緊急事態宣言が発令されて多くの人が自宅で過ごす時間が増えたことと思う。 中には、行き場のないうずうずを抱えている人もいるのではないだろうか。 料理はそんなストレスを発散するのに良い手段だ。 おまけに美味しいし一石二鳥。 パスタが好きな私(中澤)は、しゅっちゅうパスタを作っているのだが、先日 カルボナーラが激ウマになる隠し味を発見した。 そこで、中澤流の簡単なカルボナーラレシピと共にお送りしたい。 ・ベトナム醤油「トイオッ」 まず、隠し味に使ったのはベトナム醤油の「チンスー・トイオッ」である。 ニンニクと唐辛子が配合されているこの醤油。 甘辛さからピリリとした刺激への味のなめらかな変化はまるで 虹のグラデーションだ。 この醤油が、ソースとしてだけでなく調味料としても非常にコミュニケーション能力に長けた最強醤油であることは以前の記事でお伝えした通り。 そこで、カルボナーラに入れてみたわけだ。 ・簡単なカルボナーラレシピ ちなみに、私のカルボナーラは本格派でもなんでもないが、とにかく火加減が簡単で味が失敗しにくいことだけは自信がある。 なので、「卵とチーズだけで作らないとカルボナーラではない」的な思想の カルボナーラ原理主義者は読まない方が良いだろう。 あくまで簡単にウマイ。 そんなカルボナーラレシピは以下の通り。 <材料> パスタ 卵1個 こんぶだし 牛乳100ml 生クリーム100ml 塩 オリーブオイル パンチェッタ(生ベーコン) トイオッ <つくりかた> 1. 沸騰させたお湯に塩小さじ1杯くらい入れてパスタを茹でる 2. フライパンにオリーブオイルを敷きパンチェッタを炒める 3. 赤身が少し残っているくらいのところで生クリームと牛乳とこんぶだしを投入 4. ブクブクしてきたらパスタを投入し混ぜる 5. 皿に盛り付け卵黄を乗せたらカルボナーラ完成(コショウと粉チーズは好みで) 6. つまるところ、ソースとパスタと絡めば、あとは醤油のコミュニケーション能力がなんとかしてくれる。 トイオッのニンニクと唐辛子のピリリがカルボナーラの味の下に入る感じで、 立ち上がりが早く濃厚な味になるぞ。 ・レトルトにも また、完成した後に入れても味が混ざるということは、 レトルトのカルボナーラでも隠し味として使えるということである。 カルボナーラを作るのが面倒くさい人はレトルトでお試しいただければ幸いだ。 新型コロナへの危機感が募り続けているが、我々一般人にできることは外出を自粛することくらいである。 ならば、せめてその中では美味しく面白く生きようじゃないか。 Report:中澤星児 Photo:Rocketnews24.
次のしょっつるといしる 魚をと共に漬け込み、自己消化、の働きでさせたものから出た液体成分が魚醤で、黄褐色 - 赤褐色、暗褐色の液体である。 熟成すると、特有の香りまたは臭気を持つが、魚の動物性が分解されてできたと魚肉に含まれるを豊富に含むため、濃厚なを有しており、として使えば料理に塩味を加えるとともに、うま味を加える働きが強い。 また、、も含んでいる。 上澄み液をすくい取り加熱殺菌して製品とする場合もあるが、独特の香りや臭いは加熱に弱いため、、、の調理には未加熱の分離液を選んで用いる人もいる。 魚醤は、特にの沿岸部を中心に、の、なども含め、いくつかの文化圏で用いられており、特にを始めとする東南アジアでは、塩を除けば、ほぼ唯一の塩味の調味料で、非常に多くの料理に用いられる。 また、これらの文化圏の中には、米飯を加えてを作る伝統を残している地域・もある。 その起源に関しては、の付近とみられている。 種類 [ ] 日本では、近代的な食生活において、が高く風味が独特な魚醤は、やの普及により一般家庭での使用は減っているが、いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っており、などに利用されている。 主なものでは、秋田県で (塩汁)、で (魚汁)、香川県で が製造され、地元を中心に使用されている。 この他後半ころから伝統的製法とは異なる製法が開発され、商品が製造販売されている(新製法の項目参照)。 