おすすめ記事• 新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間が続く中、相変わらず在宅の時間が長くなっているのだが、先日申し上げた通り僕はで配信されているボクシングの過去の試合にハマっている。 99/月の金額を払いつつ、何日かに一度配信される試合を楽しみにしている。 で、今回はこれ。 1996年6月に米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBC世界S・ライト級タイトルマッチ。 同級王者フリオ・セサール・チャベスにオスカー・デラホーヤが挑戦し、4R2分37秒TKOでデラホーヤが勝利した一戦である。 メキシコの英雄フリオ・セサール・チャベスがキャリア終盤に五輪メダリスト、デラホーヤの挑戦を受けたものの、鋭いジャブと高速の連打に手も足も出ず。 初回に負傷した左目の傷が大きく広がり4R終了間際にTKO負けを喫するという。 いわゆる世代交代マッチというヤツで、当時チャベスを応援していた方の多くがこの敗北に肩を落としたと聞く。 で、約2年後の1998年9月に再びラスベガスのリングで両者が顔を合わせるわけだが、結果は8R終了TKOでデラホーヤが勝利。 激しい打撃戦の末、8ラウンド終了後にチャベスが自身のコーナーでギブアップを宣言し、デラホーヤとの新旧交代マッチに明確な決着をつける。 今回はこの2試合を観た感想を述べつつ、デラホーヤの主人公感を語ってみたいと思う。 チャベスの絶望感、デラホーヤのキレがとんでもないw 歴代S・ライト級でもトップクラスじゃないの? まず1996年6月の第1戦目を観て驚くのが、オスカー・デラホーヤのキレッキレっぷり。 シャープな身体つきに鋭いジャブ。 時おり放つワンツーもとんでもなくスピーディで、1R1分時点でいきなりチャベスの左目から血が吹き出したのには心底驚いた。 自分の見間違いではないかと思い、もう一度最初からリプレイしたほど。 チャベスは身長171cm、リーチ169cmとそこまで大きい方ではない。 持ち味である回転力を発揮するには懐に入る必要があるのだが、デラホーヤのジャブが鋭すぎてまともに近寄ることすらできない。 この試合のチャベスは衰えが顕著だったと言われていたようだが、決して弱くはないと思う。 キャリア終盤で下降線に入っていたとはいえ、動き自体はボチボチよかった(ように見えた)。 だが、この日のデラホーヤにはまったく歯が立たず。 鋭い左で射程の一歩外に釘付けにされ、ロープを背負わされて連打を浴びる。 前に出てなんぼのスタイルをまったく発揮できないまま顔面を崩壊させられてのTKO負け。 僕自身、この試合をちゃんと観たのは初めてだったのだが、マジですごい。 身長179cm、リーチ185cmのサイズと力強い前進。 このときのデラホーヤは歴代S・ライト級でもトップクラスと言えるのではないか。 チャベスにとっては最初から最後まで絶望感しかない試合だった(気がする)。 デラホーヤの主人公感。 あえて相手の土俵で勝負し、ド派手なコンビネーションでねじ伏せる その流れで1998年9月の再戦(WBC世界ウェルター級タイトルマッチ)を観ると、デラホーヤの主人公感が一気に増していることがわかる。 肩周りは一回り大きくなり、足運びもS・ライト級時代に比べてどっしりしている。 1発1発のパンチも見るからに重そうで、階級を上げたことによるパワーアップは明らかである。 ただその反面、身体全体のキレ、パンチの伸びは若干落ちて最強っぷりも薄まっている。 序盤からチャベスを圧倒したカミソリのような左リードも単発気味で、ややフィジカルのごり押しスタイルに傾倒したイメージ。 そして、何より目につくのが中間距離でのコンビネーション。 近場での連打が得意なチャベスをあえて射程内に呼び込み、相手の土俵で真っ向勝負する。 無尽蔵のスタミナを誇るチャベスをド派手なコンビネーションとハイテンションな連打で無理やりねじ伏せてみせた。 特に8Rのリング中央でのどつき合いは文句なしにすごい。 