「 私があなたに お送りします」「 私があなたを ご案内します」 「お送りしてください」は相手の行為に謙譲表現をつかっているので、誤りです。 「 あなたが お持ちしてください」「 あなたが ご用意してください」は誤りです。 「 あなたが お申し込みできます」「 あなたが ご利用できます」は誤りです。 正しくは「お申し込みになれます」「ご利用になれます」ですが、 「お申し込みいただけます」「ご利用いただけます」も許容されるでしょう。 「お」「ご」がつかない「呼んでいただく」「指導していただく」などは正しい謙譲表現です。 「いただく」が謙譲を表しますが、「呼んで」の部分には謙譲の意はありません。 その意味で、敬意のレベルがそれほど高くないと言えます。 「ご返送して」と言った時点で謙譲表現になります。 したがって両者のうち 「ご返送いただきたく存じます」 が正解です。 「願う」という行為の主語は自分です。 ここで問題にしているのは、お願いの内容の、つまり「~よう」の部分です。 「送ってくださる」「送ってくれる」…主語は相手です。 「送っていただく」「送ってもらう」…主語は自分です。 ただこれも文法的にはやはり正しい形ではないということは、前の回答に書いた通りです。
次の「いただく」と「頂く」の違い 「いただきたく存じます」と「頂きたく存じます」ひらがなと漢字、この違いについて解説いたします。 漢字で「頂く」と書くのは「飲む」や「食べる」など、動詞として使うときだけです。 例えば出されたコーヒーを飲むときは「コーヒーを頂く」という表現になります。 また、もしお中元などでコーヒーをもらったときは「コーヒーを戴いた」と漢字が変わりますのであわせて覚えておくと良いでしょう。 ひらがなで「いただく」と表現するときは、何かをしてもらうときやさせてもらうとき、補助動詞として活用する場合です。 例えば、今回のテーマである「いただきたく存じます」も「連絡 して欲しい」または「調査 させて欲しい」など、連絡や調査、様々な動詞につく補助動詞としての「いただく」というと表現なので、漢字ではなくひらがなを使います。 「いただきたく存じます」の使い方 この表現は、目上の人やお客様などに対して敬意を示すためにつかう尊敬語のため、同僚や後輩などには使いません。 例えば「調査を進めて欲しいと思います」と伝えたいときは「調査を進めていただきたく存じます」という表現を使います。 もし、「調査を進めさせてもらいますが良いですか?」とお伺いを立てるときは「調査を進めさせていただきたく存じますが、よろしいでしょうか?」という表現を使うと良いですね。 「~をしていただきたく。 」という表現 メールなどで「~をしていただきたく」という表現をする人がいますが、これは間違いです。 社内の独特なルールとして使う会社もありますが、敬語を使うべき相手に対して言葉を省略したメールを送信するのはとても失礼なことです。 社内ルールで決まっている会社などでは仕方ないケースもあるかもしれませんが、相手が社外の人の場合は正式な表現を使いましょう。 「させていただきたく存じます」という表現 「~させていただく」という表現に関しては、そのほとんどの場合は「~いたします」など他の表現を使った方が自然です。 ただし、明らかに相手の意に反する結果になってしまったときや、相手の同意や許可が必要なときは「~させていただく」を使っても間違いではありません。 例えば、「早退させていただいてもよろしいでしょうか?」は上司に許可を得るためなので正しい使い方です。 分かりやすくするために、一度「~させていただいてもよろしいでしょうか?」に置き換えてみましょう。 この場合は、「ご返信いたします」という表現が妥当です。 「~させていただく」という表現が多いと、へりくだった表現のつもりが逆に失礼に思われ、クドくなることもあるので注意してください。 「いただきたく存じます」の類義語や言い換え 次に、「いただきたく存じます」の類義語をいくつかご紹介します。 これは何かをして欲しいとお願いするための表現なので、.
次の「いただく」と「頂く」の表記の違いについてご存知でしょうか。 ひらがなと漢字の表記で意味も使われ方も異なります。 漢字の「頂く」は「 物を もらう」という動詞として用いられます。 一方、ひらがなの「いただく」は「〜させてほしい」という意味の補助動詞として使われます。 補助動詞はひらがな表記すると文科省でルールとして決められていますので、動詞「 物を もらう」として用いる場合は漢字「頂く」、補助動詞として用いる場合はひらがなの「いただく」と表記します。 なので、「いただきたく存じます」は「〜してほしいと思います」ですが、漢字で「頂きたく存じます」としてしまうと「 物を もらいたいと思います」となってしまい、意味が変わってしまいますので、漢字とひらがな表記の違いをしっかり把握しておきましょう。 敬語について簡単に復習しよう! 敬語は大きく分けて3つの種類に分類することができます。 「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つです。 「尊敬語」は相手を敬う表現で、目上の方の行動を表す際に用いられる敬語です。 一方、「謙譲語」は自分を下に置くことによって間接的に相手を高めた表現で、主に自分 身内 の行動を目上の人に向かって言う場合に用いられます。 「丁寧語」は文末に「です・ます」が付いた表現のものです。 上述しましたが、本題の「させていただきたく存じます」は謙譲語の表現です。 なので、自分や身内の行動について目上の人に向かって述べたい場合に使われます。 二重敬語とは? 敬語のルールとして、二重敬語は誤った表現になりますのでご注意ください。 二重敬語とは、その名前のとおりですが、同じ敬語の種類が二重に重なって表現したものになります。 たとえば、「お越しになられる」や「ご覧になられる」は二重敬語なので誤った敬語表現です。 「お ご 〜なる」で尊敬語の表現ができているのに、「なる」の部分をさらに尊敬語の「なられる」と表現してしまっています。 