2: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 88 ID:wixKXQFB0 折本「あ、あれ、比企谷じゃん」 八幡「ん?」 雪乃「あなたは確か」 八幡「・・うす」 折本「あ、クリスマスの時の・・・」 雪乃「こんにちは、折本さんだったかしら?」 3: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 67 ID:wixKXQFB0 折本「こ、こんにちわ。 総武の生徒会の人よね。 え、名前・・」 雪乃「雪ノ下よ。 あの時はただの手伝いで、私は生徒会の人間ではないのだけど」 折本「そ、そうなんだ」 折本「あたしは比企谷と同中なんだ、はは。 何二人付き合ってんの」 八幡「なわけないだろ」 雪乃「そう見られるのは不愉快なのだけど」 折本「あはは」 4: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 05 ID:wixKXQFB0 仲町「かおりーごめーん。 玉縄くん、早く早く。 あれ、誰?」 折本「あ、ああ。 クリスマスの時の総武の・・」 仲町「あーひっさしぶりーって、あれ・・こいつって確か」 折本「たまたま会ってさ、はは」 仲町「何、なんでコイツいんの、あ、この娘もたしか」 雪乃「ああ、あなたもいたわね。 お久しぶり」 折本「ほら、雪ノ下さん」 仲町「えーもしかして付き合ってんのー。 んなわけ無いよねー。 ウケるー。 ねえ、かおり」 雪乃「どう考えればそのような推測ができるのかしら、非常に不愉快なのだけど」 仲町「だよねーウケるー」 折本「はは、ねえ、じゃあ比企谷、あたしらもう行くから・・」 5: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 36 ID:wixKXQFB0 玉縄「おまたせ、折本さん・・あれ、そちらは」 仲町「ほら、クリスマスの時の」 雪乃「雪ノ下よ。 お久しぶりね。 海浜の生徒会長さんだったかしら」 玉縄「玉縄です、あのときはどうも。 君も」 八幡「ああ」 6: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 77 ID:wixKXQFB0 玉縄「こんなところであうとはね、それでふたりは付き合ってるのかな?」 八幡「なわけないだろ」 雪乃「はあ、何度目かしら。 このやりとり」 仲町「そうそう、んなわけ無いよねー、こんなのと。 ねえ雪ノ下さん」 玉縄「まあそうだろうね。 」 雪乃「そう思うのならば最初から聞かないで欲しいのだけれど」 8: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 90 ID:wixKXQFB0 雪乃「そういうお二人こそつきあってるのかしら?」 仲町「えー、ははは、うんそうなのー。 クリスマスのイベントの時からー」 玉縄「はは、そうなんだよ」 雪乃「そう、お似合いじゃないのかしら」 仲町「ありがとー。 玉縄くんかっこいいよねー」 9: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 12 ID:wixKXQFB0 仲町「そうそう、雪ノ下さんだっけ、こいつ中学の時折元に告ったんだってー。 知ってる?」 雪乃「そうなの?」 八幡「・・・」 仲町「なにー知らなかったんだ。 聞きたい、聞きたい?」 玉縄「それボクも聞きたいな」 雪乃「・・ええ、面白そうな話ね」 仲町「なんかー、全然喋ったことも無かったんだってさー。 それでいきなり付き合ってとか言ってんの。 ありえなくない。 ウケるー。 」 雪乃「それは災難だったわね、折本さん」 八幡「オイ」 11: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 50 ID:wixKXQFB0 仲町「そうそうそれでねー」 折本「ち、千佳、もう行かない?」 仲町「えー、まだいいじゃん、ね~、雪ノ下さんももっと聞きたいよねー?」 雪乃「ええ、興味のある話ね」 仲町「まーそれで普通OKとか無いよねー。 」 雪乃「そうね、それまで全く知らなかった人間の評価はしようがないわね」 八幡「・・・・」 14: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 」 八幡「・・・・」 仲町「その後、こいつ卒業までほとんど喋らなかったそうよー。 」 折本「(比企谷、ゴメン)」 15: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 94 ID:wixKXQFB0 雪乃「はあ、告白ね」 八幡「なんだよ?」 雪乃「なんというか、とても想像できないわね」 八幡「・・・」 雪乃「あなた昔は行動力があったのね。 普段からその十分の一でも発揮してくれれば、私や由比ヶ浜さんの負担が随分減るのだけれど」 八幡「何だよソレ?」 16: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 97 ID:wixKXQFB0 雪乃「何って?、中学生でそういったことができるほど行動力のある人って、そうはいないと思うのだけれど」 折本「・・・・」 雪乃「事実、私に好意を持つ男子はとても多かったけど、面と向かって告白する人なんて一人もいなかったわ」 八幡「好意とか自分で言うか」 雪乃「あら、当然よ。 だって私可愛いもの」 仲町「・・・」 折本「・・・」 18: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 26 ID:wixKXQFB0 雪乃「それにしても・・」 (じーーーーつ) 折本「な、なに?」 