時に14%以上も稼いでいた人気番組が、ここに来て2桁を割るようになったのだ。 もちろん、新型コロナが沈静化したわけではない。 緊急事態宣言こそ解除されたが、目下、「東京アラート」が発令中。 一体、何があったのか? *** 朝の情報番組「モーニングショー」といえば、同時間帯では16年度以降4年連続で民放首位の人気を誇る。 昨年度の平均視聴率は9・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だった。 だが、今年1月は連日10%台が当たり前のようになり、2月には12%台、4月に13%台、5月4日には番組最高の14・1%を記録するまでになった。 民放プロデューサーは言う。 「『モーニングショー』が始まった15年当時の視聴率は5~6%でした。 コメンテーターの石原良純、長嶋一茂、高木美保といったメンバーは前番組の『モーニングバード』から引き継いでいます。 大きく変わったといえば、玉川徹さんが週1から毎日出演するようになったこと。 他局ではまず見ない局員がズケズケと、時にはけんか腰でまくしたてる、あの男は誰なんだと話題にもなりました。 ま、結局、ただのテレ朝社員だったわけですが、そのズケズケ感がコロナにハマったんでしょう。 政府の後手後手の対応に、国民が何をやってんだ!と思っていたところに、彼が視聴者の思いを代弁していた感じでした」 番組内容もコロナ一色となって、白鴎大学の岡田晴恵教授という新たなスターも生み出した。 玉川氏の発言も相変わらずで、3月には国民へのマスク配布を決めた厚労省に対し、彼は「医療機関に配るべきだったんじゃないか」と発言。 これに対し、厚労省は番組を名指した上で《医療用マスクの優先供給を行った》とツイート。 ところが、マスクの優先供給は《行った》のではなく、《開始した》だけだったことが番組の取材で明らかとなり、「モーニングショー」の信頼は増す格好となった。 「4月には玉川さんと政治ジャーナリストの田崎史郎さんの舌戦という目玉もあり、話題性も生まれたところに、在宅勤務、ゴールデンウィークで、普段番組を見なかったサラリーマンも『モーニングショー』を見るようになったのでしょう。 あわせて読みたい関連本•
次の玉川氏は4月29日の番組で、27日に発表された東京都の新型コロナウイルス感染者数が39人だったことについて、『(すべて)民間(医療機関)の検査の件数。 土日は行政機関の(検査をしている)ところが休みになる』と発言したことについて、誤りだったして謝罪しました。 【注意】この記事には翌日になって番組が「訂正」「謝罪」をした内容が含まれています。 このため、テレビ報道の一つのあり方として記録するため(注)をつけつつも原文を生かして翌日、追記したものです。 「これはすごいスクープでは!?」 筆者は思わず耳を疑った。 4月28日(火)のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』でコメンテーターの玉川徹が爆弾発言を行った。 テレビ番組が放送する以上は確認した上での事実なのだろうが、本当に事実であるとすれば、 テレビニュースであればトップ項目、 新聞ならば一面トップ記事に相当するようなスクープである。 だが、他の新聞やテレビではそうした扱いは見当たらない。 それを玉川徹は番組進行中のコメントでさらりと述べた。 東京都がきのう発表した新たな感染者の数のグラフだ。 2日前まで100人を超える日々が10日以上も続いていた東京での新たな感染者が、おととい、72人、きのう、39人と減っていることが伝えられた。 50人を下回ったのは先月30日以来だという。 番組では、土日はPCR検査数そのものが減ってしまうことで感染者がいたとしてもその間は確認できないという、山梨大学学長の発信を前の日に紹介し、諸外国と比べても 「途上国並み」といえる日本の医療検査体制の現状を変えるべきだ、と玉川らが警鐘を鳴らしていた。 yahoo. (玉川徹) 「 土日は行政機関の、感染研とか、(保健所とか)そういうところですね。 土日は そういうところが休みになるので、 この 39件というのは全部民間なんですって(注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された) で、民間よりも、通常は平日であれば、行政検査の方が多いんですよ。 で、行政検査が土日休みになっちゃって(注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された) 結果として、民間で検査をしたものの中から、感染者が39例ということなんですね」 (注・この点も事実誤認だとして翌日、訂正された) 前述したようにテレビのニュース番組や新聞記事ならば、これだけを見出しにして 「すべて民間機関の調査であることが判明」 「行政だけで追い付かない検査の実態」などと、強調して伝えるところだ。 スタジオに出演していた岡田晴恵・白鴎大学教授(医学博士)も (玉川徹) 「そうなると、これ昨日も言ったんですけど ゴールデンウィーク中はどうなるんだろうと。 