お互いが自分の得意な位置で真っ向から打ち合い、デラホーヤがチャベスをねじ伏せることで新旧交代を明確に印象付ける。 なるほど。 こういう大試合で山場のラウンドを作るのもスーパースターの証というヤツか。 初戦同様、体格差を活かして左リードを多用していればもっと楽に勝てたはずの試合。 だが、あえてそれをやらずに相手の得意分野で勝負しその上で勝つ。 あの8Rはデラホーヤが実力を証明するとともに、自分がボクシング界の主人公であることを宣言したラウンドなのかもしれない。 観客の盛り上がりに関してはアイク・クォーティ戦の12R、シェーン・モズリー戦の9Rにも勝るとも劣らない。 デラホーヤのキャリアにおけるベストラウンドの一つと言っても過言ではない。 先日 「パッキャオvsメイウェザー戦にファイトマネー総額300億円の価値はあったか? 」などと申し上げたが、デラホーヤの試合にはそういう疑問を挟む余地がないほどの主人公感がある。 鷹村守vsデビッド・イーグルのモデルってデラホーヤvsチャベスだよね? 初戦と再戦をうまくミックスして名勝負を生み出した そして、同時に思ったのがコレ。 鷹村守vsデビッド・イーグルのモデルってデラホーヤvsチャベスちゃうの? 人気ボクシング漫画「はじめの一歩」のコミックス56〜61巻に収録された一戦で、鷹村守が2階級制覇をかけてWBC世界ミドル級王者デビッド・イーグルに挑戦した試合。 というより、デラホーヤvsチャベス戦を受けて鷹村守vsデビッド・イーグル戦を読み直してみたところ、絶対そうだろと思った次第である。 左リードで切り刻まれ、左目から出血して視界が塞がる。 途中までは理詰めで手も足も出ない状況が続くが、途中から接近戦に引きずり込む。 で、最後は両者血まみれで打ち合う意地と意地の勝負。 初戦と再戦をミックスさせつつデビッド・イーグルの主人公感も描ききる。 コミックス56巻の発売も2001年なので、年代もピッタリくると思うのだが。 いや、そうなんだよな。 この頃の森川ジョージにはこういう柔軟性があったんだよ。 現実の試合にアレンジを加えてオリジナリティを出すというか。 それだけに2019年5月の井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス戦を何のアレンジもなく丸ごとトレースした際の絶望感はエグかった。 森川ジョージは完全に終わったんだなと。 切ないやら寂しいやら腹立たしいやら。 何とも言えない複雑な感情になったことを覚えている。
次の概要 CV: 元WBC世界。 身長184. 1cm。 国籍は。 大の女好きで極度の嫌い、非常に・的で歪んだ人間性をしている。 ので育った生粋のケンカ屋で、やで武装したゴロツキを簡単に倒すほどの身体能力を見込まれてに拾われ、「人を殴り倒して金に出来る」プロボクサーの道を歩む。 持ち前の野生的なとの才能に物を言わせたの常識にない変則的なスタイルを(ミゲル曰く「ボクシングではなく 」)に、もも 一切なしににまで上り詰めた。 防衛戦の対戦相手として世界1位だったを指名し、来日。 前日の記者会見では鷹村や会長を、同時に「のたちを差し出せ」とものの発言をした。 当日の試合では、序盤は互いに野性をむき出しにした、重量級とは思えないほどの壮絶な打撃戦を見せ、中盤減量苦で切れを起こした鷹村を一方的に追い詰めるが、最後はが飛んで底力が目覚めた鷹村の猛反撃を受けて逆に追い込まれ、起死回生の反撃も通じることなく敗れ去った。 試合後、鷹村に対する恐怖心から再起不能となり現役を。 スラム街で浸りの生活を送っており、の来訪時には鷹村の名前を出されただけで、まるで別人のように取り乱していた。 生涯成績21戦20勝17KO1敗。 ボクシングスタイルはナジーム・ハメド、イメージはロイ・ジョーンズ・ジュニアがそれぞれモデルになっている。 得意技 上体反らし(ノーガードで上半身のみ後方に倒れるようなスウェー・ディフェンス。 ここからカウンターで反撃することもある) 関連タグ 関連記事 親記事.
