私たちは、新型コロナ肺炎が、最初に「サイレント(無症候性)低酸素症」という酸素欠乏を引き起こすことを認識し始めた。 陰湿で検出しにくい性質から「サイレント」と呼ばれている。 肺炎では患者は通常、胸部の不快感や呼吸時の痛みなどの呼吸障害を発症する。 しかし、新型コロナ肺炎の場合、当初患者は酸素量が低下しても、息切れを感じない。 しかしその間、驚くほど酸素濃度が低下し、中等度から重度の肺炎(胸部X線写真で見られる)になっていく。 正常な酸素飽和度は94%から100%だが、私が見た患者の中には、酸素飽和度が50%にまで低下していた例もある。 来院時点ではすでに重体になっていることも 驚いたことに、私が見た患者のほとんどは、1週間ほど前から発熱、咳、胃もたれ、倦怠感などの症状が出ていたが、来院するまで息切れは感じていなかった。 肺炎は明らかに何日も続いており、来院した時はすでに重体になっていることが多い。 救急科では、さまざまな理由で重症患者に呼吸管を挿入する。 しかし、私の30年の経験では、緊急挿管を必要とする患者のほとんどは、ショック状態にあるか、精神的に混乱しているか、あるいは、息をするためにうなり声を上げるかしている。 急性低酸素症のために挿管を必要とする患者は、多くの場合、意識を失っていたり、呼吸をするためにあらゆる筋肉を使っている。 だが、新型コロナ肺炎の症例はまったく違う。 私が診た新型コロナ肺炎患者の大多数は、トリアージ時の酸素飽和度が著しく低く、一見通常生活を送れないような状態なのに、挿管の準備をする時でさえスマホをいじっていた。 呼吸は速いし、胸部レントゲンでは危険なほど酸素濃度が低く、ひどい肺炎であったにもかかわらず、見た目には比較的最小限の苦痛を抱えているだけだったのだ。 なぜそうなるのか、私たちはようやく理解し始めたばかりだ。 コロナウイルスは界面活性剤物質(サーファクタント)を産生する肺細胞を攻撃する。 この物質のおかげで、肺の中の肺胞は呼吸の合間に膨らんだ状態を維持できる。 サーファクタントは、肺が正常に機能する上で重要な物質だ。 新型コロナ肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下する。 それでも当初は、肺はこの状態に適応し、硬くなることも、液体を貯めることもない。 この状態であれば、患者は二酸化炭素を排出できる。 二酸化炭素が蓄積されなければ、患者は息切れを感じない。 患者は血中の酸素が低下するにつれ、より速く、深く呼吸をするようになる。 無自覚に、だ。 この無症候性低酸素症とそれに対する患者の生理的反応によって、炎症はいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。 ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。 患者が激しく呼吸することで、いっそう肺を傷つけているわけだ。
次の今日入院中の母のお見舞いに行って来ました。 パルスオキシメーターw 診察室に置いてあったり、看護師さんが持ち歩いている小さいタイプじゃなくて、ナースステーションでモニターできる、24時間つけっぱなしにするちょっと大きいタイプ。 懐かしい!と思いつつ見てみたら、私が入院した時より 半分くらいのサイズになっているじゃないですか! ちょっとビックリ。 たった1年半で、こんなにサイズが縮んだの? それとも病院にもいくつかのタイプがあって、私が使っていたのはたまたまサイズの大きいものだったの? 真相は分かりませんが・・・。 多発性筋炎の合併症で間質性肺炎も併発していた私。 入院して間もなかったまだ具合の悪い時は、ずっと酸素マスクで酸素を入れないと苦しくて・・・。 何しろ血中酸素量、90を切っていましたから。 あまりの邪魔さと息苦しさでイライラMAXだった当時の私は、 「これ!大きいし邪魔くさいし、ストレスなんですよぉぉぉぉぉ!」 と看護師さんに言ったら、 「トイレや歯磨きの時はこれを使ってください」 と首から下げる紐のついた、巾着状のビニール袋を渡されました。 