調べるの難しいですよ。 インフルエンザは全数報告ではないので、定点医療機関(全国5000医療機関)からの1週間ごとの報告数です。 2019年・・・ 2月25日~3月3日 29384人 3月4日~3月10日 20454人 3月11日~3月17日 14488人 3月18日~3月24日 12320人 3月25日~3月31日 8567人 4月1日~4月7日 7227人 4月8日~4月14日 8282人 4月15日~4月21日 12613人 4月22日~4月28日 10601人 4月29日~5月5日 4703人 年間の定点患者数から全体の患者数を推計します。 (定点以外の医療機関からのインフルエンザ患者数は報告義務がないので推計値になります・・・年間1千万人くらい) 死亡者は死亡診断書から直接死因を拾い上げるため、2018年までしか集計されていません。 直接死因がインフルエンザなら簡単ですが、死因が肺炎になっているとインフルエンザから肺炎で死亡した例が含まれていてもわかりません。 したがって超過死亡という概念で計算して年間1万人くらいになっているわけです。 平成29年・・・ インフルエンザ死亡 2569人 肺炎死亡 96841人 平成30年・・・ インフルエンザ死亡 3323人 肺炎死亡 94654人 インフルエンザ罹患者推計方法 H5N1亜型の鳥インフルエンザは、2004年以来アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパにまたがり、家きん、野鳥を含めてこれまで53カ国にて鳥における発生がみられており、そのうち、10カ国において258例のヒトにおける感染と、うち死亡154例が報告されています。 すなわち、この一連の発生事例は、鳥インフルエンザウイルスといえども、濃厚に接触すれば、やはり感染するということを如実に物語っています。 科学的には、ヒトの気管/気管支上皮細胞に鳥インフルエンザウイルスに対する受容体があるという報告(Proc. Natl Acad. Sci. 101:4620-4624, 2004. )や、肺胞上皮細胞がH5N1亜型のウイルスに感染しているという報告(Emerg. Infect. Dis. 11:1036-1041,2005. )がありましたが、最近の研究結果(NATURE 440 23 : 435-436,2006. )は、ヒトの肺胞上皮に鳥インフルエンザウイルスに対する受容体があることを示しており、この受容体が肺の深部にあるために、鳥インフルエンザウイルスに大量に暴露された場合には鳥からヒトに感染しうるが、ヒトからヒトへは容易には感染しないことを示唆しています。 どのような場合に鳥からヒトに感染しますか? 感染源は、H5N1に感染した病鳥や死鳥の排泄物や体液ですが、アヒルなどでは感染しても無症状の場合もあります。 これら感染した家きんあるいは野生鳥などの体液・排泄物への濃厚な接触、あるいはこれらからの飛沫を吸入することによりヒトへ感染しています。 特に病鳥の羽をむしったり解体したり、感染した闘鶏を世話したり、病鳥、特に症状を示さないが感染しているアヒルと遊んだり、アヒルの生の血液、あるいは加熱調理不十分と思われる家きん肉の摂食などが原因となった感染が報告されています。 しかしながら、これまでのところ、おそらく数百万人が暴露を受けていることからすれば、ヒトへの感染は少数であり、少なくとも現時点ではトリからヒトへの感染効率は低いと考えられています。 ヒトからヒトへ感染しますか? 1997年に香港でH5N1亜型のウイルスによって、また2003年にオランダでH7N7亜型のウイルスによって、ヒトからヒトへの感染が見られたと報告されています。 また、現在アジアを中心に流行しているH5N1亜型に関しては、明らかにヒト-ヒト感染が疑われる事例は、ベトナムとタイ、インドネシアにおける濃厚接触による3件と、2006年5月末に報告されたインドネシアの北スマトラの一農村における家族内集積事例が報告されています。 前者の3例は、それぞれ患児を看病しており濃厚な接触をしていた母親に1対1で感染したと考えられていますが、後者では、一人の母親から、その兄弟とそれぞれのこどもたちに合計6例の感染者がみられており、その後一人のこどもから父親に感染が認められ、第三世代までの感染があったと考えられています。 つまり現状でも濃厚である程度の期間持続する接触があれば、感染は起こりうると考えられます。 なお、これまでのところ、効率的な持続的なヒト-ヒト感染の証拠はありません。 