昨今のビジネスにおいては、毎日大量のメールの送受信により仕事が成り立っています。 その中で、相手(取引先、上司)から受けた様々な恩恵に対して感謝の意を伝えるべく「お礼メール」を送るシーンが多々ありますよね。 この「お礼メール」は、相手に対して失礼のないように、しかも信頼性に繋がるような内容にする必要があります。 信頼されるとは、もう一度この会社、或いはこの人と取引したい、仕事を一緒にしたいと思われることです。 そのように思われるには、相手の立場と状況に配慮・気配りした、しかも礼儀正しく、丁寧に、正確に「お礼」を伝えるメールでなければなりません。 そこで今回は、それらの要素を加味し、受け取った相手の心に響く「お礼メール」の送り方を具体例を交えながら、解り易くお伝えしていきます。 しかしながら、スピードが優先される現在のビジネスの世界では、それが困難な場合もあるでしょう。 そのような場合には、メールだけでも相手に失礼にならないことも多くなってきています。 「お礼」メールは、本文の中で、恩恵を受けた相手(取引先、上司)に対して、どのように感謝して、今後どのように対応していくかを丁寧に伝えていきます。 ・件名 ・取引先 会社名、所属、役職、氏名) ・定型の挨拶文 ・名乗り 自分の会社名、所属、氏名) ・本文 ・相手から受けた恩恵に対して、どのように感謝しているのか ・それに対して、今後どのように対応するのか ・結び ・署名 ・定型の挨拶文: ・いつもお手数をおかけしております。 ・いつもご配慮をいただき、誠にありがとうございます。 ・平素より、格別のご高配を賜り、感謝致しております。 ・平素より、大変お世話になっております。 誰から、どのような恩恵を受け、感謝の気持ちをどのように伝え、今後どのように対応していくかを考えながら進めていきましょう。 まずは、メールツールを開き、本文欄から書き始めていきます。 宛先欄への入力は、送信直前に行なって下さい。 忙しいビジネスマンのパソコン画面には、多くのウインドウが開きマルチに仕事をこなしているはずです。 先に宛先欄に入力してしまうと、何らかのミス操作により送信ボタンが押されてしまい、意に反して相手に作成途上のメールが送信される危険性があるからです。 操作ミスによって、下書きメールが取引先に届いてしまうと、お礼メールを送るつもりが、嫌がらせメールにも繋がりかねません。 更に、信頼度も低下するはずです。 くれぐれも宛先欄への入力は、送信直前に行なって下さい。 ここで、想定として ある会社の営業課長A氏が、上司の部長と共に取引先の会食に招かれ、翌日に、部長から「A課長、昨日の会食へのお礼メールを先方に送っておいて下さい」と言われたとします。 取引先の出席者は、社長のみで、こちらからは、部長とA氏のみです。 いきなり美しい文章表現はできませんので、必要な項目を挙げ、それらを箇条書きにした後に組立てていきます。 社長の創業当時の苦労話しに感動した。 ・今後の対応:御社発展のために、これまで以上に尽力する所存。 昨日はご多忙の中、あのような素晴らしい宴席にお招きいただき、誠にありがとうございました。 美しい庭園と美味しい料理の数々に感嘆を覚えつつ、大変楽しい時間を過ごすとができました。 また、創業当時のご苦労されたお話しは大変貴重であり、感銘を受けました。 今後も微力ではございますが、御社のご発展にために、これまで以上に尽力致す所存でございますので、何卒よろしくお願い申し上げます。 以上、メールにて大変恐縮ではございますが、まずは、お礼申し上げます。 「お礼」の気持ちを敬語で書くには? ビジネスにおいて、取引先、或いは上司は目上であり、敬語を使うのは当たり前ですよね。 これらの人からの恩恵を受ける事象には様々なものがあり、これらに対して、「お礼」の意を込めたビジネスメールを送る際には、適切な敬語を使用することが大変重要になってきます。 この 敬語の使用を誤ると、「お礼メール」が「失礼メール」に変わり、その後のビジネスに支障をきたすこともあります。 以下に、恩恵を受けた際の主な敬語表現を説明します。 