「ご高配」は「ごこうはい」と読みます。 「ごこうばい」ではありません。 「御高配」と書かれている場合もありますが、この場合も「ごこうはい」と読みます。 ご高配(ごこうはい)」とは、「高い位置に並べる」という意味から転じて、「気遣い」「配慮」「良いおつきあい」といった意味でビジネスシーンで利用されている言葉です。 「高い位置に酒器を並べる」ということは? 「高」は文字どおり「高い」。 「配」は「人 己 」が「盃 酉 」を置いている様子から「並べる」「配る」を意味します。 つまり、「高配」は「高い位置に並べる」という意味があります。 転じて、このようなビジネス文章に使われる「ご高配」とは、「位の高い方々と並べる」という尊敬語として使われます。 尊敬語ですから、自分がへりくだって、相手を立てる表現です。 「配」は「配慮」「心配り」というような使い方をされるので、非常に平坦な言い方をすれば「私を身分の高い人のように、気持ちを配っていただく」といったように表現すれば、イメージがつきやすいかもしれません。 「ご高配」の使い方 「ご高配」の単語の意味はご理解いただけたかと思います。 では、実際にどのような文章で使えるのか、よく使われる使い方を例にご紹介します。 例1「平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 」 ビジネス文書や挨拶において、本題の前の挨拶の慣用句です。 「お世話になっております。 平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 」といったような使い方をし、この挨拶文のあとに、本来の要件(「本日はお見積りの件でご連絡です」など)の文章が入ります。 「普段から(平素は)特別な(格別の)心遣い(ご高配)をしていただき(賜り)、本当に(誠に)ありがとうございます。 」という意味になります。 時候の句(季節の挨拶)が入る文章の場合は、時候の句の後に入れるのが一般的です。 たとえば年始の挨拶文などでは、「新春のお慶び申し上げます。 旧年中は大変なご高配を賜り、誠にありがとうございました。 」というように、時候の挨拶の後にもってきます。 これは挨拶の慣用句ですので、目上の人や、社外のビジネスパートナー(お客様や、そのほかの取引先)にこのまま使っていただいて問題ありません。 いつものメールや、FAXの「お世話になっております」の後に差し込むだけで、格段にオフィシャル感がアップすること間違いなしです。 ただし、日頃からお付き合いをしていただいていることに感謝している挨拶ですから、はじめて連絡をする相手や、連絡が久しぶりの相手に使うのは違和感があります。 また、比較的硬い挨拶になるので、社内で使うのも状況を選びます。 「誠にありがとうございます」の部分は、「厚く御礼申し上げます」と置き換えると、さらに重厚感が増して、きっちりとした場にふさわしい挨拶になります。 例2「引き続き、ご高配のほど宜しくお願いします。 」 こちらは、例1とは逆に、終わりの挨拶の常套句です。 「これからも(引き続き)、良い関係のおつきあい(ご高配のほど)をよろしくお願いします。 」という意味になります。 「ご高配」は「御高配」と書いても問題はありません。 ただし、漢字の画数が増えると堅苦しくなりすぎるので、「ご高配」の方がバランスがいいかもしれません。 また、「配慮」は求めるものではないという意見もあります。 ですから、このように「ご高配をお願いします」といった使い方は誤用ではないかと考える方もいるようです。 確かに、現時点でビジネスの場で、このような使われ方は一般的ですが、気になるようであれば、「引き続き、お引き立てを賜れますようお願い申し上げます。 」「引き続き、ご愛顧いただけますようお願い致します。 」としても同じ意味ですので、ご利用してみてはいかがでしょうか。 冒頭の挨拶で「ご高配」を使った場合、最後の挨拶でまた「ご高配のほど宜しくお願いします。 」というのもおかしくはありませんが、「お引き立て」や「ご愛顧」を使った方がよりスマートです。 例3「皆様のご高配の賜物であると、感謝申し上げます。 」 例えば、何か褒賞をもらった時などのスピーチを想像してください。 