俺ガイル 雪ノ下雪乃は『本物』に近付きたくて苦悩する 「比企谷くん。 今日5月23日がキスの日だと風の噂に聞いたのだけど」 5月23日放課後奉仕部部室。 部長の雪ノ下雪乃は戸惑いながら確認の質問を投げ掛けてきた。 さて、ここで問題だ。 今の雪ノ下の言葉の中でおかしな部分をとりあえず3点挙げよ。 答えは簡単だろう。 1点目。 孤高の才媛雪ノ下に風の噂をわざわざ流す物好きな奴がいるだろうか? 何を反論されどんな精神攻撃を受けるかわからないのに。 2点目。 キスの日などというマイナーな記念日。 しかも雪ノ下の感覚だと下劣であろう記念日に興味を持っているのがおかしい。 3点目。 俺が雪ノ下に対して上記の疑問を持つのは彼女も承知のはず。 それを承知で何故俺に質問してくるのか? 結論。 ただの事実確認というにはあまりにも胡散臭い。 「まあ、確かに今日はキスの日だ。 じゃあ俺は読書に専念するぞ。 声優の江口拓也さんが主役の剛田猛男の声を務める『俺物語!!』の漫画は最高だからな」 会話の打ち切りを宣言する。 これ以上この会話に深入りすることは俺にとって厄介事しか産まないに違いない。 雪ノ下にキスの日を吹き込んだソース。 それによっては本当の危機を迎えることになる。 最近部室の壁に飾られるようになった包丁がゲート・オブ・バビロンされても困る。 「…………海老名さんからそう聞いたわ」 「何だとっ!?」 思わず椅子から立ち上がってしまう。 雪ノ下が強引に話題を続けてきたこと。 そして、情報源があの腐女子であること。 警戒レベルを一気に最上級まで引き上げるしかなかった。 とりあえず窓の外を見る。 腐女子が窓や校舎の壁に張り付いていないか確かめる。 幸いにして腐女子はいなかった。 次に部室内をくまなく探す。 ここは空き教室なので要らない机が積まれている。 もしかしてその間に隠れているのかも。 注意は怠れない。 教室内にもいなかった。 だが、この部室内に盗撮器、盗聴器の類が仕掛けられている可能性は否定できない。 俺はもう、腐女子の術中に嵌っていることを認めるしかない。 こうなると俺のやることは1つ。 「海老名に何を吹き込まれた? 包み隠さずに話せ」 被害を可能な限り軽減するために介入することだった。 「雪ノ下。 お前はキスの日についてどう説明を受けた?」 今度は俺から質問、いや、尋問する番になった。 関わりたくなかったが仕方ない。 「それは……」 雪ノ下は目を伏せた。 何か言い辛いことがあるらしい。 「お前は海老名さんに騙されている可能性が非常に高い。 間違った知識を持ったままだと、来年恥を掻くことになるかもしれないぞ」 記念日というのは1年毎に巡ってきてしまう。 来年5月23日に雪ノ下雪乃という少女は間違えた知識に基づいて行動したり、会話することで大きな損害を被るかもしれない。 「海老名さんは今日が……………………親しい同性同士でキスする日だと言っていたわ」 雪ノ下の顔が真っ赤に染まった。 「ああ、やっぱりな。 アイツがソースだと聞いた時からその展開しかないと思ったよ、畜生っ!!」 腐女子がその本領を発揮する。 予想は裏切らず、期待は裏切る典型的な回答だった。 こんなにも悔しいほど悪い予想が的中することはそうないぞ。 「それで、ね……」 雪ノ下が全く俺を見ようとしないまま小さな声で続ける。 「それで、何だよ?」 海老名の奴、まだ何か吹き込んだのか? これ以上、どんな恐ろしいことを? 俺に葉山とキスしろとでも言うのか? 「私は……」 「私は?」 雪ノ下は顔を茹で上がらせながら小声で訴えた。 「私は、由比ヶ浜さんとキスした方がいいのかしら?」 