雪乃「コレ・・いえ、彼女のドコを評価したのかしら?」 折本「な・・・」 八幡「もういいだろ、そんなの」 折本「む、昔のことだし・・・」 雪乃「由比ヶ浜さんや一色さんより容姿が・・・いるとはおもえ・・・もちろん私よりも・・」 仲町「な、なに?」 雪乃「いえなにも。 外見以外に、・・にも魅力が・・、魅力も有るのでしょうね」 折本「・・・」 20: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 51 ID:wixKXQFB0 雪乃「それじゃあ、えー、玉・・生徒会長さん達はどちらかが告白して付き合い始めたのかしら?」 玉縄「玉縄です。 いや、特にどっちからというのではないんだけど」 仲町「うん、そうそう。 イベントの時、意気投合しちゃってー」 雪乃「そう。 やはり、玉・・生徒会長さんが告白して付き合い始めたと言うわけではないのね」 仲町「そうだけど、なんで判るの?」 雪乃「あのイベントの時の行動力を考えての推測、というだけよ」 仲町「・・・」 玉縄「・・・」 21: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 05 ID:wixKXQFB0 雪乃「ところで中学生で告白をされるくらいだもの、折本さんはとてもモテるのでしょう。 何人くらいの男子に告白されたのかしら?」 仲町「あーあたしも聞きたい聞きたい」 折本「あ、いや、それだけだけど」 雪乃「あら、あなたに好意を寄せていた男子の中で行動力があったのがこの男だけということ?」 折本「・・・・」 雪乃「それは本当にお気の毒ね」 八幡「オイ」 23: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 37 ID:wixKXQFB0 仲町「で、でもあんがい、まだかおりに未練有るんじゃないのー」 雪乃「あら、そうなの?」 八幡「ねえよ」 仲町「ホントにー?葉山くんと遊びに行ったときコイツ呼んでもないのについてきてんの。 ウケるよねー」 折本「ね、ねえかおり、もう・・」 雪乃「葉山くんがあなた達と・・ね」 仲町「でもそんときもコイツ全然しゃべんなかくてー、葉山くんの引き立て役に来たのッて感じ、ねーかおり」 折本「(比企谷、ゴメン)」 八幡「(別に・・)」 仲町「でー、昼何食べる~って言ってたらサイゼとか、女の子とサイゼとか無いよねー」 雪乃「あなた本当にサイゼリア好きよね」 八幡「サイゼいいだろ、何が悪いんだよ」 雪乃「何も悪いなんて言ってないでしょ」 24: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 96 ID:wixKXQFB0 雪乃「でも(チラッ)」 玉縄「な、何?」 雪乃「容姿ということであれば、葉山くんが比較対象になるのは気の毒には思うわ。 ね、引き立て谷君」 八幡「久しぶりに聞いたぞ、ソレ」 雪乃「個性的と言えなくも無いのだけれど・・、負の要素が強すぎる個性は無い方が良いでしょうし・・」 八幡「・・なんだよ」 25: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 77 ID:wixKXQFB0 雪乃「ちょっと動かないでもらえるかしら」 八幡「?(あのメガネ?)」 (カチャッ) 雪乃「多少は印象が変わるものね。 でも・・」 折本「・・・え?」 玉縄「・・・な?」 仲町「・・・(え、?意外と・・)」 26: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 19 ID:wixKXQFB0 雪乃「ダメね、その腐った目が目立たなくなれば多少はマシになるかもと思ったのだけれども」 八幡「オイ」 雪乃「そうなると今度は凡庸の一言に尽きるわ(チラッ)」 玉縄「なっ・・・」 雪乃「これではただ何処にでもあるつまらない顔ね。 ねえ、えーと海浜の生徒会長さん、どう思うかしら?」 玉縄「なっ、君・・・」 雪乃「比企谷くん、その寝ぐせと服を整えてみなさい、ほら動かない」 八幡「ちょ、ネクタイ」 27: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 26 ID:wixKXQFB0 雪乃「ほら、やっぱりダメでしょ。 没個性の見本といったところかしら」 折本「・・・」 玉縄「・・・」 仲町「・・・」 雪乃「そちらのあなたの感想はどう?やっぱりそう思うでしょう?」 仲町「あ、え、その」 雪乃「比企谷くん、あなたメガネはやめたほうがいいわね。 今以上に存在感をなくしたいのなら別だけれど」 八幡「酷くねーか」 雪乃「(くすくす)」 29: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 11 ID:wixKXQFB0 雪乃「さ、メガネを返しなさい」 八幡「お前が勝手につけたんだろーが」 雪乃「・・・、腐った目ではあるのだろうけど・・・」 八幡「なんだよ」 雪乃「いえ、やはり文字通り腐っても個性、ということかもしれないわね」 八幡「だからなんだよソレ」 雪乃「(くすくす)」 30: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 34 ID:wixKXQFB0 雪乃「じゃあ私達はそろそろ。 比企谷くん、お茶でもしていきましょうか。 サイゼリアで」 八幡「ん、ああ?」 仲町「・・・」 雪乃「では失礼するわ。 折本さん、仲町さん」 仲町「え、ええ、・・・え?」 雪乃「何か?」 仲町「え・・あ、なんで名前・・」 雪乃「ああ、クリスマスの会議の時に自己紹介したでしょう。 私一度聞いた名前は忘れないの。 それじゃあ」 仲町「・・・・・」 玉縄「なっ・・・・・」 折本「あ、・・比企谷・・ゴメ・・」 32: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 78 ID:wixKXQFB0 八幡「何、ほんとにサイゼ行くの?」 雪乃「別にかまわないでしょう?」 八幡「そりゃ別に・・・・、はぁ・・、奢る・・」 雪乃「そう、じゃあご馳走になろうかしら」 雪乃「でもその前に」 八幡「ん?」 33: 俺の青春ラブコメはやはり間違っている。 vip2ch.