「なる」の部分が二重に尊敬語の表現をしているので「お越しになられる」や「ご覧になられる」は二重敬語になり、これは誤った表現になります。 ただし、中には習慣として広く定着しているものもあり、「お伺いする」や「お見えになる」など、これらに関しては二重敬語でも使って良いとされています。 詳しくは以下のリンクをご参照ください。 前述で「二重敬語は誤った敬語」だと説明しましたが、「させていただきたく存じます」は二重敬語でしょうか。 答えはNOです。 「させていただきたく存じます」は前述したように「させていただく」と「存じます」の2つの謙譲語を用いた表現なので、一見すると二重敬語のようにも見えます。 ですが、これは二重敬語ではありません。 「させていただきたく存じます」は「させていただきたい」と「存じます」の2つの謙譲語が連結した表現です。 「ご覧になられる」のような、「なる」の部分で二重に尊敬語が重なってるわけではないので、「させていただきたく存じます」は二重敬語ではなく、正しい敬語の表現をしています。 丁寧語だと「させてほしいと思います」! 「させていただきたく存じます」は謙譲語での表現ですが、もしこれを丁寧語を使って表現するなら「~させてほしいと思います」でOKです。 詳しくは後述しますが、これは目下の人に向けて述べる際に使われる表現です。 「させていただきたく存じます」の使い方 「させていただきたく存じます」の使い方について詳しくご説明します。 誰に向けて、どの言葉を発したらいいのかをご説明しますので、しっかり理解して正しい敬語が使えるようになりましょう。 目上の方にしか使えない! まず、「させていただきたく存じます」は目上の人にしか使えません。 敬語の種類について説明した際にも言いましたが、謙譲語は目上の人に向かって述べる際に使われます。 目下の人に対してはへりくだる必要がないので、目下の人に向かって謙譲語で述べるようなことはしないでください。 ですので、上司や先輩、取引先企業やお客さまなど、自分より立場や年齢などが上の人に対して「~させてほしいと思う」と言いたい場合、謙譲語の「させていただきたく存じます」を用いて表現しましょう。 目下の人には丁寧語で! 目上の人には謙譲語の「させていただきたく存じます」で表現しますが、目下の人には謙譲語が使えません。 尊敬語も目上の人の行動を表す敬語なので、尊敬語も目下の人には使えません。 ですので、目下の人に向けて発言する際には丁寧語を用います。 丁寧語にすると「させてほしいと思います」になるので、部下や後輩などの目下の人に対してだけでなく、同僚のように自分と同じ立場の人に対しても、「訪問させてほしいと思います」「お電話させてほしいと思います」などと丁寧語を用いた表現をしましょう。 メールでも基本的な使い方は同じで、目上の方に向けての言葉だったら「させていただきたく存じます」、目下 もしくは同等 の人に向けての言葉だったら「させてほしいと思います」です。 ただ、「~させてほしい」ということを述べる内容のものなので、メール その内容 を受け取る相手がいます。 つまり、相手の都合もあります。 特にビジネスにおいては相手に一方的な言い方をするのではなく、相手の了承を得るような丁寧な言い方を心がける必要があります。 「~が」になると相手に了承を求める表現! 「させていただきたく存じますが、~」という表現になると、相手に了承を求める言い方になります。 「~させてほしいと思うんですが、よろしいでしょうか。 ご都合は大丈夫ですか」といった感じです。 簡単に言うと「そっちに行くから家にいてね」と一方的な表現になっています。 元々約束をしていて、その約束の確認のために「~ので」と述べるのは何ら問題はありませんが、相手の都合を一切無視した「させていただきたく存じますので、~」という表現はできるだけ避けましょう。 より丁寧な表現を目指すなら、前述した「させていただきたく存じますが、~」の方が相手の都合に合わせてる印象があるので、そちらの方が丁寧に感じます。 「させていただきたく存じます」の例文! 「させていただきたく存じます」とは、直訳すると「~をさせてほしいと思います」です。 これをもっと噛み砕いた表現にすると「~させてほしい」「~するよ」になります。 ですので、「させていただきたく存じます」は「~するよ」「~するからね」といった内容の敬語を使えば言い換えることができます。 これは「~いたします」でOKです。 また、前述したように、「させていただきたく存じますが、~」や「させていただきたく存じますので、~」なども相手に都合・了承を求める内容などの場合は、「~いたしますが、よろしいでしょうか」「~の予定ですので、何卒よろしくお願いいたします」などと言い換えることができます。 このように、「させていただきたく存じます」は「いたします」や「~が、よろしいでしょうか」、「~ので、よろしくお願いいたします」などと表現することが可能です。 正しい敬語と使い分けを! 「させていただきたく存じます」は目上の方に対して使われる言葉で、「~させてほしいと思います」という意味です。 これは謙譲語を用いた表現で、敬語として正しい表現をしています。 この「させていただきたく存じます」は目上の方に向けて使える言葉ですが、もし目下 同等 の人に対して言いたい場合には、丁寧語で表現しましょう。 目下の人に対してはへりくだる必要はありません。 目上の人には「させていただきたく存じます」を、目下の人には「~させてほしいと思います」を使うんだということを押さえておけばOKです。 正しい敬語が使える人は相手からの印象が良くなります。 周囲の印象が良くなると、仕事をする上で好循環が生まれ、円滑に仕事も人付き合いも上手く回るようになりますので、ぜひとも正しい敬語と使い分けができるようにしておきましょう。
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