それは小声なはずなのに、俺の鼓膜を突き破るんじゃないかと思うぐらいの威力を持った一言だった。 [newpage] 百合。 百合とは、主にユリ目ユリ科のユリ属の多年草の総称。 北半球に広く分類しており、品種は130種類以上存在する。 日本にも15種類あり、7種が日本特産種となっている。 ヤマユリは直径20cm以上の大輪の白い花を咲かせ橙色の花粉が目を引く。 誰もが一度は目にしたことがあるであろう『ユリの王様』だ。 だが、ここで言いたいのはそのユリではない。 ヤマユリでもリリアン女学園の生徒会に当たる山百合(会)の方だ。 そこに所属するお嬢さま同士の関係の方だ。 百合には花の種類以外にももう1つの意味がある。 女性の同性愛、または友愛のこと。 最近ではそれらを題材にした漫画や小説、アニメなどのジャンルを指す。 ガールズ・ラブ(GL)とも呼ばれ、少し前ならレズと呼ばれたりもした。 漫画や小説でのジャンルとしての百合の歴史は長く、そして複雑である。 この限られた紙面でそれを説明するのは困難であり、また大して意義を成さない。 強いて言うなら、昨今はジャンルとしての百合を男が積極的に許容していることか。 十代中盤の少女ばかりが登場する日常を描いた淡い百合作品の支持者の過半数が男性である場合も少なくないのだ。 だが、ここで語らねばならない百合に関する問題とは他にある。 それは、それなりに親しくしている女子が目の前で淡い百合を匂わせるようなことを言い出した時にどう対処するかということだ。 ジャンルとしての百合の浸透は、逆にリアルにおける百合の問題を後方へと追いやってしまった。 リアルを排除しフィクション性を強化することで百合は男女共に受け入れやすい土台を築いたのだ。 かく言う俺もジャンルとしての百合を受け入れている1人だ。 それで何が具体的に問題なのか? それは、リアルで百合っぽいものを匂わされると、すぐに漫画やアニメの型と結び付けて考えてしまうのだ。 ぶっちゃければ、過敏に反応してしまう。 そして、漫画やアニメを元にした型通りの認識しかできないのだ。 俺の作り出した造語で語れば『百合脳』状態になってしまっているのだ。 ゲーム脳を否定する俺だが『百合脳』を否定できるかと言われると自信がない。 何しろ、現実では百合とは縁が極めて薄い。 自分が『百合脳』であるか否か、確かめる機会など存在しない。 そして今、俺は自分が『百合脳』であるのか判断を迫られている。 俺の鋼鉄の理性が勝つのか。 それともコピペの積み重ねでしかない『百合脳』が勝つか。 美少女同士のキスか。 そうでないのか? 俺は。 危うく百合脳の罠に嵌まるところだった。 並みの男であれば美少女同士の百合に狂喜乱舞していたに違いない。 だが、俺は違う。 二次元と三次元をごっちゃにはしない男なのだ。 なんたって、三次元の女は何か怖いからな。 「どうしたの、一体?」 雪ノ下が首を捻りながら不思議そうな目を向けてくる。 「俺の脳内で強靭な理性と惰弱なテンプレがせめぎ合っていただけだ」 「それで惰弱なテンプレが勝ったのね」 「違ぇよっ! 俺、理性の化け物。 ソースはお前の姉っ!」 雪ノ下は更に大きく首を捻った。 「姉さんも人を見る目がないのね。 比企谷くんはただの自意識過剰なのに」 「それもお前の姉に言われたよ」 この姉妹なんなの? 仲が悪いふりして、思考が直結してるの? 特殊な脳内アプリでもあんの? 「あなたが姉さんと頻繁に接触しているのは知っているわ。 私の義理の兄になりたいのなら止めはしない。 姉さんをよろしくね」 「怖いこと言うなっ!」 