たまに、翼は空を見上げている。 いつも、僕は翼を見上げている。 「ねぇ、つばさぁ~、いつも何みてんのさぁ~。 」 間延びした遊の声に翼は生返事で返す。 本を読んでいるわけでも、ベイのメンテナンスをしているわけでもない。 何処を見ているのかわからない目は僕を見てなどいない。 いくつか適当な質問をしてみたけど、どれも同じ。 「ねぇ、つばさ!ベイバトルしよ!!ねぇ、ねぇ、いいでしょ?何もしてなんだしさ」 しかたないな、と翼は重い腰を上げた。 翼の気を引くのは僕じゃない。 ベイと空だけ。 ベイをしているときの翼は楽しそうで、ベイのことしか考えていないように見えた。 そんな真っ直ぐな翼を僕は好きだ。 空を見ているときの翼はどこかボ~ッとしていて、上の空。 まるで本当の翼がそこにいないみたいで。 僕を不安にさせる。 「いくよ!つばさ」 「あぁ、」 アクイラとリブラがぶつかり合う。 だけど、一瞬、翼が目を逸らした。 そのせいで勝負はすぐについてしまった。 「しっかりしてよね。 つばさぁ~。 」 「すまない」 翼は申し訳なさそうに眉を下げ謝った。 その後、アクイラを手に取り、僕の前からいなくなってしまった。 「ちぇっ、ぼくともう少し遊んでくれてもいいじゃないか。 」 すごく切なくなった。 胸が苦しくて、涙が溢れた。 遊んでくれないから、悲しいんじゃない。 遊び相手ならいくらでもいる。 いつも傍にいる人がいなくなったから、悲しいんだ。 ねぇ、翼。 俺はいつも、遊を見下ろしている。 今日は、青く晴れた一日だ。 雲一つなく、それが一層、空を大きくさせる。 遊がベイバトルしょうと誘ってきた。 断る理由もないので、答えることにした。 だけど、そんな気はさらさらなかった。 遊にはあっさり負けた。 勝負の結界に不服そうに頬を膨らませるボウヤに謝り、その場を去った。 今はベイをする気分じゃない。 いや、違う。 ベイをしたいのは山々だが、こんな気持ちでは、アクイラにも勝負をする相手にも無礼 である。 こんな気持ちにさせるのは、あの青い空のせいだ。 まるで俺を一人だと思い知らしめるために、アイツは胸を張っているように青い。 それが悔しくて、怖くて、何もできない。 一人になるのが怖い。 だけど、隣に誰かがいると、自分が一人であった事をさらけ出されてしまいそうで、余計に怖い。 こんな臆病な自分をさらに隠すように人と離れた。 だけど、一人は怖いから人が必ず見える位置にいるんだ。 しかし、遊は違った。 あの無邪気な笑顔を見ると一人であろうとなかろうと、どうでも良くなる。 その無邪気な笑顔は今、まだ、俺の手の届く所にいるのだろうか。 [newpage] ひとしきり泣いた後、僕はさっきまで翼がいた場所に戻った。 空を大きく眺められるこの屋上に彼を姿はあった。 一人の背中は切なそうで、どうしても、声をかけずにはいられなかった。 「つばさぁ!!なにやってるのさぁ!こんなところにいるくらいなら、ベイの練習すれば!翼はぼくみたいに天才じゃないから、練習 しないとぼくには勝てないよ!!」 振り返ると遊が立っていた。 目を赤く腫らして、膨れっ面の顔で。 「お前も、一度は練習したらどうだ。 」 「ぼくが練習なんかしたら、つばさ、勝てなくなっちゃうよ」 遊が俺のところまで、横に並んでこの青い空を見ている。 「お前が強くなったら俺も強くなるさ。 」 「なにそれ、負け惜しみ?どうせ、つばさはぼくには勝てないよ。 」 「すごい自信だな。 」 「当然でしょ。 」 少し、楽になった。 この広い大空で俺は今一人ではない。 少し、悲しくなくなった。 ぼくの隣にはいつも傍にいてくれる人がいるから。 「つばさは、いつもここから何を見ているのぉ?」 「・・・」 「ねぇ、答えてよ。 さっきのバトルで勝ったぼくがきいてるんだよ。 」 「あれが勝ったといえるのか?」 また、膨れっ面の遊に目線をあわす。 やっと、すまし顔の翼がぼくを見てくれた。 「つばさは何をみているの?」 「・・見下ろされているんだ。 どんなにアクイラを大空に飛ばせたって、空はいつも上にある。 空はいつでも俺を見ている。 ・・一人の 俺を」 翼はぼくと同じだった。 「・・ベイ、バトルしよ。 次勝った人が何でも負けた人に命令できるんだ。 だから、一日中一緒にいなくちゃいけないんだ。 」 「次こそ勝ってやる。 」 「今度も勝ってあげるよ。 」 ぼくの隣にはきみしか入れないんだよ。 俺の傍には、お前の笑顔が必要なんだ。 ただ、ぼくは翼の横にいたいだけなんだ。 空にはこれから見せ付けてやるんだ。 僕達をね。 end.