また、でを製造する際に用いられる くさや液も魚醤の一種であるとも考えられる。 また90年代以降のやの普及に伴い、後述の東南アジアの魚醤が比較的容易に入手可能になっている。 のやの 魚露(ユーロウ)も地元で広く使われている。 これらの言葉の多くはおおむね「魚の水」という意味である。 しかし、では 𩸞露(キエロウ)といい、のケーチャップ(鮭汁)の「鮭」と同じくを意味する語「キエ「魚編に奇」」と、「露」を組み合わせている。 また、魚醤と同様の製法で作られ、液体を漉した後の物をすりつぶして固めたペースト状の調味料も用いられている。 トラシやブラチャンはの。 周辺でもオキアミを用いた(ハーコウ)が製造されている。 歴史的には、においても (: garum)と呼ばれる魚醤が使われていた。 現在でもアンチョビーペーストやサーディンペーストがある地帯は、かつてやの魚醤油が使われていたことの痕跡である。 また南部周辺では、ガルムの流れを引くカタクチイワシの魚醤、 コラトゥーラ(colatura)が今も作られている。 は、から作られるトマトケチャップが有名になっているが、もともとは魚醤を含めた発酵調味料であり、ケチャップの語源は、やの「鮭汁 kechiap 」という魚醤をさす言葉(この場合の(鮭」はを意味するである)とする説が有力である。 ベトナムの魚醤工場 もともとの製法は地域によりかなり異なっており、生の魚をにしたり、干物にして用いるもの、特定の魚種だけを使う場合や網にかかった魚をみな使う場合、などを原料とする場合がある。 基本的に、用いる魚の種類によって、大きな魚の場合には内臓、頭、ヒレなどを、アンチョビなど利用価値の低い小形の魚の場合には、丸ごとを用いる場合が多い。 魚を大量の塩と共に漬け込む。 内臓に含まれるや混入してきたやが分泌するで自然発酵させるものが一般的だが、しょっつるのようにを加えたり、料理用製品のように酵素剤を投入して発酵を助長するものもある。 数か月以上発酵させ、が進むと、魚の形が崩れ、全体が液化してくる。 その液化が進んだものを、漉して用いる。 熟成の度合いは地域によって異なり、熟成度が少なく、魚の香りの強いものから、熟成が進みのような発酵した匂いが中心のものもある。 魚と塩だけで熟成させるものの他に、これにや香草類を加えて味を調えるものもある。 一般に食卓で用いるための製品は純度の高いものであるのに対し、料理用製品では、これに塩水となどを添加している場合もある。 アレルギー [ ] の原因となり得る特定原材料等の25品目に含まれるエビ、カニ、サケ、イカなど原材料を含んでいるものが有るほか、発酵過程で生じるによるアレルギー症状を起こす場合がある。 この発酵過程で生じるヒスタミンは、乳酸菌発酵スターターを用いることで、生成量の抑制が可能である事が報告されている。 各地の魚醤 [ ] 日本の魚醤 [ ] しょっつる [ ] 詳細は「」を参照 秋田県名物、伝統的にはで作る魚醤。 現在作られているしょっつるはハタハタに限らず色々な魚で作られている。 ハタハタ料理にも付き物。 一般的にはハタハタ若しくはと、と一緒に鍋で煮る「しょっつる鍋」が有名。 鍋など、他の料理の味付けにも用いられ、のスープに(特にとして)使われる場合もある。 創作和食の店ではや付けダレなどに混ぜる(いずれも隠し味として)などの工夫も見られる。 しょっからいわし(しょからいわし) [ ] 西蒲区の・地区名物、の頭と内臓を取ったあと、大量の塩と混ぜて半年以上発酵させた魚醤油。 しょっからいわしで大根を漬け込み、2ヶ月間熟成させたものは「なまぐさごうこ」と言い、現地の郷土食である。 いしる(いしり、よしる、よしり) [ ] 詳細は「」を参照 北部で古くから作られているイワシやイカの内臓や頭、骨を塩漬けして発酵させた魚醤油。 イワシの身の部分で「糠鰯(ヌカイワシ)」を漬け込むときに、他の桶に骨や内臓を塩漬けにし発酵させた汁を調味料として使う。 骨や内臓を無駄にしない生活の知恵から生まれた「魚汁」。 独特の風味がある。 古くから「いしる」の味を活かした家庭料理として「いしる鍋」があるほか、と呼ばれる郷土料理がある。 