妊娠は受精卵が子宮に着床したときに成立します。 着床が完了するのは、排卵日から数えて12日前後です。 排卵があった生理周期の生理開始日を妊娠0日とするため、妊娠が成立した時点ですでに約3週目に突入しています。 妊娠3週目の妊娠超初期段階では、ホルモンの分泌量や代謝機能が大きく変化しています。 妊娠によってホルモンバランスが変わることで、気分の落ち込みや、下痢・吐き気といった消化器系の不快症状、のどのイガイガなどさまざまなマイナートラブルがあらわれます。 こうした身体の不調・不快症状が影響して、妊娠初期に不眠に悩まされる人がいるのです。 妊娠中に不眠や睡眠障害を訴える人は約30%で、長い時間睡眠ができない、なかなか眠れない、朝起きるのが遅くなるなどといった問題が報告されています。 長い時間寝ていても、満足のいく質の良い睡眠がとれないことに悩んでいる人は多いのです。 妊娠中は胃部不快感や肩こりなどの身体の不調、イライラや倦怠感などの精神的な不調といったマイナートラブルが良く起こります。 妊娠に大きな影響がないものでも、流産につながらないか、これから先どれくらい体調が悪化するのか不安が募るものです。 こうした不安やマイナートラブルに対する苦痛度が、不眠の原因となることが研究で明らかにされています。 精神的な不安は、満足のいく睡眠で軽減されることもわかっています。 規則正しい生活習慣が睡眠の質の向上につながることから、生活リズムを整えていくことが精神的な安定にもつながっていきますよ。 妊娠は赤ちゃん一人ひとりに対してそれぞれ違う経過が待っているものです。 妊娠に関する不安があるならば医師や助産師に相談してみましょう。 金銭的な問題や家族の環境に対することは、パートナーや家族と話し合ったり、自治体の窓口で相談したりすることが解決の糸口となることもあります。 睡眠不足で身体のリズムが乱れると、自律神経のバランスも崩れやすくなります。 自律神経の乱れは身体の免疫機能を低下させ、感染症にかかるリスクを高めます。 妊娠中は免疫が抑制されるため感染症への抵抗力が弱まっていることもあり、病気にかからないための対策が必要です。 妊娠中はできるだけ人込みを避け、マスクの着用やうがい手洗いを徹底するようにしましょう。 体調に変化があらわれたら早めに休息をとり、必要に応じて医師による診察を受けてください。 感染症の中には、インフルエンザのように予防接種が普及しているものもあります。 海外での重症化例から、妊娠中のインフルエンザの予防接種は日本でも推奨されています。 一方で妊娠初期に予防接種を受けることのリスクについても議論がなされているため、予防接種を受けるときは主治医の指示をあおぐようにしましょう。 睡眠時無呼吸症候群の症状があると流産や早産の傾向がみられることから、過度の睡眠障害の場合は医師による診断が求められます。 睡眠時無呼吸症候群の症状は妊娠中のマイナートラブルと似ているため、発見が遅れることもあります。 日中の眠気が強い場合や睡眠の満足度が低いときは、パートナーに夜間の状態を観察してもらい医師に相談してください。 また足がなにかになでられているような感覚になるむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)も不眠の原因として注目されています。 むずむず脚症候群は原因がまだ解明されていませんが、妊娠にともなって発症することが多い疾患です。 特定の治療やケアが必要なため、足に違和感があるときは早めに対処しましょう。
次の看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。 その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。 「妊娠してから、あまり眠れなくなった」と悩んでいる妊婦さんは多いのではないでしょうか?特に妊娠初期は不眠が起こりやすく、夜にしっかり眠れないと体調不良やストレスの原因になったり、つわりの症状が悪化してしまったりします。 そこで今回は、妊娠初期の不眠の原因、眠れないときの対策、妊娠中に睡眠薬を飲むことはできるのかについてまとめました。 妊娠初期の不眠とは? 一口に妊娠初期の不眠といっても症状は様々で、なかなか寝つけない、夜中に目が覚める、朝早くに起きてしまう、など人によって悩みは異なります。 夜の時間帯に眠れないと1日の疲れがとれないため、妊婦さんにとってはつらいですよね。 また、つわりによる眠気がひどく昼間に寝てしまい、夜になって眠れないという悪循環が起こることもあります。 妊娠初期はお腹の中の赤ちゃんの大切な器官が成長する時期でもあるので、ママも体をしっかり休めることが大切です。 眠れないからといってベッドから起き上がってスマホをいじったり本を読んだりするのではなく、眠れなくても目をつぶって横になり、少しでも体を休めるようにしましょう。 関連記事 妊娠初期に眠れないのはなぜ?不眠の原因は? 妊娠と不眠の関係は、医学的にはっきりとしているわけではありませんが、主な原因は妊娠によるホルモンバランスの変化だと考えられています。 妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されるようになります。 プロゲステロンは妊娠を維持する大切な役割を持っているのですが、一方で頭痛や腰痛、便秘などを引き起こします。 また、妊娠前から妊娠初期にかけて体温が高く保たれるのもプロゲステロンの作用によるものです。 頭痛などの症状や高温期の体の火照りは、寝付きが悪くなったり眠りが浅くなったりする原因となります。 さらに、プロゲステロンは、眠気や怠さを引き起こすともいわれています。 夜に眠気が襲ってくればいいのですが、昼間に眠くなってしまうため、昼と夜のリズムが崩れて不眠になってしまうのです。 ホルモンバランスの変化以外にも、つわりの症状や体調の変化によるストレス、出産・育児に対する不安なども妊娠初期の不眠の原因に。 また、妊娠によって子宮が拡大して膀胱を圧迫するようになると、頻尿を引き起こします。 そのため、夜中にトイレに行きたくなり何度も起きてしまうこともあります。 関連記事 妊娠初期の不眠の対策は? それでは、妊娠初期に眠れないときは、どのような対策をしたらいいのでしょうか。 昼寝をする 夜にぐっすり眠れないと、どんどん体力を消耗してしまうため、昼間でも眠くなったら眠るようにしましょう。 ただし、長い時間昼寝をすると夜の寝付きが悪くなるため、15~30分くらいで切り上げるのがポイントです。 昼間にしっかり動く 妊娠すると運動不足になりがちなので、意識的に体を動かすことも大切です。 妊娠初期はつわりや体の変化によって、動くことが億劫になりますが、家でじっとしていると体が疲れず寝つきが悪くなります。 掃除や洗濯など日常生活の家事で少しずつでも動くようにしましょう。 ただし、つわりがひどい場合や、切迫流産など妊娠・出産においてのリスクをお医者さんから指摘されている場合は、控えてくださいね。
次の不意に下腹部がチクチクしたり、おりものが増えたように思う。 (0歳の女の子のママ) 兆候3. 腰が痛い 妊娠すると増える女性ホルモンの影響で、腰に重い痛みが続く人もいます。 筋肉や筋を痛めたのとは違う痛みです。 兆候4. 頭が痛い 頭痛を感じる人もいます。 ズキズキする程度であれば、安静にしましょう。 妊娠している可能性がある時期は、薬を服用しないようにしましょう。 兆候5. おならが多い ホルモンバランスの変化で、腸内に悪玉菌がたまりやすくなりガスがたまる人もいます。 兆候6. 下痢気味になる おならと同様、ホルモンバランスの変化で、下痢や便秘症状が起きる人もいます。 兆候7. 眠気がある 女性ホルモンの分泌により、眠気が強く出る人もいます。
次の