1.シナールの特徴 まずはシナールの特徴についてみてみましょう。 シナールの主成分は「アスコルビン酸(ビタミンC)」であり、それに少量の「パントテン酸(ビタミンB5 」も含まれています。 シナールはビタミンCとビタミンB5を配合しているビタミン剤なのです。 配合されている量としては圧倒的にビタミンCが多く、シナール配合錠1錠中(=シナール配合顆粒1g中)に、 ビタミンC(アスコルビン酸) 200mg ビタミンB5(パントテン酸) 3mg が含まれています。 ビタミンCの1日必要量は成人で約100mg、ビタミンB5の1日必要量は成人で約5mgほどですので、シナールを服用することで必要量はおおむねまかなえることが分かります。 ビタミンCは肌の色素沈着を抑える作用がある他、コラーゲンの生成を促進することで全身の臓器・器官を丈夫にしてくれます。 また、抗酸化作用によって免疫力や抵抗力を高めてくれます。 ビタミン不足によってこれらの症状が生じている場合には、シナールが症状を改善してくれる可能性があります。 元々これらのビタミンは食品に含まれているものであるため、副作用はほとんどありません。 また水溶性ビタミンであるビタミンB5,Cは、大量に服薬しても身体に蓄積することなく、尿から過剰分は全て排泄されていきますので安全性の高いお薬となります。 以上から、シナールの特徴として次のようなことが挙げられます。 【シナールの特徴】 ・ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB5(パントテン酸)からなる ・肌の色素沈着を改善する作用がある ・コラーゲンの生成を促進し、組織を丈夫にする ・抗酸化作用によって細胞を保護し、免疫力・抵抗力を高める ・脂質・糖質の代謝を促進する作用がある ・腸管の動きを良くする作用がある ・副作用はほとんどなく、安全性に優れる スポンサーリンク 2.シナールはどんな疾患に用いるのか シナールはどのような疾患に用いられるのでしょうか。 シナールの添付文書には次のように記載されています。 【効能又は効果】 本剤に含まれるビタミン類(ビタミンC、B5)の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)、炎症後の色素沈着。 なお、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。 かなり難しく書かれていますね。 実際はもっと単純で、「ビタミンC及びB5が足りていない時」に用いられます。 まずビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンB5(パントテン酸)は、普通に食事を取っていれば十分に摂取できるビタミンだという前提があります。 そのためシナールは、十分なビタミンを食事から摂取できている方には不要のお薬です。 シナールは水溶性ビタミンからなるため、大量に摂取しても過剰な分は尿からそのまま排泄されてしまいます。 取れば取るほど良いというものではないのです。 シナールを使うのは、「普通に食事を取れていない時」あるいは「普通に食事をとっていてもビタミンC・ビタミンB5が急速に減少するような状態の時」に限られます。 具体的には、ビタミンなどが多く消耗されてしまうような炎症性疾患であったり、必要なエネルギーが増大する妊産婦の方などが挙げられます。 普通に食事をしていて十分量のビタミンC・B5を摂取できている人が、 「肌をきれいにしたい!」 「骨や血管を丈夫にしたい!」 という目的で服薬してもあまり効果は得られません。 あくまでも「ビタミンが足りなくて」諸症状を来たしている方のみが使うべきお薬なのです。 3.シナールの作用機序 シナールにはどのような作用があるのでしょうか。 シナールはビタミンCと少量のビタミンB5から成るお薬です。 ビタミンの作用というのは多岐に渡るため、ここでその全てを紹介すると大変難しい説明になってしまいます。 そのため、ここではシナールの代表的な作用を紹介させていただきます。 そのためシミや黒ずみなどの色素沈着を認める皮膚をキレイにする作用が期待できます。 ちなみに「シナール」という名称は、このお薬を服用することで「肌が白くなる」という言葉が由来となっています。 コラーゲンは、血管・皮膚・腱や骨といった身体の多くの組織・器官に存在する結合組織であり、これらの器官を丈夫にするために役立ちます。 ビタミンCが欠乏して生じる病気に「壊血病」があります。 これは近年では滅多に見ることはなくなりましたが、昔の船乗りによく見られる病気として知られていました。 船乗りは長期間船上で過ごすため食生活が不規則になりビタミンC摂取ができなくなるためです。 壊血病はその名の通り、出血しやすくなる疾患です。 