「博多うどん」の麺は、やわらかくてコシがない 福岡市を中心に食べられる「博多うどん」。 麺や出汁に特徴があります。 まず、麺は、コシがなく、もっちり、ふわっとしています。 その理由の1つは、九州産の小麦がもっちりとした柔らかい麺に向いているからだとも言われています。 また博多は昔から商人の町で、時間をかけずに早く食べられるものが好まれたため、やわらかい麺が好まれたという説もあります。 出汁は、薄口醤油で仕上げた透明な出汁です。 煮干(イリコ)や、サバ節、かつお節、アゴ(トビウオ)、昆布などを使って、それぞれのお店で工夫を凝らしています。 どこのお店にもある「ごぼう天(ごぼ天)うどん」 うどんに載せる具も様々ですが、中でも人気があるのが「ごぼう天(ごぼ天)」です。 どこのうどん屋さんに行っても、必ずと言っていいほどメニューにあるので、福岡に来たらぜひ味わって欲しいものです。 ごぼう天 ごぼう天は、ごぼうの天ぷらのこと。 そのはじまりは、1897年に創業し、明治から戦前にかけて福岡・天神にお店を構えていた「乙(おと)ちゃんうどん」(現在は閉店)。 当時は、出汁で下味をつけたごぼうに、衣をつけて揚げていたそうです。 現在、ごぼ天うどんは、博多、そして福岡全域に広まっていますが、その理由は、やわらかい麺とごぼうの組み合わせがヘルシーだから、うどんと一緒に食べられることの多いかしわ飯(鶏肉やごぼうを炊き込んだご飯)と相性がいいから、といった説があるそうです。 お店によって、様々に工夫が凝らされているごぼう天。 かき揚げになったものもあれば、細切りにしたもの、そのままの太さのものなど、形も様々です。 入ったお店でどんなごぼう天うどんに出会えるかも、楽しみの1つです。 それではさっそく、食べに行ってみましょう! 3大うどんチェーン店のごぼう天うどん 今回は、手軽に食べられるお店として、福岡県内で創業し、店舗数も多い3つのチェーン店を紹介します。 「ウエスト」「牧のうどん」「資(すけ)さんうどん」です。 それぞれのお店のごぼう天うどんを比較してみます。 【1】ウエスト• 写真:れいちゃん 福岡の人にはお馴染みの、の看板です。 あちこちで見かけることができます。 ご紹介する3つのチェーン店の中で最も店舗数が多く、うどんだけでなく、焼肉・そば・中華料理・カフェといった様々な業種の店舗を展開しています。 1966年に福岡県福津市で1号店を開店。 現在は、福岡県内だけでなく、九州各県や山口、関東地区にもお店を出しています。 福岡県内だけでも、ウエストのうどん店の数は60を超えています。 24時間営業・年中無休のお店も多く、値段もリーズナブルで、手軽にうどんが食べられるお店として人気です。 リーズナブルなごぼう天うどん• 写真:れいちゃん 「ごぼう天うどん」は、390円(税込)と、リーズナブル。 コロコロとしたごぼう天がトッピングされています。 博多うどんらしい、柔らかめの麺が特徴です。 ネギと天かすは、テーブルでセルフサービス。 頼むと柚子胡椒(ゆずごしょう)も持って来てくれます。 福岡では、うどんに柚子胡椒を入れるのが定番です。 【2】牧のうどん• 写真:れいちゃん 、正式名称は「釜揚げ牧のうどん」。 1973年に福岡県糸島市で創業。 「牧」という名前は、その最初の店舗のある場所の地名で、それがお店の名前になったそうです。 主に福岡県西部~佐賀県にかけて展開されており、全部で18店舗あります。 (2019年2月現在) 食べても食べてもなくならないうどん?!• 写真:れいちゃん 「ごぼう天うどん」410円(税込)。 丸々としたごぼう天で、衣はサクッとしています。 ネギはテーブルに置いてあって、セルフサービスです。 このお店ならではのサービスが、うどんと一緒に運ばれてくる小さなヤカン。 中に出汁が入っています。 釜揚げうどんですので、麺は水で締めていません。 食べているうちに、麺が出汁をすってだんだん少なくなってくるので、出汁をつぎ足しながら食べます。 食べても食べてもなくならないうどん、と言われる理由がこれです。 また牧のうどんでは、麺の硬さを選んで注文します。 「硬(かた)めん」「中めん」「軟(やわ)めん」の中から選びますが、ここはぜひ、「軟めん」にチャレンジして欲しいところ!軟めんは、更に輪をかけてなかなかなくなりません!もっちりとして、うどんのようで、うどんじゃないような・・・クセになる味です。 ぜひ、味わってみてください! 【3】資さんうどん• 写真:れいちゃん は、1976年に北九州市で創業した、北九州地区で人気のうどんチェーン店です。 福岡県内及び山口県下関市で、42店舗を展開しています。 (2019年2月現在) ごぼうの存在感があるごぼ天うどん• 写真:れいちゃん 「ごぼ天うどん」は430円(税込)。 細長いスティック状のごぼ天は、存在感があります。 かまぼこに、ピンクの「資」の文字が入っているのも特徴です。 麺は、普通の麺の他に、細めん(さいめん)も選ぶことができます。 細めんは、そうめんとうどんの中間くらいの細い麺です。 とろろ昆布と天かすがセルフサービス。 うどん以外のメニューも豊富で、おでん、かしわおにぎり、ぼた餅なども人気です。