雪ノ下の口撃の中で最大級の破壊力を持った一撃だった。 あの葉山でさえ恐れて持て余す姉ちゃんだぞ。 長い時間一緒にいたら、余裕で心臓麻痺る自信があるっての。 「それで義兄さん」 「お願いします。 勘弁してください」 俺の奥義土下座を披露する。 恥も外聞もなく堂々と土下座するのがポイントだ。 「面を上げて土下座谷くん」 「その名前、言い難くないか?」 「じゃあ、やっぱり義兄さん」 「本気で勘弁してください」 俺の土下座は連続発動できるところがポイントだ。 しかも無料。 コストパフォーマンスに大変優れた奥義だ。 「私は本気で悩んでいるの。 比企谷くん、姉さんの結婚なんてどうでもいいから。 いい加減に立ち上がって頂戴」 「クールだな。 俺が並みの男子高校生だったら惚れてるぞ」 納得行かないものを感じながら立ち上がる。 「まず、結論から述べておく」 制服の汚れを払いながら雪ノ下に告げる。 話をズルズルと引き伸ばしても仕方ないので核心だけ。 「海老名の話は嘘だ。 親しい同性同士がキスをする日なんてのは信じるに値しない悪質なデマだ」 雪ノ下がこの部分に関して認定さえしてくれればこの話はここでおしまいになる。 けれど、予想してはいたが雪ノ下は俺の望む反応をくれなかった。 「確かに私も眉唾ものの話だと思っていた。 でも、比企谷くん……あなたが海老名さんの話すキスの日をもう体現しているじゃないの」 そう怒りながら彼女が俺に見せたもの。 それは10数枚に及ぶ写真。 というか、デジタル画像を写真用紙で印刷したものだった。 その用紙に印刷されているものを見て俺は顔を引き攣らせるしかなかった。 「おいおい。 何でこの写真……俺と葉山がキスしてんだよ……」 その写真のほぼ全部が俺と葉山のキスシーンを描いたものだった。 悪質極まるコラだった。 あの腐女子め。 なんて恐ろしいものを生産してやがるんだ……。 「海老名さんは今日撮影したのを印刷したものだと言っていたわ」 「いや、明らかに合成だろう。 しかも今日のデータでもねえし。 この写真なんか、明らかに背景が京都だろうが。 こっちは運動会の時だし」 俺の5月23日、どれだけ移動距離が長くて忙しい行動してんだ? しかも、中には雑過ぎるコラもチラホラ存在する。 例えば、この体操着姿の俺と葉山が肩を組み合ってほっぺにチューしている写真とか。 元のデータであろう戸部のロン毛が処理されてない。 更に肩組みシーンを無理やりキスシーンに変えたので、俺の首は明らかに胴からズレてしまっている。 俺、首なし騎士のデュラハンか? よく見れば、写真の下には小さな文字で『by Shiromeguri』の文字が。 受験はどうした、前会長? こっちの比企谷家のソファーで俺が寝転がっている上に更に葉山がピッタリ重なっている写真には『by KOMACHI!! 』の文字。 そしてこっちのいつぞやの葉山や折本と入った喫茶店のコラは……やっぱり『by Harunochan』の文字が。 更に葉山が5人に分裂して同時に俺にキスしている人間辞めているコラには『by Hina』の文字。 そんな中、1枚だけ異彩を放つのが葉山を中央に置いて俺と一色いろはが左右からキスしている写真。 製作者は当然『by Irohasu』だった。 「コイツら、本気で何考えて生きてるんだ?」 俺に内緒で俺と葉山のキスシーンコラのコンテストでも開催してんのか? してるんだろうな、きっと。 この面子なら普通にしそうだ。 どっか歪んでるから。 ていうか、小町よ。 お前は兄を男とくっつけて楽しいのか? お兄ちゃんはダークサイドに堕ちるのを許しませんよ。 [newpage] 「とにかく、あなたが葉山くんとキスの日イベントを行った証拠がこれだけ揃っているわ」 「雪ノ下は今日疲れているんだよ。 この悪質なコラに信憑性を見出すなんて」 訴訟起こせば勝てそうなレベルの凶悪なコラの数々。 俺の周囲の女たちはよくわからん。 だが、それよりも今は雪ノ下だ。 「とにかくだ。 この写真がただのでっち上げであることは後で幾らでも証明してやる。 今問題なのは、何故お前のような凡俗のイベントを嫌う人間が、腐女子の馬鹿話を真に受けているのかということだ」 雪ノ下の表情が急に暗いものになった。 「だって、海老名さんは言ったもの。 今日、由比ヶ浜さんとキスしたって」 話を聞いて、雪ノ下が焦っている本当の理由がよくわかった気がした。 由比ヶ浜に自分より親しい友達がいるかもしれない。 それに対し、自分でもわからない内に大きな焦りを抱いているのだ。 長らく友達との付き合いがなかった雪ノ下。 そんな彼女にとって。 由比ヶ浜の一番になりたい、友情を独占したいと考えてしまう自分自身がよく理解できないのだと思う。 だから、普段であれば歯牙にも掛けないであろう同性同士のキスなんて世迷い言に耳を傾けてしまうのだ。 そしてそれを語るのが、由比ヶ浜と同じグループに属する海老名姫菜だというのが厄介だった。 由比ヶ浜と海老名はクラスメイト。 放課後前までいつも輪になって時を過ごしている。 2人は親しい間柄なのだ。 それは遥か離れた場所にクラスがある雪ノ下にとって、葉山グループの存在は尚更結衣との疎遠を意識させるに違いない。 海老名姫菜が由比ヶ浜結衣にキスをしたという情報。 それは、雪ノ下雪乃にとってはどうしても無視できない重い響きを持っているに違いなかった。 「証拠は残ってないらしいけど」 「俺には悪質なコラまで用意して、自分は一切の証拠を残さない。 いい性格してるな」 明日以降になったら全部ウソでした~と明るく水に流されそうな気がする。 あの腐女子、マジで策士だ。 「別にキスしなくても、雪ノ下と由比ヶ浜の絆は本物だ。 心配することは何もない」 腐女子の策に対抗する手段は1つ。 俺がずっとずっと探し求めてきた『本物』を掲げて示すこと。 「比企谷くん……」 雪ノ下が呆然と、けれど嬉しそうに俺を眺めている。 「俺が保証するから大丈夫だ」 「あっ。 ちょっと信用できなくなったわ」 雪ノ下の表情が曇る。 「俺の『本物』はまだ駄目なのかよっ!!」 ガハマさんなしだとまだ無理なのか……。 どんだけ求めても手の届かないものだってのはわかってるが、切ねえ。 「………………まあ、比企谷くんの言うこともわからなくはないわ」 「ああ、さいですか」 俺の心はやさぐれている。 『本物』を語ることは俺にとっての諸刃の剣。 通じなければ大ピンチに陥る。 今の俺がまさにそうだった。 半分放心状態。 「キスしなくても私と由比ヶ浜さんの絆は揺るがない。 でも、キスすれば……絆はより確かな『本物』に近付くのではないのかしら?」 「そうでしょうねえ」 やる気なく答える。 俺のハートは今もブレークン中。 何かもう、雪ノ下を真面目に制止するエネルギーが湧いて来ない。 「私が………………キスしたい。 そう言ったら、由比ヶ浜さん。 どう思うかしら?」 「さあ? 本気で嫌がったりはしないと思うぞ」 またやる気なく答える。 考えてみれば腐女子による精神汚染は既に悪質なコラによって受けてしまっている。 これ以上、雪ノ下の友達付き合いに俺が介入する理由はないのだ。 雪ノ下がキスを望み、由比ヶ浜がそれを受け入れるのなら。 別に俺がそれに反対する理由はどこにもない。 