ビタミンC不足によって皮膚や血管、血球の構造を丈夫にするために必要なコラーゲンが作れなくなり、これらの組織・器官がもろくなるために生じます。 ビタミンCは活性酸素を除去して細胞を保護してくれるのです。 活性酸素によって血管や身体の諸臓器が傷つくことを防ぎ、動脈硬化や心疾患の予防、老化の予防にもつながります。 ちなみに活性酸素は喫煙やストレスなどによって産生されやすくなります。 また、ビタミンB5も副交感神経からアセチルコリンという物質が分泌させるはたらきがあり(コリン作用)、これによって腸管の動きを活性化するはたらきがあります。 これらのビタミン不足によって腸管の動きが悪くなり、便秘が生じている場合はシナールで便秘の改善が期待できます。 スポンサーリンク 4.シナールの副作用 シナールはビタミン剤になり、ビタミンというのは本来食べ物などに含まれている成分になります。 ビタミンC(アスコルビン酸)は、レモンやグレープフルーツといった柑橘系や野菜に多く含まれているのは有名です。 またビタミンB5(パントテン酸)も多くの食材に含まれているビタミンになります。 そのため、これらを配合されたシナールは安全性が非常に高く、副作用をほとんど認めないお薬になります。 副作用としては、ほとんどが胃腸系の副作用であり、• 胃部不快感• 悪心・嘔吐 などの報告があります。 これはシナールに含まれるビタミンCに下剤としての作用があることと、ビタミンB5が腸管も運動を活発にする作用を持つためだと考えられています。 ビタミンCもビタミンB5も水溶性ビタミンであるため、過剰に服薬しても尿中に排泄されるため過剰服薬によって重篤な副作用を生じることもまずありません。 ちなみに副作用ではないのですが、シナールを服用中の患者さんが注意することとして、「 尿検査において各種検査値が偽陰性になることがある」ことが挙げられます。 これはシナールに含まれるビタミンCの作用によるものです。 偽陰性というのは、本当は「異常あり」なのに、「異常なし」と検査結果が出てしまうことです。 具体的には尿糖を偽陰性にしてしまったり、尿試験紙法において潜血・ビリルビン・亜硝酸塩を偽陰性にしてしまう可能性があります。 また、便潜血検査も偽陰性にしてしまう可能性があります。 そのためシナールを服薬中の方が尿検査や便検査を受ける場合、事前に主治医に相談する必要があります。 5.シナールの用法・用量と剤形 シナールは、 シナール配合錠 シナール配合顆粒 1g の2剤形があります。 シナール配合錠の1錠と、シナール配合顆粒の1gが同等の成分になり、 ・アスコルビン酸(ビタミンC) 200mg ・パントテン酸(ビタミンB5) 3mg を含んでいます。 またシナールの用法・用量は次のようになります。 通常成人には1日1~3錠又は1~3gを1日1~3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 シナールは食品にも多く含まれるビタミンが主成分であり、その飲み方も厳密に決まってはおらず、ある程度幅を持たせた服薬法となっています。 6.シナールが向いている人は? 以上から考えて、シナールが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。 シナールの特徴をおさらいすると、 ・ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB5(パントテン酸)からなる ・肌の色素沈着を改善する作用がある ・コラーゲンの生成を促進し、組織を丈夫にする ・抗酸化作用によって細胞を保護し、免疫力・抵抗力を高める ・脂質・糖質の代謝を促進する作用がある ・腸管の動きを良くする作用がある ・副作用はほとんどなく、安全性に優れる というものがありました。 誤解してはいけないのが、シナールはそもそも食事から必要なビタミンを十分に摂取できている人には不要なお薬です。 十分なビタミンC・ビタミンB5が食事で補えているのに、「もっと肌をきれいにしたい!」「抗酸化作用で老化を防ぎたい!」と大量にシナールを服薬してもあまり意味はありません。 摂取された余分なビタミンC・B5は尿からそのまま排泄されてしまうだけです。 十分なビタミンC・B5が摂取できていなかったり、ビタミンの消耗が通常より激しいと予測されるような状態において、色素沈着を認めたり、コラーゲンが弱まっている所見があったり、免疫力が低下していたりという時は、シナールを使うことで改善が得られる可能性があります。 カテゴリー• 247•