次の福岡は地元の博多うどんの他に、讃岐うどんもすっかり馴染み深いですが、 こちらは数少ない長崎の五島うどん専門店です。 長崎県の名産『五島うどん』は、五島列島の郷土料理です。 香川県の讃岐うどん・秋田県の稲庭うどんと共に『日本三大うどん』といわれているそうです。 五島うどんの特徴は断面が円い極細麺でツルッと食べやすいこと。 手延べの際に麺がくっつかないよう、打ち粉ではなく、五島特産の椿油を麺の表面に塗ることで、延びにくくコシが強い麺になるそうです。 出汁に『焼あご 炭火などで焼いた飛魚 』を使うのも特徴です。 今回訪問した『五島』は福岡市早良区西新の商店街エリアにあります。 行列ができる回転饅頭店『蜂楽饅頭』から細い道に入ったところ。 大将がお一人で切り盛りされています。 カウンターとテーブルの小さなお店です。 2階の韓国料理店『韓シッタン』の姉妹店だそうです。 五島うどんの食べ方で特に定番なのは『地獄炊き』。 沸騰した鍋に麺を入れ、その鍋から直接うどんを取り、あごだしに浸けて食べるというシンプルなもの。 地獄炊き670円。 『湯だめうどん』みたいな感じですが、ぐらぐら煮立った土鍋で供されるのが『地獄炊き』と呼ばれる所以ですね。 つけ出汁と生卵が付いています。 うどん麺は平打ちではなく、丸く細いです。 コシがあって、ツルツル滑らか。 食感はうどんというより、太い冷麦みたいな感じでしょうか。 つけ出汁には、ネギと揚げ玉が入っています。 これに生卵を落として、つけ麺として頂きます。 生卵が入るのがお約束みたいですね。 地獄炊きやつけ麺の他に、一般的なうどんメニューもあります。 ごぼう天うどんは590円です。 こちらは、親子うどん660円。 親子ということで、鶏肉の玉子とじが入っています。 揚げ玉やかまぼこも入っています。 おつゆたっぷりです。 味は想定内ながら、五島うどんのツルシコ食感が新鮮です。
次の西新商店街の蜂楽饅頭のあるビルの通路にあるうどん屋です。 蜂楽饅頭は福岡で人気で、熊本でも同様に有名でした。 私は福岡が本店と思っていましたが、実は熊本が本店(本社)のようですね。 ただ、今回は、素通りします。 西新に立ち寄り、歩きながら何を食べようかと考えていると、こちらのお店にたどり着きました。 なぜ、立ち寄ったかといえば、私の親が長崎県の五島列島出身で、祖父母の家に立ち寄った際には、このうどんを船に乗るまでの待ち時間に食堂で食べていたのを思い出したからです。 建物内の通路には飲食店が多くありますが、こちらのお店は比較的新しいのか、外観も他の店と比べても綺麗です。 店の外でメニューを決めて店内に入ると、カウンター席に座ることができました。 今回注文したのは、つけ麺うどん・温(580円)。 待つこと3分ほど、かなり早い理由は、その麺の特色にあるからだと思います。 五島の手延べうどんの特色は、何よりも細いこと。 太さとしては、中太のラーメン麺やひやむぎの麺くらいで、博多や讃岐のうどんと比べるとその違いは一目瞭然です。 食感としては、ラーメン麺よりやや食感は堅めで、写真のように麺の量が多いですが、スルッと食べられます。 それに、通常のうどんの粉っぽさというもなく、麺自体はあっさりしています。 具としては、梅干し、かまぼこと、カイワレ大根が入っており、アクセントとしていい具合です。 また、出汁は麺の量と比べると少ないのかなと思いましたが、食べるとちょうどいいくらいです。 出汁の味は、甘めの醤油ベースといったところで、ネギ、麩が入っており、つけ麺なので、食べていくほどにちょうどよい濃さになります。 全体的に、久々に五島のうどんを食べたなぁと同時に、思った以上にクセになりそうな味です。 福岡では、近年、新しいうどん屋がどんどん開店し、ラーメンとともにさながら激戦状態のようにもなっていますが、五島うどんもある意味で、もっとメジャーになっていもいいくらいのクオリティのあるうどんです。 五島うどん自体の歴史も長いみたいですし、このお店から福岡での五島うどんの知名度が広まってほしいなとひそかに思っています。 たぶん、また立ち寄ることになるでしょう、ごちそうさまでした。 このHTMLタグをブログに貼り付けると、お店の地図や情報を掲載することができます。 つけ麺うどん五島 関連ランキング:うどん 西新駅、藤崎駅.
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