次のおすすめ記事• 2019年7月3日発売の週刊少年マガジン31号に掲載された「はじめの一歩」第1267話。 29号からスタートしたWBA・WBC世界ミドル級統一王者鷹村守とランキング1位の挑戦者マイケル・ゴートの対戦も、今回で3週目を迎えている。 序盤1Rは両者の激しい左の差し合いが続くも、各局面でゴートが鷹村を上回る。 鷹村の左にゴートが鋭いワンツーで応戦。 時おり強烈なカウンターで後退させるなど、まさかの苦戦にリングサイドの一歩も驚きを隠せない。 だが、1R終了間際にゴートの右をガードした鷹村の姿に一歩は違和感を抱く。 あらかじめゴートのパンチを予測していたような動きを見て、セコンドの鴨川会長も2R以降試合が動くことを予感する。 そして迎えた2R。 あいかわらず大きなスイングを振るう鷹村に対し、的確でコンパクトなワンツーで対抗するゴート。 ところが、軌道を寸前で切り替えた鷹村の左をモロに被弾し、豪快なダウンを喫してしまう。 何とか立ち上がるものの、今度はフックと見せかけた左ボディがゴートの腹に深々と突き刺さる。 「左を制するものは世界を制す」 たまらずマウスピースを吐き出し悶絶する挑戦者の姿に、一歩の目は釘付けになるのだった……。 森川ジョージが完全に終わった…。 マンガ史に残る汚点といっても過言ではないほどの酷さ 本編1267話、単行本も120巻を超え、長期連載マンガとしていまだに衰えぬ人気を誇る「はじめの一歩」。 ただ、僕はここ最近の「はじめの一歩」をまったく読んでおらず、ストーリーをほとんど把握していない。 2017年末、主人公幕之内一歩の引退に伴い「はじめの一歩終わる? 」といったネタで注目したものの、結局ダラダラと続いたためにすっかり興味が薄れてしまった。 「弟子? 教え子? 一応「鷹村の防衛戦くらいは見るか」ということで、今回久しぶりに手に取ってみた次第である。 そして、率直な感想を申し上げると 「あまりに酷い」。 正直、ここまでの出来の悪さは過去に記憶がないほど。 この酷さはマンガ史に残る汚点といっても過言ではない。 表題の通りなのだが、 森川ジョージは完全に終わったなと。 腹立たしさの中に寂しさが入り混じる、何とも言えないテンションが続いている……。 WBSS準決勝の井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス戦そのまんま。 現実の試合を後追いでパクるってどういうこと? だってアレでしょ? この試合って、要は 「井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス」でしょ? 開催中の「WBSS」準決勝でWBA世界バンタム級王者井上尚弥が、IBF王者エマヌエル・ロドリゲスを2R1分19秒TKOで下したわけだが、それをそのままトレースしただけ。 〜〜〜〜〜 鋭い左の差し合いが続く1R。 時おりロドリゲスの左が井上の顔を跳ね上げるなど、わずかにロドリゲスが井上を上回るシーンが目立つ。 息の詰まるような緊張感の中、ラウンド終了のゴングが鳴る。 そして迎えた2R。 このラウンドもロドリゲスは積極的に前に出る。 対する井上も、やや硬さの見えた1Rから修正し、持ち前の洞察力で対抗。 ヒリヒリするような差し合いの中、リング中央で両者が同時に左を放つ。 すると、井上の左が凄まじいタイミングでヒット!! 吹き飛ばされるようにロドリゲスがダウンを喫する。 何とか立ち上がったロドリゲスだが、続けざまに左ボディを浴びて再びダウン。 がっくりと膝をつき、苦悶の表情を浮かべてセコンドを見る……。 〜〜〜〜〜 もう一度申し上げるが、あまりに酷い。 当たり前だが、スポーツマンガのキモは試合シーン。 主人公や人気キャラクターが努力を重ね、大激闘の末に強敵に打ち勝つ。 そこのハラハラドキドキが読者や視聴者を惹きつけ、作品が魅力あるものに変わっていく。 それがまさか。 現実の試合を後追いでパクるって。 オリジナリティもクソもあったもんじゃない。 何とも言えないが、これはプロの作者が一番やったらアカンことなのではないか。 