次の雪乃 拘束系、八幡を見掛け話し掛けないと落ち着かない。 また、八幡を傷付ける者には容赦しない。 実は八幡の部屋の盗聴器や小型カメラを仕込みずっと監視している。 八幡がいないとヒステリックになるが八幡がいるとその鳴りは潜む。 結衣 依存系、物凄く八幡に甘えてくるが基本的に嫌がることはしない。 修学旅行の件で反省しており八幡にお詫びとして肉体関係を持とうとしている。 ただし暴走すると…彼女が求めるのは八幡の愛である。 沙希 妄想系、文化祭の発言からかなり意識し始め修学旅行の件でイジメを受けてる八幡を見て病んだ。 八幡を守るにはどうすればいいのか? 考えた結果が『夫婦』になることで八幡の妻になれば守れると思い込んでいる。 めぐり やや崇拝系、文化祭と体育祭で八幡の働きを見て意識し始めたが、イジメを受ける彼を見て本当の価値観を知らない生徒達を制裁する為雪乃達に協力し彼女も病んでしまう。 持てる力を使って八幡の願いを叶えようとする。 陽乃 排除系、超危険人物。 八幡に手を出そうものなら社会的な死と精神的な死が待ち受ける。 唯一八幡が暴走を止める事ができる。 とある計画を考えているが…判明する事はただ一つ碌でもないことは確かでまともな思考は捨てた方がいいかもしれない もしかしたら…R18に突入するかもしれないです。 狂った日常 そもそも何故こんな状況になったのか。 まずは文化祭の俺の自己犠牲で火がつき、修学旅行での依頼で更に燃え上がった…というより爆発した。 雪ノ下と由比ヶ浜は俺を傷付けて解決する事を望んでいなかった。 文化祭で相模に暴言を吐いて彼女を悲劇のヒロインに仕立てる事で相模のヘイトを俺が集めた。 しかし、これにより俺の評判は下がる事になり、陰口を言われるようになった。 そして、修学旅行…これが彼女達の理性の歯車が狂った瞬間だ。 葉山グループの問題を俺が二人が忌み嫌う自己犠牲で解決してしまった時に狂ったのだろう。 二人は川崎や城廻先輩、雪ノ下さんを仲間に加え俺に暴力や陰口を言う生徒達を断罪の名の元で裁いたのだ。 歪んだ正義とも言えるだろう。 一方で葉山グループだが… 「…」ペラ 海老名さんは三浦と一緒にいるようになった。 由比ヶ浜は海老名さんに対して罪悪感があるらしく暫くは距離を置くようだ。 一人の時はこのように何かの本を読んでる。 彼女からの謝罪を受け、その後葉山グループから抜けた。 「姫奈…」 一人だけ蚊帳の外だった三浦は戸部の告白の件を知らず、俺に全て押し付けたとして葉山に激怒しグループを抜けた。 俺と奉仕部に謝罪して海老名さんが孤立しないように一緒に居る。 いつかは由比ヶ浜と復縁できるように努めるらしい。 海老名さんが学校に来てるのを確認して安堵してるようだ。 戸部は…落ち着きがある生活態度になり、髪を黒く染めてるらしい。 俺のイジメが発覚するといの一番に駆け付け土下座してきた。 自分がどれだけ馬鹿な依頼をしたのかを…噂を流した大岡と大和とは絶交したらしくクラスでは一人でいる。 だが、部活のメンバーが支えてるらしく居場所はサッカー部になっているそうでよかった。 あいつもあいつで被害者だからな。 大岡と大和は碌に事実を調べようとせず。 俺の悪評を広めイジメを助長したとして停学処分を受けて学校に来ていないが…それ以上に部活での立場が失い同級生からも恨まれる事態になっている。 理由は所属する野球部とラグビー部で数ヶ月の部活動停止と対外試合の禁止を言い渡されている。 特に試合というレベルアップの場を失った彼らは二人を許す事ができず部活での居場所を失い半ば追い出される形で退部となった。 相模は…文化祭で明らかになった真実から周りからの白い目に耐えきれなくなって引きこもりかけたが。 俺がフォローする形で今は学校に来ている。 それでも由比ヶ浜と川崎からは殺気に溢れた目で睨み付けられ怯えている。 因みに俺が相模に言い詰める奴らに言った言葉はこれだ 『お前達もサボったんだろ? なら相模と同罪だ。 相模を責める権利は無い』 流石に言い返せなかっただろう。 相模と一緒になってサボったのだから。 その後、その状況を作り出してしまったお詫びとして雪ノ下さんが夜這いを仕掛けようとしたがマイルームのドアを死守し窓も完全に塞いで完全勝利のS判定をかまして防衛に成功。 あの時の冷や汗は半端無かった着ていたパジャマが汗だくになってパンイチで寝た。 誰かが天井から見ていた気がしたが疲れですぐに寝てしまった。 他にもF組の男子7名中4名は停学処分で3名は退学処分となった。 実は体に痣ができるぐらい殴られライターで炙られそうになったりカッターナイフで首元を突き付けられたので傷害と障害未遂で警察に厄介になったが…実は川崎と雪ノ下がそいつらを返り討ちしていた。 川崎は身に着けた空手で急所を的確に叩き込み雪ノ下は合気道で投げていた。 その間に由比ヶ浜が先生達を呼び俺がイジメられていた証拠を突き付けて俺のイジメは止んだ。 F組の教室の空気はかなり重い…原因のはあいつだが 「葉山…」 葉山…あいつの状況は一言で言うと地獄…かもしれない。 今までの事が周囲に知られ広まった。 テニスコート、チェーンメール、千葉村、文化祭、修学旅行…テニスコートでは戸塚が言い返せない事を利用し強引に使おうとした。 チェーンメールでは身内に犯人がいるのに有耶無耶にした。 (犯人は大和だった)千葉村では自分の都合を押し付けて留美を無理矢理仲良くさせようとした。 文化祭では無責任な相模を推薦し文化祭の崩壊の危機に間接的に関わっていた事と真実を隠していた事。 修学旅行では自分のグループの問題を俺に丸投げにして学校での立場を失わせたとして、彼女達から罵倒され教師陣と両親からも叱責されクラスメートからの信頼を失い『卑怯者』というレッテルを貼られた葉山… 周りからは皆の葉山隼人を演じできもしないのに首を突っ込み余計に事態を悪化させる…そして、俺が尻拭いをする。 あいつは否定していたが事実俺が尻拭いしているので反論ができず。 あいつは見事に仲良くしていた皆からハブられ見捨てられる結果となった。 皆と仲良くを信条とするあいつが皮肉なことに皆から拒絶されるとは葉山自身が思わなかっただろう。 教室でのあいつはただ俯いているだけ時折何かを呟いているが俺には分からない。 戸部と三浦に話掛けてやり直そうとしたが彼らはそれを受け入れなかった。 それはそうだ。 どう言おうがグループの人間を裏切ったからだ。 シンボルでもあった金髪は黒に染め、坊主頭になっていた。 目は俺以上に腐っている。 でも俺は俺で問題があった。 「やっはろー! ヒッキー! 」 今日も狂った日常が始まる。 いつもの日常は帰ってこない。 どんなに嘆いてもだ。
次の俺、ととの関係を語るのなら、まず初めに思い出すべきエピソードは、中2の頃の俺の告白だろう。 折本「ナニ、比企谷私のこと好きなの?」 八幡「あ、ああ。 好き、だけど……」 折本「そーなんだー、ウケるwww」 八幡「えっ……」 折本「いやいや、悪い意味じゃなくて、うん。 面白いわ」 八幡「えっと……何が」 折本「だーかーら、私と比企谷が付き合ったらってこと。 超面白くなりそう。 ……よし、付き合うか!」 これが、俺との馴れ初めである。 次に関係が進展したのは、二年後の冬のこと。 俺は、折本に半ば無理やり引っ張られて共に進学した総合高校一年生だった。 クリスマス前に、二人で買い物をした帰りのことだったはずだ。 折本「2年ちょい?付き合ってさ、分かったわ。 私、比企谷のことが好き。 超好き。 ……あの時はノリだったけど今は本気。 大好きだよ、八幡」 この日初めて、俺たちはキスを交わし、互いを下の名前で呼び合うようになった。 そして現在。 それからさらに一年後、高二の秋。 -総合高校 2-A教室- 「じゃあ来月に迫った文化祭の出し物をきめるけど、まずはで……って比企谷?」 八幡「めんどくせ、腹がだからフケるわ」 総合高校二年生 少しだけ、不良になっていた。 折本「あーごめん、私も足がだから八幡のところ行ってるー」 「えっと……足がって……」 「ほっといたら?あの二人のサボりはいつものことなんだし」 -屋上- 折本「いたいた。 いつも屋上いるよね、八幡。 立ち入り禁止なのに」 八幡「そりゃ、不良が授業サボるところと言ったら屋上だろ」 折本「まったく……いつからこうなったんだか」 八幡「お前の家でとクローズを読んだあたりからだな」 折本「うん、私が当事者だからよーく知ってる。 自分に問いかけただけだから」 八幡「お前も人のこと言えねえぞ。 昔はウケるwww系女子だったのに、いつからやたら古い漫画とが好きな妙な趣味の女子高生になったんだか」 折本「それはとがみんな悪い。 ……戻らないの?教室。 文化祭の出し物決まっちゃうよ?」 八幡「別に適当でいいっての。 不良がそう言うの真面目に出たらなんかあれだろ。 今日はあれで授業終わりだしな」 折本「自分のことを不良と言うあたり八幡、まったく不良になりきれてない。 根は真面目なみたいな感じになってる」 八幡「……え、マジで?」 折本「マジで。 そもそも自分たちのこと不良呼びしてんのなんて見たことが……」 八幡「四部」 折本「あー、言ってたね。 億泰が」 八幡「お前、遂ににも手を出したのか」 折本「だってアニメやってるし……」 八幡「四部はまだアニメ化してないだろ」 折本「私的には四部は五部の次に好きだからアニメ化して欲しい」 八幡「俺は三部が好きだな」 折本「珍しくミーハーだね。 てっきり六部やって言うかと思ったのに」 八幡「お前バオーまで読んだのか……承太郎が好きなんだよ。 あの孤高の不良感が」 折本「最近のヤンキー漫画って友情とか大事にするけど、昔のは硬派と言うか、孤高系多いもんね」 八幡「承太郎なんて同年代の友人が花京院以外ほとんど明記されてないんだぞ」 折本「まず真面目に学校に行ってるのか……花京院回は結局すぐに帰ったし」 八幡「一応『今日こそは真面目に学校に行くぜ』って感じの発言はしてるぞ。 ホリィさんが倒れてそれどころではなくなったが」 折本「あー、そうだね。 部活いこ、部活」 八幡「不良が真面目に部活なんて」 折本「いいから来る!文化祭前でただでさえ人手足りてないんだから!」 八幡「俺、お前に引っ張られて入っただけなのに……」 八幡 つーか部活と言い学校と言い俺の主体性どこに行った……自由の国カに移住するべきだろうか -美術部- 八幡「高校に入学した折本はなんとなくで美術部に入部。 俺を無理やり引っ張って二人分の入部届けを書いたのだった……」 登戸「口動かしてる暇あったら仕事しろ仕事。 エセヤンキー」 八幡「さっきから筆が一切動いていない人に言われたくはないです。 三年生にして美術部長、模写だけは無駄に得意なメガネの登戸先輩」 登戸「さっきからなんで説明口調になってるんだ?」 折本「ムラっときたからやったんじゃないんですか?」 八幡「後悔はしていない」 登戸「お前ら仲いいよな」 八幡「まあ付き合い長いですし」 折本「ちょうど文化祭の時期で三年ですー」 登戸「ふーん。 そう言えば他の部員は?」 八幡「あー、あの彫刻彫像のリスト、別名立体厨の副部長の三年女子、百合丘先輩と」 折本「と兼部している同級生。 