ソニーが10月30日に開催した2019年第2四半期決算説明会の中でも、特に好調と伝えられたのがイメージセンサー事業。 ソニーの中で半導体部品を製造するイメージング&センシング・ソリューション部門は今期、売上高・営業利益ともに過去最高を記録しました。 同部門は前年比22%増となる3107億円を売上げ、今や映画や金融といった他の事業に比肩しうるほどの規模となっています。 この好調をけん引したのはスマホ向けのCMOSイメージセンサーでした。 ソニーはこの部品で群を抜く市場シェアを獲得しており、多くのハイエンドスマートフォンに搭載されています。 正式には公表されていませんが、アップルのiPhone 11シリーズも採用していると見られています。 そしてソニーにとってさらに追い風となっているのが、スマホカメラの「多眼化」と「大判化」です。 iPhone 11 Proでは背面の3つのカメラを搭載し、画角を切り替えて使えるようになっています。 ソニー自身のスマホXperiaでも2019年発売のXperia 1から、3眼のカメラを搭載しています。 CMOSセンサーはカメラ1つごとに搭載されるため、3眼カメラなら3つ必要になります。 このトレンドは数年前からありましたが、ソニーの十時CFOによると、ますます加速傾向にあるとのこと。 十時氏は「ハイエンドモデルが複眼から3眼になるだけでなく、フロントカメラが複眼かしたり、ミッドレンジでも複眼になるなど、複眼カメラのトレンドは強まっている」と述べています。 さらに、暗いところで写真を撮るために、スマホカメラでも大きなイメージセンサーを搭載するケースが増えており、これが高価格化につながっています。 ソニーは国内に4つあるCMOSセンサーの製造拠点をフル稼働している状況で、シリコンウェハ(基板)ベースで月産30万8000枚まで生産能力を上げていく計画を持っています。 さらに今後も生産能力を高める方針で、2022年以降に計画していた長崎の拠点増強を前倒しで進めていくとしています。 スマホ向けCMOSセンサーという市場の中で、ソニーは現時点では圧倒的なシェアを持っていますが、うかうかしていられない状況でもあります。 この分野でライバルとなるサムスンは、2019年に6400万画素、そして1億画素超えというこれまでのスマホ向けにはない高解像度のセンサーを発表するなど、気炎を吐いている状況です。 ソニーはシェアを維持するためにも、積極的に設備投資を行っていくことになるでしょう。
次の関連記事• ソニーとMicrosoftが、ゲームとAIでの戦略的提携を発表した。 PlayStationとXboxのためのAzureベースのクラウドソリューションを共同開発していく。 また、ソニーのイメージセンサーとAzure AIで「クラウド&エッジ」のソリューションを開発する。 最近よく聞く「エッジAI」という言葉。 エッジAIが注目されている理由や、その活用領域について解説します。 NVIDIAはバーチャルイベント「GTC 2020」で、ヘルスケア関連の新製品「Clara Guardian」や「Clara Parabricks」を発表した。 新型コロナ対策で病院を支援する。 エッジAIの事業を手掛けるEDGEMATRIXが、NTTドコモらから計9億円の資金を調達した。 富士経済は5月15日、製造業向けロボットの世界市場に関する調査結果を発表した。 2019年度は米中貿易摩擦の長期化による設備投資の抑制や世界的な半導体不況などにより、市場規模は前年比9. 8%減の1兆174億円だった。 長期的には拡大傾向で、25年には2兆2727億円に達する見込みという。 関連リンク•
次のベアチップ製品の「IMX500」とパッケージ製品の「IMX501」の2モデルで、税別サンプル価格は前者が10,000円、後者が20,000円。 サンプル出荷時期は前者が4月より出荷中、後者が2020年6月より出荷予定。 本製品を採用したAI機能実装のカメラなどが開発されることで、小売業界や産業機器業界におけるアプリケーションなどでの活用を想定している。 近年、IoTの普及によりさまざまな機器がクラウドに繋がっており、機器から取得した情報をクラウド上でAI処理をすることが一般的となっているが、一方でクラウド側で扱う情報量の増大に伴なうデータ転送遅延や、クラウドを介することによるセキュリティ上の懸念などの課題が生じている。 本製品では画素チップとAIによる画像解析処理機能を搭載したロジックチップを重ね合わせた積層構造を用いており、クラウドを介さずに画素チップで取得した信号をセンサー内でAI処理を行なうことが可能で、かつ高性能なプロセッサや外部メモリを必要としないメリットがある。 レジにおける商品や作業のリアルタイムトラッキング例 また、チップ内で処理することにより、画像情報を出力しないメタデータのみを出力することができ、データ量の削減やプライバシー面の保護、高速なAI処理による対象物のリアルタイムトラッキング、内蔵メモリの書き換えによるユーザーの使用環境や条件に合わせたAIモデルの選択などのさまざま機能により、多様なアプリケーションで活用できるとしている。 一例としては、店舗では入店者のカウント、棚の商品の欠品検知、来店者のヒートマップ 人が多く集まる場所の検知 などの用途で利用できるという。 センサーの主な仕様は両製品とも、有効画素数が約1,230万画素、センサーサイズが対角7. 3型 、画素サイズが1. 感度は標準値F5. 6で約250LSB、センサー飽和信号量 最小値 は約9,610e-。 そのほか、ISPやHDR撮影機能も備える。
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