5月11日~放送の第7週よりRADWIMPSの野田洋次郎が裕一 窪田正孝 の同僚として本格的に登場。 劇中で披露された弾き語りは、SNSなどで「さすが本業のミュージシャン!! 」と盛り上がりを見せており、歌以外の演技についても「違和感がない」「ほかの役者さんと混ざっても自然」などの声が寄せられている。 新婚生活の初期は食生活の違い 味噌や納豆の好み に戸惑ったり、裕一の浮気疑惑に音が激怒して夫婦喧嘩したりと、新婚生活描写の定番は老若男女楽しめるものになっていた。 笑いいっぱい。 さらに音楽もいっぱいで、裕一が本格的に音楽の道を歩み始めたことで、オペラから歌謡曲まで様々な音楽が場面を盛り上げていく。 音が入学した東京帝国音楽学校には裕一の幼馴染・佐藤久志 山崎育三郎 が「プリンス」と呼ばれ人気者になっていた。 ミュージカル俳優である山崎は「ドン・ジョバンニ」の一曲「お手をどうぞ」を、同じくミュージカルに多く出演している小南満佑子 夏目千鶴子役 と共に本格的に、吹き替えなしで歌い上げた。 また、昭和のヒット曲「影を慕ひて」をRADWIMPSの野田洋次郎が弾き語る一場面も。 ホンモノだらけで贅沢な一週間だった。 」の主題歌「前前前世」を手掛けたミュージシャンとして高い知名度を誇るが、俳優としても活躍している。 2015年、映画「トイレのピエタ」で主演、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、その後、2017年にはテレビドラマ「百万円の女たち」 テレビ東京 でも主演した。 俳優デビュー作である「トイレのピエタ」で野田を見たときは、映画やドラマで見かけない顔が新鮮だったこともあるし、彼の身体からにじむ異様なまでの虚無感に目を奪われた。 絵を描くことに挫折して、癌になってと、とことん追い詰められていく主人公。 だがやがて、内側で持て余した生命の焔が燃え始める……。 虚無と生命力の差をあくまで淡々と演じていくところに怪物感があった。 「百万円の女たち」では小説家役。 こちらは同居することになった謎の女たちに翻弄されていく受けの演技を的確に演じ、デビュー作が決してビギナーズラックではなかったという実力を感じさせた。 そして、朝ドラデビュー。 裕一のライバルで、昭和のヒットメーカー古賀政男をモデルにした役を、掴みどころのない感じに演じている。 さらりと歌詞に曲をつけるところなんかはさすが音楽の専門家。 これから裕一とどんなふうに絡んでいくのか楽しみである。 1月〜2月に放送された「心の傷を癒すということ」 NHK総合 の主人公の兄役はドラマのメッセージを強く語りかける重要な役だった。 振り返ると、朝ドラはミュージシャンを俳優として起用していることが多い。 「スカーレット」では西川貴教、現在再放送中の「ひよっこ」では峯田和伸、シシド・カフカ、古舘佑太郎、同じくBS で再放送中の「はね駒」では沢田研二、「まんぷく」では浜野謙太(「とと姉ちゃん」にも)、岡崎体育、「まれ」で渡辺大和、「あまちゃん」でピエール瀧、「ゲゲゲの女房」に星野源、「ちゅらさん」で鮎川誠など。 歌う人もいれば 渡辺大和 、歌うこともなく別の面でカリスマ性を発揮する人など様々ではあるが、ドラマの中で、皆、とてもいいアクセントになっている。 西川貴教は天才アーティスト役で圧倒的な存在感を発揮したし、峯田和伸はロックを愛する純朴な人物にリアリティーがあった。 星野は大人計画で演劇もやりながら音楽活動をしているので、ミュージシャンが俳優に抜擢されたという形ではなく、やや地味めな脇役 ヒロインの弟 に徹するという渋い技を見せている。 ミュージシャンが俳優に抜擢されるのは朝ドラに限ったことではなく、多くのドラマや映画にミュージシャンは出演していて、俳優顔負けのいい演技をすることは少なくない。 私は以前、「なぜミュージシャンは芝居が巧いのか」という記事を書いたことがあり、そのとき田口トモロヲ 彼も演劇と音楽を両方やっている に下記のようなコメントをもらった 抜粋。 「大きな枠組みとしては、システムや方法論が違うだけで、音楽も芝居も同じ自己表現のひとつだと思います。 古くは植木等さんやフランキー堺さんのように、何の違和感もなく芝居の中に存在出来るミュージシャンが多数います。 ミュージシャンうんぬんではなく、その作品に出演する必然があるから出ているように思います。 裕一をレコード会社に契約させた重鎮作曲家・小山田役の志村けんさんも、所属していたザ・ドリフターズでギターを担当しており、彼のギャグに音楽は欠かせなかった。 ミュージカル俳優、ミュージシャン……と音楽が血肉になっている俳優たちによって「エール」の主題である音楽の世界に強度が増していく。 裕一がヒット曲を生み出すターンに早く進んでほしい。 (ザテレビジョン).