アニメ絵書かせれば校内一のアニメおたくな後輩男子、生田君ですね」 登戸「俺はもう突っ込まんぞ。 俺はもう突っ込まんぞ……百合丘は予算の話で生徒会室とは言ってたが……今年は予算いくら降りるのか」 折本「去年は五千円でしたっけ」 登戸「ああ。 殆ど何も出来なかった。 本当、今までの作品の展示と巨大絵画を一枚仕上げて精一杯だったな……予算的に」 八幡「今も結局各自の制作ですからね。 こんなんじゃ人来ないっての」 折本「まあ、うちの部活誰かが全国に行ってるわけじゃないもんね」 登戸「全国常連の文芸部は三万貰ったってよ。 かー!見てみてえよマジ、全国常連の部長の顔って奴をさぁ!」 八幡「今年はかるた部、全国準優勝ですよ」 折本「英語部は全国で優勝、世界大会ですよ」 八幡・折本『予算は当然……』 登戸「そこが増えたら……うちまで予算、回ってくるのか?」 折本「案外千円切ったりしてwww」 八幡「いや流石にそれは……千五百円は欲しい」 百合丘「大変、今年は予算無しだって!」 八幡・折本・登戸『最悪な事態になった!?』 ----------- 生田「なるほど……それで俺が美術室に来た瞬間からお通夜だったわけですね。 てっきり花京院が死んだのかと」 登戸「過度なネタは受けんぞ、生田」 生田「いや俺一回しか使ってないんですけど」 百合丘「ともかく、どうやって予算を見繕うかなのよね……今年も去年みたいな人の入りだと、来年は展示の取りやめなんてことも……」 生田「去年?巨大絵画やったってのは聞いたんですけど……どれほどで」 八幡「五人」 生田「……へ?」 八幡「文化祭、三連休を使ってやるんだが、全三日間で五人」 生田「……はぁ!?」 折本「そりゃただの絵の展示には誰も来ないって……」 登戸「隣で展示したクラスがオカマバーをやっててな。 人を吸われた。 隣は大盛況だったらしい」 生田「でも、そのおこぼれを……」 百合丘「それで、五人なのよ」 八幡「実質三人だな。 残り二人は俺の妹と百合丘先輩の母親だ」 生田「……ああ、入場料を」 登戸「とったらきっと二人だった」 百合丘「うちの母親、有料だったら来るの考えたって」 折本「入場料とってたらいまごろ……ウケるとすら言えない状況に」 八幡「今年の展示を打ち切られるまであったな」 登戸「うーむ、しかしゼロ円でどう展示を作れと……」 生田「とりあえずカンパして入場料から……スイマセン」 百合丘「聞き分けのいい子は嫌いじゃないわ」 折本「赤字待ったなしだから……、同好会だから予算ゼロなんでしょ?どうしてるの?」 生田「で出した冊子を流用しました」 八幡「うち、同好会と同等になったのか……」 登戸「料は同好会だが特例で予算出たらしいぞ。 二万」 八幡「これだから展示に人の入る部は……」 生田「みなさん友達は……」 八幡「ヤンキー孤独。 友達いない」 折本「八幡と付き合ってるんだから察して。 そこまでいない」 登戸「軒並み運営サイドにいてな。 当日はてんてこ舞いだったそうだ。 今年も全員運営らしい」 百合丘「皆バンド組んじゃって……」 八幡「これだから は」 登戸「おー出た。 エセヤンキーの青春批判」 百合丘「イベント時のちょっとした風物詩ね」 折本「もう慣れたと言うかなんと言うか」 生田「えっと、いいですか?」 登戸「どうした生田。 言ってみろ」 生田「今、廊下で貰って来たイベントのチラシみたんですけど……こんなのが」 登戸「……ほぅ」 百合丘「ナニナニ、見せてよ」 登戸「ミス・ミスター総合コンテスト、賞金有か……」 百合丘「皆からとりあえずお金集めて、これで還元……リスキーだけど手っちゃあ手ね。 最悪宣伝になるし」 折本「でも、うちにそんな戦力いるんですか?」 登戸「いるだろ。 おまえと、比企谷」 折本「比企谷って言うと……八幡だね」 八幡「折本ってことは……かおりだな」 折本・八幡『ハイィ!?』 -下校時- 八幡「何故に俺が戦力にならにゃならんのだ」 折本「私はともかく、八幡はわからなくもない」 八幡「はぁ?なんでだよ」 折本「だって」 モブA「比企谷くーん」 モブB「今日もがキュートね!」 モブC「ちょっと、比企谷くんのチャームポイントはあの目でしょ!このブス!」 モブB「なによ!」 八幡「うっとおしいぞこのアマ!」 モブ3人『キャー!』 折本「……ほれ」 八幡「」 折本「まあ、私がいるから八幡は誰にも渡さないけどねー」 八幡「抱きつくな抱きつくな。 当たってるぞ」 折本「当ててんの」 八幡「……さいですか」 ----------- -二週間後美術室- 折本「百合丘先輩、衣装、試着終わりましたー」 百合丘「なかなかいい感じに仕上がったわね」 登戸「流石立体造形の申し子。 服飾もお手の物だな」 生田 でコスプレ用に使ってた生地と道具ぶんどられた…… 八幡「試着が終わったのはいいんだが……なんで俺がスカートを履いてるんだ!」 登戸「そりゃこのミス・ミスターコンテストが異性装限定だからだ」 八幡「待て、去年までは普通にやってたよな!?」 登戸「先輩には敬語を使えを後輩」 八幡「ヤンキー敬語使わない」 登戸「仗助ですら使ってんのに……まあいい。 今年から異性装限定になったらしいぜ。 折本も比企谷も、外見は衣装ウィッグメイクでなんとかできそうだからな。 内面はまあ、なんとかしろ」 八幡 いつの間にか俺たちが出ること確定になってるし…… 折本「先輩、ちょっと胸きついです」 百合丘「本当に?四月のデータ古すぎたかな……」 八幡 まだ成長を続けてるだと…… 登戸「あーそうだ。 比企谷はこれを、折本はこっちを見ておいてくれ。 参考資料だ」 折本「参考資料?」 百合丘「女装の方は某男子校で行われたミスコン、男装の方は宝塚とかの資料をぼちぼち。 それで自分がやることを考えておいてね」 生田「本番はアピールタイムがありますから」 登戸「それと、比企谷と折本には別に仕事がある。 