『百合脳』が再び俺を支配していく。 「本当に嫌がらないかしら? 明日からもう部室に来てくれなくなることになったら……」 雪ノ下の顔はまだ曇っている。 俺の言葉はなかなか素直に受け取ってもらえない。 「お前の信じる由比ヶ浜を信じろ」 グレンラガンっぽく語ってみる。 「…………検証が、必要だわ」 俺が何か言う度に雪ノ下が不安になっていく。 この構図をどうにかして欲しい。 さすがに泣くぞ。 「何の検証だよ?」 「由比ヶ浜さんが本当に引かないかの検証に決まっているわ」 「どうやって検証するんだよ? そんなもん、本番でしかわからんだろうが」 雪ノ下はにっこり笑ってみせた。 「そうねえ。 比企谷くん。 私とキスしてみない?」 あまりにも、あまりにも唐突な展開だった。 つづく.
次の特におすすめの名作 よくある「嘘から出た真」系のお話。 個人的には大好物でして、本作は雪乃がとても魅力的に描かれている良作です。 これはいいコメディ。 サブレがいい味出しています。 タイトルから推測できるとおり、八幡と雪乃の間の子どもである「比企谷小雪」が登場するのですが、オリジナル子どもキャラが登場する俺ガイルSSでは、本作が個人的に最高傑作だと思っています。 ラストシーンが愛おしいほど素晴らしいです。 素晴らしい作品。 ヒロイン3人との絶妙な関係性・距離感が、軽快なやりとりでスラップスティック的に展開されます。 台詞回しも自然で滅茶苦茶レベル高いです。 個人的には俺ガイルSSの1つの到達点とも言える作品です。 シチュエーションがいいですね、大好物です。 本好きの2人の距離を縮めるためのそのアイデアに脱帽しました。 雪ノ下雪乃・八雪好きにおすすめの作品 奉仕部の3人を描いた作品。 原作と比べても違和感ないキャラ造形が素晴らしくレベルの高いSSです。 細かいところが気になりはしますが、雪乃・結衣がかわいらしく描写されています。 奉仕部含め各キャラが小気味よく動き、起承転結もしっかりとしているレベルの高いSSです。 オチがいいです。 どっちかというとコメディですかね。 この作品で「だめのん」 という概念を知りました。 だめのん可愛いです。 SSなどで描かれるちょっと残念な雪乃を人は「だめのん」と呼びます。 原作からかけ離れすぎると途端に受け入れがたくなるので、塩梅が難しいのですが、本作はほどよいバランスで成り立っています。 デレる雪乃が可愛く描かれています。 雪乃、あるいは平塚先生好きはぜひ。 雪乃のツンデレがいい塩梅で表現されています。 タイトルの通り。 割と雪乃のデレ分が強めです。 遊園地に遊びに行って二人で観覧車に乗ったら・・・雪乃のデレが好きな人におすすめ。 結衣に振られた八幡に雪乃がお弁当を作ってくれます。 結衣好きは注意。 八幡と雪乃のこどもが登場するSSは数多くあるのですが、こちらは娘との対話を通して描かれる雪乃の可愛さが際立つ良作です。 八幡と雪乃はすでに結婚している、という設定。 前半は二人のラブラブな様子が描かれます。 後半の展開はやや好き嫌いが別れるかもしれません。 正統派の雪乃SS。 八幡の捻くれ具合がちょっと不足感はありますが、原作の空気感をかなり上手に出していると思います。 雪乃と結衣がなぜか着ぐるみを着ています。 「にゃんにゃん」という雪乃がかなり可愛いです。 そして「がはま」に笑ってしまいました。 こちらもお笑いコンビ「アンジャッシュ」のようなすれ違い系のコメディです。 ちょっとだけ下ネタがあるので苦手な方はご注意を。 ただひたすら雪乃が可愛い。 卒業から10年後、 結衣の結婚披露宴から始まるストーリー。 