そこまでスポーツマンガに詳しいわけではないが、果たしてこんな暴挙が過去にあったのだろうか。 作者が現実のトレンドを作品に取り入れるのは普通。 サッカーでも「トップ下」の役割の移り変わりによって作品の流れも変わる 一応言っておくと、実際の競技の流行り廃り、トレンドを作品に取り入れるのはごく普通のことである。 たとえばサッカーの「トップ下」でも、時代によって役割が微妙に変わってきている(と思う)。 昔は「トップ下」と言えばいわゆる「王様」のポジションで、中央でボールを受けて前線に供給する役割が中心。 視野の広さとパスの正確さ、支配力を兼ね備えたスター選手が君臨する場所だった。 だが、ゾーンでプレスをかけるディフェンスが浸透するにつれ、中央で落ち着いてパスを出せる状況は減少する。 それに伴い、トップ下は視野の広さやパスの正確さに加えて相手に当たり負けしないフィジカルがなければお話にならないポジションへと移行。 さらに時代は流れ、今では司令塔というより、むしろ走り回ってスペースを作るハードワークタイプがトップ下の適正となっている(違ったらすみません)。 本田圭佑のような長身パワフルなタイプは中盤よりも前線で高さ勝負をする方が有効で、中村俊輔のようなフィジカルペラペラマンは国際大会では生き残ること自体が難しい(違ったらすみません)。 そして、当然マンガ作品もその流れを汲んだものとなる。 サッカーマンガの金字塔「キャプテン翼」でも、初期はチーム1の天才同士による個人技勝負が中心だった。 要するにマラドーナの5人抜きを初めとする1対1でのドリブル勝負がルーツとなっているのだと思うが、現代サッカーではあそこまでゆったりとスペースができるケースは少ない。 それがトレンドの変化によって、サッカーはドリブルよりもパス中心の競技に。 さらに2010年のバルセロナ編からは「トップ下」としてゲームメイクの役割を担うなど、まさに時代の流れに沿って作者のサッカー観も変わっていることがわかる。 昔は「はじめの一歩」の作者も鋭いアンテナを張ってたんだよな…。 今は向上心のカケラも残ってないけど もちろんボクシングマンガ「はじめの一歩」も同じ。 過去の遺産である「デンプシーロール」を主人公の必殺技にしたり、同じく過去の遺産である「ガゼルパンチ」と組み合わせて技の完成形を示したり。 また、木村達也の「ドラゴンフィッシュ・ブロー」は90年代にちょくちょく見られたパンチだったと聞くし、2011年にノニト・ドネアがフェルナンド・モンティエルをダウンさせた左フックがそれっぽかったりもする。 さらに言うと、2015年に内山高志からダウンを奪ったジェスレル・コラレスのコンビネーションはヴォルグ・ザンギエフの「ホワイト・ファング」そのもの。 改めて振り返ると、森川ジョージもかつてはトレンドや流行り廃りにアンテナを張り、作品にうまく取り入れていたことがわかる。 それがまさか。 アンテナを張るのを止めるどころか、現実の試合をまんまトレースするとは……。 すでに作者には新たな技術やトレンドを取り入れる姿勢、向上心がないことは明白である。 才能の枯渇というか、恐らく「今さら努力なんかしてられっか」という思いもあるのだと想像する。 もちろん週刊少年マガジンやマンガ界への貢献度を考えればそれも致し方ない(気もする)。 しかも作者の「あしたのジョー」リスペクトは有名な話なので、主人公のテンポの悪い闇堕ち展開もギリギリ許されていた。 ただ、今回の丸パクリだけはね……。 擁護する部分がいっさい見当たらないというか、完全に終わったなぁと。 2017年末から2018年にかけての幕之内一歩の引退には多くの読者が不満を抱き、作者や編集部にブーイングを浴びせていた。 だが、残念ながら僕の中では今回の方がはるかにキツい。 特に話題にもなっていないのが不思議なほどに。 すでに世の中は「はじめの一歩」を諦めているのか、それとも大したことではないと思っているのか。 どちらにしても切ない話である。
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