「このような賞をいただけたのも、私のたゆまぬ努力があったからこそだと思っています。 」 それが事実だったとしても、このような言い方をする人は多くはありません。 自分一人で得られた賞ではなく、周囲の応援や協力があったからこそ、もらえた賞だと言った方が大人な印象を受けるものです。 このような時には「高配」を使って、次のように挨拶することができます。 「このような賞がいただけたのも、ひとえに皆様のなみなみならぬご支援、ご高配の賜物だと感謝を申し上げます。 」 何かの成功や賛辞に驕ることなく、常に周囲への感謝を忘れないのも大人のたしなみと言えるでしょう。 どんな場面で「ご高配」を使ったらいいのか 「ご高配」の意味や使い方はご理解いただけましたでしょうか。 では、日常のどのような場面で「ご高配」を利用することがあるのか、使い方の項目でもいくつかはご紹介しましたが、ここでは具体的に利用頻度の高い場面別に紹介いたします。 例文は、そのままコピペして利用できるので、シチュエーションによって修正して使ってみてください。 例1 FAXの頭紙の挨拶文 たとえば、日常的に取引をしているお客様に頼まれて、FAXで資料を送る場合には以下のような例文をそのまま使えます。 "お世話になっております。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 ご依頼いただきました資料についてFAXをお届け致します。 なにとぞご査収のほど、よろしくお願いします。 平素は格別のご高配をいただき、誠にありがとうございます。 注文書をFAXにてお送りしますので、 ご確認ください。 よろしくお願いします。 '' 上の例文の「資料」を「見積書」に、「注文書」を「受領書の控え」に変えるなどの応用にご利用ください。 「使い方」の項目でも書いたように、初めてのお問い合わせをいただいたお客様や、新規のビジネスパートナーに見積もり依頼をする際には、「ご高配」は使いません。 すでにお互いの顔を知っている、あるいは何回も電話やメールでやり取りをしている相手に使います。 ご注意ください。 例2 メールの締めの挨拶 FAXでは冒頭の挨拶に、メールでは文末の挨拶に使うというワケではありませんが、今度はメールの文末に使う場合を例にします。 例えば、以前は取引していたが久しぶり連絡するお客様や、複数の顧客に新しいサービスを紹介するダイレクトメールを送る場合にはこのような使い方をします。 ''お世話になっております。 この度、弊社では以下のような新しいサービスを開始することになりました。 (サービス案内のリンクなど) ご多忙とは存じますので、まずはメールにてご案内とさせていただきます。 後日、改めてお電話させていただきます。 引き続き、ご高配いただけますよう心よりお願い申し上げます。 '' 「お世話になっております。 」の後に、季節の挨拶などを入れてもよいです。 「ご高配」を利用する場合、普段よりも多少改まった固い挨拶になるため、午前中にメールを送り、午後にもメールを送り、夕方にもメールを送るような頻繁な連絡をする際に、毎回使うと違和感があります。 すでに何回も取引をしているが、また新たに仕切り直して取引を開始する場合や、少し時間が空いた場合、改めて新規の案件の相談をする場合などに利用すると、スマートです。 「ご高配」を適切に利用しよう.
次のこの度は、披露宴にて心改まるスピーチを賜りまして誠にありがとうございました。 お話を承りながら、先生のご高配に、つい涙してしまいました。 「ご高配」は主に文書内にて使う 「ご高配」という言葉は、 元々は文書内にて使われる言葉です。 年賀状や取引先への手紙・メールの中で使われることがほとんどです。 口頭で使えないことはありませんが、やや堅苦しい印象を相手に持たせてしまうことがありますので注意しましょう。 口頭で「ご高配」と同じ意味のことを伝えたいのであれば「お心遣い」「お引き立て」などを使いましょう。 柔らかく上品な印象で話すことができるため、会話に違和感がありません。 「ご高配」と「ご配慮」の違い 「ご高配」 「ご高配」とは「心配り」を表します。 