28歳だとちょっと言動に、違和感があるかもです。 20代前半だと思うとしっくりきます。 正月を舞台にした短編です。 雪乃が非常に原作に近い感じで描かれており高クオリティの作品です。 強風で電車が止まり、帰れなくなった雪乃に八幡は・・・。 台詞回しなどが原作に近く、読みやすいです。 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を知っている方は2倍楽しめます。 オリジナルキャラが出てくるので、その点は注意です。 八幡に猫耳が・・・!? 短いですが、ほんわかしたよいお話です。 同じようなネタのSSはいくつかありますが、こちらはコンパクトによくまとまっているのと、雪乃が可愛く描かれており、雪乃好きに特におすすめです。 雪乃ものとして完成度がかなり高いです。 劇的な展開があるわけではなく、どちらかというと日常ほのぼの短編集をまとめた長編という感じですが、台詞回しも自然でとても読みやすいです。 続編があり、大学生になった二人の仲睦まじい姿が見られます。 続編: 社会人の八雪もの。 俺ガイル要素はキャラ以外はほぼないのですが、雪ノ下が可愛いのでオールオッケーという感じです。 結婚後の二人を描いた物語。 子どももいます。 雪ノ下がデレすぎず、ちょうどいい塩梅で読みやすいです。 やりとりが二人らしい。 雰囲気がかなり原作に近い良作です。 雪乃が小さくなってしまって八幡は・・・ こちらも社会人になった八雪もの。 八幡は物書きになっている作品が多いですが、割と納得ですね。 さらに社会人の八雪もの。 2人の職業パターンがいろいろあって楽しめますね。 タイトルがエスプリが効いてますね。 意味は内容を読んでのお楽しみで。 丁寧な描写で定評のある甘々な八雪です。 元ネタは言わずもがなですが、コンパクトに起承転結が上手にまとまっていて読みやすかったです。 元ネタはハリウッド映画にもなったライトノベルですね。 いわゆるループものです。 SF好きな方はぜひ。 深夜ある理由で眠れなくなった雪乃が八幡に電話をかけてきて・・・というお話。 番号交換してたっけ? という前提は一旦忘れて読みましょう。 独特の空気感の作品です。 これ、私には絶対書けない感じのテンションなので、羨ましい。 俺ガイルである必要あるのか・・・?(褒め言葉)というほどのクオリティ。 作者の地力を否が応でも感じる傑作です。 この発想は出てこない・・・作者のアイデアに脱帽。 ラストの展開も期待を裏切りません。 こういうゆきのんもありだよね、ということで。
次の【朗報】俺ガイルのオーディオブックが1冊無料でもらえます みんな知ってる使ってる「Amazon」 Amazonでは、本を声で聴く「」というサービスもやっています。 知っていましたか? いや知らなかったって人、オーディブルのに登録すると、好きな本が1冊無料でもらえます。 安い本も高い本もどんな値段の本でも、無料でもらえます。 無料体験中に退会で料金は一切不要 無料体験期間中に「やっぱ退会したい…」そう思うかもしれません。 「お金ってかかるの…?」 いいえ、無料体験期間中に退会した場合、お金は一切かかりません。 また、無料体験中にもらったオーディオブックは、退会後も引き続き視聴可能です。 26 八幡「うっす!」 雪乃「あら底辺人間ゲスくん、貴方の居場所は公衆トイレよ?ここではないわよ?」 八幡「すんげぇひでぇあだ名だな。 お前それ俺以外の奴に言ったら自殺してもおかしくないぞ?」 雪乃「公衆トイレに住んでるだけあって口臭も臭いわね。 