あせも(汗袗)は、皮膚の表面に汗を送る汗管が詰まってしまうことで、炎症やかゆみ、ヒリヒリとした痛みが起こる皮膚トラブルです。 汗をかいたあとにそのままにしているなど、湿気が多い状態が続くと起こりやすく、皮膚同士が触れる部分(わきの下、太ももの内側など)やひじの内側・首にできやすいことが特徴です。 子どもだけでなく大人もあせもになります。 大人にあせもができると、年齢とともに肌の代謝が悪くなるため、症状が悪化することもあります。 あせもが軽症の場合は、シャワーで皮膚を清潔にする、通気性の良い状態を保つ、市販薬を使うなど、病院を受診しなくてもケアできることがほとんどです。 ただし、あせもが赤く炎症を起こしている、ぐじゅぐじゅしているなどの場合は、病院を受診することをおすすめします。 また、水疱ができている場合、あせも以外の皮膚疾患であることも考えられます。 あせもかどうか自己判断できない場合は、皮膚科を受診して医師に相談しましょう。 目安となる症状 あくまで目安ですが、病院を受診すべき症状は、次のようなものがあります。 ・掻きむしって化膿している ・範囲が広がっている ・発熱、倦怠感がある ・腫れ、患部が熱をもっている ・水疱がある ・かゆみ、痛みが激しい ・ピリピリ、チクチクする痛みがある あせもで病院を受診すると、主に塗り薬の処方による薬物療法がおこなわれます。 炎症がないタイプや軽度のあせもであれば、特別な治療を行わなくても自然に治ることが多くありますが、一般的に多く見られるあせもには炎症があり、かゆみをともなうため、放っておくとかき壊しにつながるおそれもあります。 あせもが起こった場合、まずは薬で炎症をおさえて皮膚のかき壊しを防ぎ、症状の悪化を防ぎます。 炎症をおさえるにはステロイド薬での治療が基本になります。 そのほか、酸化亜鉛やアズレンという成分が配合された薬も使用されます。 また、細菌感染があり患部が化膿している場合は、抗生物質による治療が必要になります。 ステロイド薬 ステロイドは合成副腎皮質ホルモンともいわれ、もともと人間の副腎でつくられるホルモンを人工的に合成した成分です。 副腎皮質ホルモンはストレス、炎症、アレルギーや免疫をおさえるなど人間にとって重要な働きをしているため、ステロイド薬は皮膚病だけでなく、気管支炎、アレルギー疾患、膠原病などの治療でも使われます。 塗り薬のステロイド薬は強さによって5段階に分類されます。 1群 Strongest(最も強い) 2群 Very Strong(非常に強い) 3群 Strong(強い) 4群 Medium(中間) 5群 Week(弱い) あせもの治療薬は、3〜5群の比較的強さが穏やかな部類の薬が処方されることが多いです。 また、ステロイド薬は効果の強さから、副作用を心配する方もいます。 しかし、特別に副作用が出やすい薬というわけではありません。 副腎皮質ホルモンは人間にとって重要なホルモンであり、用法・用量を守り正しく使用すれば高い効果が期待できる優れた薬といえます。 リンデロンVG リンデロンVGは強さが真ん中の3群Strongに分類される薬です。 軟膏タイプとクリームタイプがあります。 有効成分であるベタメゾン吉草酸エステル(ステロイド成分)には、炎症やかゆみの症状をおさえる効果があります。 さらに抗生物質のゲンタマイシン硫酸塩も配合されており、細菌やウイルスを殺菌する効果があるため、患部に細菌が感染して悪化することを防いでくれます。 患部をかきむしって傷がある場合などによく処方されます。 リンデロンVGは基本的に長期・大量使用は避ける必要があります。 特に、小児や妊婦の方は注意してください。 ステロイドの強さ 3群:Strong(強い) 成分名 ベタメタゾン吉草酸エステル、ゲンタマイシン硫酸塩 ロコイド ロコイドはリンデロンVGより強さが1つ下の4群Mediumに分類される薬です。 軟膏タイプとクリームタイプがあります。 ステロイドの中でも効き目が穏やかで皮膚に優しいため、顔などの皮膚が薄い箇所にも使用ができます。 主成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステル ステロイド成分)が患部の炎症やかゆみを抑えます。 