「なぜ岩手でコロナが出ないの」「検査を絞っている」。 全国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、47都道府県で唯一、感染者ゼロの続く岩手県についての疑問が、岩手日報社の特命取材班に寄せられている。 県民や医療関係者からは岩手県の低い人口密度のほか、手洗いや外出自粛を励行する「真面目な県民性」があるとの見方も。 一方、人口当たりのPCR検査数は同県が全国最少。 医療関係者からは「本当に感染者がいないのか」と指摘する声も聞かれる。 県によると、県内の検査は5日現在104件で、全員が陰性だ。 厚生労働省などによると、人口に対する検査人数(1月15日~4月5日)は、岩手県が0・008%で全国最低。 次に低い福島県(0・018%)とも大きな差がある。 全国平均は0・042%、兵庫県は0・057%。 感染者がゼロで検査人数に対する割合を他県と比較できないため、達増拓也知事は1日の記者会見で「検査が足りないとは言い切れないし、十分という確信も持てないが、検査は適切にしており、県民の命と健康は守れている」と述べた。 (岩手日報社) 【記事特集リンク】.
次の岩手県は新型コロナウイルスの感染がゼロなのか。 ご当地女性タレントのふじポンが現地をリポートした。 「ウイルスは飛んでいるんだけど、人がいないからくっつかない。 渋谷のスクランブル交差点の人が減ったというけど、盛岡なんて、いつもこんなもんです」と女性は語っている。 岩手県の人口は全国32位の122万人だが、面積は北海道に次いで全国2位と広く、人口密度も1平方キロメートルあたり80人で2番目に少ない。 「口数の少ない県民性で飛沫も少ない」「真面目な県民性。 やりましょうということに対して、岩手県民は『はい、わかりました』とやる人が多い」と、県民性を理由にあげる人もいた。 また、「納豆とか食べていて、健康に気を使っているから」「豆腐や納豆を食べるといいよとよく聞きます」と、納豆を挙げる人が多数いた。 雪が多い東北地方では、納豆は冬場の貴重なタンパク源。 盛岡市の納豆購入金額は、総務省の2018年の調査で全国1位なのだ。 「感染者1号のなりたくない」とみんなで予防 病院の連携体制や独自の外出自粛要請など、達増拓也知事の対応の早さを評価する声もあった。 古着店で働く男性は、「みんな、(県内の新型コロナ感染者の)1人目になりたくないという意識が強いのかもしれない。 それが(予防の)徹底につながっている」と話していた。 東邦大の小林寅喆教授「知事の初動が早く、県民もそれに従うということが成果に表れています」 キャスターの立川志らく「(感染者ゼロは)たまたではなく、いろんなことが積み重なっています。 真似るべきですね」 「感染ゼロ」がクローズアップされると、必ず岩手へ行こうというバカ者が出てくる。 さくらまつりを中止した岩手県北上市の住民は「『住民です』と嘘をついて入ってくる観光客で渋滞が起きてます。 控えてほしい」と訴える。 県内のある旅館は、平日でも予約の半分を関東の客が占めるようになり、安全のため休館にした。 髙橋知典(弁護士)「今は岩手に行かないことが大事です」.