本当に不快だわ。 」 八幡「上手い事言ってるつもりだけどただのいじめだからな?」 雪乃「あら、ごめんなさい。 貴方は人間ではないから人権侵害は適用されないものだとばかり思っていたわね。 vip2ch. 73 雪乃「何かおかしな事言ったかしら?貴方が私の将来の旦那になる事は運命でしょう?」 八幡「寧ろおかしい事しか言ってないな。 俺がお前の将来の旦那?んなわけないだろうが。 」 雪乃「私が妻になる事がそんなに不満なのかしら?美人で優しくて料理上手で仕事も出来る。 文句の付け所があるかしら?」 八幡 胸とか胸がな) 雪乃「同じ事を二度言わなくて結構だわ。 それは貴方に揉んでもらって大きくするのだから。 」 八幡「お前、そんな事言って恥ずかしくないのか?それに何で俺の言いたいことが分かったんだよ。 」 雪乃「将来の旦那だもの、全て知り尽くしているつもりよ?昨日の夜のオカズも。 」 八幡「はっ!?」 雪乃「貴方もやっぱり年相応の男の子なのね。 1日に4回もしてるのだから。 」 八幡「怖いんですけど…」 雪乃「それと昨日は歯を磨いてないわよね?テレビも電気もつけっぱなしで寝てはいけないわよ?節約をしないといけないわよ。 78 八幡「なぁお前ストーカーなのか?正直かなり怖いんだが…」 雪乃「ストーカーというより貴方以外愛せない疾患と言った方がいいわね。 」 八幡「こわいよこわいよ」 雪乃「私の個人的な資産は150億あるわ。 1年に1億円使ったとしても150年は生きられる計算よ?」 八幡「流石にそれは冗談だろう?高校生がそんな150億だなんて…」 雪乃「株取引、インサイダー、ヘッジファンド、先物取引、これらで2億円から増やしたのよ?」 八幡「元から2億持ってる時点ですげぇよ…」 雪乃「心配いらないわ。 これからも増やしていくつもりだから。 貴方は私と結婚すれば働かずに好きなものを買って好きなものを食べて生きていけるのよ?」 八幡「まじか?」 雪乃「それに貴方のご家族にも年間2億円程の支援をしていくつもりよ?小町さん、いえ小町ちゃんにはお小遣いとして毎月300万あげるつもりだわ。 」 八幡「雪ノ下雪乃さん。 俺が18歳の誕生日を迎えたら結婚してください。 44 雪乃「八幡くん、ここが私たちの新しい住居よ?家賃の心配はないわ。 このマンションは5億円したけれど一括で購入したから。 」 八幡「す、すげぇ…な。 本当にこんな所に住めるのか?」 雪乃「ここには10年ぐらい住む予定よ。 10年経ったら10億円で新築を建てましょう。 」 八幡「いや、余裕で一生住めるだろう?これ…」 雪乃「何か足りないものはあるかしら?貴方の荷物は貴方の部屋に設置してあるわよ?ちなみに寝室は一緒よ?」 八幡「なぁ雪乃、俺欲しいものがあるんだけど…」 雪乃「言ってみなさい。 何でも買ってあげるわ。 」 八幡「とりあえず60インチの4Kテレビを部屋に置きたい。 」 雪乃「そんな玩具みたいなものでいいのかしら?」 八幡「それと50万のパソコンが欲しい。 」 雪乃「そんな安物はダメよ?すぐに壊れるに違いないわ。 私の伝手で最高級のパソコンを組んでもらうわ。 」 八幡「まじか?」 雪乃「えぇ。 65 一年後 八幡「なぁ飯まだか?」 雪乃「うるさいわね。 今、株で忙しいのよ。 お金をあげるからどこかで食べてきてちょうだい。 」 八幡「また今日も外食か…」 雪乃「文句があるのかしら?所詮貴方は私の資産でしか生きられない底辺人間なのよ?」 八幡 最近この調子だ…高校は卒業したけど雪乃の資産で安心して大学へは行かなかった。 ) 八幡「なぁ…あと相談があるんだけどいいか?」 