相手が自分に対してしてくれる 「心配り」について感謝やお願いをする時に使うことができます。 また、自分と同等または目下の人へ「ご高配」という言葉を使うと相手は心苦しく感じてしまいます。 「ご配慮いただきありがとうございます」「お心遣いいただき感謝いたします」などの言葉を使いましょう。 「ご高配」の類語 「ご厚情(ごこうじょう)」 相手から受ける、 手厚い情けについては「ご厚情」という言葉を使うことができます。 「ご厚情に深く感謝いたします」と言えば、「手厚い情けをかけていただいたことに感謝しています」という意味です。 「ご厚志(ごこうし)」 相手の温かみのある心を表す「ご厚志」は「ご厚志ありがたくちょうだいいたしましす」「ご厚志に甘えて申し上げます」などと使われます。 「ご高配」や「ご厚情」に比べると、相手からの具体的な助けよりも、自分のことを思ってくれる気持ちに対して使われることが多い言葉です。
次のビジネスシーンなどで使われることのある「」という言葉。 手紙やメールでとくに使われることが多いですが、この言葉の正しい意味や使い方を、あなたはきちんと理解していますか? 日頃から使う機会が多いという人は改めてその意味を確認し、また初めて知るという人は、いつでもビジネスシーンで使うことが出来るように、この機会にしっかりと意味や使い方をマスターしておきましょう! 「ご高配」についての解説 あなたは「ご高配」という言葉を知っていますか? これまで一度も見たり聞いたりしたことのないという人は、もしかしたら初めて知るかもしれません。 また、何となくそういう言葉があるということは知っているけれども、きちんと正しい意味や使い方までは理解していないという人は少なくはないでしょう。 どんな言葉でも、実際に自分で使ってみなければいまいち理解が出来ないものです。 ましてや、普段はそうそう使う機会の少ない言葉ですので、知らない人がいたとしても無理はないでしょう。 ともあれ、社会人になれば「ご高配」という言葉を使う機会がどこかで出てくるかもしれません。 いざ使う機会がおとずれた際に、正しく使いこなすことが出来るように、「ご高配」の意味や使い方をマスターしておきましょう。 以下に「ご高配」について解説していきます。 「ご高配」の意味 「ご高配」は、言葉の響きからも分かるように、目上の人に対する敬語の一種です。 また、本来の言葉に敬いの気持ちを表す「ご」をつけて「ご高配」となっています。 「ご高配」の意味について触れる前に、まずは言葉の成り立ちから見ていきましょう。 「ご」+「高配」=ご高配 「ご高配」は、元は「高配」という語です。 この語に相手を敬う気持ちを表す「ご」を足すことで、「ご高配」という読み方になります。 このように、元の語に対して敬う「ご」を付けた言葉は、他にもたくさんあります。 「ご依頼」「ご承知」「ご理解」「ご謙遜」といった言葉などですが、この他にも相手を敬う気持ちを表す際には、「ご」ではなく「お」を付ける場合もあります。 「お」を付けた言葉では、「お情け」「お叱り」「お言葉」「お邪魔」などがあります。 また、同じ「お」を付けた言葉に、「お茶」「お味噌汁」「おかわり」などがありますが、これらは単に元の語を丁寧な言い方にしただけであり、「美化語」に含まれますので、敬いの気持ちの表れとは少し違っています。 このように、元の語に敬う気持ちを足した言葉はたくさんあり、その中の一つが「ご高配」なのです。 「ご高配」は、元は「高配」ですが、メールや手紙のように相手に対して使うことが多いため、元の「高配」のままで使われることはあまりなく、「ご高配」と丁寧な言い回しで使うことが多いです。 目上の人に対する丁寧な言い回し 「ご高配」は、基本的に目上の人に対して使う丁寧な言い回しです。 会社で言えば上司や社長などに対して使うことが多いですが、他にも自分が目上の人だと思う相手や、敬意を払いたい相手にも用いることがあります。 人によっては自分よりも年配の人や高齢者に対して、「ご高配」と丁寧な言い方を用いることもあります。 何にせよ、基本は目上の人に用いる言葉ですので、目下の相手や同等の立場の人に用いることはありません。 高配の意味 「ご高配」の言葉の成り立ちについてご紹介したところで、次に「高配」の意味についてご紹介します。 