目上の人から受けた恩恵(行為)を敬語で表現し、更にその行為をどう感じたかを敬語で表しています。 ・そのようなお気持ちを大変嬉しく「頂戴致しました」。 ・大変貴重なお品を「いただき」、「心より感謝致して」おります。 ・ご丁寧なお心遣いを「いただき」、「深く感謝申し上げ」ます。 ・誠にお忙しい中、多数の「ご参加をいただき」、「心より御礼申し上げます」。 ・昨日は、お忙しいところ弊社まで「ご足労いただき」、「誠にありがとうございました」。 ・先日は、弊社にわざわざ「ご来訪いただき」、「心より感謝申し上げます」。 ・昨日は大変素晴らしいご祝賀の宴に「ご招待いただき」、誠に光栄であり「心より感謝申し上げます」。 ・昨日は、〇〇披露式へ「ご招待にあずかりましたこと」、大変名誉であり「誠にありがとうございました」。 ・先般は、〇〇祝賀会に「ご招待を賜り」、「深く御礼申し上げます」。 「お礼」メールの結び 前述の定型化ビジネスメールの最後の部分です。 この「結び」において、 以下のように敬語を使って丁寧に締めくくることにより、相手との今後のビジネスを円滑に維持していくことができます。 この「結び」がないお礼メールは、電話での会話において、相手に何も告げずに黙って受話器を置くのと同様であり、締まりがなく相手に大変失礼なことになってしまいます。 ・まずは御礼かたがたメールを差し上げました。 ・取り急ぎ、御礼を申し上げたくご連絡致しました。 ・取り急ぎ御礼まで。 では、失礼致します。 ・取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。 ・今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。 ・今後とも、ご高配賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 メールにて失礼致します。 その中に、取引先が送った「お礼メール」も含まれているはずです。 送った側としては、その「お礼メール」をいち早く開いて欲しいはずですよね。 メールを受信する側は、まずは、差出人(送信者)と件名 タイトル が表示されている一覧表を開き、件名 タイトル を見て、その件名から本文内容が容易に判断できる解り易いメールを優先して開いていくことになります。 この 解り易い「件名(タイトル)」にするには、以下に示す工夫が必要です。 ・【御礼】先般のご来社に感謝致します。 ・【御礼】お見舞いありがとうございました。 ・【御礼】昨日の展示会へのご来場感謝します。 送信前の注意事項について どのようなツールでも、そのツールの機能と特性を充分に理解して使うことが重要です。 逆にそれを怠り中途半端な理解で使うと、本来の機能を発揮せずビジネスに支障をきたすことにも繋がります。 メールという現代の便利ツールも同様です。 以下に、そのツールの機能・特性等を示しますので、送信ボタンを押す前に、充分にチェックを行なって下さい。 この時、「送信者名(差出人)」欄には、送信側のメーラーで設定した「送信者名」が表示されます。 送信者が個人である場合は、この欄に「〇〇太郎」と表示されても特段の問題はありません。 しかしながら、ビジネスですから 相手(取引先)の「送信者名(差出人)」欄には、個人名の他に会社名も表示される方が相手に親切であり、丁寧さが伝わり信頼度も向上します。 これを実現するには、送信側のメーラーで、「会社名+氏名」を事前に設定しておく必要があります。 メールアドレスを「宛先」欄に直接設定することは避けて下さい。 何故なら、入力ミスの危険度が高くなるからです。 現代の多くのビジネスマンは、会社用のメールアドレスを与えられ、同姓の社員が複数いる場合は、1文字違いのメールアドレスを付与されている場合もあります。 このような中で、アドレスの入力ミスの発生により、全く別の社員へメールが届いてしまい、相手の会社に迷惑がかかります。 このような危険を回避する意味からも、事前のアドレス帳への登録が必要なのです。 