添付文書上では小児の使用に対する使用注意の記載がありますが、ロコイド軟膏はステロイドレベルも低いため、実際は医師の診断のもと、赤ちゃんにもよく処方される薬です。 ステロイドの強さ 4群:Medium(中間) 成分名 ヒドロコルチゾン酪酸エステル キンダベート軟膏 キンダベート軟膏もロコイドと同じく4群Mediumに分類される薬です。 効果は穏やかですが、あせもによる炎症やかゆみを抑えてくれます。 ロコイドと同様にキンダベート軟膏もよく小児に処方される薬で、赤ちゃんのおむつかぶれや湿疹にも処方されます。 ステロイドの強さ 4群:Medium(中間) 成分名 クロベタゾン酪酸エステル キンダベートについて詳しくはこちら ステロイドに比べると効果は穏やかですが、副作用の心配が非常に低く、安心して使用できる薬です。 あせもの症状が軽症の場合や、どうしてもステロイド薬を使用したくない方の場合などに処方されます。 亜鉛華軟膏 亜鉛華軟膏は酸化亜鉛という成分で作られています。 炎症おさえる作用があるほか、患部の乾燥を早めることで皮膚の修復を助けます。 成分名 酸化亜鉛 小児の使用上の注意 特別な注意喚起はなし 妊婦の使用上の注意 特別な注意喚起はないが、妊娠中・授乳中であることを医師に伝え確認をとること アズノール軟膏 炎症に対してはステロイドに比べて効果が弱いですが、副作用の心配も少ないためステロイドを嫌がる妊婦さんや赤ちゃんも使用しやすい薬です。 アズノール軟膏は植物由来のアズレンという成分で作られています。 効果は穏やかですが、皮膚の保護、抗炎症作用、かゆみをおさえるなどの作用があります。 成分名 アズレン 小児の使用上の注意 特別な注意喚起はなし 妊婦の使用上の注意 特別な注意喚起はないが、妊娠中・授乳中であることを医師に伝え確認をとること かゆみがある場合は、かゆみを止める抗ヒスタミン成分が含まれる薬が処方されることがあります。 掻きむしってしまうことで、化膿し症状が悪化することもあるため、かゆみを我慢できず掻きむしってしまう子どもなどでは、かゆみをおさえることが大切となります。 抗ヒスタミン薬は、塗り薬と飲み薬もあります。 あせもを掻き壊してしまい傷口が化膿した場合は、抗生物質が配合された軟膏を使用し細菌の増殖を防ぎます。 抗生物質の軟膏の中には、抗生物質のみで作られたものもあれば、抗生物質とステロイドが配合された薬もあります。 ステロイドが配合された抗生物質の軟膏を使うか、抗生物質のみの軟膏を使うかどうかは、使用する方の症状・年齢などに合わせて選ばれます。 市販薬が使える症状は、赤いブツブツとしたものが複数発生し、かゆみや軽い痛みをともなうあせもです。 あせもの市販薬には、症状に合わせた成分が配合されています。 あせもの症状に合わせて、成分を確認しましょう。 また、薬の購入前に必ず説明書や箱を確認してください。 特に、子どもに使用する場合、使用可能な対象年齢にあてはまっているかどうか確認してください。
次のsponsored link あせもができて痒い! オロナインを塗ったら治るかなぁ? 今回は、あせもはオロナインで治るのかどうかなどの情報をご紹介します。 sponsored link あせもはオロナインで治る? 皮膚に何か問題が起きればオロナイン! と言うほど、 万能なイメージがあるオロナインですが、あせもに塗っても効果はあるのでしょうか? 最初に簡単に答えを言うと、 あせもにオロナインが効果があるかどうかはその症状によります。 全く答えになってないですよね。 この問題を解決するには、まず、「あせもとは何か」そして、「オロナインは何に効果があるのか」の2点を調べる必要がありそうです。 あせもとは何? あせもとは沢山の汗をかいた時に小さな水ぶくれができるものです。 湿疹に似ていますが、厳密には湿疹ではありません。 汗をかいた時にできる水ぶくれ自体に痒みはないのですが、あせもができる時に湿疹を併発することがあり、その場合は痒くなります。 