「高配」とは、「相手の気遣いなどを敬って言う言葉」です。 もしあなたが目上の人から気遣いをかけてもらった時には、「ご高配頂きまして恐縮です」などとその気遣いに対して感謝の言葉を述べることがあるでしょう。 目上の人から気遣いや配慮を感じた時には、「高配」という言葉を使うように意識すると良いでしょう。 相手の払ってくれる配慮を敬って言う言葉 ただ仕事が出来るというだけでなく、人間性も優れている上司は、いつでも部下のことをしっかりと見ています。 そして何かあれば、自分が前に立って部下のフォローをしたり、守ったりします。 部下の見えないところでそうした陰のサポートをしてくれる上司も少なくはないでしょう。 もしもあなたが上司にサポートをしてもらった時や、日頃から何かと助けてもらうことが多ければ、例えば忘年会や新年会などの機会に、「いつもご高配をいただきまして、ありがとうございます。 」と感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。 「ご高配」は、相手の払ってくれる配慮を敬って言う言葉です。 「ご高配」の一言で、お世話になっていると実感しているのだということを上司に対して伝えることが出来ます。 他人を敬って、その心配りを言う言葉 上司に対してだけでなく、目上の人に自分がお世話になったと感じたり、ご配慮いただいたと感じたりした場合にも、その人を敬って心配りに感謝することがあります。 そうした場合にも、「ご高配に感謝致します。 」と一言お礼を述べると、目上の人に対する礼儀を示すことにもなります。 例えば道で困っている時に年配の人に助けてもらうことがあったり、目上の立場の人に何かお世話になることがあったりしたら、迷わず「ご高配」という言葉を使うと良いでしょう。 とはいえ、物を拾ってもらっただけの場合や、ただおしゃべりを楽しんだだけの場合には、わざわざ「ご高配」と使うとやや堅苦しい印象になってしまいます。 そのため、お世話になった度合いによって使うか使わないかを判断しましょう。 つまりご高配とは つまりご高配とは、目上の人に対してお世話になった場合に使う言葉です。 目上の人の気遣いや配慮によって自分が助けられたり、サポートしてもらったりした場合には「ご高配に感謝致します。 」と丁寧にお礼を述べるために使うことが多いです。 一方で、些細なことやわざわざ堅苦しく謝罪や感謝の言葉を述べるまでもないような場面では、「ご高配」という言葉は用いずに、代わりの言葉を使うようにします。 目上の人に感謝の気持ちを伝えることは大切ですが、その場に合った言葉選びも必要です。 また、「ご高配」はあくまでも目上の立場の人や年配の人に用いる言葉であり、同僚や部下、目下の人に対しては決して使いません。 目下で年上の場合には一瞬判断に困ることもあるかもしれませんが、もしも立場があなたの部下である場合には、相手が年上でもやはり「ご高配」とは用いないようにしましょう。 「ご高配」の意味をきちんと理解しておくと、正しい使い方が出来るようになります。 場面に合わせて「ご高配」を使い分けることが出来れば、それだけ周りや目上の人からも教養のある人間だと思われやすくなります。 普段使いをしない言葉だからこそ、いざという時には使うことを躊躇う人も多い中で、そつなく使いこなせるようになっておきましょう。 「ご高配」を使うシチュエーション 「ご高配」は、どのようなシチュエーションで使うことがあるのでしょうか? 意味としては、先にご紹介したように目上の人から払ってもらった気遣いや配慮に対し、敬意を表す言葉です。 しかし、そのようなシチュエーションはなかなか想像しづらいと思います。 さらにはかしこまった場面では用いることが多いですが、他にもどの程度礼儀正しく相手に接する場面で使うのか、使うシチュエーションやタイミングがよく分からないという人もいるでしょう。 そこで、「ご高配」を使うシチュエーションをご紹介していきます。 日常会話ではあまり使わない 少なくとも、「ご高配」は日常会話ではあまり使う機会はありません。 実際に、あなた自身日常会話の中で「昨日上司からご高配をたまわってさ~」などと誰かと話すことはないでしょう。 