事件当日の7月18日、NHKは午前11時から京都アニメーション(以下、京アニ)への取材を予定していたという。 ただし、事件が発生したのは午前10時半頃であり、NHKのディレクターが到着した時はすでに火災が発生していた。 NHKの木田幸紀放送局長はこうした経緯を説明したうえで、一部ネット上で「取材に向かっていたディレクターと容疑者には面識があった」との情報が広まっていることについて、「一切ない」と否定した。 ネットで加速する「NHKの陰謀論」 京都アニメーションの火災では34人が死亡し、平成以降に発生した放火事件としては最悪の被害者数となった。 犯行直後に警察に身柄を確保された青葉真司容疑者はいまだ意識不明の重体であり、京都府警は回復を待って逮捕する方針。 動機の解明が待たれる。 このあまりに凄惨な事件に、ネットでは情報が錯綜し、いつしか「NHKが事件に関与していたのではないか」という根拠のない噂が流れ出していた。 事件当日18日の夕方、NHKは事件のあらましを報じた際に、<火事が起きた『京都アニメーション』に番組の撮影のため向かっていたNHKの男性ディレクターが容疑者とみられる男が確保された現場を見ていました>とし、タクシーの車内からスマートフォンのカメラで収めた容疑者確保の決定的瞬間を流していた。 翌19日、京アニの八田英明社長が報道陣の取材に応じ、当時の状況について「来客対応のためにスタジオのセキュリティを解除していた」と説明した。 するとネットでは、「NHKが取材しなければ犯人はスタジオ内に入れなかった」「NHKの取材のせいで事件が起こった」という意見が噴出する。 さらに、新聞・通信各社が八田英明社長の発言を報じるなか、NHKだけはセキュリティ解除の理由を「通勤時間帯のため」と報じていたとして、ネットでは「NHKが隠ぺい工作をしている」とにわかに騒ぎ出す人々が現れた。 するとこれに便乗したのか、どこからか「NHKのディレクターは埼玉の厚生施設で容疑者と接触していたようだ」「NHKが取材時間やスタジオの見取り図の情報を犯人に流した」などと根も葉もないデマが飛び交うようになる。 ネット上で拡散し始めた。
次の「ユーフォ」の荒らし投稿が直前に途絶える 「ニュースにデビューしてもいいかい?」 7月18日午前8時39分に、掲示板「ふたばちゃんねる」にこのような書き込みがあった。 本人による書き込みはこの一言のみで、具体的な内容への言及はない。 事件はその約2時間後に発生したため、 「まさかこれ犯行予告だったりしないだろうな」「放火はヤバイよ」と、犯行予告ではないかとみなした掲示板の住人の書き込みが相次いだ。 ツイッターでもこのスレッドを取り上げた投稿が拡散、あるツイートはリツイート回数が2000を超えている。 また大手掲示板「5ちゃんねる」のアニメ関連の板では京都アニメーション制作のアニメ「響け!ユーフォニアム」のスレッドに荒らしのような書き込みが事件直前まで執拗に投稿されていたが、前日の17日午後2時54分を最後に、荒らしの投稿は途絶えている。 このため、 「まさか例の荒らしが犯人か?」 「姿を見せなくなった時期と一致しているのは不気味だな」 と、この荒らしが犯人だったのではないかと憶測する書き込みもなされている。 18日午後6時現在の同作品のスレッドにも、17日まで度々投稿を繰り返していたハンドルネームによる荒らしは投稿されていない。 こうした書き込みはSNSなどで拡散され、複数のまとめブログが「犯行予告」といった触れ込みで取り上げている。 もっとも、いずれの書き込みも直接的に事件との関係は明示しておらず、現時点では憶測の域を出ない。 18日午後7時現在、警察に身柄を確保された男の素性・動機は未だ報じられていない。
次の事件当日の7月18日、NHKは午前11時から京都アニメーション(以下、京アニ)への取材を予定していたという。 ただし、事件が発生したのは午前10時半頃であり、NHKのディレクターが到着した時はすでに火災が発生していた。 NHKの木田幸紀放送局長はこうした経緯を説明したうえで、一部ネット上で「取材に向かっていたディレクターと容疑者には面識があった」との情報が広まっていることについて、「一切ない」と否定した。 ネットで加速する「NHKの陰謀論」 京都アニメーションの火災では34人が死亡し、平成以降に発生した放火事件としては最悪の被害者数となった。 犯行直後に警察に身柄を確保された青葉真司容疑者はいまだ意識不明の重体であり、京都府警は回復を待って逮捕する方針。 動機の解明が待たれる。 このあまりに凄惨な事件に、ネットでは情報が錯綜し、いつしか「NHKが事件に関与していたのではないか」という根拠のない噂が流れ出していた。 事件当日18日の夕方、NHKは事件のあらましを報じた際に、<火事が起きた『京都アニメーション』に番組の撮影のため向かっていたNHKの男性ディレクターが容疑者とみられる男が確保された現場を見ていました>とし、タクシーの車内からスマートフォンのカメラで収めた容疑者確保の決定的瞬間を流していた。 翌19日、京アニの八田英明社長が報道陣の取材に応じ、当時の状況について「来客対応のためにスタジオのセキュリティを解除していた」と説明した。 するとネットでは、「NHKが取材しなければ犯人はスタジオ内に入れなかった」「NHKの取材のせいで事件が起こった」という意見が噴出する。 さらに、新聞・通信各社が八田英明社長の発言を報じるなか、NHKだけはセキュリティ解除の理由を「通勤時間帯のため」と報じていたとして、ネットでは「NHKが隠ぺい工作をしている」とにわかに騒ぎ出す人々が現れた。 するとこれに便乗したのか、どこからか「NHKのディレクターは埼玉の厚生施設で容疑者と接触していたようだ」「NHKが取材時間やスタジオの見取り図の情報を犯人に流した」などと根も葉もないデマが飛び交うようになる。 ネット上で拡散し始めた。
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