次の~放送の第7週よりの野田洋次郎が裕一 の同僚として本格的に登場。 劇中で披露されたは、などで「さすが本業の!! 」と盛り上がりを見せており、歌以外の演技についても「がない」「ほかの役者さんと混ざっても自然」などの声が寄せられている。 新婚生活の初期は食生活の違い 味噌や納豆の好み に戸惑ったり、裕一の浮気疑惑に音が激怒してしたりと、新婚生活描写の定番は老若男女楽しめるものになっていた。 笑いいっぱい。 さらに音楽もいっぱいで、裕一が本格的に音楽の道を歩み始めたことで、からまで様々な音楽が場面を盛り上げていく。 音が入学した東京帝国音楽学校には裕一の・佐藤久志 山崎育三郎 が「」と呼ばれ人気者になっていた。 俳優である山崎は「ドン・」の一曲「お手をどうぞ」を、同じくに多く出演している小南満佑子 夏目千鶴子役 と共に本格的に、なしで歌い上げた。 また、昭和の曲「影を慕ひて」をの野田洋次郎が弾き語る一場面も。 ホンモノだらけで贅沢なだった。 、映画「のピエタ」で主演、日本新人俳優賞を受賞し、その後、には「百万円の女たち」 でも主演した。 俳優作である「のピエタ」で野田を見たときは、映画やで見かけない顔が新鮮だったこともあるし、彼の身体からにじむ異様なまでの虚無感に目を奪われた。 絵を描くことに挫折して、癌になってと、とことん追い詰められていく。 だがやがて、内側で持て余した生命の焔が燃え始める……。 虚無と生命力の差をあくまで淡々と演じていくところに怪物感があった。 「百万円の女たち」では役。 こちらは同居することになった謎の女たちに翻弄されていく受けの演技を的確に演じ、作が決してではなかったという実力を感じさせた。 そして、。 裕一ので、昭和の古賀政男をにした役を、掴みどころのない感じに演じている。 さらりと歌詞に曲をつけるところなんかはさすが音楽の専門家。 これから裕一とどんなふうに絡んでいくのか楽しみである。 1月〜2月に放送された「心の傷を癒すということ」 のの兄役はのを強く語りかける重要な役だった。 振り返ると、はを俳優として起用していることが多い。 「」では、現在中の「」では、シシド・、古舘佑太郎、同じくBS で中の「はね駒」では、「」では浜野謙太(「とと姉ちゃん」にも)、、「まれ」で渡辺大和、「」で、「」に、「」で鮎川誠など。 歌う人もいれば 渡辺大和 、歌うこともなく別の面で性を発揮する人など様々ではあるが、の中で、皆、とてもいいアクセントになっている。 は天才役で圧倒的なを発揮したし、はを愛する純朴な人物にーがあった。 星野はで演劇もやりながら音楽活動をしているので、が俳優に抜擢されたという形ではなく、やや地味めな脇役 の弟 に徹するという渋い技を見せている。 が俳優に抜擢されるのはに限ったことではなく、多くのや映画には出演していて、俳優顔負けのいい演技をすることは少なくない。 私は以前、「なぜは芝居が巧いのか」という記事を書いたことがあり、そのとき田口トモロヲ 彼も演劇と音楽を両方やっている に下記のようなをもらった 抜粋。 「大きな枠組みとしては、や方法論が違うだけで、音楽も芝居も同じ自己表現のひとつだと思います。 古くはさんや堺さんのように、何のもなく芝居の中に存在出来るが多数います。 うんぬんではなく、その作品に出演する必然があるから出ているように思います。 裕一を会社に契約させた重鎮作曲家・役のさんも、所属していたでを担当しており、彼のに音楽は欠かせなかった。 俳優、……と音楽が血肉になっている俳優たちによって「」の主題である音楽の世界に強度が増していく。 裕一が曲を生み出すに早く進んでほしい。 (ザ) 「エール」第31回より C NHK 関連ニュース•