「ご高配」という言葉の響きからも、それを使う時にはそれなりにかしこまった場面であることが多いです。 また、言葉使いも丁寧に話している際に用いることが多いでしょう。 日常会話ではそこまでかしこまった場面も、丁寧な言葉使いをする場面もありませんので、必然的に「ご高配」という言葉を使う機会が少ないのです。 ビジネスシーンで多く使用する 「ご高配」を最も多く使うのがビジネスシーンです。 例えば会社で忘年会や新年会などの飲み会があった際に、幹事が音頭で「社長には日頃よりご高配をたまわりまして、我々社員一同心より感謝しております。 」などと言う場面があります。 また、取引先の会社にメールを送るさいにも、「日頃よりご高配をいただきまして感謝しております。 」などと挨拶の部分で「ご高配」を使う機会があるでしょう。 ビジネスシーンでは、いつ何時「ご高配」という言葉を使うかは分かりません。 ふとした拍子にその言葉を使う機会が訪れます。 かしこまった場面や挨拶の部分で使うことは多いですが、他にもその場に居合わせた上司に対して感謝の言葉を述べる際に、「課長にはいつもご高配いただき感謝いたします。 」と使うことがあります。 このように、ビジネスにおけるシチュエーションでとくに使われる機会が多いため、「ご高配」という言葉を知っておくと、必要な時にその言葉を直ぐに使うことが出来ます。 反対に、「ご高配」の意味すらほとんど知らないと、満足に使いこなすことも出来ませんし、使いこなせる人と教養の部分で差がつけられてしまうこともあるかもしれません。 そのため、社会人ともなると、「ご高配」の使い方をしっかりとマスターしておく必要があるのです。 挨拶をするとき 挨拶をするときにも、「ご高配」の言葉を使う機会があります。 例えばあるパーティ会場で、主催者が集まった人たちに対して「皆さまがたには日頃よりご高配をいただきまして、誠に感謝しております。 」と挨拶の言葉を述べることがあります。 また、会社やお店から顧客へ手紙やイベントの告知を送る際にも、最初の挨拶の部分で「ご高配」という言葉を用いることは多いです。 先に挙げたように会社の飲み会で音頭を取る人が、上司に向けて挨拶をする時にも「日頃のご高配に感謝いたします」と言う機会があります。 「ご高配」という言葉は、それだけ冒頭の挨拶として使われることが多く、反対に話の最後に「ご高配感謝します」という言葉を使うことはあまりありません。 手紙やメールでも、最初の挨拶で用いることはあっても、文末で使うことは滅多にありません。 そのため、「ご高配」=「挨拶の時に使う」というイメージで定着している人も少なくはないでしょう。 実際に挨拶の際に用いるのが一般的ですので、その認識でも間違いではありません。 ビジネスメールを送るとき 日常的に送る手紙やメール、LINEでわざわざ「ご高配」という言葉を使うことはあまりありません。 「ご高配」を使った手紙やメールは、ビジネスの場面で用いられることがとても多いです。 例えば普段は連絡を取り合わないまでも、互いに契約関係にある取引先の会社に対してメールを送る際には、冒頭の挨拶部分で「日頃よりご高配をいただき有難うございます」といった内容で送ることが多いです。 また、取引先の会社でなく、顧客に対してメールを送る際にも同じように「ご高配」の言葉を使うことが多いです。 要するに、最初の挨拶として「ご高配」と使うことが多いのです。 単なる社交辞令として用いられることも多いですが、「ご高配」という言葉があるのとないのとでは、相手に与える印象は変わります。 とくに日本人は日頃から手紙やメールの文頭に季節の挨拶や、一言前置きの挨拶を入れることが多いため、「ご高配」もそうした目的で使われることが多いです。 基本的には目上の人や年配の人に対する文頭の挨拶として用いますので、間違っても目下の人には使わないようにしましょう。 丁寧な挨拶は目上や目下に関係なく相手に好感を与えますが、言葉によっては目上の人にのみ使うものや、目下の相手にのみ使うものもありますので、使い方には注意しましょう。 感謝の気持ちを伝えるとき 「ご高配」とは、目上の人から気遣いや配慮をいただいた際に、それに対する敬意を表す言葉です。 