面接官が最初に自己紹介を求める最大の狙いは、「今までの人生やキャリアを簡潔に要約して伝える能力があるか」を見極めるためです。 「わかりやすく話す」というのは、ビジネスシーンにおいて誰もが必要とされる能力ですから、自己紹介を聞けばその人の基礎的なスキルや資質がどれくらいのレベルかをすぐに把握できます。 よって自己紹介で大事なのは、短い時間で必要な要素をきちんと盛り込むこと。 「3分で自己紹介をお願いします」などと時間を指定されたら、必ずそれ以内で収めてください。 時間の指定がなければ、1分以内を目安としましょう。 それ以上長々と話し続けるのは絶対にNG。 指定の時間を10秒オーバーした人と10秒足りない人だったら、前者のほうが圧倒的に印象は悪くなります。 短いぶんには減点になりませんので、自己紹介については「とにかく短く簡潔に」を鉄則としてください。 そもそも自己紹介は、「自分は何者か」の概要を伝えることが目的です。 いわば「自分についてのサマリー」みたいなもので、「詳細はのちほど説明しますが、要約するとこういう人間です」と相手に伝われば十分。 よって、細かい情報をあれこれ詰め込む必要はありませんし、「自分の強みをアピールしなくては」と気負う必要もありません。 それらは自己紹介ではなく、「自己PR」で伝えればいいこと。 自己紹介と混同されがちですが、自己PRは面接官が「この応募者は自社で活躍できるか」を判断するためのもので、過去の実績や経験、強みや得意分野について具体的な回答が求められます。 これらの要素は面接官との質疑応答の中でも掘り下げていくことになるので、冒頭の自己紹介ではその前提になる概要をシンプルに伝えればOKと心得ましょう。 なお、面接の最初に自己紹介を求められないケースもあります。 スピーチ形式の自己紹介は求められませんが、 質疑応答の形で「自分は何者か」を伝えることになるので、やはり事前に必要な要素を整理しておくことが欠かせません。 3分バージョン• 1 挨拶• 「山田太郎と申します。 本日はよろしくお願い致します」• 2 経歴・職歴• 3 前職の入社動機• 4 職務経験• 5 退職理由と志望動機• 6 結び• 「改めまして、どうぞよろしくお願い致します」 1分バージョンを基本に、前職の入社動機と退職理由・志望動機を加えます。 ただし、 ここでもそれぞれの動機や理由はあくまで短く簡潔にまとめること。 これらも詳細は後の質疑応答で掘り下げるので、ダラダラと長く話す必要はありません。 自己紹介~1分バージョン~• 「山田太郎と申します。 本日はよろしくお願い致します。 主に小売・物流業界に対して業務効率化のためのIT支援ツールを提案営業し、全ての年度で目標達成率130%、3年目以降は全国の法人営業部で常に上位5%以内の成績を維持してきました。 改めまして、どうぞよろしくお願い致します」 【ポイント】 「2012年から5年間」のように、自分が経験したことについて 「時期と期間」を明確に伝えると、「事実関係を整理して丁寧に伝えられる真面目な人」という印象を面接官に与えられます。 自己紹介~3分バージョン~• 「鈴木一郎と申します。 本日はよろしくお願い致します。 そこで『経営の本質は現場にある』ということを実感し、卒業後は企業の現場を変革するために力を尽くしたいと考え、コンサルティング業界を中心に就職活動しました。 2012年に入社してから3年間は部品メーカー、2015年から2年半は物流会社の業務改革プロジェクトに参画し、部品メーカーについては工場の生産性を50%向上させ、物流会社については社員一人当たりの労働時間を25%削減することができました。 今後さらに日本企業の現場力を高めるには、デジタルの力を取り入れることが不可欠と考え、コンサルティング業界の中でもデジタル活用の先駆的な事例を多数実践している御社に応募致しました。 改めまして、どうぞよろしくお願い致します」 【ポイント】 1分バージョンと同様に、 時期や期間、数字などのポイントを押さえることに加え、3分バージョンでは「話に一貫性があるか」を重視してください。 3分バージョンに盛り込む前職への 入社動機や退職理由、志望動機などに一貫性がないと、「その時々で場当たり的にキャリアを選択してきた人」という印象を面接官に与えてしまいます。 この例文であれば、「経営=現場」がキーワードであり、子どもの頃から父が経営する店の現場に出ていたこと、大学卒業後に1社目を選ぶ際も「現場を変革する仕事」にこだわったこと、この会社を志望する動機は「日本企業の現場をさらに強くするため」であることなど、ストーリーにしっかりとした一貫性があります。 