タイでは、発症後6日程度(4~13日)でARDSを発症したと報告されており、トルコにおける重症例では発症から3~5日で呼吸不全が認められたとしています。 またもう一つの特徴として多臓器不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)が報告されています。 一方、ベトナムからは、ほとんど呼吸器症状のない脳炎事例が報告されており、その引き起こす疾患の幅が広いことを示唆しています。 H5N1亜型による致死率は、これまでのところ全体で56%(WER 26 81 :249-260,2006. )ですが、年齢層によって異なり、10~39歳で最も高い数字がでています。 軽症例が見逃されている可能性を考えると、実際の死亡率はもっと低いのかもしれないとの意見もありますが、最近の血清学的サーベイランスでは、軽症例や無症候性例は非常に少ないというデータ(N Engl J Med 2005;353:1374-85. ; Euro Surveill 2006 Sep 7;11 9 )も出ており、実際にH5N1感染は重症であると考えられます。 ただし、これまでの臨床症状に関する情報は、すべて入院患者に基づいていることに注意しておく必要があります。 すなわち現状では、発症から医療機関受診までの期間はおおむね4日前後であり(WER 26 81 :249-260,2006. )、発症早期に受診している例は多くはないこと、そしてこの発症から受診までの遅れが、これまで抗ウイルス薬の効果を評価できない原因となっています。
次の調べるの難しいですよ。 インフルエンザは全数報告ではないので、定点医療機関(全国5000医療機関)からの1週間ごとの報告数です。 2019年・・・ 2月25日~3月3日 29384人 3月4日~3月10日 20454人 3月11日~3月17日 14488人 3月18日~3月24日 12320人 3月25日~3月31日 8567人 4月1日~4月7日 7227人 4月8日~4月14日 8282人 4月15日~4月21日 12613人 4月22日~4月28日 10601人 4月29日~5月5日 4703人 年間の定点患者数から全体の患者数を推計します。 (定点以外の医療機関からのインフルエンザ患者数は報告義務がないので推計値になります・・・年間1千万人くらい) 死亡者は死亡診断書から直接死因を拾い上げるため、2018年までしか集計されていません。 直接死因がインフルエンザなら簡単ですが、死因が肺炎になっているとインフルエンザから肺炎で死亡した例が含まれていてもわかりません。 したがって超過死亡という概念で計算して年間1万人くらいになっているわけです。 平成29年・・・ インフルエンザ死亡 2569人 肺炎死亡 96841人 平成30年・・・ インフルエンザ死亡 3323人 肺炎死亡 94654人 インフルエンザ罹患者推計方法 H5N1亜型の鳥インフルエンザは、2004年以来アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパにまたがり、家きん、野鳥を含めてこれまで53カ国にて鳥における発生がみられており、そのうち、10カ国において258例のヒトにおける感染と、うち死亡154例が報告されています。 すなわち、この一連の発生事例は、鳥インフルエンザウイルスといえども、濃厚に接触すれば、やはり感染するということを如実に物語っています。 科学的には、ヒトの気管/気管支上皮細胞に鳥インフルエンザウイルスに対する受容体があるという報告(Proc. Natl Acad. Sci. 101:4620-4624, 2004. )や、肺胞上皮細胞がH5N1亜型のウイルスに感染しているという報告(Emerg. Infect. Dis. 11:1036-1041,2005. )がありましたが、最近の研究結果(NATURE 440 23 : 435-436,2006. )は、ヒトの肺胞上皮に鳥インフルエンザウイルスに対する受容体があることを示しており、この受容体が肺の深部にあるために、鳥インフルエンザウイルスに大量に暴露された場合には鳥からヒトに感染しうるが、ヒトからヒトへは容易には感染しないことを示唆しています。 どのような場合に鳥からヒトに感染しますか? 感染源は、H5N1に感染した病鳥や死鳥の排泄物や体液ですが、アヒルなどでは感染しても無症状の場合もあります。 これら感染した家きんあるいは野生鳥などの体液・排泄物への濃厚な接触、あるいはこれらからの飛沫を吸入することによりヒトへ感染しています。 