ラグビーW杯で日本のおもてなしを称賛 ラグビーワールドカップ初戦、ロシア相手に劇的勝利を収めた日本。 そこで、世界中から注目を浴びたのが…開幕戦直前に対戦相手ロシアの国歌を日本のサポーターが練習する姿。 実は日本の公式ホームページでは、各国の国家をカタカナで表記し、紹介しているのだ。 そうした姿に、続々と集まった外国人サポーターからは「日本は本当に優しい!」「最高だよ!」「素晴らしいホスト国」といった称賛の声が続出。 しかし、一方ではこんな不満の声も… ニュージーランド人男性: 日本はきれいだけど、ゴミ箱が少ない オーストリア人男性: スタジアムのトイレがものすごい行列だとみんなで話していた そこでめざましテレビ「ニュースのミカタ」はラグビーワールドカップの訪日客への日本の「おもてなしと課題」について取材した。 9月22日横浜で行われたのは、日本の次の対戦相手で世界ランキング2位のアイルランドとスコットランドの対戦。 横浜の街は、試合前からあふれんばかりの応援団の姿が…ただ歩行者天国というわけではないのに、車道にまで出てしまっている外国人サポーターも。 そんなワールドカップ期間中に約220万人に上るとみられている訪日外国人。 日本の印象について尋ねると… アイルランド人女性: 旅行代理店の人がバスのチケット代を払ってくれて、バスに乗せてくれて、地図など必要なものを全部渡してくれたの。 Wi-Fiのパスワードもくれたし、すべてが素晴らしかったわ オーストリア人男性: そば麺とうどん麺。 店員さんは両方を持ってきて「どっちがいい」と見せてくれた。 そばかうどんかはそれで選んだよ わざわざ厨房からうどんとそばを持ってきて見せてくれた日本人のおもてなしに感激したようす。 さらに、日本の治安の良さにも高い評価が… アイルランド人男性: 私は電車で財布や携帯をよくなくします。 でも(日本では)いつも戻ってくるんです 外国人サポーターが日本で困ったこととは… しかし取材中、あわてたようすの別の外国人に遭遇。 実は英語では「International」という単語以外は「Yokohama」「Stadium」と同じ言葉が使われていて、これが混乱の一因に… また会場への移動についても、こんな声が… ニュージーランド人男性: 電車を乗り換えないといけないけど、少し複雑だね 日本の大都市圏の駅では、JRや地下鉄など数多くの路線が乗り入れ、乗り換えが難しいという。 さらにこんな指摘も… ニュージーランド人男性: スタジアムではカバンとかチェックしていたけど、もっとセキュリティーが必要だね。 アメリカなどでは、もっとセキュリティーが万全だった テロが起きやすい海外と比べると日本の警備体制は甘く見えるとの声も。 しかし警視庁は東京オリンピックも見すえ、例えば東京スタジアム付近に140台の高性能カメラを設置。 監視体制を強化している。 また、日本に来た多くの外国人たちが口をそろえるのが… アメリカ人女性: とても暑いわ。 夏は湿気がすごい! それは東京の暑さ!日本財団がまとめた2020年の東京オリンピックに向けての課題は、鉄道や道路の混雑、テロなどを抑えて「猛暑」が1位に。 これらの課題について、危機管理の専門家に聞いた。 公共政策調査会 板橋功研究センター長「自然災害、感染症、暑さ対策も大変ですが、オリンピックの警備をするために1万4000人~1万5000人の警備員が必要といわれていますが、全国から警備員を集めますので、それに伴って地方(の合宿地)でも警備員の不足が起こってくるんですね」 また日本財団のまとめた課題では4位に「地震」、5位に「豪雨災害」が入っている。 予期するのが難しい天災だが、海外からの人も安心して来られるような対策が必要かもしれない。 (めざましテレビ9月23日放送より).
