Q:フェノールフォームはどのような原料でつくられますか? A:フェノールフォームはフェノール樹脂と硬化剤、発泡剤などを一緒に混合加熱し、発泡と硬化反応によって得られる均一な発泡体です。 ノボラックの硬化剤はヘキサメチレンテトラミン等のアミンが使用されています。 発泡剤 レゾールには通常ハイドロカーボン、代替フロン等が使用されています。 ノボラックには固体の発泡剤が用いられ、一般にはニトロソ系が使用されています。 スラブ発泡 スラブ発泡には連続法とバッチ法とがあり、長尺状のブロックを形成し、その後に一定の形状に裁断して利用する方法です。 モールド発泡 モールド発泡は一定の型内で発泡させてから離型し製品を得る方法です。 パネル発泡 パネル発泡は面材と枠からできたパネルの中で発泡硬化させてから得られる方法です。 ラミネートボード発泡 ラミネートボード発泡はコンベア上と上方から、ラミネート面材を連続的に供給してその間で発泡成型する方法です。 スプレー発泡 スプレー発泡は平面または曲面の被着体に直接スプレーして発泡硬化させる方法です。 Q:フェノールフォームに対して酸、アルカリ、有機溶剤はどのような影響がありますか? A:フェノールフォームは耐薬品性に優れるフェノール樹脂により作られるため一般の建築工事に使用される接着剤、塗料、溶剤、防蟻剤、防腐剤等によって侵されることはありません。 Q:フェノールフォームは時間がたつと変色しますが物性に影響がありますか? A:フェノールフォームの色は、空気中の酸素により表面層が酸化されますが、物性上の変化はほとんどありません。 Q:フェノールフォームの火や熱に対する性能はどのようですか? A:フェノールフォームは火炎により表面に炭化層が形成されることで、内部のフォームが保護され、難燃性に優れた構造となります。 フェノールフォームの着火性を見る一つの目安として限界酸素指数がありますが、フェノールフォームは28〜32と高い値を示し難燃性に優れているといえます。 (限界酸素指数は燃焼する時の雰囲気中の酸素の割合を示しています。 空気中の酸素の割合は21%程度のため、これより高い値を示すフェノールフォームは、燃えにくい物質であるといえます。 ) 表-1各材料の限界酸素指数(LOI)の例 材料名 LOI フェノールフォーム 32. 1 木材(米松) 21. 6 合板(松材、接着剤:尿素樹脂) 23. ,Zahradnik,B. Fire and Flamm. 093 0. Norman:Plastics and Rubber Processing March 1979.
次の製法 [ ] と HCHO を原料として触媒下において合成を行う。 原料にはフェノールの他に、などのに属する有機化合物を用いても同様の樹脂を合成できる。 これらフェノール類の原料を用いたものを含めてフェノール樹脂と称する場合もある。 フェノール樹脂は合成時の触媒が酸性であるかアルカリ性であるかにより反応が異なり、用途により触媒が選択される。 下でさせると、 と呼ばれるが得られる。 ほとんどの場合は固形の樹脂である。 ノボラック樹脂自身は加熱しても硬化しないため、硬化させて使用する場合にはなどの硬化剤を用いる必要がある。 触媒下で合成を行うと レゾール樹脂が得られる。 通常、液状であることが多いが、高分子量化させた固形タイプのものもある。 レゾール樹脂は自己反応性の官能基を有するため、加熱することによりそのまま硬化させることができる。 用途 [ ] フェノール樹脂の使用例 外箱 樹脂そのものを製品として成型することはまれで、通常はや繊維の連結材(バインダー)として用いられる。 例えばや、高圧メラミン化粧板のコアー層を構成するフェノールバッカー(クラフト紙にフェノール樹脂を含浸させたもの) 等である。 この他、耐熱性が要求される自動車部品や、等に用いるなどとしてに利用されている。 イギリス軍のとしても採用されている。 住宅用途では、系の住宅用に代わる素材として、が発泡フェノールフォームを開発し、 ネオマフォームの商品名で販売している。 しかし、系と比べて耐火性能が優れている一方、 1 吸水性が高く、 2 高価であること、また 3 水に弱く、 4 素材自体が酸性であるなど、使用にはある程度の知識が必要なようである。 また、レゾール樹脂はや塗料などの主成分として用いられる。 耐熱温度こそ150 - 180度 と高いが、フェノール樹脂製の容器は電子レンジには使えない。 これはやと同様、樹脂そのものがを吸収し発熱する ためである。 フェノール樹脂を木質材料に含浸させ真空高温ですることで多孔性炭素材料のウッドセラミックスを製造することが出来る。 木質材料(廃材やおが屑など)に限らず従来であれば廃棄されていた搾りかすなど植物性のものも原料に使え、 様々な性質を持つため環境的な素材としても期待されている [ ]。 同様の手法で脱脂したから作られたものはRBセラミックス として実用化・製品化されている。 熱防御特性により大気圏再突入機のとしても使用される。 特殊な用途としては、時のにより開発流通した代用陶器の製造時に、ベークライトなどを混ぜることにより、鉄器のような強度を持たせる用途で利用された。 ベークライトの発明 [ ] 生まれのアメリカ人化学者、がにベークライト を発明、フェノール(石炭酸)とによって作り出された。 フェノールとホルマリンの反応によってできる樹脂をフェノール樹脂と呼ぶ。 この樹脂の発見はまで遡るが、工業化に成功したのはベークランドである。 、生産を目的にベークライト社を設立し、そのフェノール樹脂を ベークライトと命名した。 日本ではベークランド博士の親友であったが特許権実施の承諾を受け、株式会社品川工場内に住友ベークライト株式会社の前身となる工場を大正3年に建設、ベークライトの試作を開始した。 ベークライトはの登録商標名であるが、標準規格品として石炭酸樹脂を指すフェノール樹脂の一般代名詞となった。 脚注 [ ].
次の・試験管ごと湯で煮詰めること1時間。 ・試験管の底にドロドロのレゾールが沈殿し生成。 ・要らない上澄み液を捨て、酢酸を加えて加熱しながらよく混合する。 ・試験管ごと湯で煮詰めること2時間。 ・試験管の底に硬化した樹脂が得られるので、試験管を叩き割って取り出す。 という手順で合成。 写真の樹脂が弾丸型なのは試験管の底の型だからです。 今回作ってみるとビミョーに失敗作。 というのも、量が少な目で、かつ硬さがイマイチ。 冷ますとそれなりに硬いプラスチックになったが、まだ熱い内に取り出したときはゴムみたいにブヨブヨであった。 先生曰く「なんじゃこりゃー!綺麗で透明度はすばらしい。 でもやわらかすぎ!」と。 原因はアンモニア水がうまく混ざらないまま加熱してたから、混ざった頃にはアンモニアが飛んでアルカリ性がしょぼくなっていたからかなとか考察。 酢酸が入っているためか、作ったレゾール樹脂はマヨネーズ ないしは絵の具 みたいな匂いがします。
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