非研究者の同僚から「 って何? 」と聞かれたことがあります。 終わってしばらく経ってしまったけど、同僚が見たのはくんのブラックペアン。 そう、ドラマでは佐伯教授と西崎教授がを争っていましたね。 論文掲載を争っていたのは「日本外科ジャーナル」。えーとまあここに関しては... 和雑誌なんてがとても低いので、その掲載を争うか? 争うなら海外一流誌への最初の投稿でしょう? 両教授の持っている 70点台 が低すぎるよ? 577、Scienceが41. 052。 これはとっても高いIFです。dneuroがこの前学生さんと一緒に書いた論文はNeuroscience Letter誌に掲載されましたが、同誌のIFは2. 159。 Natureのざっくり20分の1ですよ。IF稼ぐとしたら効率が悪い. 研究者はそのレベルが、自分の名前の掲載された雑誌のIFの総数で判断されたりしますが、NatureやScienceに一本でも載せることができたら、ちまちまIFの低い雑誌に何本も論文を掲載することよりも一気にIFを稼ぎ出すことができるのです。 図は、dneuroの精神科分野におけるIFトの私的感覚です。雑誌に掲載されたときのIFに応じての気持ちも書いておきました。目安ですけどね。 は絶対の指標か? 例えば、医学部の教授選では候補者のIFの高低が選考の指標になったりしています。実際他分野の人間にとってはどの雑誌に載ったのか、とか論文タイトルとその内容から、論文の質を判断するのはとても難しいというか事実上不可能なので、IFってわかりやすいんです。 でも、この、その多さのみで研究者としての価値が測られると実は危険です。 IFの弱点とはなんでしょう? 雑誌にとっては、 ・研究者人口がいない分野では高くならない 優秀な論文でも引用回数が少ない ・創刊間もない雑誌では不利 まだ引用数少ない。逆に今IFが低い雑誌でも成長していくことがある ・雑誌側はIF上げたければ自雑誌掲載の論文引用を著者に促したり、掲載論文数を少なくしておくことで一定の操作が可能 ・IF上げたくても、掲載論文数が多ければ、個々の論文の引用回数が減るので、上がりづらい 1つ1つの論文としては ・論文の質は担保されない 単にIFが高い雑誌に載っただけ ・IF高い雑誌に載っても間違いはある 小保方論文とか ・業界では信用があったり、意義が認められてたりで価値が高いのにIF低いので他分野や非専門家に価値をわかってもらえない などでしょうかね。 要は IF高い雑誌だから価値が高いとか、論文の質が良いと判断するのは早計ってことです。 医学系では、例えば循環器 心臓 分野にはIF高い雑誌が沢山ありますが、研究者数が少ない学とか、論文が専門的過ぎて引用しづらい科などではそもそもIF高い雑誌が少ない、ということにもなります。渡海くんの外科手術の分野もそんなに高くはありません。手術の技術的論文を読む人は限られているからね。 研究者的にはIFが高いことだけ狙ってもしょうがないことは自明の理であって、IFが低い雑誌でも載せた論文は高度に専門的で、自慢できる論文があったりするのですが、それでもIF高いに越したことはないよな、と ジレンマに悩むわけですよ。 の調べ方 さてさて、そんな研究者の気持ちを揺さぶるを調べたいときにはこちらをどうぞ。 気になる研究の載った雑誌名 英語 を入力すればOK。 結果に関しての注意は書いた通り。 でもやっぱ高いと嬉しいんだよな... という正直な感想を言うのはちょっと恥ずかしい。 IF以外の指標はないの? 色々書いた通りIFで研究者や論文を評価するのはマズイと誰もがわかっているので、他にも考案されてます。詳しくはこちらなんか。 でもね、中々普及しないんですよね。ほどのトが名称にないし、分かりづらいんだろうなと。 ちなみに、研究者自身の評価を探る指標としては、 h-index なんてのもあります。 研究者の、Research Gateで調べると、どうやらdneuroは19です。 これは、19回以上引用された論文が19本はある、ということらしいです。20回以上引用された論文は19本未満、と。 どうなんだろう、少しは誇っていいのか、大したことないって思われるのか、全然だめなのか、さっぱりわからない。 まあ人の客観評価なんてそもそも難しいのです。 世の中には、強烈に頭が良くて、みんなから尊敬されているけど、自分の論文はさっぱり発表しない研究者もいるのですから... 。 最後に研究者の、Research Gateはこちらから。知っている有名研究者を探してもいいかもしれません。.