雪乃「何かしら?くだらない話だったら怒るわよ?」 八幡「バイト始めたいんだがいいか?」 雪乃「貴方、頭がおかしくなったのかしら?私たちの生活に貧困なんて文字は無関係なはずよ?それなのにどうしてバイトなんてするのかしら?」 八幡「何か趣味が欲しくてな…そろそろゲームとかネットばかりの日々にも飽きてきてな。 」 雪乃「どうせ貴方みたいな人間にバイトなんて務まるはずないわね。 悪い事は言わないからやめておきなさい。 07 八幡「別にそんな事言ってねぇだろう。 」 雪乃「それはどうかしら?本当は私と結婚した事を後悔しているんでしょう?」 八幡「そんな事ねぇよ…」 雪乃「でももう別れる事なんて出来ないはずよ?貴方一人の問題ではないもの。 」 八幡「何が言いたいんだ?」 雪乃「別れれば貴方の家族への支援も無くなるわ。 別れて支援が無くなればあの金の亡者たちは貴方のことをきっと恨むはずよ?」 八幡「なぁ…流石に家族の事をそういう呼び方するのはやめてくれないか?」 雪乃「でも事実でしょう?2億円の支援が始まった途端に貴方の御両親は仕事を辞めて、小町さんも高校にいかずに好き放題遊んでるじゃない。 」 八幡「確かにそれは否定出来ない事実だしお前の言う通りだと思う。 ただどんな親でも親は親だからバカにされるのは腹が立つんだよ。 」 雪乃「腹が立つ?貴方がそんな事言える身分かしら?貴方は黙ってお金を使って生きていればいいのよ?」 八幡「なぁ雪乃、お前って俺のことが嫌いなのか?」 雪乃「別にそんなこと言ってないじゃない。 88 八幡「明らかにあの頃とは違う意味で本当に軽蔑している様な罵倒ばかりしてるじゃないか…」 雪乃「軽蔑なんてしてないわ。 貴方は軽蔑する価値もないもの。 」 八幡「そうか…それがお前の本心なんだな…」 雪乃「貴方こそ軽蔑してるんじゃないかしら?金にしか執着しなくなった私を」 八幡「別にしてねぇよ…」 雪乃「出来るはずないわよね?貴方だって一度はお金目的で私と結婚したいのだから。 同じ穴の狢よ?」 八幡「そうだな…でもあの頃の雪乃は正直大好きだったよ。 自分の資産を使ってでも俺を手に入れようとしてくれたんだからな。 」 雪乃「でも正直、今の貴方には何の感情も抱くことはないわね。 手に入れてしばらくしてから貴方の価値が分からなくなったわ。 20 翌日 雪乃「八幡!一体これはどういうことかしら!?」 八幡「何がだ?」 雪乃「私の財産全てがユニセフに寄付されているじゃない!!」 八幡「俺もお金の価値が分からなくなってな。 不思議だな。 あれだけ欲しいと思っていたのに。 」 雪乃「ふざけないで!全部で200億よ!?これで一文無しじゃない!」 八幡「最後にお金を正しく使えて良かったよ。 」 雪乃「返しなさいよ!?私の200億を…」 10年後 子「パパー!遊ぼうよ!」 八幡「よし遊ぶか!」 雪乃「今日はご馳走だから早く帰ってくるのよ!あとパパは疲れているのだからあまり無理はさせちゃダメよ!」 八幡 あのあと俺と雪乃は最後のチャンスにかけた。 一文無しで一から全てをやり直した。 辛いことの方が多かったが今はとても幸せだ。 53 え…? 元スレ:八幡「雪ノ下に突然プロポーズされた。 vip2ch. カテゴリー• 633• 631• 619• 446• 408• 108• 144• 147• 174• 155• 189• 189• 2 アーカイブ• 128• 118• 242 メタ情報•
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