部活の方はいいから、総武高校の文化祭に行ってこい。 明日の土曜からのはずだし」 八幡「はぁ?またなんで」 百合丘「この五人じゃ出るネタもないだろってことで、偵察よ偵察。 デート兼ねて行ってらっしゃいな」 折本「いいんですか?時間無いのに」 登戸「月曜にやること決めて、そっから生田が寝なければ問題はねえ。 そもそもお前ら2人は賞金稼ぎに集中してもらうためにハナから戦力に入れてない」 生田 いつの間にか俺の待遇が奴隷並に!? 折本「でもどうしても戦力が足りない気が」 登戸「最悪を動員する」 八幡「なんであいつが。 あのいけすかない意識高い系 が」 百合丘「比企谷くん、彼のこととことん嫌いなのね」 折本「かがあったら真っ先に殺してるらしいですよ」 八幡「自分の手は汚さない。 キリッ」 折本「全く格好良くない……でもなんであのバカ縄が?」 登戸 折本ものこと、嫌いなんだな…… 登戸「あいつ、俺の中学ん時の後輩でさ、受験勉強とか、あいつが中学の生徒会選挙出る時とか色々世話してんのよ。 それで、は俺に頭が上がらないから……奴隷二号にする」 生田「一号絶対俺ですよね!?」 百合丘「ハイハイ。 とりあえず今日は部活は終わり。 私達は個人制作続けてるから、二人はミスコンと明日の偵察に集中してね」 八幡・折本『へーい』 ----------- -翌日・総武高校- 折本「こちらスネカジリ、只今より総武高校に潜入する」 八幡「……なにやってんだ」 折本「ん?カオリギアソリッド-オリモトリオ-だけど」 八幡「とがごっちゃになってるぞ。 なんて今の若い子は知らんだろ」 折本「マジ?」 八幡「大マジ。 ほれ行くぞ。 あそこの風見鶏っぽい奴からパンフ貰って来たから」 折本「流石八幡!エセヤンキー!大好き愛してる!」 八幡 いつからこいつこんなキャラになったんだろう 折本 それは八幡もだよ 八幡 こいつ、頭の中に直接! 折本「しっかし、ウチの去年のと比べると……ちょっぴり……いや、けっこー活気に溢れてないと言うか……」 八幡「つまらなそうだな」 折本「折角婉曲表現にしたのに……。 お、駄菓子売ってる!」 八幡「あれの影響か。 だがしかし」 折本「あれの影響だろうね。 だがしかし」 八幡「ラインナップは至って普通だな。 酢ビッグカツ……俺これ好きなんだよな。 あとモヨーグル」 折本「蒲焼さん太郎たこ焼き太郎……」 八幡「謎の太郎縛り!?」 折本「」 八幡「それは隣の店だ。 なんか気になるのあるか?」 折本「八幡」 八幡「意味が違うっての」 折本「じゃあねー、これ。 星の王子様ミュージカル、通称ホシミュ!」 八幡「また受けしそうな。 2-Fか。 どこにあるんだか……このパンフ地味に見にくいな」 折本「なんというか、実行委員の苦渋感が染み出してるよね」 八幡「ああ。 無能な委員長を副委員長が意地だけで必死で補佐して組織を運営させた結果ぶっ倒れたような……そんな感じがするな」 折本「で言うなら何巻目に来そう?」 八幡「登場人物の関係性が少しずつ変わってきた六巻だな」 折本「そこまで考えられるんなら書けば?」 八幡「タイトルは『千葉孤高組』でいいよな」 折本「それなんて湘南純愛組」 八幡「にしても本当、この地図見にくいな……」 折本「テキトーな人に聞く?」 八幡「ヤンキー人に頼らない。 千葉県東京の脛かじる」 折本「はいはい私はヤンキーじゃないからー。 てか八幡さっきパンフ貰ってたじゃん。 ……ったく、スイマセーン」 雪乃「はい」 折本「2-Fってどう行けばいいんですか?」 雪乃「そこにある階段を上った右手の突き当たりですね。 看板が独特なのですぐわかると思います」 折本「ありがとうございますー」 八幡「ふーん、あれが実行委員か」 折本「何でわかるの?」 八幡「腕章してた」 折本「あー、そう言えば」 八幡「雰囲気からするに、俺のさっきの予想があってれば、あいつが有能な副委員長様だな」 折本「でもなんか、いろいろ凌辱されたり人格破壊されそうな感じしてたね」 八幡「どこのエロ同人だ」 折本「どちらかと言うとweb小説かな」 八幡「お前まだ十七だよな」 折本「八幡もね」 八幡「……俺はほらヤンキーだから」 折本 学生は学生らしくと矛盾してる……のかな? -2-F- 折本「お、あったあった。 ホシミュ」 八幡「五分後からか。 入ってようぜ」 折本「そだね。 席空いてます?」 結衣「え、えあっと……どうだっけ優美子」 三浦「……二人分なら、空いてんじゃない?」 結衣「らしいですー」 折本「ありがとうございまーす。 じゃあ入りますか」 八幡「うぃ、流石に席は後ろの方だな」 折本「後ろの席……うっ頭が」 八幡「どうした、なんかトラウマがあんのか?」 折本「あれはそう三年前のちょうどこんな雨の夜……」 八幡「三行で話せ。 でも、あの主演の銀髪は可愛かったな」 折本「あんな可愛い子が女の子なわけがないな子だったね」 八幡「あれが男か……」 折本「タイ行った疑惑あるよ」 八幡「もしくは女性ホルモン……む」 折本「どった?」 八幡「腹減った」 折本「時間が時間だからね。 食べますか」 -校内某教室・軽食販売- 八幡「と言うわけで来たわけだが」 折本「メニューがすごい……」 八幡「ジャンクフードジャンクフードジャンクフードジャンクフードジャンクフード……マーズバーフライとかネットでしか見たことないシロモノだぞ」 折本「マーズバーフライ?」 八幡「マーズバー自体日本ではそう馴染みがないからな……イギリス発祥……多分、のスナックで、風の菓子に衣をつけて揚げるんだ」 折本「うわっ。 イギリスっぽい」 八幡「まあイギリスだから……ゲフンゲフン」 折本「んで、飲み物もコーラカンドリンク」 八幡「MAXコーヒーは……ないか。 まあこういうところではもっとあっさりしたものが欲しい……例えば」 折本「お茶?」 