初めてこのような気の利いたビジネスメールを受け取った会社では、「気配りが隅々にまでに行き届いている、いい仕事をする会社かも?」との評価をするかもしれませんね。 それまでの三人の関係にもよりますが、ある一定の付き合いがあればA課長は、先方の社長に対してお礼メールを送る際は、部長にCCするはずです。 これは、ある意味ではビジネスマナーとも言えます。 このCCを見た社長は、「A課長は、中々気が利いている、社風の良い会社だな」と好感を持って受け止めるはずです。 但し、それまでの三人の付き合いが浅い、或いは取引先の社長が神経質でメールに不慣れな場合は、部長へはBCCの方が望ましいです。 社外へのメール送信時におけるCC、BCCの活用は、臨機応変に、かつ慎重に対応することが、良いビジネスに繋がります。 ・役職名に「様」を付けない! 社長、部長、課長等の役職名は、これ自体が敬称ですので、様を付けると敬称が重複してしまい、逆に失礼になると同時に、相手に教養不足が露呈することになります。 信頼度も失墜します。 「〇〇営業部長様」は間違いであり、「営業部長〇〇様」が正しい表現です。 もちろん、社内では「〇〇営業部長」で充分であり、「様」は不要です。 ・署名の表示情報 あまり凝り過ぎず、氏名、会社名、所属部署名、電話、メールアドレス等ビジネスに必要な最低限の情報を簡潔に表示する工夫をしましょう。 ・誤字脱字のチェック 当たり前のことですが、社外メール全てにおいて、誤字脱字は許されません。 特に「お礼メール」には慎重なチェックが必要であり、「失礼メール」にならないように努めて下さい。 ・「お礼メール」の送信タイミング 取引先の勤務時間内に、可能な限り早めに送ることがビジネスマナーです。 転勤前にお世話になった前任地の人達へのお礼メールは大変重要であり、以後の出世にも影響をする場合もあります。 従って、 転勤先に着任した時点で、なるべく早めに、丁寧に心を込めて送りましょう。 本日、無事着任致しました。 今後とも、何卒ご指導の程、宜しくお願い致します。 なお、本社出張の際には、是非ともご連絡下さい。 ご一献差し上げたいと存じます。 大変、お世話になりました。 〇〇〇株式会社 営業推進部の〇〇でございます。 昨日の弊社主催のセミナー「今後の〇〇ビジネスへの展望」につきましては、大変ご多忙のおり、御社より大勢の皆様のご出席を賜り、深く御礼申し上げます。 お陰様で、本セミナー全体の来場者数も昨年を大幅に上回り、大盛況のうちに終了することが出来まして、心より感謝致します。 今後につきましても、弊社へのご指導・ご支援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。 取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。 さて、大量メール発信時代にあって、この便利なビジネスツールである メールを効率良く使いこなし、生産性を上げることがビジネスマンの使命であり、義務でもあります。 それを実現するには、それなりの経験と努力が必要であり、一朝一夕に叶うものではありません。 まずは、上手なメールを書いている先輩・上司・同僚の真似から始めましょう。 メールは、大変便利な物であり、簡単に保存ができます。 先輩・上司・同僚が作成した上手なメールを受信(TO、CC)した際には、しっかりと保存しておきましょう。 この中から、自分にも使えそうな部分を取り出し、自分なりにアレンジして使えば良いのです。 これは、パクリではなく、お手本にしたと表現します。 職人が、先輩から「技」を盗むのと同様ですね。 この「お手本」をある程度繰り返すことで、「自分のメール」、つまり「信頼度が高く相手に感謝されるお礼メール」が出来上がっていきます。 まずは、「お手本」から始めていって下さい。 明日からと言わず、今日から始めて下さい。 まとめ 「ビジネスで信頼されるお礼メールの送り方」とは、以下のことを実行することで出来ます。 ・定型化に慣れ、これに沿って作成すること。 ・受けた恩恵の内容に適した敬語を上手く使い、お礼の気持ちを表現する。 ・メールの特性を熟知し、受信した相手への配慮を行なう。 ・メールアドレスは、事前にアドレス帳に登録すること。 ・送信前のチェックをしっかり行ない、誤字脱字がないものを送る。 ・良いお手本を真似することから始める。