私たちが一般的に言う「あせも」とは、痒みを伴うものですよね? つまり、 一般的に言われる「あせも」とは、大量の汗をかいた時にできる「湿疹を併発した水ぶくれ」のことなのです。 オロナインは何に効果がある? 次に、オロナインが何に効果があるのかを調べてみましょう。 オロナインは、以下の症状に効果がある軟膏です。 ひび・あかぎれ・しもやけ• きりきず・すりきず• にきび• 軽いやけど• 水虫・たむし・いんきん 逆に、 次の部位には使用してはいけないことになっています。 湿疹(ただれ、かぶれ)• 化粧下• 虫刺され 一般的にあせもは湿疹を伴います。 そして、オロナインは湿疹には使ってはいけません。 つまり、 オロナインはあせもには向いていないということになります。 それでは、あせもになったらどういうケアをするのが良いのでしょうか? あせものケアの方法は? あせもをケアするには、オロナインではなく、あせもケア専用の薬を使うようにしましょう。 市販薬でもたくさんのあせも専用の市販薬がありますから、その中から良さそうなものを選んで試してみましょう。 また、あせもは、 お風呂のお湯の成分に気をつけたりすることでも体質改善が望めます。 重炭酸入浴剤を使ったケアもおすすめです。
次のあせもととびひの原因 あせもは汗の出口である、 汗孔(かんこう)がつまることで発症します。 汗孔がつまると、 汗は皮膚の内部にしみ出して炎症を起こします。 汗孔がつまる原因は、 汗にほこりやちりが吸着して、肌に刺激を与えるためです。 あせもは赤いぶつぶつや 水ぶくれができ、 かゆみを伴います。 そうしたあせもなどの水泡をかきむしった時に、 細菌感染し繁殖することで、とびひが起こります。 かきむしった時にでた汁が、 他のところに付着することにより、とびひが広がります。 あせもととびひの対処法 軽度なあせもは清潔にたもち、 保湿することで徐々に治ります。 汗をかいたらこまめにふくことにより、 汗にほこりが吸着するのを防ぐことができます。 また保湿して肌のバリアを強化することで、 あせもになりにくくなります。 ひどい場合はステロイドなどの薬を使用することにより、 早く治ります。 皮膚科などではステロイドの、 キンダベートを処方されることが多いようです。 うちの子もキンダベートを、よく処方してもらいました。 子供の場合はかきむしって、 とびひになってしまうことがよくあります。 とびひは正しい処置をしないと、 どんどん広がってしまいます。 とびひになってしまった場合は、 皮膚科で処置してもらいましょう。 おうちでできることは、 患部をきれいに洗い、清潔にすることです。 病院で処方してもらった薬を塗りましょう。 スポンサーリンク よく読まれている記事一覧 スクロールしてね! あせもにオロナインはNG!? 万能薬のオロナインをあせもに塗る人もいますが、 オロナインはあせもに効く薬ではありません。 オロナインはニキビや吹出物、 やけどやあかぎれに効く薬です。 殺菌に優れた薬ですが、 湿疹には使用しないようにと書かれています。 オロナインを塗ったらあせもが治ったという人もいるようですが、 それはオロナインの成分にワセリンが含まれているためです。 ワセリンには、あせものかゆみや痛みを抑える効果があります。 ただあせもによく効くステロイドのように、 抗生物質が配合されているわけではありません。 ステロイドには抗生物質が配合されているため、 あせもをかきむしって化膿してしまっても、 ステロイドを塗るだけですぐに治すことができます。 軽いあせもならオロナインを塗って、 かゆみを抑えることができます。 ただあせもがひどい場合は、 ステロイドを塗ったほうが早く治るでしょう。 あせも専用の薬は他にも販売されているので、 わざわざオロナインを購入するのなら、 あせも専用の薬を購入した方が良いです。 特に赤ちゃんや幼児の場合は、 爪を普段から短く切っておいてあげてくださいね。 どうしてもかきむしってしまう場合は、 水泡がつぶれてしまう前に、 ガーゼなどで保護するのも良いでしょう。
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