次のつばさ [ ] 人名• - に所属する。 - 出身の。 - 元トップスター・歌手・女優。 - ・。 - 日本のアイドルグループのメンバー。 作品名• - の楽曲。 - の楽曲。 - による上記楽曲のカバー。 - 監督による1927年の映画。 過去、で放送されたテレビドラマ2作品。 同一タイトルであるが、全く別個の作品である。 - 1994年放送の枠の作品。 - 2009年度前期放送の枠の作品。 その他• - および、その前身となるの特別急行列車の。 - の民生部品、コンポーネント実証衛星。 - かつて存在した。 つばさプロジェクト - 芸能プロダクション。 つばさレコーズ - 上記会社の。 テレビ番組『』に登場していた。 を参照• つばさ - の。 ツバサ [ ] 人名• - に所属するプロレスラー。 - 所属の女子。 如月ツバサ - ・『』の登場人物。 作品名• - の楽曲。 - の短編漫画作品。 - の漫画作品。 その他• - 『』の主題歌、を歌う。 も同じ楽曲を歌う。 ツバサ工業(後の)が製造していたの名称。 翼 [ ] 翼(読み:つばさ、よく) 人名• - 日本の。 - 所属していたの全活動期メンバー。 - 選手。 - 所属。 - 漫画『』の主人公。 - 漫画およびアニメ『』の登場人物。 - ゲーム『』の登場人物。 作品名• - のアルバム。 - のシングル曲。 - の楽曲。 - のベスト・アルバム。 - の楽曲。 - 1936年から1940年まで存在したの球団。 - の医薬品販売会社。 - 関連の情報システム会社。 その他• 翼 - 中国山西省臨汾市のの古称。 春秋時代にの都があった。 翼 - の一つ。 TSUBASA [ ]• TSUBASA - のシングル。 - のシングル。 - 東京都港区にある企業。 関連項目 [ ]• タイトル前方一致ページ一覧(「」、「」、「」)• タイトル部分一致ページ一覧(「 」、「 」、「 」)• このページは です。 一つの語句が複数の意味・職能を有する場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。 お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。 を見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。
次の声 - 、子供時代 - 概要 銀色の長い髪と褐色肌が特徴の美少年。 鷲を一羽連れていて、どこからともなく飛んで来て翼の手助けをする。 五感に優れていて魚を素手で難なく捕らえて銀河を驚かせたこともある。 クールで寡黙な性格で常に冷静沈着であり、日本代表チーム内では戦略家の面を見せるが、正宗からは暗いと言われている。 空中殺法を得意とし、テクニックとスピードを活かして戦う技巧派タイプのブレーダー。 チーユンからは「綺麗に勝とうとし過ぎて、勝利に対する執念が足りない」と批判されているが、遊には「綺麗に勝とうとするのが本当の翼」だと言われている。 活躍 アニメ版 メタルファイト ベイブレード 第24話から登場。 チャレンジマッチでポイントを稼ぐ銀河の前に突然現れ、彼に絡んでいたはぐれブレーダーを蹴散らす。 しばらく共に旅をして交流したように見えたが、スグソコシティでのチャレンジマッチで銀河にわざと敗北した後に意味深な発言をし暗黒星雲に自ら売り込み入る。 暗黒星雲の入団テストにおいて遊とバトルし引き分けるが、「まだ本当の爪を見せていない」と言い真の実力を隠し、チャレンジマッチの銀河やケンタとのバトルでは戦いを通してアドバイスを送るなど謎の行動を取る。 暗黒星雲の情報網をもってしてもその素性はほとんど明らかにされていなかったが、その正体はWBBAから依頼された特捜ブレーダーであり、暗黒星雲に入ったのも大道寺とエルドラゴを調べる為の潜入捜査であったことが判明。 エルドラゴのデータを調べていたところを竜牙達に知られ竜牙とバトルをして追い詰められるがフェニックスに助けられる。 自分1人で竜牙を倒すことにこだわり銀河の強さを疑問視していたが、銀河とフェニックスの勝負を見て仲間達との協力の大切さを悟り、銀河達に自分の素性・目的を全て話して彼らの仲間となる。 バトルブレーダーズでは1回戦で双道兄弟を下し、2回戦で竜牙を相手に一度は暗黒転技を破るなど善戦するが敗れ去り倒れる。 決勝戦で銀河が竜牙を倒した後にキョウヤ、ヒカルと共に目を覚ます。 メタルファイト ベイブレード 爆 ビッグバンブレーダーズ日本代表選抜大会ではキョウヤとの対戦時に、「勝ちたい」と言う邪念から暗黒の力に囚われ始める。 その後キョウヤに敗北するが、遊との対戦時ではリブラの振動波と共鳴することによって彼の必殺転技を打ち返し、最後まで自分を見失う事無く勝利してレギュラーメンバーの座を勝ち取る。 