誰でも、他人から優しくされたり、気を遣われたりしたら、申し訳ないと思う以上に、その気持ちを嬉しく感じるものですよね。 道で落としたものを拾ってもらったり、電車で立っているのが辛い時にそれを察した人が席を譲ってくれたり、日常のあらゆる場面で私たちは周りの人から気遣いを受けることがあります。 もっとよくある例で言えば、道を歩いていて前から歩いてくる人が自分を避けてくれたり、店の扉を出る時に、入ってこようとする人が、自分が出るのを待っていてくれたり、車で対向車に先に道を譲ってもらったりと、そうしたほんのささやかな場面でも、相手の気遣いを受けながら私たちは日々の生活を送っています。 普段は当たり前過ぎて気付かないことも多いですが、それが目上の人からされた場合には、きっと無視をすることは出来ないでしょう。 仕事でミスをして、上司が自分の前に立って謝罪をしたり、こちらの事情を組んでシフトに融通を利かせてくれたりと、もしも自分から見える部分で上司や目上の人が自分に気遣いをしてくれたなら、それは普段以上に申し訳なく、また有難く感じることでしょう。 そうした感謝の気持ちを伝える時に、「ご高配」の言葉を用いることがあるのです。 目上の人に対する言葉 これまでに何度もご紹介してきたように、「ご高配」とは目上の人に対して使う言葉です。 目上の人というのは、もしも自分が学生であれば先生にあたりますし、また社会人であれば自分よりも立場が上の人、すなわち上司を指します。 それ以外にも年配の人や、年齢がいくつも上に離れている人に対して使うこともあります。 しかし、例えば社会人の立場で、同僚や部下で自分よりも年が離れている相手に対しては、「ご高配」という敬語を用いることはありません。 「ご高配」を使う基準はあくまでも「目上の人」ですので、単純に相手との年齢差だけで判断することは出来ないのです。 下の者に対しては使わない 「ご高配」は丁寧語であり、目上の人に対して使う敬語でもあります。 あなたが自分よりも目下の人に対して敬語を使うことはありませんよね?もし普段から丁寧語で話している人なら、相手が例え子どもでも丁寧口調を崩さないかもしれません。 しかし、それはあくまでも丁寧語であって、敬語ではないのです。 敬語や謙譲語を使う相手は、いつだって自分よりも目上の立場の人です。 そのため、自分よりも下の者には、相手の年齢に関係なく「ご高配」を使ってはいけません。 「使わないようにしましょう」というのではなく、「使ってはいけない」のだということをはっきりと覚えておきましょう。 「ご高配」の使い方 「ご高配」の意味や、どのようなシチュエーションでこの言葉を使うのかについてご紹介してきました。 ここからは、「ご高配」をどのように使えばいいのか、その使い方についてご紹介していきます。 以下にいくつかの例文を挙げていきますので、「ご高配」の使い方についてまだいまいち分からないという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。 例文1:「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 」 この例文は、上司のように目上の相手に対してはもちろん、取引先の会社や、会社から顧客へのメールや手紙を送る際にも多く用いられています。 ほとんどは本題に入る前の、冒頭の挨拶部分で使われることが多いため、社交辞令として使われることも少なくはありません。 さまざまな場面で多く使われる挨拶ですので、当たり前に感じる人もいるでしょうが、この挨拶を一言入れておくのと入れないのとでは相手に与える印象が変わります。 そのためどこの会社でもビジネスマナーとして当たり前のように用いられています。 例文2:「今回のプロジェクトが上手くいったのも、皆さまのご支援、ご高配のおかげです。 」 この例文では、会社で行われたあるプロジェクトが上手く行った際に、それを祝う場で挨拶として使われています。 不特定多数を前にして挨拶をする場合には、相手が部下・同僚・上司とさまざまな立場で揃っていることも多いため、そのような場合には誰に対しても丁寧な口調で「ご高配」と表現する方が無難です。 