これは、、、、、、などをホタテガイの貝殻に入れ、煮汁に「いしる」を加えて網焼きにしたもの。 また、海産物系の炒め物や鍋物などへのとして使用されることもある。 「いしる」の名は、「いを(魚)じる(汁)」の転訛であるとされる [ ]。 能登半島の多くで「いしる」、小木、宇出津地区では「いしり」と呼ばれる場合が多いが、半島全域で呼称が混在している。 いかなご醤油 [ ] 詳細は「」を参照 香川県の特産品。 かつては「しょっつる」および「いしる」とともに日本三大魚醤と呼ばれた。 に途絶えたが、近年になって少量ではあるが復活生産されるようになった。 1980年代以降の日本の主な製品 [ ] 日本ではに料理用調味料として魚醤製品が注目されたことがあった。 酵素やを用いて製造する方法が試行錯誤され、1989年に発売されたマリナージを嚆矢として様々な商品が開発された。 しかし結局小売製品としての市場は拡大せず、これらの商品は2000年代以降加工食品の調味材料として生産されることが一般的になった。 主なものは以下の通り。 エムジーシーマリナージ - マリナージ(を)• 海択舎 - 本魚醤(サバ・イカ・を酵素分解)• - だししるべ(アジを酵素分解) また、2000年代以降はの一環として、の成果として各地の特産海産物を原料とした魚醤も数多く開発された。 主な取り組みを挙げる。 北海道 - (平成11年)ごろから海産物を原料とした魚醤が水産会社により開発され始めた。 2008年には北海道魚醤油生産組合が立ち上げられ、以後数十社が参加して商品が開発された。 北海道の名産品であるサケやホタテを用いたものの外に、、名産の、名物などを用いた製品がある。 2011年には北海道の食クラスター連携協議体重点プロジェクトに採用されて補助金が投下され、北海道産魚醤の統一ブランド名「雪ひしお」や「雪ひしおくん」のPRが行われた。 高知県 - 知事(当時)の肝煎りにより1993年に設立された「高知県商品計画機構」が、高知名産のの内臓やを用いた魚醤「びーみ」を開発した。 しかし、同機構の運営が思わしくなく、2001年(平成13年)度を以って清算し、現在は入手不可能。 宮城県 - の飲食店等の有志が集まった気仙沼最高料理技術研鑽会が、漁港の名産品であるサンマ、、などを用いた魚醤「魚塩汁きがき」を開発した。 大分県 - 2004年に日田市の会社がと共同でを用いた「」を開発した。 淡水魚であるため通常の魚醤と臭みが異なる。 新潟県 - 新潟漁業協同組合と新潟県すし商生活衛生同業組合が新潟県水産海洋物研究所と共同でを用いた「南蛮海老醤油」を開発した。 2010年にはPR団体として「新潟魚醤油食ブランド普及協議会」が設立され、新潟市内の飲食店で提供されている。 神奈川県 - 湘江亭が相模湾で採れるを用いた「鵠沼魚醤」を開発した。 鵠沼地区地域経営会議のプロモーションにより藤沢市内の飲食店で提供されている。 愛知県 - 2000年に豊浜水産物加工業協同組合が愛知県産業技術研究所と共同でカタクチイワシを用いた「しこの露」を開発した。 2003年には全国中小企業団体中央会から全国地場産業大賞優秀賞を受賞している。 アジア(日本以外)の魚醤 [ ] エクチョッ [ ] (: 액젓 aekjeot 、・) やなどを材料にして作られる。 主にを漬ける際にの塩辛とともに使用されるほか、など、の隠し味としても使用されている。 魚露(ユールー) [ ] (: 𩸞露(キエロウ)、: 鮭汁(ケーチャップ、コエチアッ)、: 魚露(ユーロウ)、・) の、、、や、、などで製造、使用されている。 各種の小魚が利用されるが、では類も多用される。 類で作った液状のものは「蝦油」(シアヨウ、閩南語:ヘーイウ)と呼ばれる。 類を用いる。 ナンプラーに似るが、ナンプラーよりも発酵度合いが低く、魚の香りがより強いものが多い。 またナンプラーより塩味が弱いが、塩分濃度は高い。 上等の品は親戚などへの贈答品として用いられることがある。 「ヌオクマム」「ニョクマム」「ヌックマム」とも呼ばれる。 木製の樽に魚とを「魚10:塩4」の割合で入れ、蓋をして4か月 - 1年程度熟成させる。 