ビッグバンブレーダーズ1回戦でチーユンと対戦した際は彼に挑発され再び邪念が湧き上がり暗黒の力を発動させ暴走するが、結果的に自滅してしまい敗北する。 以降はその事が尾を引いており、試合に出る事に内心では否定的になっている。 2回戦では正宗がプーテンの策略で行方不明になったことで、遊に世界の舞台を経験させるいい機会だという名目で出場権利を遊に譲る。 3回戦で遊とのタッグバトルでマスクドブルやダムレと対戦した際は、周囲の期待のプレッシャーと追い詰められた焦りにより再び暗黒の力が発動し、その力で勝利を得るも暴走してそれでも足りんとばかりに破壊活動を行い、精神的にも肉体的にもかなりのダメージを受け入院する。 この時、バトルブレーダーズでの竜牙とのバトルでエルドラゴの暗黒の力に汚染され、それ以来度々暴走するようになったことが判明する。 その後チーユンとゲオルグの試合をテレビで観戦してから病院から姿を消し、イタリアでシーザーに戦いを挑むがまたしても暗黒の力が暴走。 駆けつけたウェルズとソフィに追い詰められるが、そこへ姿を現した竜牙に助けられ、暗黒の力を克服するためには一度受け入れて染まってしまえと竜牙にアドバイスされる。 Aブロック決勝戦第2試合では遊とのタッグバトルでウェルズ、ソフィと戦うことになるが、またしても暗黒の力が暴走する。 しかし光ある所には常に影があるのと同じように、闇の中にも光があるということ、そして暗黒の力もまた自分自身の内面の一部でしかないという事を悟った翼は、暗黒の力を受け入れろという竜牙のアドバイスの真意を悟り、暗黒の力を克服する。 その際に生み出した新たな必殺転技であるシャイニングトルネードバスターでウェルズとソフィを一撃で倒す。 決勝トーナメント準決勝のグレイシーズとの試合では、勝ち抜きバトルの最終戦でアルゴと戦い、勝利のためなら手段を選ばないアルゴの前に窮地に立たされる。 アルゴに散々挑発され、克服した暗黒の力が再び表に出そうになるが銀河たちの応援に励まされ、レイギルの弱点であるラバーセミフラットボトムを狙い撃ちし、アクイラを損傷されながらもアルゴを撃破する。 その後、損傷したアクイラが決勝戦直前にまどかの手によって修復され、遊と共に陸上競技場でアクイラの試運転をしていたが、そこへ突然現れたダミアンに襲撃されて意識不明の重体となり、アクイラも半壊させられる。 第97話にて復活し、まどかによってアクイラも修理してもらう。 その後、レイギルの攻撃があたりそうになった銀河を助け、再びアルゴを撃破する。 その後ハデスシティに乗り込んだ際に、アレンジシステムのカプセルの中に閉じ込められてしまった遊を救う為にジャックと対戦し、決勝戦に出られなかった無念さをジャックにぶつけ、シャイニングトルネードバスターでジャックを撃破する。 劇場版 ツインドームバトルAブロックの準決勝で銀河に敗北し、試合後に突如乱入してきたヘリオスに追い詰められるが銀河に救われる。 その後ヘリオスの居場所を突き止めて潜入し、スペースシャトルを制御するまどかを身を挺して守るなど、銀河たちを影からサポートする。 漫画版 第9話から登場。 竜牙の忠実な部下で暗黒三闘士(ダークトライデント)のリーダー格。 服装や髪の色も異なり、目を閉じていることが多い。 バトルブレーダーズ1回戦でヒカルを破り、準々決勝のバトルロイヤルでは自身の暗黒転技と遊とのコンビネーションにより銀河とキョウヤを苦しめる。 先に遊が敗れた後も1人で銀河たちの合体転技と互角に戦うが、最終的に敗れる。 アニメ版と異なりビッグバンブレーダーズ編には登場していない。 ゲーム版 『ガチンコスタジアム』から登場する。 翼のベイブレード アースアクイラ145WD(わし座) 大口径ワイドディフェンスボトムによって驚異的な防御力と持久力を合わせ持つ、スタミナとディフェンスの両方の特性を兼ね備えたバランスタイプのベイ。 必殺転技 メタルウイングスマッシュ 上空から空を舞うように何度も攻撃を仕掛ける技。 カウンタースタンス 相手の動きに合わせてカウンターを繰り出す翼の切り札。 ストリームスラッシュ 衝撃波を放ちながら上空から攻撃する技。 ダイビングクラッシュ 相手のアタックの力を利用して高くに飛びあがってから、落下と共に相手にアタックをしかける技。 カウンタースマッシュ 上空や地上から突進攻撃を仕掛ける技。 スマッシュクロー 上空から鋭い爪のような一撃を繰り出す翼の得意技。 シャイニングトルネードバスター 暗黒の力を克服した翼が新たに編み出した技。 アクイラを螺旋状のオーラで包み込み、上空から突貫攻撃を仕掛ける。 大鷲空襲撃(ハンティングフォール) ゲーム『ガチンコスタジアム』でのアクイラ専用技。 暗黒転技 AGFR(アクイラグレートフェザーリフレクション) 漫画版で使用。 メタルウィールによって相手の攻撃を弾き飛ばす技だが、真上からの攻撃が弱点。 Wikipedia での翼.
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