例文3:「今後とも、ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 」 この例文では、相手に対して「ご高配」を求めていることになるため、「この表現は失礼だ」と感じる人もいるかもしれません。 しかし、すでに相手から気遣いや協力を得ることが決まっている場合に、その件についてくれぐれもよろしくお願いしますという意味として「ご高配」をお願いすることもあります。 会社の取引先であまり上下関係がない場合にはこうした表現方法をすることもあります。 「ご高配」の類語 「ご高配」は、目上の人から配慮や気遣いを受けた際にそれに敬意を表した言い方です。 そして、この「ご高配」にはいくかの類語があります。 同じような意味の言葉でも、その場のシチュエーションによって言い方を変える必要がありますので、「ご高配」の類語についてもきちんと知っておくことが求められます。 以下に「ご高配」の類語をいくつかご紹介していきますので、これらについても使い方をマスターしておきましょう。 お気遣い 「お気遣い」は、名詞の「気遣い」に接頭辞の「お」が付いたものです。 「気遣い」の意味は、「あれこれと気を遣うこと」や「心遣い」「よくないことが起こるおそれや懸念」などです。 例えば都市部から田舎の家に一人で移り住んだ人に対して、その地域の人たちがあれこれと気を遣い、その人が住みやすいようにと世話を焼いてくれることに対し、地域の人への敬意と感謝の気持ちを表し、「お気遣いありがとうございます。 」と言うことがあります。 「お気遣い」とは、他人に気を配ってもらうことに対して感謝を表す際に用いることの多い言葉でもあります。 一方で、「お気遣い」には「心配する」といった意味合いもあります。 例えば台風で大荒れの天気の中、家へ帰ろうとする生徒に対して先生が「外は危ないから車で送って行こうか?」と尋ねたとします。 それに対し生徒が「お気遣いありがとうございます、大丈夫です。 」と答えた場合には、先生が「歩いて帰るのは危なくないか」と心配していることへの返事になります。 このように相手が「心配する」形で気遣いをすることもあり、それに対して「お気遣いありがとうございます」や「お気遣い無用です」などと答える場合もあるのです。 お心遣い 「お心遣い」は、「心遣い」に接頭語の「お」を付けたものです。 「心遣い」とは、「あれこれと気を配ること・心配り」「配慮」また「祝儀・心付け」などの意味があります。 あれこれと気を配ることや配慮の意味では、先にご紹介した「お気遣い」と同様です。 一方で、「お心遣い」には、祝儀や心付けといった意味もあります。 時々目上の人から目下の人に対してちょっとしたお小遣いを渡すことがありますが、この気持ちばかりのお金が心付けです。 心付けはあくまでも気持ちによって金額に差が生じますので、例えば神社で賽銭箱に投げ入れるお賽銭も心付けですし、山中にあるトイレを利用する際に、その施設の維持費を助ける意味でお金を箱に入れることも心付けに入ります。 さらに祝儀の場合は、進学や就職、成人などのおめでたい行事ごとの際に渡す気持ちばかりのお金が祝儀です。 このように、「お心遣い」には人に対する配慮と、心付けの2つの意味があります。 まったく異なる意味に思えますが、誰かを思いやる気持ちがどちらにも感じられます。 ご配慮 「配慮」の「配」は、「心を配る」という意味があり、また「慮」には「考えをめぐらす」という意味があります。 これに敬語の「ご」をつけて「ご配慮」となりますが、メールや手紙で書く際には漢字で「御配慮」と書くことが多いです。 「ご配慮」は、「対象となる人や物事に対して関心を持ち、それに注意を向けたり気を利かせたりすること」という意味になるので、「ご高配」と似ています。 しかし、「ご高配」の場合にはあくまでも目上の人に対して使うのに対し、「ご配慮」は同僚に対しても用いることが出来ます。 目上の人に対して用いる際には「ご配慮」といい、一方で同僚に対して用いる際には「配慮」ということが多いです。 とはいえ、会話の中やメールなどでも「配慮」ではなく、やはり「ご配慮」の言い方で使うことが多いでしょう。 ビジネスシーンはもちろん、日常生活のふとした時に使う機会があります。 