ゴールデンウィーク、たぶん休みますよ。 行政は。 検査するところもね。 そうすると民間だけでいく。 民間がまだそんなに増えていないという段階だと、 これこの後、ゴールデンウィークに入っていくと こういう30とかいう数字がズーッと続いていく可能性がありますよね」 (注・この「行政が休む」という点も翌日の放送で事実誤認と訂正があった。 ) この一連のグラフの「下がり調子の傾向」を評価することも大事だとコメントしつつも、これがどの程度、「見えない感染者」を反映しているのかはわからない以上、GW中は注意が必要だと指摘して いる。 (玉川徹) 「確かに100以上あったところが39まで減ったというのは、これはやっぱり自粛が効いているのだと僕も思っていますよ。 なんでかというと、検査を思い切り絞っているんだけど、絞っている基準自体が変わってないので、この『傾向』に関しては反映していると思うんですよ。 『実数』ではないけれど『傾向』はね。 この『傾向』でこの後さらにゴールデンウィークに入っていくと、行政の検査が休むというのが続いていくと、民間の検査だけになるので、この数字がずっと続いていく可能性がある。 それで本当に大丈夫なのか? 『ずっと下がってますよね。 (緊急事態宣言)解除です』という話になったら大変だなと」 玉川が指摘したかったことは次のようなことだろう。 土日に行政機関が休みになる中で検査が十分な形で行われていなかったのに、感染者が増えていく「傾向」から転じて減少する「傾向」に方向に向かったようにグラフでは読み取れる。 だが「実数」(たとえば39という数字)が本当に、本来必要な検査をすべて実施した結果なのかどうかなど、詳細はわからない。 これまで行政機関が独占的にPCR検査を担っていたなかで民間の検査が始まったばかりなので、数の上ではまだ少なく、限界があるはずだ。 民間による検査がどのような形で行われているのかわからない以上、仮にゴールデンウィーク中に自治体などから公表されるデータが少なかった場合でも、実数で実態を反映していない可能性がある。 その数字を元に緊急事態宣言を解除するなどと判断したら、その後に致命的な感染爆発が起きてしまうのではないかと。 一方で、筆者は玉川が言及した 「すべて民間」という点がひっかかった。 (注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された) 民間しかPCR検査をしていなかったなら、 行政機関はどうしていたのだろうか?(注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された) ひょっとすると作業が停滞している可能性があるのではないか? そうすると、39件という数は民間による検査で分かった数(注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された)という反面で、 行政機関が以前と比べて機能不全に陥っている可能性を示すのではないのか? (注・この点は事実誤認だとして翌日、訂正された) 番組を見る限りでは行政が実際にどの程度の検査をした上での数字なのかは明らかにされなかったが、 行政機関は土日であまり検査を実施できなかったのか。 行政機関も相当数の検査をしたのにたまたま民間のPCR検査だけで陽性が確認されたのかで話は大きく変わってくる。 可能であるなら明日以降の放送で、この点についての詳細をぜひ深掘りしてほしい。 28日『モーニングショー』が示した東京23区のPCRセンター設置状況(筆者が画面を撮影) 番組では東京23区の地図を色分けしたパネルで、東京都医師会の号令でつくられたPCRセンターの設置状況を説明した。 PCRセンターを「すでに設置」した区が10、「近く設置」の区が5、「設置するか検討中」の区が5、未回答の区が3である。 玉川はこの点についてコメントした。 (玉川徹) 「区によって全然色が違うわけです。 色がね。 たとえば、中心部で言うと 中央区だけ『設置するか検討中』の緑なわけです。 その周辺はすべて『すでに設置』になっている。 なんで中央区だけがいまだに検討しているのか、僕は分かりませんけれども、'''中央区に住んでいる人は、これからゴールデンウィークに入っていくときに、検査が貧弱な体制が続くのか?''と。 で、たぶん、今は検査というのは 基本的に自分が住んでいる自治体に縛られて検査をするんですよね。 もしくは職場(がある自治体)といったかな? そうなると中央区に住んでいる人たちというのは 他の区に比べて、ゴールデンウィーク中も検査を受けにくい状況がずっと続くということになります。 いまだに『検討中』だから。 だったら、これは 区をまたいで検査ができるような体制にしなきゃいけないんじゃないんですかね?」 玉川はPCR検査の実施について、行政や民間のあり方も含めて 「提言」した。 筆者が玉川が指摘した事実が「スクープ」であり、新聞ならば「一面トップ」ではないのかと書いたのには実は理由がある。 