八幡「そう緑茶。 さっぱりした緑茶が……」 折本「売ってたら……」 八幡「皆買うな……」 折本「文化祭って脂っこい食べもの多いもんね」 八幡「……よし、うちでやることはは決まりだな」 折本「美術部?って感じだけど、バスケ部も喫やるっぽいしね……やっちゃダメなわけではない」 八幡・折本『勝った!』 「第三部完ッ!」 八幡「だから誰だ今の」 ----------- -週明け・総合高校美術部- 八幡「……と言うわけです」 登戸「ふむ、国産無名メーカーの緑茶500mlをそれなりの量、安くれ一本百円で売る……」 百合丘「原理率次第では完売しなくても赤字は出ず」 生田「完売ならむしろ利益が出て、ただでさえ少ない年間部費の足しにできる……」 八幡「御丁寧に説明の反芻、ありがとうございます」 折本「時間がないので美術部的な展示は個人制作の展示のみで行きましょう。 お茶は移動販売を行おうかと」 登戸「…………」 百合丘「どうするの?部長」 登戸「……俺と百合丘は個人制作に集中する。 生田、そして比企谷折本、販売をするなら、お前らに託すことになる。 特に二年生二人は忙しくなるが……いいか?」 折本「いいですよー」 八幡「まあ、言い出しっぺですし」 生田「いつの間にか俺が巻き込まれてるだと!?」 八幡「慣れろ生田。 俺も巻き込まれてこの学校、部活に入ったんだぞ」 生田「その主体性のなさ……先輩本当にヤン」 八幡「バカ言え、俺はヤンキーだ。 主体性もありすぎてここのところロングホームルームとクラス展示の準備を全てサボっているまである」 百合丘「比企谷くんが部活に真っ先に来てたのって……」 生田 ぼっちなんだなあ……この人 折本 サボり癖が原因なんだな、これが 生田 何これテレパシー? 登戸「よし!俺と百合丘は制作の続き、生田は生徒会に出す申請書の作成、終わり次第茶のれとクーラーボックスの調達を頼む」 生田 あー、俺やっぱ奴隷待遇なんだ 登戸「で、比企谷と折本はミス・ミスターコンテストの方だな」 八幡「あれ、茶の売り上げで元金は補えるんじゃあ……」 八幡 出場を回避するために全力で考えたのに。 あの移動販売 登戸「前も百合丘が言ったが、ウチの名前を売れるだろ」 百合丘「それにね、知ってる?かおりちゃん ミス・ミスターコンテストでルが同時優勝すると、永遠に愛が続くとか言う伝説が」 折本「出ます!」 登戸 ちょろいな 百合丘 ちょろいわね 生田 ちょろい…… 八幡 ………… 登戸「ああそうだ。 ミスコン出場者の一覧、出たらしいから、ほれ」 八幡「そんなにいないんすね」 折本「双方五人ずつ位だね」 百合丘「衣装はこの前のやつを少し弄っておくから、何か要望があったら言ってね」 八幡「じゃあスカートをオミットして」 百合丘「あら比企谷くん、下は履かない変態スタイルがお好みで」 八幡「……スカートでお願いします」 百合丘「はいはーい」 ----------- -二週間後・文化祭前日・美術部- 登戸「……うおおおおおお!完・成ッ!」 百合丘「部長お疲れー、まさか受験勉強しながら二週間で十枚仕上げるなんて……はいコーラ」 登戸「おう、サンクス」 百合丘「頑張ったじゃない。 十枚も……カブト虫、紫陽花、螺旋階段……意味がわからない絵が多いけど」 登戸「その辺は比企谷とかが詳しいぞ……これで俺らも引退か」 百合丘「三年。 短かったね」 登戸「もう少し長くやりたかったな」 百合丘「あら部長、志望でしょ?私と一緒で」 登戸「ここでって意味だ。 もっと面白い絵が描ける気がするんだ……あの二人を見てるとな」 百合丘「なら明後日のミスコン、行って来たら?私ここにいるから」 登戸「いいのか?自分の衣装、見たいだろ」 百合丘「部長の希望を優先させたまで。 それに、衣装はもう完成してるから。 私の中ではミスコンは終わったも同然」 登戸「これだから芸術家は。 作ったものの行き先を気にしないとは」 百合丘「芸術家肌は、部長も同じでしょ?」 生田「部長、お茶の搬入終わりましたー、明日氷が入ればバッチリです……って比企谷先輩たちは?」 登戸「最後の調整だとよ。 物理室と化学室借りて、今日明日は泊まり込むとか」 生田「ふーん、なんか青春って感じですね」 登戸「誰よりも青春ってもんが嫌いなひねくれヤンキーが青春してるって、変な話だよなwww」 百合丘「かおりちゃん風に言うならウケるwwwね」 -物理室- 八幡「……ッ……ック!」 折本「はちまーん、調子どう?アイドル曲でダンスやるとかやらないとか言ってたけど」 八幡「かおりか……最悪だ」 折本「うーわ、すごい汗。 拭きなって」 八幡「ああ……そうする」 折本「近くに銭湯あるからまだいいけど……。 どしたの、急にやる気出して」 八幡「お前が……頑張ってるから、だな」 折本「私が?」 八幡「百合丘先輩が言った言葉に食いついてたから……」 折本「あーあれ。 あれはノリで食いついちゃっただけだって。 八幡と何年付き合ってると思ってんの?私も、あんなジンクスは気にしないって」 八幡「……は?」 折本「でも、八幡がそんなに頑張ってくれてるんだし……そのジンクス、信じてみようかな」 八幡「かおり……」 折本「優勝しなよ、八幡」 八幡「……ああ、俺の意地で優勝する。 ヤンキーは意地だけは誰にも負けねえんだ」 折本「はいはい、エセヤンキーさんwそーだ。 動きに悩んでるなら……私達が付き合った長さを思い出すといいよ。 私はそうした」 八幡「付き合った長さ……?」 折本「そう。 優勝は、それで狙える」 八幡「…………」 折本「じゃあ私、先に銭湯行ってるね。 八幡もちゃんと汗流しなね」 八幡「……長さ、か」 八幡 長さ……三年か。 えっと……午後一時から体育館な」 折本「毎年三十分前には入ってないと座れないらしいから注意ねー」 小町「そうなんですかー。 お兄ちゃん、優勝しないと小町ポイント減らすからね!