特に病鳥の羽をむしったり解体したり、感染した闘鶏を世話したり、病鳥、特に症状を示さないが感染しているアヒルと遊んだり、アヒルの生の血液、あるいは加熱調理不十分と思われる家きん肉の摂食などが原因となった感染が報告されています。 しかしながら、これまでのところ、おそらく数百万人が暴露を受けていることからすれば、ヒトへの感染は少数であり、少なくとも現時点ではトリからヒトへの感染効率は低いと考えられています。 ヒトからヒトへ感染しますか? 1997年に香港でH5N1亜型のウイルスによって、また2003年にオランダでH7N7亜型のウイルスによって、ヒトからヒトへの感染が見られたと報告されています。 また、現在アジアを中心に流行しているH5N1亜型に関しては、明らかにヒト-ヒト感染が疑われる事例は、ベトナムとタイ、インドネシアにおける濃厚接触による3件と、2006年5月末に報告されたインドネシアの北スマトラの一農村における家族内集積事例が報告されています。 前者の3例は、それぞれ患児を看病しており濃厚な接触をしていた母親に1対1で感染したと考えられていますが、後者では、一人の母親から、その兄弟とそれぞれのこどもたちに合計6例の感染者がみられており、その後一人のこどもから父親に感染が認められ、第三世代までの感染があったと考えられています。 つまり現状でも濃厚である程度の期間持続する接触があれば、感染は起こりうると考えられます。 なお、これまでのところ、効率的な持続的なヒト-ヒト感染の証拠はありません。 タイでは、発症後6日程度(4~13日)でARDSを発症したと報告されており、トルコにおける重症例では発症から3~5日で呼吸不全が認められたとしています。 またもう一つの特徴として多臓器不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)が報告されています。 一方、ベトナムからは、ほとんど呼吸器症状のない脳炎事例が報告されており、その引き起こす疾患の幅が広いことを示唆しています。 H5N1亜型による致死率は、これまでのところ全体で56%(WER 26 81 :249-260,2006. )ですが、年齢層によって異なり、10~39歳で最も高い数字がでています。 軽症例が見逃されている可能性を考えると、実際の死亡率はもっと低いのかもしれないとの意見もありますが、最近の血清学的サーベイランスでは、軽症例や無症候性例は非常に少ないというデータ(N Engl J Med 2005;353:1374-85. ; Euro Surveill 2006 Sep 7;11 9 )も出ており、実際にH5N1感染は重症であると考えられます。 ただし、これまでの臨床症状に関する情報は、すべて入院患者に基づいていることに注意しておく必要があります。 すなわち現状では、発症から医療機関受診までの期間はおおむね4日前後であり(WER 26 81 :249-260,2006. )、発症早期に受診している例は多くはないこと、そしてこの発症から受診までの遅れが、これまで抗ウイルス薬の効果を評価できない原因となっています。
次の発生源となった中国では2月15日までに感染者が6万8000人を超え、死者も1600人を超過した。 日本でも感染した80代の女性の死亡が13日に発表されており、中国と関係のない日本人の感染も報告されるようになった。 毎日、テレビや新聞、あるいはSNSなどを通じて、感染の広がりや政府の対応に関する情報が飛び交い、不安を募らせている方も多いだろう。 感染被害の実態より、むしろ、こうした不安で体調を崩して、持病が深刻化する人もいるのではないか。 また、本来、報道すべきことがおろそかになっている弊害もあろう。 日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介氏はこうした情報伝播の過熱状況を「報道のパンデミック」と位置づけ、警鐘を鳴らしている(毎日新聞、2月16日)。 怖いのは新型コロナだけじゃないのだ 新型コロナウイルスによる感染拡大は確かに発生地である中国湖北省ではかなり深刻な事態になっており、同じことが日本でも起きないかと心配するのは当たり前かもしれない。 新型ウイルスであるだけに、どのぐらいの影響が今後生じるのか得体が知れず、予防接種の準備もなく、治療薬も何が効くのか分からない。 不安が募るのは当然だろう。 しかし、同じウイルスによる感染症であり、毎年、秋から冬にかけて猛威を振るっているインフルエンザの犠牲者と比較するとヒートアップしすぎだとも言えるのではなかろうか。
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