次の提供 野田洋次郎がボーカルを務めるバンド・RADWIMPS。 中央下が野田(C)朝日新聞社 野田洋次郎、古賀メロディーを歌う。 そんなサプライズが、NHKの朝ドラ「エール」で実現した。 5月13日放送の第33話でのことだ。 「エール」の主人公・古山裕一は作曲家の古関裕而がモデルで、そのライバル的存在として、やはり作曲家の古賀政男をモデルとした「木枯正人」が登場する。 演じているのは、ロックバンド・RADWIMPSのボーカルでもある野田。 「前前前世」などの大ヒットで知られるJポップの若きカリスマのひとりだ。 前日の放送直後には「あさイチ」恒例の朝ドラ受けでも話題に。 博多大吉が「お芝居もできるんだねぇ」と感心すれば、近江友里恵アナは「これからもちょっと歌声が聴けたりするのかな、とか楽しみにしながら」とファンの期待を代弁していた。 その期待が、カフェの場面でのギター弾き語りというかたちで現実のものになったわけだ。 歌われたのは古賀メロディーの代名詞というべき「影を慕いて」。 演歌の原型のひとつでもある昭和初期の名曲だ。 ただ、歌唱後の反応は賛否両論だった。 「美声」「心をうたれた」「『紅白』でも聴きたい」という評価がある一方で「原曲と音程がちょっと違ってた」とか「ブレスが多すぎてしかも不自然」といった声も。 筆者の感想も、後者に近い。 音程については念のため、最初に歌った佐藤千夜子や古賀本人の歌唱も確認してみたほどだ。 野田が故意に歌い崩したのだろうか。 また、ブレスについても「かげをし・たいて(影を慕いて)」「わがお・もい(我が想い)」「みはこ・がれ(身は焦がれ)」という文法的にそぐわない息継ぎがあり、違和感を覚えてしまった。 それでも、これがもし、プロのミュージシャンでなければ、むしろ感心したかもしれない。 たとえば、前作の朝ドラ「スカーレット」ではTKO・木本武宏扮する信楽太郎のオリジナル曲「さいなら」が泣けると絶賛された。 歌ではシロウトにすぎない芸人ならではのつたなくも懸命な歌いっぷりが奏功したかっこうだ。 また「エール」には歌手でミュージカル俳優の山崎育三郎も出演中。 音楽学校のプリンスとして歌曲を披露したりしているが、本人も東京音大声楽演奏家コース中退とあって、そつなくこなしている。 その点、野田は得意なものとは毛色の違う音楽に取り組むことになり、損をしたともいえる。 そういう意味で、主人公の音楽的才能を最初に見いだす小学校教師役の森山直太朗なら、もっとしっくりいっていたかもしれない。 「影を慕いて」の音楽構造はロックよりフォークに近いからだ。 とはいえ、古山裕一が古関裕而ではないように、木枯正人も古賀政男ではない。 役とモデル、そして演者を結びつけすぎるのは安直だ。 ただ、国民栄誉賞を受賞したほどの大作曲家を現役の人気ミュージシャンが演じるというのは、それだけで話題性があり、こうした賛否両論も制作側としてはしてやったりだろう。 もともと、朝ドラはこの手のキャスティングを好み、ちょくちょく繰り出してきた。 その究極は「ひよっこ 紅白特別編」だ。 主題歌を担当していた桑田佳祐が作曲家・浜口庫之助役で登場して「涙くんさよなら」を歌った。 また、演技もできるミュージシャンを脇役で使って、ドラマのアクセントにするのもけっこううまい。 「ひよっこ」では峯田和伸(銀杏BOYZ)「まれ」では渡辺大知(黒猫チェルシー)「とと姉ちゃん」では浜野謙太(在日ファンク)という具合だ。 「スカーレット」でも、岡本太郎を連想させるカリスマ芸術家を西川貴教にやらせて、独特のリアリティーをかもしだしていた。 かと思えば、音楽もやっていた無名役者が朝ドラでのブレークにより、CDリリースやライブをやりやすくなるケースもある。 「あさが来た」のディーン・フジオカや「スカーレット」の松下洸平がそうだ。 NHKにとっても、役者にとっても、幸せな構図である。 では、野田の場合はどうか。 こちらも以前から役者はやっていて、15年には映画『トイレのピエタ』に主演。 デビュー作にして、日本アカデミー賞新人賞を受賞した。 