そこにでっかいパルスオキシメーターを入れておけ、と。 ただでさえ点滴台をひきつれて歩くのに、でっかいパルスオキシメーター持ち歩くのが本当にストレスだったんですよ・・・。 看護師さん、八つ当たりしてゴメンネ。 酸素が安定して来て24時間パルスオキシメーターが外れた時は、本当に嬉しかったですよ~。 ちょっと寝返りを打つと指先が引っ張られるし、本当に邪魔くさかったのでw そんな苦い思い出のあるでっかいパルスオキシメーター、母がつけていたのは小型の上に脈拍まで分かる高性能なものでした。 私がつけていたのは、でかいのに酸素量しか分からなかったよ・・・。 別にいいんだけどさw 検査の結果が良好で、明日には退院が決まったとの事。 でも、まだ動くと息切れするそうで、自宅で安静にする必要があるそうですが。 私が思うに、母はたんぱく質が足りないんですよ。 もっとお肉を食べて欲しいと思うのですが、年を取るに従って食べる量が減ってしまって、あんまり食べられないそうです。 私が入院中に我が家に泊まり込んで家事をしてくれた母ですが、その時の食事が次男には全然足りなかったそうで。 そりゃ70代女性と10代男性じゃ、食べる量が全然違って当たり前ではありますがw.
次のNHK「東京都医師会「全国レベルで宣言継続し自粛徹底を」新型コロナ」(2020年4月30日)は次のとおり報じました. 「東京都医師会の尾崎会長は30日の記者会見で、「全国レベルで継続するようにしてほしい。 これまでどおりの自粛では人の流れは6割5分くらいしか減っておらず、目標の8割には達していない。 改めて原点に戻り、政府には国民が安心して自粛ができるような休業補償の対策を強化してほしいし、国民の皆さんには自粛を徹底してほしい」と述べ、一層の自粛を求めました。 そのうえで、今後、感染の拡大が収まってきた段階で、中等症の患者を集中的に受け入れて治療する「コロナ専門病院」の設置を東京都に提案していることを明らかにし、尾崎会長は、「将来的には感染の第2波、第3波がある。 感染のスピードを遅くして、医療体制の構築を進めていきたい」と話していました。 」 NHK「自衛隊中央病院 院内感染対策など公開 東京 新型コロナ」(2020年4月30日)は,次のとおり報じました. 「200人を超える新型コロナウイルスの患者を受け入れた自衛隊の病院が、院内感染の対策などを報道関係者に公開しました。 公開されたのは、東京 世田谷区にある自衛隊中央病院で、取材は病院の指導のもと、患者が出入りする動線などと重ならないように配慮して行われました。 30日は、院内感染の対策や患者の受け入れ態勢が公開され、病院に来た人はすべて建物の外にあるテントで体温を測っていることや、感染の疑いの強い人が搬送されてきた場合には、出入り口から検査場所まで専用の動線を設けて誘導していることなどが紹介されました。 また、重症の患者を受け入れている病棟では、廊下を二重の扉で仕切ったうえ室内の空気が外に流れ出ないよう陰圧に保つ対策をしているということです。 病院では、新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客など、200人を超える患者の治療に当たっていて、これまでに院内感染は起きていないということです。 また、自衛隊中央病院は先月、クルーズ船の患者について、軽症や無症状の人でも胸部のCT検査を行うとおよそ半数に肺の異常が認められ、このうち3分の1は、その後、症状が悪化したとする分析結果を公開しています。 病院は、この特徴を「サイレント肺炎」と呼び、症状の悪化に気付きにくいおそれがあると指摘しています。 自衛隊中央病院の上部泰秀院長は「いろいろな医療機関と協力して画像所見を共有してソフトを開発したり、共通の基準を見つけたりすることに取り組んでいる」と話し、今後もほかの医療従事者と知見を共有したいとしています。
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