思い遣り 「思い遣り」とは、「他人の身の上や心情に心を配ることや、その気持ち」「同情」などの意味があります。 この他にも「想像・推察」や「思慮・分別」などの意味がありますが、「ご高配」に似た意味としては「他人の身の上や心情に心を配ることや、その気持ち」が最も近いでしょう。 思いを遣ると書いて「思い遣り」ですので、その通りに他人を思いやる気持ちが重要視されます。 よく学校のような教育施設では、「おもいやりの気持ちをもちましょう」といった標語の書かれたポスターが貼られていることが多いですが、子どもの内からそうした思いやりの気持ちを育もうという狙いがあります。 他人に対して思いやりの気持ちを持てる人は、優しく、相手の立場に立って物事を考えたり、気持ちを想像したりすることが出来ます。 「思い遣り」は、普段は「思いやり」と書くことが多く、目上の人に対してよりも同等の立場の人や目下の人などに使う機会が多い言葉です。 お計らい 「お計らい」は、「計らい」に接頭語の「お」を付けたものです。 意味は「判断」や「取り扱い」「処置」などですので、一見「ご高配」とは関係がないようにも思えます。 しかし、「ご高配」は目上の人がこちらに対して判断してあれこれと気を配ってくれることですので、まったく無関係というわけではありません。 時々小説やテレビドラマなどで、「粋な計らい」という言葉を見たり聞いたりする機会があると思います。 これは、「気の利いた気配り」という意味があります。 「粋」には「オシャレ」や「ユニーク」といった意味もありますが、要するにその場に相応しいタイミングややり方で気を配ることに対して「粋な計らい」と言います。 この計らいを目上の人にしてもらった時には、「お計らいありがとうございます」などと使います。 配意 「配意」とは、「気を配ること」や「心配り」などの意味があります。 「ご配意」とも表現することが多く、目上の人に気を配ってもらった際には「ご配意」の言い方を用います。 「思い遣り」や「気配り」といった言葉よりも少し丁寧な言い方になりますので、日常会話の中ではそこまで用いられることはないかもしれません。 ビジネスシーンや公の場面などでは使われることがあります。 「配慮」に最も意味も言葉も似ていますので、このどちらかを場面で使い分けることが多いです。 ご深慮 「深慮」には「深い考え」という意味があります。 「深慮する」と言えば自分に対して使うことも出来ますし、一方で「ご深慮」と言えば、目上の人の深い考えを指すことになります。 「ご深慮」の場合、目上の人が深く考えていることを表わしてはいても、それで何か行動に移すことまでは言葉で表現してはいません。 そのため、上司が何か深く考え事をしている時には「ご深慮」の言葉を使うことが出来ますが、実際に何かしらの手助けをしてもらった時には「ご深慮」ではなく「お気遣い」や「お計らい」「ご高配」などの言葉を用いた方が良いでしょう。 ご心配 「ご心配」は、「心配」に敬語の「ご」を付けたものです。 意味は「何か起きはしないかと気にかけること」や「不安・気がかり」「心を配って骨を折ること」などです。 「ご高配」と意味が違うようで似ている部分もありますが、「ご心配」の場合にはより相手を気にかけるといった印象が強いです。 また、「心配」という言葉自体は日常会話の中で使う機会が多く、当たり前のようにその言葉を使いこなしている人も多いです。 一方の「ご高配」はそこまで知られていませんが、相手を心配するという表現を目上の人に対して用いる際には、「ご心配」よりも「ご高配」の方が、都合が良い場合もあります。 ご高配は目上の人に使える丁寧な言葉 「ご高配」の意味や正しい使い方について、ご理解いただけたでしょうか?「ご高配」は、目上の人に対してのみ用いることのできる丁寧な言葉です。 また、日常会話の中でよりも、ビジネスシーンで用いる機会の方が多いです。 目上の人に対して用いる際には「ご高配」を、目下や同僚に対しては類語を用いるといったように、その場に合わせて上手に使い分けが出来るようにしておきましょう。
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