次のIF1~2点~:研究業績欄の点数稼ぎ インパクトファクター1点や2点は、生命科学・基礎医学の分野では、あんまり意味のある研究業績として認識されないです。 もちろん低いインパクトファクターでも、ないよりある方がいいですし、若手の場合は元々の研究業績が少ないはずなので、IF2以下の相対的な価値は本人にとって高いと思います。 ただ、普通の教授は学生やポスドクがこのレベルの雑誌に投稿することを喜びません。 たぶん協力してくれないでしょう。 大学院生に学振を取らせてあげるつもりの優しい教授なら、IF1~2点の雑誌を代筆してあげるかもしれませんが、それなりに上手く研究室を運営している教授であれば、投入労力に対するインパクトが低すぎるので、このレベルの雑誌への論文投稿に時間を割くモチベーションがありません。 普段の研究生活でIF1~2点の雑誌の論文を読むことも多くないと思います。 感覚的に言えば、IF1~2ランクでは、「 実験してデータを出しているけれども、何が言いたいのかわからない・どういう意味があるのかわからない」研究が多いです。 研究の詰めが甘いことも多々あるので、読むメリットもあまりないし、特に、研究始めたての若い学生はあんまり読まない方がよいと思います。 IF4~6点~:それなりのまとまった研究 狭い研究分野の範囲であれば、インパクトファクター5前後の雑誌が分野トップだったりします。 そういう雑誌は、研究分野が近ければとりあえず目を通したりします。 一部の大御所の先生で、このレベルでもゴミ論文扱いする人もいますが、そういう人は例外と考えてよいと思います。 「 研究分野のコミュニティー内では読まれる」論文なので、最低限のやりがい・仕事の価値はあると思います。 IF5以上の論文を若いうちから(自分のアイデアで)量産していたら、とりあえずポスドクとしては最低限の研究能力はあると認識されると思います。 PIになるには全然足りないです。 IF9~14点~:何らかの新しさのある研究 インパクトファクターが10点前後になると、他分野の人にも読まれたりする研究になります。 このレベルになると、 何かこれまでと異なるコンセプトとか、新しい考え方の提案などが必要になります。 IF5前後の雑誌にありがちな、単にパズルの穴埋めしたような研究ではなく、意外性のある発見がしばしば含まれます。 論文にはある程度のストーリー的な面白さも必要です。 このレベルの雑誌を継続的に発表していたら、将来路頭に迷う危険は少ないんではないでしょうか。 平均的なコミュ力・事務力・授業力etc. があれば、地方大マイナー科目の任期なし雇用(万年講師)などは狙えると思います。 ただ、将来にわたって、教育などでなくて研究を本職とするためには、IF10程度の業績でも足りないです、残念。 IF20, 30, 40点,:アカデミア勝ち組の研究 このランクの研究は、私には雲の上の世界です。 ネイチャーやサイエンス誌に載るのは、分野外の人も面白いと感じる研究成果です。 生命科学系であれば、「もしも本当だったら面白いね」っていう、高いストーリー性の創造的論文が多いです。 怪しい論文も多いけれども、とりあえず自然科学の流行が分かるので毎号チェックしたりします。 このランクの論文を発表したら研究キャリア的に安泰。 失職リスクはほとんどないと思います。 どうやったらこのレベルに達するのか不明。 私には無理でした。
次の非研究者の同僚から「 って何? 」と聞かれたことがあります。 終わってしばらく経ってしまったけど、同僚が見たのはくんのブラックペアン。 そう、ドラマでは佐伯教授と西崎教授がを争っていましたね。 論文掲載を争っていたのは「日本外科ジャーナル」。えーとまあここに関しては... 和雑誌なんてがとても低いので、その掲載を争うか? 争うなら海外一流誌への最初の投稿でしょう? 両教授の持っている 70点台 が低すぎるよ? 577、Scienceが41. 052。 これはとっても高いIFです。