新聞の報道、あるいはテレビでもニュースを中心にした 従来の報道が、新型コロナに関しては「限界」がはっきりと見えてきているからだ。 新聞も「社説」で、毎日、1つ、あるいは2つのテーマについて、論説委員という肩書きの記者が提言する。 それは新聞社を代表して行うことなのでどの社も二重三重にチェックした原稿が出る。 それゆえ時間もかかり、タイムリー性を欠いてしまう。 あるいは「記者の目」のような提言コラムであっても、それも日々、同じ記者が書けるわけではない。 テレビニュースでも記者が「提言」することはめったにない。 それぞれの「番組キャスター」や「番組コメンテーター」「アンカーマン」と呼ばれる人が、ここぞ!とばかりにひと言、伝える。 それもその局を代表するものでないとしながらも、社会に与える重みはそれに近いものになるため、どうしても大所高所の話が多くなり、あまり細かい問題にまでは立ち入らない。 それに比べて『モーニングショー』は、日々2時間近い長時間の放送の中で玉川らが繰り返し「提言」していく。 「あくまで個人的な見解」だとしながらも。 そうすると、結果的に新型コロナで日々新しい情報がほしい、 私たちのニーズに合ったメディア情報は情報番組から、なかでも『モーニングショー』から、ということになっていく。 新聞社も、あるいはテレビでのニュース番組を担当する人たちはこの番組をよく見てほしい。 玉川が番組中に語った「39件」の詳細というのは番組が自ら調べた数字なのだ。 (注・事実誤認と翌日判明するが) 報道の人たちは、行政が発表する数字をそのまま伝えるのではなく、この番組のように 「自ら調べる」という姿勢を示してほしいと思う。 そうした努力が新型コロナで倒れる人を少しでも減らすことにつながっていくはずだ。 (4月29日11時30分、情報訂正放送を受けての追記) この翌日、『モーニングショー』を見ていた筆者は飛び上がらんばかりに驚いた。 この記事で、あるべきテレビ報道の姿として筆者が大きく評価していたこの番組が、翌日29日の放送で玉川徹が「解釈が違っていました」「申し訳ありませんでした」として内容について訂正し、謝罪したのだ。 しかも「すべて民間の検査機関」という根本的な情報で間違っていたという。 大事なことなので彼のコメントの一字一句を正確に記しておく。 (玉川徹) 「きのうの放送の中で、月曜日の都内の感染者数、39名すべてが民間の検査機関によるものだというふうに私はお伝えしました。 さらに土日に関して、行政の検査機関は休んでいたというふうにお伝えしました。 しかし正しくはその39名の中に行政機関の検査によるものが多数含まれていたことが分かりました。 そして土日に関しても行政の検査機関は休んでいなかったというふうなことも分かりました。 なぜ、このような間違いが起きてしまったのか。 私たちテレビ朝日の記者が都庁でのレクチャーを取材し、メモを作成しています。 そのメモを番組内で解釈をする時に、その解釈を間違ってしまいました。 その間違った解釈、そのまま私がコメントをしてしまったというふうなことで、このような間違いが起きてしまいました。 コメントのすべての責任は私にあります。 私がコメントの内容をすべて考え、話しているわけですが、その中身は私が再度確認をして、正確性を保たねばならない立場であるにもかかわらず、その責務を果たさず、このようなことになってしまいました。 このことにより、土日も働いてらっしゃる都庁関係者のみなさま。 保健所のみなさま。 そして検査機関のみなさま。 検体を採取する医療関係者のみなさま。 すべてに多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。 本当にすみませんでした」 玉川は深く頭を下げてから、話を続けた。 「私は1月の末以来、新型コロナ感染症についてお伝えするに際し、もし私自身が感染したら、私の家族や大切な人まで感染したら、そして、日本に住むすべての人が感染した時にどうしたら、その命が救えるのか、また、どうすればその苦痛を少しでも少なくできるかを考え、取材し、コメントをしてきました。 しかし今回、その命に直結する検査というふうなものに関して、間違った取材を、間違ったコメントをしてしまったこと、慚愧の念に堪えません。 改めて関係者のみなさま、そして番組を信頼して見ていただいた視聴者のみなさまに対し、おわび申し上げます。 本当にすみませんでした」 (頭を下げる) この後で羽鳥慎一キャスターが引き取って頭を下げた。 (羽鳥キャスター) 「行政の機関の方々、土日も頑張ってくれています。 そういった方々の気持ちに反する放送になったと思います。 大変、申し訳ありません」 報道機関として最もしてはならない「事実確認のミス」。 玉川および『モーニングショー』それをしてしまった。 筆者がなにげない番組トークの中で披露された情報が「スクープでは?」と感じた重みを当人たちは感じていなかったため、事実確認が疎かになてしまったのかもしれない。 しかし、報道機関として、たとえスタジオトークの一言であっても、その前提になる「事実」が間違ってしまってはそれまで積み上げてきたものすべてが台無しになってしまう。 