次の出典:岩手県HP 岩手県で新型コロナの感染者が出ていない最大の理由は、何と言っても PCR検査の数が圧倒的に少ないことが挙げられます。 上に紹介したのは岩手県のHPに掲載されている資料からの抜粋ですが、PCR検査が開始された2月13日から2カ月以上経過した4月29日時点においても、実施されたPCR検査の数はわずか 「341件」に留まっていることが分かります。 それでも、下の「新型コロナウイルス感染症相談件数」を見ると、これまでに「症状がある方」からは 「5,741件」もの問い合わせが寄せられていましたし、「新型コロナウイルス感染症に関する疑問や心配事がある方からの一般相談」といったように条件を広げると 1万件以上もの相談が発生していたことが分かります。 PCR検査が少ない理由について 岩手県では、県内の医師たちによって構成される 「専門委員会」がPCR検査の実施の判断を行っているとのことでした。 つまり、検査数の多い少ないは全て専門委員会のさじ加減で決まっているわけで、これまで検査数が少なかったのも専門委員会が「そう判断したから」ということになります。 そのような状況もあり、岩手県におけるPCR検査については、これまでは 1日10~20件レベルで推移してきたわけです。 (ちなみに、岩手県では一日当たり 最大40件まで検査が可能です) PCR検査の基準は何か? この件について気になるのはやはり 「4日間待機ルール」、つまり 「37度5分以上の熱が4日間続く」場合にPCR検査を実施するといった基準です。 この基準については当初加藤厚労相もそのように発言していましたし、厚労省のHPにもそういった掲載が確認されています。 この基準はあたかも受診の基準として定着し、一人歩きした感は否めません。 しかし、後になって、日本医師会常任理事の釜萢敏氏が「4日間、経過の様子をみてくださいといったメッセージに取られたんですが、実はそうではなくて・・・」と、実に苦しい言い訳めいた説明をしたことが大きな批判を呼びました。 また、厚労省も4月28日には新型コロナに対する新しい判断基準を示すなど、これまでの「4日間待機ルール」にみられる基準は、既に過去の遺物と言って差し支えないでしょう。 ちなみに、上の表でも分かるように、東北の中で最も検査数が多いのが 「山形県」です。 この山形県については岩手県と同様、長いこと感染者が0人で推移してきた県ですが、4月29日の時点では「66人」もの感染者を出している、つまり、ここ最近で 急速に感染者が増えた県として知られています。 PCR検査数を思いきり増やしたら感染者も思いきり増えた山形県 山形県で 最初に感染が確認されたのが3月31日です(20代の女性1名) それまでは、県内でのPCR検査数は少ない件数で推移していましたが、この感染事例を境にPCR検査を増やしていったといいます。 というのも確認したところ、PCR検査の推移についての詳細なデータは山形県でも持ち合わせていないからです) そして、 PCR検査を東北で一番になるぐらいに増やしたところ、1カ月も経たないうちに隣県の福島県に匹敵するほどの感染者数を記録してしまったのです。 というのも、山形県では 3世代同居の家族が全国トップの「17. 8%」もあり、県はこうした状況から3世代同居家族がクラスターに巻き込まれることを警戒し、PCR検査を推進している理由となっています。 27 毎日新聞~ 岩手県と山形県の類似点とは? 東北の中で最も多くのPCR検査を実施した山形県と、PCR検査が最も少ない岩手県とでは、実は決定的とも言える類似点があります。 順位 県名 人口 32位 岩手県 1,226,430 35位 山形県 1,077,057 順位 県名 県の面積 2位 岩手県 15,275. 01 9位 山形県 9,323. 15 順位 県名 人口密度 42位 山形県 115. 53 46位 岩手県 80. 29 上の表は山形県と岩手県の人口、県の面積、人口密度を表わしたものです。 つまり、 同じぐらいの面積に、同じぐらいの人口が、同じぐらいの人口密度で人々が暮らしているのが山形県と岩手県なのです。 しかし、片方は66名もの感染者を出し、もう片方は感染者が出ていない。 何が違うのかと言えば、くどいようですが 「PCR検査の数」なのです。 つまり、こういうことが言えます。 山形県:3世代同居の家族が多いことからクラスターを警戒してPCR検査を 積極的に増やしてきた。 岩手県:厚労省の「4日間待機ルール」を厳格に守るなどしてPCR検査を 消極的に抑えてきた。 筆者が懸念しているのは、 岩手県も山形県と同程度の感染者は存在するのではないかということです。 そして、このことは 岩田健太郎教授が『新型コロナウイルスの真実』の中でも触れていたように、 『見て見ぬふりをして見逃された患者さんからどんどん他人に感染し続けて、もっと大きなピークがやって来てしまう』といったことになりかねないということです。 果たして、岩手県は本当に感染者が「0人」なのでしょうか? 【PCR検査体制の見直し】要点 1 本日から、次のように見直しました。 新型コロナウイルス感染症の患者(確定例)の濃厚接触者、クラスターの発生等、直ちに保健所が積極的疫学調査を行う必要があるものについては、専門委員会への協議を省略し、環境保健研究センターにおいてPCR検査を実施。 — 岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部【公式】 iwatevscovid19 体制の変更の大きなポイントは、「専門委員会」の位置づけです。 これまでPCR検査の実施の判定は専門委員会が行っていましたが、 今後は感染症を疑うものについては、専門委員会への協議を省略(スルー)し、民間検査機関においてPCR検査を実施できるようになりました。 やっとですか!? と言いたいところですが、今後重要になってくるのは感染者受け入れのための病床数となります。 これまで検査が手薄だった分、かなりの数の感染者が県内に存在すると思われます。
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