また、その後の質疑応答で話を掘り下げていく際も、「自己紹介で話したストーリーと矛盾はないか」を面接官は重視します。 よって自己紹介文を準備する際は、質疑応答の内容も想定した上で、矛盾が生じない内容を考えることが必要です。 最近は、正式な選考過程である面接とは別に、「カジュアル面談」と呼ばれる場を設ける企業が増えています。 その転職者に自社の面接を受けてもらう前に、カジュアルな形で企業の担当者と顔を合わせて、ざっくばらんに情報交換することが目的です。 カジュアル面談の場合、一般面接のような自己紹介を求められることはありません。 選考が目的ではありませんし、 むしろ企業側が優秀な人材を獲得するために「うちの会社にはこんな良さや魅力があります」と自社をアピールすることが主な目的なので、転職者の資質や能力を見定めるようなやりとりは発生しないと考えていいでしょう。 よって、カジュアル面談で企業の担当者と会った時は、かしこまった自己紹介をする必要はなく、ごく常識的な挨拶と失礼のない振る舞いがができれば問題ありません。 趣味や余暇の過ごし方など、プライベートな要素も話したほうがいいの? A. 1分間や3分間で自己紹介を求められた場合は、キャリアと仕事のことに絞って話すのが原則です。 ただ、自己紹介を求められず、最初から質疑応答で経歴やプロフィールを追うタイプの面接官の場合、「趣味はありますか?」「好きなことは何ですか?」といった質問をされる場合があります。 この時、「趣味はありません」と答えるのはNG。 面接官はこの質問によって、応募者のバックグラウンドや思考・行動の傾向などを知りたいと考えています。 その人が何を好むかによって、「社交的なのか、内向的なのか」「チームでやることが好きなのか、一人でやることが好きなのか」「一つのことを長く続けるタイプなのか、流行にのって色々なことを一時的に楽しむタイプなのか」といったことがわかるからです。 つまり面接官は、自己PRや志望動機を聞くのと同じように、応募者を知るために趣味について質問しているのですから、「趣味がない」と答えるのは、「自己PRは特にありません」「志望動機はわかりません」と答えているようなもの。 趣味という自覚はなくても、好きなことや楽しんでいること、長く続けていることなどが何かしらあるはずですから、それを趣味として語れるように整理しておきましょう。 転職活動なのに、新卒時の就職活動についても聞かれるの? A. 転職の採用面接だからこそ、その人のキャリアの原点となる「就活」を重要な要素と位置づける面接官は少なくありません。 大学卒業後に働く1社目をどのような基準で選ぶかは、人生を左右する大きなポイントです。 その就職活動に真剣に取り組まず、「入れるところならどこでもいい」といった中途半端な決め方をした人は、転職活動においても「キャリアの軸を持たず、適当に仕事選びをする人」と判断されます。 よって、転職の面接でも新卒時の就職活動について聞かれることを想定し、 「自分の中で何を優先し、どんな思いを持って会社を選んだのか」を語れるようにしておくことが必要。 就職活動をあまり頑張らなかった人ほど、きちんと当時を振り返り、「なぜその仕事を選んだのか」というキャリアの軸について説得力を持って語れるように、1社目の志望動機をもう一度整理し直してください。 自己紹介の内容が完璧なら、第一印象は満点? A. 自己紹介で大事なのは、話す内容だけではありません。 表情や目線、姿勢や話すスピードなど、振る舞いや話し方も同時に見られています。 面接の冒頭はどうしても緊張するので、「何を話すか」だけで頭がいっぱいになりがちですが、それ以外のコミュニケーション要素にも気を配るようにしましょう。 また、第一印象は自己紹介だけで決まるのではなく、 面接官が部屋に入ってきた瞬間から勝負は始まっています。 面接官が入室した時、椅子に座ったまま迎えるのはNG。 本日はよろしくお願いします」とひと言挨拶してください。 どうぞおかけください」と言ったら、「ありがとうございます」と言って腰掛けるのがマナーです。 必要な要素に沿って1分で話すバージョンと3分で話すバージョン両方を用意しておくと良い。 何かしら話せるように準備しておくこと。