次のシナール配合錠は塩野義製薬株式会社から1995年に製造販売され始めたビタミン剤です。 薬局やドラッグストアでは売られておらず、皮膚科で処方してもらい使用することができます。 主に皮膚科では、 シミや色素沈着、皮膚の炎症そしてニキビ跡に対して処方されます。 顆粒状のタイプと錠剤タイプの2種類がありますが、錠剤タイプの方がよく処方されます。 錠剤タイプのシナールの薬価は 1錠あたり6.20円となっています。 ここではシナール配合錠のニキビ、ニキビ跡への効果と副作用、飲み方についてお伝えしたいと思います。 またここだけの話ですがシナール配合錠と同じ効果を持つ市販薬があるのでそちらもご紹介したいと思います。 シナール配合錠のニキビへの効果について シナール配合錠がニキビに効果的とされるのは パントテン酸(ビタミンB5)、アスコルビン酸(ビタミンC)のふたつの有効成分が配合されているからとされます。 パントテン酸の効果 パントテン酸はビタミンB5の一種であり、体に摂取されることによって、皮膚の代謝を正常にする働きを持っています。 特に皮脂分泌が不足して乾燥している場合には皮脂の分泌を促し、皮脂が過剰に分泌されていれば、それを押さえおでこのニキビや鼻ニキビなどを予防する効果があるとされます。 またパントテン酸が不足してしまうと疲れやすくなり、そのサインとして肌荒れや口周り、顎周りのニキビができてしまうので、シナール配合錠を服用することで、それらのニキビを改善させる効果が得られます。 そしてシナール配合錠には1錠あたり、 パントテン酸が3mg含まれているとされます。 パントテン酸は1日男性は6mg、女性であれば5mgとされています。 またパントテン酸を含んだ食品として挙げられるのは レバー、卵黄、たらこ、納豆などに含まれます。 そしてこれらの食品をひとつでも200g食べれば6mgを摂取することは可能です。 ただし以上のように食品から毎日しっかりとパントテン酸を摂取するのは難しいとされるので補助的にシナール配合錠を服用することで1日の摂取目安量を下回ることはなくなります。 アスコルビン酸の効果 アスコルビン酸はビタミンCの一種で、肌に対しては3つの作用を持っています。 ひとつはメラニン色素の形成を阻害する作用を持っています。 この作用によりニキビ跡が色素沈着化するのを防ぐことができます。 また色素沈着だけでなく シミやそばかす、くすみに対しても効果があるとされます。 そしてふたつ目は高い抗酸化作用を持っています。 特に血中の活性酸素を取り除く働きを持っています。 水素水が活性酸素を除去すると大々的に取り上げられましたが、水素水でなくともアスコルビン酸で除去できてしまいます。 活性酸素は毛細血管を通して、皮膚の炎症を引き起こしてしまうため、シナール配合錠によって ニキビ跡の赤みを鎮静させる働きを持っています。 また活性酸素を除去することによって血流が促進されるようになり、肌のターンオーバーが活性化されるためニキビ跡を改善させる効果も持っています。 そして3つ目が腸内環境の改善です。 アスコルビン酸を摂取することによって血中の 善玉菌コレステロールを増やす働きがあり、老廃物の排出機能が向上します。 また大腸内の善玉菌のエサにもなるため腸内環境を整えることができます。 またパントテン酸を摂取することで副交感神経から アセチルコリンという物質の分泌を促すことで腸が活発になり、便秘解消にも効果的とされます。 これにより腸内環境の乱れによって起きやすい顎ニキビ、口周りのニキビを治すことが可能となります。 その他にもアスコルビン酸はコラーゲンの生成を促す働きを持っているため、皮膚の再生を促すことによってクレーターニキビも改善させることができます。 ちなみにシナール配合錠の1錠あたりに含まれるアスコルビン酸は200mgとされ、1日に必要とされる量が100mgなのでしっかりとシナール配合錠だけで補うことができます。 以上のようにシナール配合錠はニキビに対して効果が得られるとされます。 シナール配合錠のニキビへの効き目 シナール配合錠はニキビに対してどれくらいで効いてくるのかというと ・口周り、顎周りのぽつぽつニキビであれば 1~2週間ほどで効いていきます。 オイリー肌など肌質じたいも同時期に改善されていきます。 ・赤ニキビやニキビ跡の炎症の場合には 2~3週間ほどで改善されていきます。 ・そしてニキビ跡の場合には肌のターンオーバーが促される 約28日前後となります。 ・クレーターニキビの場合にはコラーゲンが生成されるのに 1~2ヶ月ほどかかります。 以上のようにシナール配合錠はニキビに対して効いていきます。 ただ白ニキビや黒ニキビなどの初期ニキビには効果がないので、市販の薬を塗って対応するようにしましょう。 シナール配合錠の副作用について シナール配合錠は医薬品なのですが、基本的に安全性が高い錠剤となっています。 基本的に食べ物に含まれる栄養素を摂取しているということになります。 またパントテン酸とアスコルビン酸はどちらも水溶性ビタミンなので過剰に摂取したとしても尿と一緒に排出されるため体に蓄積されることがないからなのです。 