をはじめとする、各種ベトナム料理の味付けに欠かせないほか、ヌクマムに刻み唐辛子と刻みニンニクを漬け、ライム果汁・砂糖・水で味を整えたヌクチャムは食卓調味料として使われる。 名産地はやなど。 ただ、系ブラウンHT E155 」が使用されており、、、、、、、、、などでは健康に悪影響を及ぼす可能性があるとして輸入が禁止されている。 namは水、plaは魚を意味する。 水揚げの減少に伴い、他の魚種も混合して用いられているという。 一部の高級品のために、より大型の類、類も用いられるが、これは一般には流通しない。 洗って水を切った魚には食塩をまぶし、陶器の瓶に「魚2 - 3:塩1」の割合になるようにぎっしりと詰める。 瓶の最下層と最上層には塩の層を作り、を編んだ蓋をして重石をおく。 これは屋外に蓋をして置かれる。 魚が液化するにつれ、蓋と重石が沈んで行く。 熟成が終わると、液体成分を漉し、別の瓶に移して出荷される。 ナンパー [ ] (: nam paa、) 魚を塩水に漬けてつくられる。 伝統製法では、陶器の瓶に作られ、瓶の状態で流通する。 様々な魚種が用いられるが、主にが用いられる。 しかしの増加に伴い、淡水魚の供給量が減少しており、これが変わりつつあるという。 ちなみにこのナンパーを濾過しないものをパデーク padeak といい、ラオスではこちらも多用されている。 ブドゥ [ ] 詳細は「」を参照 (: budu、) のなどの魚 ikan bilis を材料にして作られる。 主に野菜を食べるときのドレッシングとして使用される。 イカの塩辛に似た色と味、香りをもつ。 非常に塩分が強い。 乳状のブドゥはビンで購入できる。 これを小皿にすこしとり、そこにを絞り、好みでを刻んだものを加えることもある。 ゆで野菜や生野菜をたべるときにこれにつけながら食べる。 半島部マレー人のなかでも、および南部のに住むマレー人を中心に好まれ、クランタンの独特な文化のひとつとして象徴的に語られることが多い。 都市部のマレー人は食べたことがないものも多く、苦手な人が多いようである。 パティス [ ] (patis、) ヨーロッパの魚醤 [ ] ウスターソース [ ] (: 、) の原産。 ()や食酢にの魚醤と野菜、スパイス等を合せた万能調味料。 元祖といわれるリー・アンド・ペリン社のものが有名。 味や見た目は日本のとよく似ているが日本のウスターソースはアンチョビを原材料に含まない。 ガルム [ ]• 『和食とはなにか 旨みの文化をさぐる』 2014年 p. 農林水産省• 食品安全委員会• 木村メイコ, 舊谷亜由美, 福井洋平 ほか、「」 『日本水産学会誌』 2015年 81巻 1号 p. 97-106, :, 日本水産学会• NHKテレビ「夕時ネットワーク」2013年05月01日放送• 「魚」を意味する「いを」は、「うお」の古語。 日本海に面した外浦地区では原料にイワシやサバを使うが、富山湾に面した内浦地区の小木、宇出津では原料にを使うので、イカを原料とするものを「いしり」と呼び分けるとする見解もある。 はイワシから魚醤を作って儲けようとして失敗したをモデルにした『紋章』という小説を書いている。 横光はがの盛んな地域だから、魚の醤油は受け入れられなかったとしている。 参考文献 [ ]• 太田静行『魚醤油の知識』(幸書房、1996年)• 外部リンク [ ].
次のしょっつるといしる 魚をと共に漬け込み、自己消化、の働きでさせたものから出た液体成分が魚醤で、黄褐色 - 赤褐色、暗褐色の液体である。 熟成すると、特有の香りまたは臭気を持つが、魚の動物性が分解されてできたと魚肉に含まれるを豊富に含むため、濃厚なを有しており、として使えば料理に塩味を加えるとともに、うま味を加える働きが強い。 また、、も含んでいる。 上澄み液をすくい取り加熱殺菌して製品とする場合もあるが、独特の香りや臭いは加熱に弱いため、、、の調理には未加熱の分離液を選んで用いる人もいる。 魚醤は、特にの沿岸部を中心に、の、なども含め、いくつかの文化圏で用いられており、特にを始めとする東南アジアでは、塩を除けば、ほぼ唯一の塩味の調味料で、非常に多くの料理に用いられる。 