辛いものが大好きな人って結構いますよね。 辛いものは、適度な量ならば肉や魚の臭さを消してくれる 薬味としての役割がありますし、 食欲増進、脂肪分解などの健康効果も期待できます。 しかし、適量を超えた辛いものというのは 下痢や腹痛を引き起こすことがあります。 激辛料理を食べた次の日、下痢を起こしてしまったばかりか、肛門が刺激されて痛いという経験をしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。 そして辛いものに大抵使われているのが皆さんご存知の「 唐辛子」ですね。 ということで、こちらでは唐辛子などの 辛いものを食べるとなぜ下痢や腹痛を起こしてしまうのか?その原因や対処法などをお伝えしたいと思います。 「辛い」は味覚ではなく痛覚と温覚 まず、辛いものを食べた時に感じる 「辛味」というのは味覚ではなく「痛覚と温覚の融合」によってもたらされるものと言えます。 辛いものの代表とも言える 唐辛子にはカプサイシンという辛味成分が含まれていますが、唐辛子を食べた時のその舌は「痛い」と同時に「 熱い」という感覚を覚えているはずです。 これは口の中にあるカプサイシン受容体に作用したことで引き起こされる反応で、生理学上の味覚として分類される「甘味・塩味・酸味・苦味・旨味」の5つが味覚受容体細胞に作用することで引き起こされる機構とは明らかに異なります。 さらに言うと ワサビに含まれる辛み成分であるアリルイソチオシアネートは「ワサビ受容体(冷刺激受容体TRPA1)」に作用されることで辛みを引き起こし、カプサイシンとは反対に 清涼感を伴うツーンとした辛味が特徴です。 このようにして、 痛覚と温覚の双方に働きかけるのが「辛い」という感覚なのです。 さらに言えば、辛いものの痛覚刺激というのは口の中に限らず全身で味わうことが出来ますね。 唐辛子が目に入ると激痛ですしね。 このように辛みが痛覚を伴う物理刺激であることを考えると、辛い物を食べ過ぎて下痢になってしまうのもなんとなく理解が出来ますね。 唐辛子のような辛いもので下痢・腹痛になる原因はカプサイシン 恐らく「辛い物を食べて下痢を起こす」という場合はほとんどが唐辛子に含まれる カプサイシンが原因になります。 それは、「自分の体の許容範囲を超えた量を食べる」ということが最も多いのが唐辛子だからです。 唐辛子をふんだんに使った料理というのは、激辛ラーメンや中華料理に結構多くありますからね。 辛い物は唐辛子の他にもワサビ、生姜、山椒などもありますが、これらの辛いものは大抵「薬味」として使われているものを食べる程度だけで、そこまで大量摂取をすることはないはずですからね。 適量のカプサイシンを取っている分には 腸内細菌を活発にしたり、大腸のカプサイシン受容体に作用して 大腸がんが抑制されることが分かっていますが、やはり取りすぎは禁物ということです。 体の中の暴れん坊・カプサイシン 唐辛子に含まれるカプサイシンってのは暴れん坊で、体の至る所に刺激を与えていくんですよね。 口の中で痛覚と温覚を刺激し、飲み込んだ後は食道を刺激して 胸焼けを起こし、胃に運ばれれば胃酸の分泌を促して粘膜を傷つけて 胃痛を引き起こし・・・といった具合に、 食べ物の通り道全てを刺激していきます。 さらに厄介なことに、 カプサイシンというのは人間の体では消化ができません。 消化されないということは 小腸で吸収できないということであり、小腸を通り過ぎて大腸へと運ばれていきます。 こういった消化されない物質が大量に腸にとどまると、 消化不良を起こして下痢・腹痛になってしまいます。 また、カプサイシンには 交感神経を刺激する作用があります。 これにより腸の蠕動運動が活発になるため、食べたものを腸へと送るスピードが早くなります。 すると、食べたものの水分を吸収しながら大腸へと送るという本来の体の働きが行われず、水分の多い便が出来てって下痢・腹痛になるということも考えられます。 さらに間接的な原因を考えるならば、辛いものを食べた時、口の中の辛さを和らげようとして 大量の水を飲むことも下痢の原因にもなります。 