を奪ってしまうのか。 辛いだけの人生はざらにあるし、結局人生に意味なんて無いのだろうと改めて感じた作品でした。 逆に言えば、意味のあるものにしようと足掻くことが人生であると言えるのかもしれません…渇いた人生観ですみません。
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