また、これらの文化圏の中には、米飯を加えてを作る伝統を残している地域・もある。 その起源に関しては、の付近とみられている。 種類 [ ] 日本では、近代的な食生活において、が高く風味が独特な魚醤は、やの普及により一般家庭での使用は減っているが、いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っており、などに利用されている。 主なものでは、秋田県で (塩汁)、で (魚汁)、香川県で が製造され、地元を中心に使用されている。 この他後半ころから伝統的製法とは異なる製法が開発され、商品が製造販売されている(新製法の項目参照)。 また、でを製造する際に用いられる くさや液も魚醤の一種であるとも考えられる。 また90年代以降のやの普及に伴い、後述の東南アジアの魚醤が比較的容易に入手可能になっている。 のやの 魚露(ユーロウ)も地元で広く使われている。 これらの言葉の多くはおおむね「魚の水」という意味である。 しかし、では 𩸞露(キエロウ)といい、のケーチャップ(鮭汁)の「鮭」と同じくを意味する語「キエ「魚編に奇」」と、「露」を組み合わせている。 また、魚醤と同様の製法で作られ、液体を漉した後の物をすりつぶして固めたペースト状の調味料も用いられている。 トラシやブラチャンはの。 周辺でもオキアミを用いた(ハーコウ)が製造されている。 歴史的には、においても (: garum)と呼ばれる魚醤が使われていた。 現在でもアンチョビーペーストやサーディンペーストがある地帯は、かつてやの魚醤油が使われていたことの痕跡である。 また南部周辺では、ガルムの流れを引くカタクチイワシの魚醤、 コラトゥーラ(colatura)が今も作られている。 は、から作られるトマトケチャップが有名になっているが、もともとは魚醤を含めた発酵調味料であり、ケチャップの語源は、やの「鮭汁 kechiap 」という魚醤をさす言葉(この場合の(鮭」はを意味するである)とする説が有力である。 ベトナムの魚醤工場 もともとの製法は地域によりかなり異なっており、生の魚をにしたり、干物にして用いるもの、特定の魚種だけを使う場合や網にかかった魚をみな使う場合、などを原料とする場合がある。 基本的に、用いる魚の種類によって、大きな魚の場合には内臓、頭、ヒレなどを、アンチョビなど利用価値の低い小形の魚の場合には、丸ごとを用いる場合が多い。 魚を大量の塩と共に漬け込む。 内臓に含まれるや混入してきたやが分泌するで自然発酵させるものが一般的だが、しょっつるのようにを加えたり、料理用製品のように酵素剤を投入して発酵を助長するものもある。 数か月以上発酵させ、が進むと、魚の形が崩れ、全体が液化してくる。 その液化が進んだものを、漉して用いる。 熟成の度合いは地域によって異なり、熟成度が少なく、魚の香りの強いものから、熟成が進みのような発酵した匂いが中心のものもある。 魚と塩だけで熟成させるものの他に、これにや香草類を加えて味を調えるものもある。 一般に食卓で用いるための製品は純度の高いものであるのに対し、料理用製品では、これに塩水となどを添加している場合もある。 アレルギー [ ] の原因となり得る特定原材料等の25品目に含まれるエビ、カニ、サケ、イカなど原材料を含んでいるものが有るほか、発酵過程で生じるによるアレルギー症状を起こす場合がある。 この発酵過程で生じるヒスタミンは、乳酸菌発酵スターターを用いることで、生成量の抑制が可能である事が報告されている。 各地の魚醤 [ ] 日本の魚醤 [ ] しょっつる [ ] 詳細は「」を参照 秋田県名物、伝統的にはで作る魚醤。 現在作られているしょっつるはハタハタに限らず色々な魚で作られている。 ハタハタ料理にも付き物。 一般的にはハタハタ若しくはと、と一緒に鍋で煮る「しょっつる鍋」が有名。 鍋など、他の料理の味付けにも用いられ、のスープに(特にとして)使われる場合もある。 創作和食の店ではや付けダレなどに混ぜる(いずれも隠し味として)などの工夫も見られる。 しょっからいわし(しょからいわし) [ ] 西蒲区の・地区名物、の頭と内臓を取ったあと、大量の塩と混ぜて半年以上発酵させた魚醤油。 