大量の水を摂取すると胃液が薄まり消化不良をも引き起こしますしね。 しかも カプサイシンは水には溶けないので胃腸の中ではカプサイシンの刺激は弱まるどころかあまり意味がないのです。 唐辛子の下痢・腹痛の対処はどうしたら良い? 唐辛子のような辛いものを食べた時の下痢・腹痛はどのように対処をしたら良いのか? これには 牛乳を飲むことが効果があります。 牛乳などの乳製品には カゼインというタンパク質が含まれています。 筋トレに詳しい人ならカゼインを使ったプロテインというのはご存知だと思いますが、 カゼインにはカプサイシンと結びついて刺激を和らげてくれる機能があります。 これは、単に下痢・腹痛を抑えるための対策というだけでなく、舌の上で繰り広げられる辛味そのものを中和してくれる効果も期待できます。 ちなみに、 あらかじめ牛乳を飲むことで胃腸の粘膜を保護してから辛いものを食べる 、という予防対策も考えられますが、 牛乳を飲んでも粘膜に残らず洗い流されてしまうのであまり意味が無いです。 あるいは牛乳が苦手という方なら、 お茶や コーヒーなどを飲むと良いでしょう。 これらに含まれているタンニンに整腸作用があるためです。 一番いい対処方法は「唐辛子を食べないこと」に尽きるのですが・・・好きでどうしても食べたいという方は自らを守る対処法を持っておきましょうね。 長期的には腸内環境を整えて強い腸を作ることがベスト 牛乳、コーヒー、お茶を飲むというのはあくまでも対処療法であり、もっと根本的なことを言うなら 腸内環境を整えて強い腸を作ることが一番のケアになると思います。 過敏性腸症候群(IBS)患者は健常者に比べて唐辛子の刺激に弱いという実験結果も得られているように、腸内環境の良し悪しがそのまま下痢の引き起こしやすさにも直結します。 そして、何よりも腸内環境を整えることは下痢体質の改善だけでなく美肌、ダイエット、不妊症、骨の強さ、などあらゆる健康効果をもたらします。 それは、脳を含めた全ての臓器のルーツが腸だからです。 もし、腸内環境のことをもっと詳しく知りたい!という方は、「 腸内環境の全て」を伝える無料講座を是非ご覧いただければと思います。 まとめ:唐辛子のような辛いもので下痢や腹痛が起こる原因と対処法は? 唐辛子のような辛いもので下痢や腹痛が起こる原因と対処法をお話してきましたが、まとめると ・「辛い」という感覚は味覚ではなく「痛覚と温覚の融合」 ・唐辛子に含まれるカプサイシンが腸を刺激したり消化不良を起こして下痢・腹痛になる ・唐辛子による下痢や腹痛の対処法には牛乳が効果的 ということですね。 なんだかこうしてみると、腸にとっては唐辛子などの辛いものはあまり良い効果がなさそうです。 それでも好きだからと辛いものを食べた際には、なるべく腸のケアなどをしてあげましょう。 長期的には、腸内環境を整えることがカプサイシンによる下痢を体調面からの根本的なケアとなるでしょう。
次のこんな人は食べちゃダメ! キムチ、カレーなど、辛い食べ物は体にいいと言われて、積極的に食べている方もいるかもしれません。 確かに少量であれば、交感神経を活性化させて、代謝を活発にするという作用があります。 しかし、摂りすぎは逆に健康を害してしまうことがあるので要注意。 特に気をつけるべきは、以下のような人です。 ・消化器系、特に上部消化管(口〜食道〜胃)にのある方 食べ物は、口腔、食道、胃を通り、腸管へ入って消化吸収されます。 この口から胃は上部消化管と呼ばれますが、ここは食べ物が通過するだけで、ほとんど消化吸収が行われません。 そのため、刺激物が直接消化管の壁に触れることになるので、特に上部消化管では下部消化管に比べて食べ物の影響を受けやすく、炎症を起こしやすくなります。 たとえるなら、傷口に唐辛子を塗っているようなもの。 この炎症が常に続くと、食道炎や胃炎、胃潰瘍になることも……。 また、炎症を治そうと細胞が何度も再生を繰り返す中で、DNAに異常が発生すると、それががん化すると言われています。 その他、辛い食べ物は消化が悪く、下痢などを起こしやすいといったデメリットもあるので、上手に付き合いましょう。 ・アルコールを飲む方、タバコを吸う方 アルコールやタバコも、上部消化管に刺激を与えるので、お酒やタバコをたしなまれる方が辛い食べ物を食べると、さらに刺激が強くなってしまうので、辛い食べものは控えたほうがよいでしょう。 ・痛み止めを飲んでいる方 一般に鎮痛薬や解熱薬として使われている非ステロイド性抗炎症薬は、全身の炎症抑制にも役立ちますが、胃への刺激が強く、長期間服用していると胃の粘膜が荒れ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすことがあります。 そんなさなか、刺激物を食べると炎症が悪化してしまうので避けましょう。 ・妊娠、授乳中の女性 よく言われる「辛いものが胎盤を通して赤ちゃんにいってしまう」とか「辛いものが母乳に入ってしまう」といったことは医学的な根拠はありませんので、あまり気にしなくていいでしょう。 ただし、刺激物は消化が悪いので、大量に食べることは避けて、バランスのいい食事を心がけましょう。
次の辛いものが大好きな人って結構いますよね。 辛いものは、適度な量ならば肉や魚の臭さを消してくれる 薬味としての役割がありますし、 食欲増進、脂肪分解などの健康効果も期待できます。 しかし、適量を超えた辛いものというのは 下痢や腹痛を引き起こすことがあります。 激辛料理を食べた次の日、下痢を起こしてしまったばかりか、肛門が刺激されて痛いという経験をしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。 そして辛いものに大抵使われているのが皆さんご存知の「 唐辛子」ですね。 ということで、こちらでは唐辛子などの 辛いものを食べるとなぜ下痢や腹痛を起こしてしまうのか?その原因や対処法などをお伝えしたいと思います。 「辛い」は味覚ではなく痛覚と温覚 まず、辛いものを食べた時に感じる 「辛味」というのは味覚ではなく「痛覚と温覚の融合」によってもたらされるものと言えます。 辛いものの代表とも言える 唐辛子にはカプサイシンという辛味成分が含まれていますが、唐辛子を食べた時のその舌は「痛い」と同時に「 熱い」という感覚を覚えているはずです。 これは口の中にあるカプサイシン受容体に作用したことで引き起こされる反応で、生理学上の味覚として分類される「甘味・塩味・酸味・苦味・旨味」の5つが味覚受容体細胞に作用することで引き起こされる機構とは明らかに異なります。 さらに言うと ワサビに含まれる辛み成分であるアリルイソチオシアネートは「ワサビ受容体(冷刺激受容体TRPA1)」に作用されることで辛みを引き起こし、カプサイシンとは反対に 清涼感を伴うツーンとした辛味が特徴です。 このようにして、 痛覚と温覚の双方に働きかけるのが「辛い」という感覚なのです。 さらに言えば、辛いものの痛覚刺激というのは口の中に限らず全身で味わうことが出来ますね。 唐辛子が目に入ると激痛ですしね。 このように辛みが痛覚を伴う物理刺激であることを考えると、辛い物を食べ過ぎて下痢になってしまうのもなんとなく理解が出来ますね。 唐辛子のような辛いもので下痢・腹痛になる原因はカプサイシン 恐らく「辛い物を食べて下痢を起こす」という場合はほとんどが唐辛子に含まれる カプサイシンが原因になります。 それは、「自分の体の許容範囲を超えた量を食べる」ということが最も多いのが唐辛子だからです。 唐辛子をふんだんに使った料理というのは、激辛ラーメンや中華料理に結構多くありますからね。 辛い物は唐辛子の他にもワサビ、生姜、山椒などもありますが、これらの辛いものは大抵「薬味」として使われているものを食べる程度だけで、そこまで大量摂取をすることはないはずですからね。 適量のカプサイシンを取っている分には 腸内細菌を活発にしたり、大腸のカプサイシン受容体に作用して 大腸がんが抑制されることが分かっていますが、やはり取りすぎは禁物ということです。 体の中の暴れん坊・カプサイシン 唐辛子に含まれるカプサイシンってのは暴れん坊で、体の至る所に刺激を与えていくんですよね。 