次の3つの取り組みが象徴、日本のホスピタリティ 今大会で、各国代表選手たちのプレーや番狂わせと同じように人々の心を動かしたのが、日本のホスピタリティー、つまり「 おもてなし」です。 特に注目を集めた3つの事例を紹介します。 千葉県柏市では子供達がニュージーランド代表の「ハカ」を披露 ニュージーランド代表が事前キャンプを実施した場所、千葉県柏市では地元の子供たちが「ハカ」を披露しました。 「ハカ」とはニュージーランドの先住民族マオリが継承している歌と踊りのことで、ニュージーランド代表が試合前に士気を高めるために踊ることで有名です。 キャンプのため柏に到着予定だったニュージーランド代表の到着が遅れたことで披露することになったそうです。 この時披露されたのは「柏ハカ」という、柏市ラグビー協会と交流があるオークランド市ラグビー協会コーチでマオリ出身のカール・ポキノさんが制作したもので、柏オリジナルのものでした。 この様子は各国メディアや大会公式Twitterで取り上げられ、国内外に広く知られるところとなりました。 柏市のYouTubeチャンネルに投稿された動画は 46万回以上再生され、日本語以外のコメントも寄せられています。 ニュージーランドでもこの様子は報道されています。 報道が伝えるヘッドコーチのコメントには、日本への感謝と期待が込められていました。 Coach Steve Hansen said the team was grateful for the warm welcome. "A fantastic welcome, mind-blowing really," Hansen said. "Just so many people. Seeing the kids and the enjoyment of the faces was really exciting. "We look forward to having a really good week here and enjoying the people, getting some good training in. " ( から引用) 2. 北九州では、子供達がウェールズの聖歌で歓迎 次に紹介するのは、北九州で事前キャンプを行なっていたウェールズ代表との交流イベントでの出来事です。 集まっていたファンのうち10名ほどの少女たちが、ウェールズの聖歌「カロン・ラン」を歌いました。 ウェールズ代表の公式ツイッターアカウントでは「我々の心に響く!Domo arigato, Kitakyushu(ドウモアリガトウ、キタキュウシュウ)」との言葉とともに実際のシーンがシェアされました。 このツイートにはたくさんのコメントが寄せられ、イギリスの公共放送のBBCが反応するまでになりました。 Domo arigato, Kitakyushu 🇯🇵 — Welsh Rugby Union 🏉 WelshRugbyUnion 同じくウェールズ代表には日本人から受け取った手紙が、日本人が忘れがたい大会を作った実例として公式Twitterに投稿しました。 Tomoko and her sons have followed Wales around the country since we arrived in Kitakyushu almost two months ago. 手紙ありがとうございました。 心より感謝します。 — Welsh Rugby Union 🏉 WelshRugbyUnion 3. サモアNational Anthemを歌う日本人客 10月5日に行われた日本vsサモアの試合などで歌詞カードを見ながら他国の国歌を歌いあげる日本人客が大会公式Instagramに投稿され、話題となりました。 rugbyworldcup がシェアした投稿 - 2019年 9月月23日午前8時10分PDT これは元日本代表主将の広瀬俊朗さんが発起人となった活動「スクラムユニゾン」の一環で行われたものです。 日本の歓迎をあらわす形として発案されたものです。 決勝戦では両チームの「国歌」の歌詞を横浜市が2万部印刷して配布するなど、自治体による支援もありました。 日本のおもてなしに応えてくれた世界の代表選手達 日本の「おもてなし」は世界でも有名なホスピタリティです。 そのおもてなしに応えるような行動をしてくれた外国人も話題になりました。 オールブラックス発案!試合後の「お辞儀」 普段の試合では自国を応援することが当たり前ですが、今大会では日本人が各国のユニフォームを着て応援する姿が多く見られました。 