しょっからいわしで大根を漬け込み、2ヶ月間熟成させたものは「なまぐさごうこ」と言い、現地の郷土食である。 いしる(いしり、よしる、よしり) [ ] 詳細は「」を参照 北部で古くから作られているイワシやイカの内臓や頭、骨を塩漬けして発酵させた魚醤油。 イワシの身の部分で「糠鰯(ヌカイワシ)」を漬け込むときに、他の桶に骨や内臓を塩漬けにし発酵させた汁を調味料として使う。 骨や内臓を無駄にしない生活の知恵から生まれた「魚汁」。 独特の風味がある。 古くから「いしる」の味を活かした家庭料理として「いしる鍋」があるほか、と呼ばれる郷土料理がある。 これは、、、、、、などをホタテガイの貝殻に入れ、煮汁に「いしる」を加えて網焼きにしたもの。 また、海産物系の炒め物や鍋物などへのとして使用されることもある。 「いしる」の名は、「いを(魚)じる(汁)」の転訛であるとされる [ ]。 能登半島の多くで「いしる」、小木、宇出津地区では「いしり」と呼ばれる場合が多いが、半島全域で呼称が混在している。 いかなご醤油 [ ] 詳細は「」を参照 香川県の特産品。 かつては「しょっつる」および「いしる」とともに日本三大魚醤と呼ばれた。 に途絶えたが、近年になって少量ではあるが復活生産されるようになった。 1980年代以降の日本の主な製品 [ ] 日本ではに料理用調味料として魚醤製品が注目されたことがあった。 酵素やを用いて製造する方法が試行錯誤され、1989年に発売されたマリナージを嚆矢として様々な商品が開発された。 しかし結局小売製品としての市場は拡大せず、これらの商品は2000年代以降加工食品の調味材料として生産されることが一般的になった。 主なものは以下の通り。 エムジーシーマリナージ - マリナージ(を)• 海択舎 - 本魚醤(サバ・イカ・を酵素分解)• - だししるべ(アジを酵素分解) また、2000年代以降はの一環として、の成果として各地の特産海産物を原料とした魚醤も数多く開発された。 主な取り組みを挙げる。 北海道 - (平成11年)ごろから海産物を原料とした魚醤が水産会社により開発され始めた。 2008年には北海道魚醤油生産組合が立ち上げられ、以後数十社が参加して商品が開発された。 北海道の名産品であるサケやホタテを用いたものの外に、、名産の、名物などを用いた製品がある。 2011年には北海道の食クラスター連携協議体重点プロジェクトに採用されて補助金が投下され、北海道産魚醤の統一ブランド名「雪ひしお」や「雪ひしおくん」のPRが行われた。 高知県 - 知事(当時)の肝煎りにより1993年に設立された「高知県商品計画機構」が、高知名産のの内臓やを用いた魚醤「びーみ」を開発した。 しかし、同機構の運営が思わしくなく、2001年(平成13年)度を以って清算し、現在は入手不可能。 宮城県 - の飲食店等の有志が集まった気仙沼最高料理技術研鑽会が、漁港の名産品であるサンマ、、などを用いた魚醤「魚塩汁きがき」を開発した。 大分県 - 2004年に日田市の会社がと共同でを用いた「」を開発した。 淡水魚であるため通常の魚醤と臭みが異なる。 新潟県 - 新潟漁業協同組合と新潟県すし商生活衛生同業組合が新潟県水産海洋物研究所と共同でを用いた「南蛮海老醤油」を開発した。 2010年にはPR団体として「新潟魚醤油食ブランド普及協議会」が設立され、新潟市内の飲食店で提供されている。 神奈川県 - 湘江亭が相模湾で採れるを用いた「鵠沼魚醤」を開発した。 鵠沼地区地域経営会議のプロモーションにより藤沢市内の飲食店で提供されている。 愛知県 - 2000年に豊浜水産物加工業協同組合が愛知県産業技術研究所と共同でカタクチイワシを用いた「しこの露」を開発した。 2003年には全国中小企業団体中央会から全国地場産業大賞優秀賞を受賞している。 アジア(日本以外)の魚醤 [ ] エクチョッ [ ] (: 액젓 aekjeot 、・) やなどを材料にして作られる。 主にを漬ける際にの塩辛とともに使用されるほか、など、の隠し味としても使用されている。 