dneuroがこの前学生さんと一緒に書いた論文はNeuroscience Letter誌に掲載されましたが、同誌のIFは2. 159。 Natureのざっくり20分の1ですよ。IF稼ぐとしたら効率が悪い. 研究者はそのレベルが、自分の名前の掲載された雑誌のIFの総数で判断されたりしますが、NatureやScienceに一本でも載せることができたら、ちまちまIFの低い雑誌に何本も論文を掲載することよりも一気にIFを稼ぎ出すことができるのです。 図は、dneuroの精神科分野におけるIFトの私的感覚です。雑誌に掲載されたときのIFに応じての気持ちも書いておきました。目安ですけどね。 は絶対の指標か? 例えば、医学部の教授選では候補者のIFの高低が選考の指標になったりしています。実際他分野の人間にとってはどの雑誌に載ったのか、とか論文タイトルとその内容から、論文の質を判断するのはとても難しいというか事実上不可能なので、IFってわかりやすいんです。 でも、この、その多さのみで研究者としての価値が測られると実は危険です。 IFの弱点とはなんでしょう? 雑誌にとっては、 ・研究者人口がいない分野では高くならない 優秀な論文でも引用回数が少ない ・創刊間もない雑誌では不利 まだ引用数少ない。逆に今IFが低い雑誌でも成長していくことがある ・雑誌側はIF上げたければ自雑誌掲載の論文引用を著者に促したり、掲載論文数を少なくしておくことで一定の操作が可能 ・IF上げたくても、掲載論文数が多ければ、個々の論文の引用回数が減るので、上がりづらい 1つ1つの論文としては ・論文の質は担保されない 単にIFが高い雑誌に載っただけ ・IF高い雑誌に載っても間違いはある 小保方論文とか ・業界では信用があったり、意義が認められてたりで価値が高いのにIF低いので他分野や非専門家に価値をわかってもらえない などでしょうかね。 要は IF高い雑誌だから価値が高いとか、論文の質が良いと判断するのは早計ってことです。 医学系では、例えば循環器 心臓 分野にはIF高い雑誌が沢山ありますが、研究者数が少ない学とか、論文が専門的過ぎて引用しづらい科などではそもそもIF高い雑誌が少ない、ということにもなります。渡海くんの外科手術の分野もそんなに高くはありません。手術の技術的論文を読む人は限られているからね。 研究者的にはIFが高いことだけ狙ってもしょうがないことは自明の理であって、IFが低い雑誌でも載せた論文は高度に専門的で、自慢できる論文があったりするのですが、それでもIF高いに越したことはないよな、と ジレンマに悩むわけですよ。 の調べ方 さてさて、そんな研究者の気持ちを揺さぶるを調べたいときにはこちらをどうぞ。 気になる研究の載った雑誌名 英語 を入力すればOK。 結果に関しての注意は書いた通り。 でもやっぱ高いと嬉しいんだよな... という正直な感想を言うのはちょっと恥ずかしい。 IF以外の指標はないの? 色々書いた通りIFで研究者や論文を評価するのはマズイと誰もがわかっているので、他にも考案されてます。詳しくはこちらなんか。 でもね、中々普及しないんですよね。ほどのトが名称にないし、分かりづらいんだろうなと。 ちなみに、研究者自身の評価を探る指標としては、 h-index なんてのもあります。 研究者の、Research Gateで調べると、どうやらdneuroは19です。 これは、19回以上引用された論文が19本はある、ということらしいです。20回以上引用された論文は19本未満、と。 どうなんだろう、少しは誇っていいのか、大したことないって思われるのか、全然だめなのか、さっぱりわからない。 まあ人の客観評価なんてそもそも難しいのです。 世の中には、強烈に頭が良くて、みんなから尊敬されているけど、自分の論文はさっぱり発表しない研究者もいるのですから... 。 最後に研究者の、Research Gateはこちらから。知っている有名研究者を探してもいいかもしれません。.
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