玉川、羽鳥の2人がテレビの前で長々と頭を下げたのはその重みを承知しているからだろう。 たとえスタジオトークの中の一言であったとしても、そこに「事実」としてのまだ未知の要素があるならば、「スクープ」と評価すべきではないかという筆者の考えには揺るぎはない。 ただ、もしも番組関係者の中で、たかがスタジオトークの情報だからと、事実確認の「甘さ」が存在していたのなら、大変残念なことだ。 それこそあってはならないことだ。 今、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、信頼できる番組として、この番組を見続けてくれている視聴者に対して信頼を裏切ることになってしまう。 このことで番組の信頼や玉川の信頼、テレビ朝日という局の信頼は大きく傷ついた。 間違いは間違いとして認め、2度と同じようなことがないよう正確な報道に努めてほしい。 ただし、これで萎縮することがあっては本末転倒だ。 これから、もっと正確、で信頼できる放送をしていってほしい。 この記事は、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』という番組が新型コロナの感染拡大でどのような役割を果たしたのかを後々から検証できるように、注釈付きで残しておきたいと思う。 玉川にしても羽鳥にしても、放送で失った信頼は放送で取り戻すしかない。 それを見守っていくのがテレビ報道の観察者としての筆者の役割だと考えている。 さて今回の件では筆者にも責任の一端があります。 結果的に、玉川のコメントを信頼し、その取材力や見識を日頃から評価していた筆者は、玉川が「誤報」する可能性などつゆほども疑わず、かえって「スクープ」ではないのかと評価したことで結果的に彼の「事実誤認」を世の中に広げてしまう役割を担ってしまいました。 関係者のみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです。 関係者のみなさまに深くおわびいたします。 申し訳ありませんでした。 テレビ番組というメディアが今後もっともっと「事実」や「裏づけ」を大事にして、この点に厳しく向き合って発信する存在になっていくように。 研究者そして評論家という立場で微力ながら力を注いでいくことをお誓いしたいと思います。
次の『羽鳥慎一モーニングショー』公式Twitterアカウントより 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が7日にも緊急事態宣言を発令する準備を進めていると報じられているなか、新型コロナをめぐる政府の対応へ批判的なスタンスが目立つことで知られる情報番組『 羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)。 6日放送回でも、この問題について出演者たちの熱い議論が交わされた。 なかでも注目されたのが、検査数に関する議論。 肺炎で死亡したすべての人にCT検査をしていると主張する政治ジャーナリストの 田崎史郎氏に対し、コメンテーターの玉川徹氏は、日本ではCT検査とPCR検査を受けずに死亡した人は新型コロナ感染者数に含まれていないため、発表されている死者数は実際より少ないとの見解を示した。 意見が対立する田崎氏と玉川氏がときに気色ばみ口論のようになる場面もみられたため、放送中・終了直後からインターネット上では以下のような声が多数上がっている。 「田崎史郎『肺炎で亡くなった全ての人にCT検査している』 玉川さん『(コロナ流行の)最初から、全ての医療機関でCT検査その後PCR検査しているんですか!してないじゃないですか!』 田崎史郎『CT検査しろと指示をしている. 』 ここで番組強制終了」 「今日のモーニングショー荒れてるな」 「朝っぱらから大声で喧嘩してる番組」 「田崎さんVS玉川徹」 「玉川氏、何を怒っているんだ。 田崎氏に怒っても意味ないじゃん」 「玉川VS田崎 おもしろかった。 最後は、羽鳥さんが時間が。 亡くなった人のPCR検査で、バドル。 最初からスシローは、やってる。 玉川 してないよで。 最後まで聞きたかった。 腹くくってる玉川さん」 「残念。 玉川さんが田崎史郎から真実を引き出そうとしたとことでディレクターのストップがかかった。 (真実不明)だが政府はCTの指示を出しているだけ、を田崎史郎から引き出せた」 また、田崎氏といえば、安倍首相とは頻繁に会食などを共にするなど首相と太いパイプを持ち、メディアでも安倍政権を擁護する場面が多い論客としも知られているが、今回の『モーニングショー』の発言に対して、ネット上では次のような声も上がっている。 「田崎氏、どこまで安倍さんかばうの?小池さんが緊急事態宣言出せたのに、出さなかったのを国のせいに、って。 違いませんか?」 「田崎史郎は緊急事態宣言を出すには時間がかかると言うけど、だから早め早めに対処しないとだめなんだろ」.
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