魚露(ユールー) [ ] (: 𩸞露(キエロウ)、: 鮭汁(ケーチャップ、コエチアッ)、: 魚露(ユーロウ)、・) の、、、や、、などで製造、使用されている。 各種の小魚が利用されるが、では類も多用される。 類で作った液状のものは「蝦油」(シアヨウ、閩南語:ヘーイウ)と呼ばれる。 類を用いる。 ナンプラーに似るが、ナンプラーよりも発酵度合いが低く、魚の香りがより強いものが多い。 またナンプラーより塩味が弱いが、塩分濃度は高い。 上等の品は親戚などへの贈答品として用いられることがある。 「ヌオクマム」「ニョクマム」「ヌックマム」とも呼ばれる。 木製の樽に魚とを「魚10:塩4」の割合で入れ、蓋をして4か月 - 1年程度熟成させる。 をはじめとする、各種ベトナム料理の味付けに欠かせないほか、ヌクマムに刻み唐辛子と刻みニンニクを漬け、ライム果汁・砂糖・水で味を整えたヌクチャムは食卓調味料として使われる。 名産地はやなど。 ただ、系ブラウンHT E155 」が使用されており、、、、、、、、、などでは健康に悪影響を及ぼす可能性があるとして輸入が禁止されている。 namは水、plaは魚を意味する。 水揚げの減少に伴い、他の魚種も混合して用いられているという。 一部の高級品のために、より大型の類、類も用いられるが、これは一般には流通しない。 洗って水を切った魚には食塩をまぶし、陶器の瓶に「魚2 - 3:塩1」の割合になるようにぎっしりと詰める。 瓶の最下層と最上層には塩の層を作り、を編んだ蓋をして重石をおく。 これは屋外に蓋をして置かれる。 魚が液化するにつれ、蓋と重石が沈んで行く。 熟成が終わると、液体成分を漉し、別の瓶に移して出荷される。 ナンパー [ ] (: nam paa、) 魚を塩水に漬けてつくられる。 伝統製法では、陶器の瓶に作られ、瓶の状態で流通する。 様々な魚種が用いられるが、主にが用いられる。 しかしの増加に伴い、淡水魚の供給量が減少しており、これが変わりつつあるという。 ちなみにこのナンパーを濾過しないものをパデーク padeak といい、ラオスではこちらも多用されている。 ブドゥ [ ] 詳細は「」を参照 (: budu、) のなどの魚 ikan bilis を材料にして作られる。 主に野菜を食べるときのドレッシングとして使用される。 イカの塩辛に似た色と味、香りをもつ。 非常に塩分が強い。 乳状のブドゥはビンで購入できる。 これを小皿にすこしとり、そこにを絞り、好みでを刻んだものを加えることもある。 ゆで野菜や生野菜をたべるときにこれにつけながら食べる。 半島部マレー人のなかでも、および南部のに住むマレー人を中心に好まれ、クランタンの独特な文化のひとつとして象徴的に語られることが多い。 都市部のマレー人は食べたことがないものも多く、苦手な人が多いようである。 パティス [ ] (patis、) ヨーロッパの魚醤 [ ] ウスターソース [ ] (: 、) の原産。 ()や食酢にの魚醤と野菜、スパイス等を合せた万能調味料。 元祖といわれるリー・アンド・ペリン社のものが有名。 味や見た目は日本のとよく似ているが日本のウスターソースはアンチョビを原材料に含まない。 ガルム [ ]• 『和食とはなにか 旨みの文化をさぐる』 2014年 p. 農林水産省• 食品安全委員会• 木村メイコ, 舊谷亜由美, 福井洋平 ほか、「」 『日本水産学会誌』 2015年 81巻 1号 p. 97-106, :, 日本水産学会• NHKテレビ「夕時ネットワーク」2013年05月01日放送• 「魚」を意味する「いを」は、「うお」の古語。 日本海に面した外浦地区では原料にイワシやサバを使うが、富山湾に面した内浦地区の小木、宇出津では原料にを使うので、イカを原料とするものを「いしり」と呼び分けるとする見解もある。 はイワシから魚醤を作って儲けようとして失敗したをモデルにした『紋章』という小説を書いている。 横光はがの盛んな地域だから、魚の醤油は受け入れられなかったとしている。 参考文献 [ ]• 太田静行『魚醤油の知識』(幸書房、1996年)• 外部リンク [ ].
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