次の展示会出展の成果を出そうとするあまり、お礼状に必要以上なフォローを盛り込もうとするのは避けるべきです。 会社の製品情報や宣伝を無理に付け足すと、相手は強引に勧誘をされているのではないかと感じてしまう恐れがあります。 これではあなたの印象が悪くなるだけでなく、あなたの会社全体のイメージが下がることに。 展示会後のお礼状の目的はあくまでも「来場者へのお礼」です。 展示会直後に送るお礼状の内容は、感謝の気持ちだけにとどめておく方が良いでしょう。 また、展示会後のお礼状はシンプルにまとめましょう。 お礼状を受けとった相手が開封した際に、サッと読めるくらいの長さが理想です。 出展した製品情報が載ったURLを挿入する場合は、最後に「ご参考までに」という形でサラッと付け足すくらいがベスト。 間違っても会社のホームページのURLを挿入しないように注意してください。 展示会のお礼状の書き方 以下はお礼状の書き方の例です。 今回は連絡手段として多く活用されるメールでのお礼状の書き方をご紹介します。 当日は至らなかった点もあったかと思いますが、ご容赦頂けますと幸いです。 まずは、略儀ながら(来場者氏名)様のご来場のお礼を申し上げます。 また、展示商品に関してご意見やご不明点がございましたら、お問い合わせください。 ・製品・サービス名 (製品を掲載したURL) 各資料請求のご要望につきましても、このメールにお気軽にご連絡ください。 引き続き、宜しくお願い致します。
次のBtoB企業にとって、展示会への出展は新規リード獲得のための重要なマーケティング活動です。 しかし、展示会で接触したお客様とどのように関係を構築したらよいのか悩んでいる担当者様は少なくないのではないでしょうか。 「展示会後のフォローが大事」とは至る所で言われていますが、継続的にアプローチするには大規模なデータベースを構築して顧客管理するなど高いコストがかかるイメージがあり、「すぐ始められる具体的なフォロー方法」についてはあまり目にする機会がありません。 そこで当社エイジアからは、展示会後のフォローメールを工夫したことで大きな成果をあげているX社(当社ユーザー企業様)の事例を元に、 すぐに始められる展示会フォローの方法とその成果についてご紹介いたします。 X社では、下記のようにステップメールを計11回配信し、約半年にわたりフォローする計画を立てました。 しかし、X社が企画したステップメールはあくまで 「営業マンの代わり」です。 営業マンからのメールが週に何度も来たり、構成が素晴らしく整っていたり、大量のコンテンツが盛り込まれていたりすると却って不自然な印象を与えてしまいます。 そのため実際に営業担当がフォローしたいと考える適度な頻度と、営業担当が書くであろう適度なコンテンツ量を意識してステップメールの設定を行いました。 X社が属するITサービス業のメールクリック率は平均で3. 5%程度(2013年、MailerMailer社調べ)と言われているため、コンテンツによって差はあるものの、平均値と比較しても大変高いクリック率を記録していることがわかります。 また、 「今すぐに案件はありませんが引き続き参考情報を送ってください」という返信が複数人から来たうえ、ステップメールによるアポも多数獲得できました。 以前X社は展示会から半年後、放置されてしまったリストに対し「自社セミナーのお知らせ」をメールで一斉配信したことがありましたが、クリック率は0. 8%に留まった上、すでにメールアドレスのドメインもしくはユーザーが存在しないため17%ものメールがエラーで届かなかったという苦い経験をしていました。 今回の施策により、「リストが放置されてしまう」という以前の課題が解決し、お客様との良好な関係を構築することに成功しました。
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