口の中で痛覚と温覚を刺激し、飲み込んだ後は食道を刺激して 胸焼けを起こし、胃に運ばれれば胃酸の分泌を促して粘膜を傷つけて 胃痛を引き起こし・・・といった具合に、 食べ物の通り道全てを刺激していきます。 さらに厄介なことに、 カプサイシンというのは人間の体では消化ができません。 消化されないということは 小腸で吸収できないということであり、小腸を通り過ぎて大腸へと運ばれていきます。 こういった消化されない物質が大量に腸にとどまると、 消化不良を起こして下痢・腹痛になってしまいます。 また、カプサイシンには 交感神経を刺激する作用があります。 これにより腸の蠕動運動が活発になるため、食べたものを腸へと送るスピードが早くなります。 すると、食べたものの水分を吸収しながら大腸へと送るという本来の体の働きが行われず、水分の多い便が出来てって下痢・腹痛になるということも考えられます。 さらに間接的な原因を考えるならば、辛いものを食べた時、口の中の辛さを和らげようとして 大量の水を飲むことも下痢の原因にもなります。 大量の水を摂取すると胃液が薄まり消化不良をも引き起こしますしね。 しかも カプサイシンは水には溶けないので胃腸の中ではカプサイシンの刺激は弱まるどころかあまり意味がないのです。 唐辛子の下痢・腹痛の対処はどうしたら良い? 唐辛子のような辛いものを食べた時の下痢・腹痛はどのように対処をしたら良いのか? これには 牛乳を飲むことが効果があります。 牛乳などの乳製品には カゼインというタンパク質が含まれています。 筋トレに詳しい人ならカゼインを使ったプロテインというのはご存知だと思いますが、 カゼインにはカプサイシンと結びついて刺激を和らげてくれる機能があります。 これは、単に下痢・腹痛を抑えるための対策というだけでなく、舌の上で繰り広げられる辛味そのものを中和してくれる効果も期待できます。 ちなみに、 あらかじめ牛乳を飲むことで胃腸の粘膜を保護してから辛いものを食べる 、という予防対策も考えられますが、 牛乳を飲んでも粘膜に残らず洗い流されてしまうのであまり意味が無いです。 あるいは牛乳が苦手という方なら、 お茶や コーヒーなどを飲むと良いでしょう。 これらに含まれているタンニンに整腸作用があるためです。 一番いい対処方法は「唐辛子を食べないこと」に尽きるのですが・・・好きでどうしても食べたいという方は自らを守る対処法を持っておきましょうね。 長期的には腸内環境を整えて強い腸を作ることがベスト 牛乳、コーヒー、お茶を飲むというのはあくまでも対処療法であり、もっと根本的なことを言うなら 腸内環境を整えて強い腸を作ることが一番のケアになると思います。 過敏性腸症候群(IBS)患者は健常者に比べて唐辛子の刺激に弱いという実験結果も得られているように、腸内環境の良し悪しがそのまま下痢の引き起こしやすさにも直結します。 そして、何よりも腸内環境を整えることは下痢体質の改善だけでなく美肌、ダイエット、不妊症、骨の強さ、などあらゆる健康効果をもたらします。 それは、脳を含めた全ての臓器のルーツが腸だからです。 もし、腸内環境のことをもっと詳しく知りたい!という方は、「 腸内環境の全て」を伝える無料講座を是非ご覧いただければと思います。 まとめ:唐辛子のような辛いもので下痢や腹痛が起こる原因と対処法は? 唐辛子のような辛いもので下痢や腹痛が起こる原因と対処法をお話してきましたが、まとめると ・「辛い」という感覚は味覚ではなく「痛覚と温覚の融合」 ・唐辛子に含まれるカプサイシンが腸を刺激したり消化不良を起こして下痢・腹痛になる ・唐辛子による下痢や腹痛の対処法には牛乳が効果的 ということですね。 なんだかこうしてみると、腸にとっては唐辛子などの辛いものはあまり良い効果がなさそうです。 それでも好きだからと辛いものを食べた際には、なるべく腸のケアなどをしてあげましょう。 長期的には、腸内環境を整えることがカプサイシンによる下痢を体調面からの根本的なケアとなるでしょう。
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