ただし全く副作用が起きないというわけではなく、稀にですが 下痢、軟便、胃部不快感、吐き気・嘔吐などの症状が起こる場合があるので注意してください。 もしこれらの症状が出た場合には数日は服用し続けてみて、それでも副作用が起こる場合には服用を控えるようにしましょう。 ただし副作用の報告例は非常に少なく、妊婦さんでも服用できるので心配はいらないでしょう。 シナール配合錠でニキビを治すための飲み方 ニキビ治療のためにシナール配合錠を服用する場合の飲み方についてです。 それでも何も効果がなければ服用は控えるようにしましょう。 以上がシナール配合錠のニキビへの飲み方となります。 症状によって飲み方は変わりますが1日1回1錠が基本的な飲み方となります。 シナール配合錠と同じ効き目の市販薬 シナール配合錠は市販されていないのですが同じ効き目のある市販薬があり、そちらを飲むことによって、シナール配合錠と同じ効果が得られます。 その市販薬というのは ハイチオールBです。 会社:小林製薬 値段:10日分で802円 成分:パントテン酸カルシウム(1日分で8mg)、アスコルビン酸(1日分で100mg)、ビタミンB2、B6 用法用量:1日2回朝と夜に2錠ずつ服用する ハイチオールBは元々、ニキビ、肌荒れ用の市販の飲み薬であり、シナール配合錠と同じ成分が配合されています。 またそれに加えてハイチオールBはビタミンB2、ビタミンB6も含まれています。 皮膚科を受診せずともハイチオールBを摂取することでシナール配合錠と同じ効果が得られます。 ニキビ以外にも 肌荒れやシミ、美白効果もあるので女性に大変人気があるので是非ためしみてください。 ただし原因がビタミン不足でない場合には効果がないとされます。 そのためまだ皮膚科を受診していないのであれば一度皮膚科を受診するのがよいでしょう。 ということでシナール配合錠のニキビへの効果と副作用、飲み方についてでした。
次のシミのために必要なビタミンC量 美肌のために推奨されているビタミンCの1日の摂取量は 1500mg ~ 2000mgです。 シナール錠は1錠200mgですので、美肌のために必要な1日量は10錠となります。 量が多くて驚かれる方も多いですが美肌のためには量が必要となります。 私が勤めていたクリニックでは厚生労働省によるビタミンCの安全な上限値である2000mgまでをすすめていました。 ビタミンCはシミを改善するだけではなく、体全体の活動にとっても必要な栄養素となります。 運動をすれば消費しますしストレスを感じればビタミンCは消費されます。 ビタミンCは体内で生命維持に必要な箇所から、優先的に消費されていきます。 そのため、大量に摂取しなければ肌にまでその効力がまわらないというわけです。 シナール錠を飲んでいるけれどいまいち効果がわからないという方はぜひ飲む量を見直してみて下さい。 忙しくてクリニックにいけない場合は市販のビタミンCを利用することもあります。 その場合もビタミンC含有量のチェックはしっかりおこないます。 ビタミンC タケダ ビタミンCはクリニック処方のシナール錠を飲むことが多いけど、小さい子供がいるとなかなか行けなくて切らすことも多いのでタケダのビタミンCも愛用。 第三類医薬品でAmazonで注文するとすぐに届くので助かる。 1日6錠でビタミンC2000mgです。 リプライセル 美容オタクの方に人気のビタミンC「リプライセル」も時々飲んでいます。 リプライセルはビタミンCを細胞と同じレベルのリン資質でできたリポソームに包んであるので確実にビタミンCを血中に取り込むことができると言われています。 人間はビタミンCを体内で合成できないですし、通常のビタミンCサプリメントは「水溶性」なのですぐに体外に排出されてしまい、体に貯蔵しておくことができません。 ですがこのリプライセルの技術ならほとんどが体内に吸収することができると言われています。 口コミを見ていても通常のビタミンCサプリメントよりも効果を実感できる方が多いようです。 こまめにサプリメントを摂取するのが難しいという方にもおすすめです。 ただし、こういった特殊技術の物は長期連用の安全性がわかりませんので、紫外線の強い時期やイベントがある前に集中して飲むようにしています。 ちなみに、リプライセルは美容クリニックでも取り扱っているところはありますが、という自然商品を販売する海外のオンラインショップが一番安く購入することができるので私はこちらを利用しています。 トラネキサム酸の肌への効果 トラネキサム酸は人口合成されたアミノ酸で日本では「トランサミン」などの商品名でも販売されています。 元々は止血剤のお薬で、美白効果があることがわかり最近ではシミの治療には欠かせない治療薬となりました。 トラネキサム酸の効果として有名なのは「肝斑(かんぱん)」というビタミンCの内服や従来のレーザー治療では消すことができなかったシミの種類にも効果があるということです。 