千葉みに、いやちなみに、優勝すると小町ポイントが倍になりまーす!」 八幡「だからなんなんだよ小町ポイント……」 折本「ん、八幡。 そろそろ私達会場入りしないと。 ……午後一時からのミス・ミスターコンテスト、とをよろしくー!」 八幡 さらっと宣伝しやがった…… -ミスターコンテスト 女装 中- 八幡 参加者だから舞台袖からコンテストを見られるわけだが…… 司会「はい、エントリーナンバー三番、さんでしたー。 次はエントリーナンバー四番。 校内でも有名なルの片割れが参戦。 さんでーす!」 八幡 かおりか……結局あの言葉の意味は今の今までわかってないんだが…… 折本「四番、。 アイドルの真似ごとを。 曲は『 アンダルシアに憧れて』」 八幡 歌うのか。 声は……まあ低い方だな。 頑張って出してる感が否めないが。 ……仕草は……男性そのものだな。 ステージの出た時の所作から、その全てが男性的というか、誰をモデルにしたんだか…… 折本『そーだ、八幡。 動きに悩んでるなら……私達が付き合った長さを思い出すといいよ。 私はそうした』 八幡 ……ああ、そう言うことか。 腐った目対策のメガネ、よし。 かおりに頼んだウィッグとメイク、そしてアド……最後に覚悟。 よし 八幡 流れは頭に叩き込んである。 ステージに出て、中央まで歩く 八幡 男女で、足の使い方すらも違う。 そう言ったところも、キッチリ再現すると、見え方が違う 八幡 だから、かおりの動きを真似する。 三年間ずっと見てきたかおりの動きを 八幡 そうすれば…… 「あの子、動きがすごくらしくないか?」「歩き方とかすごいっぽいよねー」「ぽいのー」「まあ北上さんには遠く及びませんがね!」 八幡 よし、客は味方にできた 八幡 後は……全力でやるだけだな 八幡「エントリーナンバー二番、。 月並みながらアイドルもどきを……曲は『TOKIMEKIカレート』」 八幡 歌う必要はない。 口パクをして、踊ればいい……少なくとも俺が見た映像では、それのレベルが高い奴が優勝していた ----------- -数十分後・舞台袖- 司会「えー、全ての出演者の方のアピール、並びに審査結果の集計が終わりました。 それでは結果発表に移ろうと思います。 まずは、ミスコンテストから」 折本「というわけで、司会者さんがステージに立ち我々は舞台袖にいるわけですが」 八幡「何故に説明口調」 折本「八幡、優勝できると思う?」 八幡「人事は尽くしたぞ」 折本「私は自信アリオリ」 八幡「なんか言い方違わね?」 折本「ま、二人して優勝ぶんどって、こっからステージに行けるって!」 司会「今年のミス総合は……エントリーナンバー二番、さんです!比企谷さんステージへどうぞ!」 折本「行ってきなよ。 すぐに追うから」 八幡「お、おう」 司会「おめでとうございます!」 八幡「あ、ありがとうございます」 司会「本番はあまりしゃべっている印象はありませんでしたが、声は案外低いんですね。 それにしても、あの動き、一つ一つから女性らしさが滲み出てましたが、何か秘訣は?」 八幡「他の学校の女装コンテストの映像を見たのと、同時に……かお……折本から」 司会「おお、ルの強みを見せつける結果になりましたね。 さてミスター総合は誰になるのか、こちらも発表して行きましょう!」 折本 大丈夫だよね、きっと…… 司会「今年のミスター総合は……エントリーナンバー五番、瑞樹さんです!」 折本「……へ?」 八幡「……は?」 「ありがとうございまーす!」 ----------- -同日夜・屋上- 折本「…………」 八幡「ここにいたのか、かおり」 折本「…………」 八幡「この前とは逆だな。 前つっても先月だけど」 折本「……できなかった、優勝」 八幡「優勝する奴がいれば負ける奴がいる。 今回のも一つの結果に過ぎない」 折本「八幡は!悔しくないの!?」 八幡「は、このために三ヶ月、練習を積んだらしい。 参加申請ギリギリで応募して、二週間そこそこ練習しただけの俺たちだ。 片方があそこにいただけでも奇跡だよ」 折本「……八幡?」 八幡「……でも、悔しいもんは悔しい。 かおりと一緒にあの場所に立ちたかったんだがな」 折本「……んっ。 八幡、ハンカチある?」 八幡「胸なら貸すぞ、さっき着替えて、詰め物抜いてスッカスカになったがな」 折本「八幡……八幡……えぐっ、ひぐっ……」 八幡「…………」 ----------- -翌日・文化祭最終日・美術室- 登戸「いやあ、大繁盛大繁盛!去年の何倍の人入りだろうなあ!美術室が満員だ!」 生田「ミスコン効果っすね。 お茶も飛ぶように売れて昨日のうちに完売してますし」 百合丘「あの会場で描いて、ここで徹夜で彩色した部長の絵も、結構人気みたいだしね」 登戸「おう、あれは二人に礼としてやるとするかな」 生田「でも、本番で二人が一緒にステージに立って歌うところなんて、なかったんですよね」 登戸「ああ、なかった。 でも見えたからな。 模写しか取り柄のない俺に、見えないものを描かせたんだ、あの二人はアベック優勝以上の何かがあったんだろ」 百合丘「部長、言い方古ーい」 登戸「ウッセw」 百合丘「で、その大盛況の立役者はどちらに?」 登戸「準備室で寝てるよ。 昨日の夜からずっと学校にいて、泣き疲れと抱き疲れだとよ」 百合丘「抱き疲れ……一体あの二人何回戦まで」 登戸「勝手にエロ方向に考えるんじゃねえ、脳内海綿体。 それにその手の汚れ役は生田の仕事だ」 生田「やっぱり俺の扱い悪くないっすか!?」 -美術準備室- 八幡「…………」 折本「……まだ寝てるんだ。 ずっと私のこと抱きしめてたもんね……」 折本「本当、大好きだよ、八幡……んっ」 百合丘「あら、キスシーン。 終 元スレ 折本「カノジョな私と」 八幡「不良な俺と」.
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