次の転職面接でよく聞かれる質問とその模範回答例 転職活動の最大の難関は「面接」です。 履歴書や職務経歴書などの応募書類はあくまで面接に進むための手段にすぎません。 企業は面接で「募集職種ができそうか」、「長く活躍してくれそうか」、「社風や風土とも合いそうなのか」を見極めるため、第一印象、会話、人柄、考え方、態度などをチェックし、採用の可否を判断しています。 しかも面接は1チャンスです。 緊張する本番の面接で、どこまで自分自身のことが伝えられるかが鍵となります。 「転職面接の質問と回答例」では、実際に転職面接でよく聞かれる質問とその回答例を挙げ、面接の参考となるようにしています。 転職面接ではどのような質問があるのか、そして、質問に対する回答はどうしたら良いのか、その一つの参考になれば幸いです。 皆さんが面接に合格し、転職が成功することを応援しています。 おすすめの転職サイト・人材紹介サービス 今や転職活動において、転職サイトや人材紹介を利用(併用)するのは当たり前の時代です。 ここでは最低限登録しておいたほうが良いおすすめの転職サイトと人材紹介会社をご紹介します。 転職サイト 日本最大級の転職サイト。 転職した人の約8割がリクナビNEXTの利用者。 転職サイトを利用するなら、まずリクナビNEXTを使ってみましょう! 工場系の求人サイト。 勤務地・職種・寮・収入など、希望に応じて検索が可能。 工場系の仕事を探すなら、このサイトを使ってみましょう! 人材紹介会社 anやテンプスタッフでおなじみの人材業界大手。 あらゆる業界・規模・職種の求人があり、業界トップクラスの求人数や情報量が強みです。 ココも外せません! リクルートが行う人材紹介サービス。 業界トップクラスの求人数を誇り、全業界の求人をカバーしています。 転職の相談から(非公開)求人の紹介、応募書類の添削、面接対策、退職交渉のサポートまで、幅広いサポートを「無料」で受けることができる大変便利なサービスです。
次の中途採用面接で欠かせない5つの質問 まず、中途採用の面接において、基本項目ともいえる欠かせない質問をいくつか紹介します。 1-1. 自己紹介 面接の冒頭、面接官から候補者に対し自己紹介を促すと、面接をスムーズに開始できます。 答えやすい自己紹介から入ることで、候補者としても本題の質問までのウォームアップになります。 自己紹介を通じて、経歴書には載っていない人となりを知ることができるでしょう。 面接の開始時には候補者は緊張していることが多く、そのような状況下で自己紹介をしてもらうことで、候補者が人前で話すことに慣れているか判断もできます。 ただし、自己紹介だけに多くの時間を費やしてしまい、本題を深く聞く時間がなくなっては面接の本来の目的を果たせません。 面接官側から「簡潔に」「3分で」といった前置きをすることがポイントです。 1-2. 志望理由 候補者の志望理由によって「自社への熱意」を判断できます。 「なぜ自社を選んだのか」という理由が明確であり、そこに強い説得力があれば、熱意が高いと判断できます。 その場合、選考中や内定後の辞退も起こりにくく、採用後にも自社で長く働いてくれる可能性が高くなるでしょう。 1-3. 前職での実績 自社で即戦力として活躍できるかどうかの一つとして参考になるのが、前職での実績です。 成果だけを聞くのではなく、「一番苦労したこと」「それをどのように解決したのか」といったプロセスを含む質問をすることが有効です。 これらの質問によって、自社の業務への適性や、問題解決能力の有無を判断できます。 1-4. キャリアイメージ 面接において、入社後のキャリアイメージを語れる人材は、自身のキャリア形成に対して意欲が高く、向上心があると期待できるでしょう。 候補者の話すキャリアイメージと自社で提供できるキャリアパスに大きな違いがなければ、長期にわたって自社で活躍する可能性が高い人材と判断できます。 1-5. 逆質問 面接の最後に、候補者側からの質問を受け付ける「逆質問」も欠かせません。 「何か質問はありますか」「最後に何か伝えたいことはありますか」という聞き方がよいでしょう。 候補者側の疑問点や不明点の解消ができ、内定後の辞退や入社後のミスマッチも防ぎやすくなります。 また、一方的に質問責めにするのではなく、フェアな面接だったという好印象を与えるメリットもあります。 biz 2. 中途採用面接でチェックすべき3つのポイント 面接の質疑応答を通じてさまざまなことが判断できる面接。 ここでは、質疑応答の際にチェックすべきポイントを3つ紹介します。 2-1. コミュニケーション力 面接においては、まず候補者の「コミュニケーション力」をみましょう。 「面接官の目を見て、はきはきと答えられているか」といった態度や所作だけではありません。 「質問に対する答えとして的確か」といった、解釈の能力なども判断できます。 「話すのがうまく」ても、「面接官の話を理解できていない」ケースもあるからです。 また、答えている内容が「まわりくどい」「長すぎる」という場合も、コミュニケーション力が足りない場合があります。 2-2. 仕事に対するモチベーション 中途採用の場合、即戦力としてのスキルに質問が偏ってしまうかもしれません。 