【関連記事】• 米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米東部時間22日午後6時半(日本時間23日午前7時半)時点の全米のコロナ感染者数は3万3073人となった。 州別では、ニュージャージー州(1900人)、ワシントン州(1800人)、カリフォルニア州(1600人)がニューヨーク州に続く。 ニューヨーク州のクオモ知事は「どこよりも多く検査をしている」と強調した。 すでに6万1千人が検査を終えたという。 ただ、検査の拡大とともに判明した感染者の数も急増。 重症患者を受け入れる集中治療室(ICU)のベッド数が足りず、病院に緊急でない手術を控えるよう要請した。 ニューヨーク州の中核であるニューヨーク市の感染者数は9千人となった。 クオモ知事は「公園にいまだに人が集まっているのが問題だ。 今は非常時だ」と述べ、24時間以内に公園の運営を見直すよう市に求めた。 家電量販店「ベストバイ」はネット注文した商品を受け取るのみの運営に(22日午前11時、ニューヨークのマンハッタン) ニューヨーク州では22日午後8時から、生活に不可欠な業種以外の企業にすべての従業員の在宅勤務を義務づける。 住民は不要不急の外出を控えるよう求められる。 ニューヨーク市のマンハッタンの中心街では百貨店や衣料品店などがすでに店を閉じているほか、家電量販店もネット注文の受け取りに絞るなど営業を制限している。 地元のスーパーでは生活必需品を買い求める住民が外で間隔をあけながら列をつくり、非常事態に備えた。 全米では同様の措置をとる州が相次いでいる。 ニュージャージー州やイリノイ州は、21日から住民に生活に不可欠な買い物など以外の外出を禁じる命令を出した。 フロリダ州は飲食店の営業停止を命じ、ネバダ州は映画館やジムなどを休止するよう指示した。
次の(iStock. そこにはこの国ならではのいくつもの特殊事情がある。 「アメリカ例外主義」と言ってもよい。 「アメリカ例外主義American Exceptionalism」とはもともと、古典的名著『アメリカの民主主義』 1835年刊 を執筆したフランスの政治思想家アレクシ・ド・トクヴィルが、アメリカ視察旅行をした際に最初に使ったとされる用語だ。 その後一般的には、他の国では見られないアメリカ人ならではの特異な考え方や行動様式を総称した社会学的定義として今日にまで言い伝えられてきた。 そして特に今回、コロナウイルス危機が世界に拡散する中で、アメリカが感染者、死者数いずれにおいても最悪の事態を迎えるに至った要因として、トランプ政権の初期対応の遅れのほかに、「アメリカ例外主義」との関係が指摘され、大きな話題となっている。 以下のような自らの発言がそのことを如実に物語っている。 「大丈夫だ、問題ない」 1月22日 、「わが国の感染者はたった5人だけ。 すぐにハッピー・エンディングを迎える」 1月30日 、「暖かくなればウイルスは消滅する」 2月7日 、「感染者は合わせて15人だけ。 数日中にはゼロになる」 2月26日 、「感染地域は限定されており、大多数の国民へのリスクは非常に低い」 3月11日 ……etc。 ところが、実際の被害はその後現在に至るまで、全米規模でさらに悪化し続けており、5月22日現在の米国内感染者161万人、死者9万5000人と、断トツで「世界1位」の不名誉な記録を更新し続けている。 一人大統領だけではない。 各州の多くの市民たちも、コロナウイルス感染の深刻さをまともに受け止めず、フロリダ、ノースカロライナなどのビーチにはマスク着用もしないまま、水着姿のレジャー客がいつも通りにぎやかに繰り出す光景が見られた。 他州の都会でもしばらくの間、マスクを着用せず、レストランやバーなど「3蜜」環境での人の出入りが続いた結果、事態を急速に悪化させる要因の一つとなったことが感染症学者の間でも指摘されている。 ベテラン・ジャーナリスト、デイモン・リンカー氏は、国際ニュース・マガジン「The Week」最近号の中で「わが国の無責任なオプティミズムがコロナ・パンデミックを通じてまずい結果をもたらしている。 落ち込んだ経済も6月までにすぐに立ち直るとか、4月15日までには感染者数、死者数ともピークを迎えるといった見通しだったが、その後も死者は毎日平均2000人と増え続けている。 今後何カ月、何年にもわたって試されているのは、このようなアメリカ社会に深くしみ込んだ楽観主義であろう」と断じている。
次のアメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ博士。 4月1日、ホワイトハウスで。 アメリカの複数の州で、新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が過去最多となった。 アンソニー・ファウチ博士は「第2波のことが話題になっているが、我々は今も第1波の中にいる」と。 ウイルス感染を抑え込むことができたと思われる国々もあるが、今は感染者が再び増加するのではないかと恐れられている。 アメリカの複数の州で、新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が過去最多となったことを受け、感染症専門家でアメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は、アメリカはまだ「第1波」の中にいると述べた。 「第2波のことがよく話題になっているが、我々は今も最初の波の中にいる」と同博士は6月16日、。 さらに、各州で規制が緩和され、多くの人々が通常の生活を取り戻す中、ウイルス拡散のリスクが高まっていると指摘した。 「テレビでバーに人が集まる様子が映し出されているのを見た。 まだそういう場所で集まれる段階ではない。 非常に危険だ」 感染症の流行が抑えられたように見えても、再び感染者が急増したり、いっそうひどい状況になったりすることもあり得ると、パンデミックの初期から専門家は警告してきた。 ウイルスの発生源となった中国や、ニュージーランド、ヨーロッパのいくつかの国々は、国内でのウイルス感染を抑え込むことができたようだ。 現在、新規感染者のモニタリングや検査が行われているが、いわゆる「第2波」の発生が恐れられている。 一方アメリカでは、と発表された。 「そもそも第1波から抜け出せていない」 フロリダなど、複数の州の知事は、感染者数が増加したからといって、新たにロックダウンの措置を取ることはしないと述べた。 ただし、オレゴン州では、6月9日にとなっている。 他の専門家も、新規感染者数の記録的増加は、第1波によるものであり、第2波ではないというファウチ博士の見解に同意している。 ノースカロライナ大学医療センター疫学病院の医療ディレクター、デイヴィッド・ウェーバー(David Weber)博士は「そもそも第1波から抜け出せていない」と。 また、ヴァンダービルト大学メディカルセンターの疫学者、ローレン・リップワース(Loren Lipworth)氏も「第2波というのは、第1波が消滅した後に現れるものだ」とNBCに語った。 「それがアメリカで起こっているとは思わない」 ファウチ博士は6月に入ってから、であり「世界を打ちのめした」と述べ、「今もまだ終わっていない」と警告した。 だが、アメリカ合衆国のマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領は、6月16日に公開されたウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿文で、第2波への恐れは「大げさ」だと「我々は見えない敵との戦いに勝利している」と述べた。
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