ただ、星野源ほど二刀流としての実績はないから、世間やメディアのイメージは「朝ドラに挑戦」みたいになってしまうわけだ。 もちろん、音楽界でのポジションを考えれば、わざわざ挑戦する必要もない。 それでもオファーを受けたのは、ちょっとお調子者だからだろう。 これは悪いことではなく、芸能人なら好奇心や刺激を求める気持ちは大事だ。 よほど演技が下手でない限り、調子に乗ってドラマなどに出てみることは音楽にもプラスになったりする。 実際、役者もやったおかげで大物感を増した人は多い。 長渕剛は共演者と不倫もしたが、それが歌の色気にもつながった。 武田鉄矢が一発屋で終わらなかったのも演技ができたからだし、矢沢永吉ですら主演の連ドラを1本やっているほどだ。 最近では、川谷絵音(ゲスの極み乙女。 )も俳優業をかじった。 昨年12月には「ドクターX~外科医・大門未知子」にゲスト出演。 米津玄師と川谷自身をモデルにしたような人気ミュージシャンで、痔の患者でもあるマヌケな役だ。 「週刊誌とかに入院してるとこ撮られたら、すっげえ嫌なんですけど」などと自虐的なせりふを言っているのを見て、みそぎ的な意味もあるのではとしみじみさせられた。 話を野田に戻すと、今回の仕事、朝ドラとやらに一度出てみるか、という軽いノリだったのではないか。 そういえば、2年前には愛国ソング騒動というのもあった。 RADWIMPSのシングルカップリング曲「HINOMARU」が一部の人たちから「軍歌のようだ」と非難され、ライブを妨害されたりしたのだ。 が、野田はSNSでこの曲を書いた動機をこう説明していた。 「純粋に何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたいと思いました。 自分が生まれた国をちゃんと好きでいたいと思っています。 好きと言える自分でいたいし、言える国であってほしい」 実際、彼は翌年にも、学校の漢文教育に疑問を呈したり、最近では、コロナ禍への政府の対応をめぐってこんな発言をした。 「僕自身は国というものを信用しなくなりました。 (略)まるで自分たちの財布の中身のように扱っていますが、税金はそもそも僕たちが支払ったお金です。 それを国民が困窮している時に、国民が安心できるレベルまで補償として使わない道理がわかりません」(Rolling Stone Japan) そのつど、思ったことを口にし、やりたい曲を作るというスタンスなのだろう。 私生活でも、吉高由里子や前田敦子らと浮名を流しており、けっこう自由奔放にも見える。 おそらく、思想よりも感情を大事にするタイプで、朝ドラ出演もまたしかり、なのではないか。 では、肝心の演技はといえば、それなりに面白い味を出している。 主役を演じる窪田正孝の芝居にメリハリが効いている分、淡々とそっけない素振りが好対照だ。 興味深かったのは、視聴者の感想のなかに、岸部一徳みたいになるかもと期待しているコメントを目にしたこと。 たしかに、ミュージシャンから個性派俳優になっていく人はいつの時代も存在する。 野田が今後、そういう方向に進む可能性もなくはない。 「影を慕いて」を歌った前々回には「ちょいちょい愛してる」という詞に即興で曲をつけ、それがファンにウケたことから、インスタライブでも披露していた。 こういうお調子者っぽさは、役者にも向いているはずだ。 この曲(というか「ちょいぽい恋唄 第二」のなかの一節)はミョーに耳に残ると評判だが、彼の演技もミョーに印象的だったりする。 役者・野田洋次郎、意外といけるかもしれない。 早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。 著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など.
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