しかし、候補者の熱意ややる気も重要な要素です。 いくらスキルが高い人材でも、モチベーションが低い人材は、期待したスキルや能力を自社で発揮しないまま、最悪短期間で転職してしまうこともあるのです。 前述の志望理由、キャリアイメージ、逆質問などを通じて、候補者のモチベーションを見極めることが大切です。 2-3. 経歴書との差異 面接は自己アピールの場。 つい自分の経歴や実績を誇張してしまうケースもないとはいえません。 前職での実績に間違いがないかを確かめるためには、「業務でもっとも苦労したこと」「業務において重視していたプロセスやポイント」など、担当者でなければ語れないことを聞くとよいでしょう。 一次面接と二次面接で、言っていることが変わっていないか確かめることも有効です。 候補者を正しく見極めるためには、あらかじめ経歴書をきちんと読み込んだうえで、前職での実績について確認しておくことも重要といえます。 履歴書や職務経歴書を面接当日に読み込むようでは、真偽を見抜きづらくなります。 候補者にとってもネガティブな印象を与えかねませんので、気を付けましょう。 biz 3. 追加で聞きたい質問2つ 以下に紹介するような質問を行うことで、より踏み込んだ判断が可能です。 面接時間に余裕があれば、追加して聞くことをおすすめします。 3-1. 気になる最近のニュース 候補者の情報感度や教養レベルを判断したい場合には、「気になるニュース」について聞いてみることをおすすめします。 営業職をはじめ、クライアントと直接会って話す職種は、世の中への情報感度が求められることもあります。 「日々、ニュースをどのようなツールから情報収集しているか」「最近もっとも印象深かったニュースは何か」というような質問が有効です。 3-2. 趣味 業務には直接関係ないかもしれないですが、「趣味」について聞いてみるのもよいでしょう。 候補者にどのような趣味があるのかを知ることで、本人の人となりや意外性が分かり、カルチャーマッチの判断材料になる場合があります。 biz 4. 候補者に悪い印象を与える質問パターン 面接は、主に面接官が候補者に対し質問をする場ではありますが、質問の仕方によっては、候補者に悪い印象を与えてしまう恐れがあります。 興味を持って望んでもらった面接が、企業に悪い印象を与えるきっかけになってしまっては残念です。 最後に、中途採用面接において、候補者に悪い印象を与える質問パターンをいくつか紹介します。 4-1. 遠回しな質問 目的や意図が不明瞭な質問は相手を困らせるだけでなく、会話がスムーズに進まず、時間を無駄にしてしまうこともしばしばあります。 複数の面接官で面接をしている場合は、他の面接官が用意している重要な質問の時間を奪ってしまうことにもつながるでしょう。 面接官は、あらかじめ自身の質問意図を明確にしておき、できるだけシンプルな言葉での質問を心がけることが大切です。 また、相手が自分の質問意図を理解せずに答えている場合は、早期の段階で「では、聞き方を変えましょう」と軌道修正するのも一つの手でしょう。 4-2. 漠然とした質問 「あなたにとって仕事とは」など漠然とした質問は、候補者によっては戸惑ってしまうことも。 全ての人に共通してネガティブな印象を与えるものではないですが、候補者が希望している職種や、そのポジションに求められているスキルなどを踏まえたうえで、質問の仕方を工夫してあげることが大切です。 4-3. 高圧的な質問 「自社から内定を出したら他社は辞退するか」など、候補者が答えにくい質問は避けるべきです。 面接官という有利な立場を利用して高圧的な聞き方をすると、パワーハラスメントにあたる可能性も高くなります。 面接だけのことであっても、候補者にとっては「ハラスメントがある企業」と判断するかもしれません。 その結果、企業イメージのダウンにもつながってしまいます。 HRreview について 「戦略人事が、企業の未来を変える」 産業構造の転換や労働力人口の減少など、企業経営を取り巻く環境が大きく変わるなか、 持続的な企業成長に不可欠なものは、人事の"戦略"であると、HRreviewは考えます。 「人事は人を採用すればいい」という考えではなく、 事業を成長させるための採用・育成・配置といった戦略が、今後の持続的な企業成長においてより重要性を増していきます。 ダイレクトリクルーティングの先駆者として企業の主体的な採用を支援してきた株式会社ビズリーチが送る 「HRreview」は、事業をドライブさせる、戦略的な人事の皆さまに"気づき"をお届けするWebメディアです。
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