黒の服を着てニュージーランドを応援する日本人に感謝を伝えたいと、南アフリカとの試合後ピッチに整列しお辞儀をしたことが話題となりました。 もともとラグビーには「ラグビー憲章」で示される 「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」という五つの中心的な価値や、「ノーサイド」の精神があります。 対戦相手はもちろん、仲間、審判、運営スタッフ、観客への尊敬を忘れず、プレー中に審判への抗議がほとんどないことなどには、こうしたラグビーの精神がしっかりと表れています。 試合が終われば敵、味方がなくなり、相手を尊重する姿が多く見られます。 ニュージーランド代表から始まったこのお辞儀は他のチームにも広がり、決勝戦では南アフリカ代表もお辞儀をする姿が見られました。 選手はわざわざ掃除道具を貸してもられるように依頼し、ロッカールームの床に落ちた芝などを集め、最後にはペットボトルなどが入ったごみ袋と掃除道具も1か所に整理したうえでその場を後にしたそうです。 こうした振る舞いは、サッカーW杯で日本代表が行なったロッカールームの清掃にちなんでいます。 イタリア代表のミケレ・カンパニャーロは取材に「日本人はいつも親切に助けてくれて、きれいにしている。 感謝を示す一つの方法」と答えており、日本式でおもてなしへのお返しをしてくれたようです。 SNSの投稿には、各国からの旅行者が日本に来た際に魅力を感じられるものについてのヒントが隠れていると言えるでしょう。 観戦以外の時間には、全国各地の観光名所に足を運ぶ人も多かったようです。 広島平和記念資料館や京都府の寺社巡り、富士登山といった史跡や自然環境だけでなく、 温泉体験、すしやお好み焼き、ラーメンに代表される日本食に期待して来日した人も見られました。 同調査では一割程度が「英語がもっと通じるかと思った」と想像とのギャップについて述べています。 日本の「おもてなし」どこが評価?振り返り今後に活かす ラグビーワールドカップ日本大会は、選手からだけでなく、観戦客からも非常に高い評価を得ることに成功したようです。 各国代表のSNSでの発信や各国の報道からは、評価された点はどこなのか、また改善できる点はどこなのかを見出せます。 外国人観光客が日本に期待してくれていることや快適な環境について理解を深めることが、これからの日本の観光業界に求められていると言えるでしょう。
次の優勝候補とされるアイルランドを破った日本代表。 9月28日の勝利について、ラグビー強豪国フランスのメディアも数多く取り上げている。 彼らが驚いたのはその勝利だけではなく……。 スポーツ専門誌「レキップ」、「ハフィントンポスト」フランス版、放送局「フランスアンフォ」をはじめとする多くのメディアが、アイルランド戦での日本の勝利を「快挙」と伝えた。 各紙とも2015年ラグビーワールドカップで強豪南アフリカを倒した「ブライトンの奇跡」を紹介し、その延長線上に今回の勝利を位置づけている。 「フランスアンフォ」は「ラグビーワールドカップ:アイルランドを破り華々しい快挙を達成した日本」という記事を掲載し、下記のように報じた。 「日本がラグビーワールドカップで強豪を破ったのは今回が初めてではない。 前回の2015年大会では、南アフリカが日本チームの猛攻に敗れている(34対32)。 初の決勝トーナメント進出をかけて、次のサモア戦とスコットランド戦でも実力を証明するのみだ」 「レキップ」紙は「日本とワールドカップ:変化してきた関係」という記事で、1987年大会以降の日本の成績を振り返る。 同紙は、南アフリカを破った2015年を「奇跡」の年、2019年を日本代表が実力を「証明」する年と位置づけ、今回大会での日本チームの決勝トーナメント進出の可能性に言及する。 「『ブライトンの奇跡』から4年。 初めてのワールドカップ自国開催となる日本だが、現在の実力は未知数だ。 アイルランド戦では後半戦の福岡堅樹のトライが効いて、19対12という文句なしの勝利をおさめた。 この勝利により、ブレイブブロッサムズは決勝トーナメント進出への道を開いたと言える。 もし進出できれば、日本のラグビーの歴史にとって、初めての決勝トーナメント進出となる」 今回の日本チームの快挙について、「ル・モンド」紙は「ラグビーワールドカップ2019:日本とその『外国人軍団』、アイルランドに驚きの勝利」という記事を掲載した。 同紙は、マイケル・リーチ選手の以下のような発言を引用しながら、今回の勝利を日本代表チームの多様性と結びつける。
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