シミのために必要なトラネキサム酸量 肝斑以外のシミ治療の場合1日の摂取量は 750㎎〜 肝斑治療では 750㎎以下ではあまり効果がなく、 1日1500mg服用することで効果が明らかになると言われていています。 ビタミンCと同様即効性はありませんので2〜3ヶ月以上飲まれて効果を実感するものとなります。 トラネキサム酸の副作用 やはり止血剤というお薬ということで副作用を気にされる方が多くみえます。 トラネキサム酸は基本的には副作用が少ない成分とされていますが、 止血用に用いられていた成分なので血栓症などで血栓ができやすい人は服用は控えるようにされています。 また、稀にですが食欲不振や吐き気を一時的に起こす人がいるようです。 同成分が配合されている一般薬としては「トランシーノ」という商品がでていますが、 心配な方は医師の診察の上処方してもらうのが一番かと思います。 ちなみに私の知り合いの女医さん(健康な方)は10年以上ずっと飲み続けているけれど特に副作用が出たことはないと言っていました。 本当に効果はあるの? 飲み続けて大丈夫なの? と心配される患者さんが多くいます。 内服療法はすぐに効果がでる治療ではないですし、肌は毎日みているとよけいに変化がわかりにくかったりします。 しかし、私自身10年以上の内服を続けてきて言えるのは 飲むのと飲まないのとでは効果は断然違います。 私は20代前半から内服療法(主にシナール錠(ビタミンC)と トラネキサム酸を服用)してきました。 まだ若かったので肌トラブルもなかったのですが、仕事柄なんとなく飲んだり飲まなかったりを繰り返しながら飲み続けてきました。 25歳まではほとんど効果はわかりませんでしたが、20代後半にさしかかった時に同年代の友人よりシミやくすみが少ないことに気がつきました。 そして30歳になったときには今の自分の肌は今までの内服療法のお陰だとはっきりと気づく事ができました。 肌診断機ではいつも肌年齢が実年齢よりマイナスに出ますし、友人から「シミ対策はなにをしているの?」とよく聞かれるようになったからです。 私の場合は長期の例ですし、他にも色々な治療を併用しているので純粋に内服の効果だけとは言えませんが、クリニックで内服療法のモニターをされていた患者さん達は 内服療法だけでシミやくすみ肌の改善等の効果がでていました。 効果の出方には個人差がありますが、肌のサイクルの事を考えるとシミへの効果が感じられるのは3ヶ月頃からになります。 ですので、3ヶ月以上は内服療法を続ける事が基本となります。 中には飲み続けていたら効果がわからなくなってきたという方もいますが、何かのきっかけで内服をやめるとその効果を実感できたりします。 私も妊娠・授乳と長期に渡って内服をやめた時は、内服の効果の大きさを実感しました。 また、内服を長く続ける事で他の体への影響を心配される方もいます。 長期の内服が心配な方や持病がある方は医師に相談しながら飲む期間を決めてシミ治療をされることをおすすめします。 レーザー治療の効果を高めてくれる シミ治療に来る患者さんの中には、レーザーを当てればシミはすぐに消えてなくなると思われている方が多くいます。 しかし、残念ながらシミはレーザーを照射しただけではキレイには消えないのです。 たとえ一時的にシミが消えたとしてもまた同じ箇所に再発したりなんてことがあるのです。 ですので、私が勤めていた美容クリニックではレーザー治療を行う場合も必ず飲み薬を併用してもらっていました。 レーザー治療の副作用を最小限に抑えるために先に内服治療を開始し、肌のコンディションを整えることも行っていました。 そして、レーザー治療が完了した後も再発防止のために内服治療だけはずっと続けてもらうようにしていました。 それくらいシミ治療にとって飲み薬は重要になるということです。 シナール・トラネキサム酸の効果が感じられない場合 胃腸が弱っている可能性 シナール・トラネキサム酸にかかわらずサプリメントなどの効果がいまいち実感できない場合は自分の体の吸収力が落ちている場合があります。 特に胃腸の調子が悪いとせっかく摂取した栄養素を効率よく吸収することができません。 そのような時は胃腸を休ませて胃腸の働きを回復させることが先になります。 胃腸を休ませる方法としては1週間の夕食断食という方法があります。 漢方薬剤師の方が書かれた「血流がすべて解決する」という本で胃腸がよみがえると書かれていたので私も実践してみたのですが、胃腸が休まるだけでなく体調も良くなるのがわかりました。 長期の断食は医師の指示のもとおこなう必要がありますが、夜だけプチ断食なら自分で調子を見ながらおこなうことができますので取り入れやすいかと思います。
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