インフォ デミックス。 新型コロナウイルスによって生じる「インフォデミック」とは?

新型コロナウイルスによる医院経営問題

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(作家・ジャーナリスト) 林信吾の「西方見聞録」 【まとめ】 ・「皆がネットで書いている」と信じる人は「ビリギャル」笑えず。 ・致死率低い「生物兵器」を作る暇人はいない。 ・政府筋情報は鵜呑みせず。 パンデミックとインフォデミックは人災。 先日たまたま 『ビリギャル』という映画を観たのだが、実に面白かった。 原作がベストセラーになったので、ご存じの向きも少なくないと思うが、偏差値37だかの学年ビリの女子高生が、学校が見放したような生徒を見捨てない、というポリシーを掲げる塾の先生と二人三脚で勉強し、慶応義塾大学の入試を突破するまでの物語だ。 その、勉強を始めたばかりの時に、有村架純演じるヒロイン(役名・さやか)が、英文読解の問題で、まずもって質問の意味が分からない、と言い出す。 「サンタクロースは本当にいると思うのか、ってことでしょ?」 これを聞いた伊藤淳史演じる塾の先生が、怪訝そうに問い返す。 「君は、サンタクロースが本当にいると思ってるのか」 「だってTVに出てるじゃん」 これを聞いた先生、一瞬、毒気を抜かれた表情になるのだが、すぐに昭和世代には懐かしい<スペシウム光線>のポーズをとりつつ、こう切り返す。 「ウルトラマンも、TVに出てるよね」 次の瞬間、さやか嬢の嬌声が教室に響き渡る。 「え、うっそー、まさかのそっち系?! 」 私も一瞬、状況を理解することができず、一呼吸おいてから爆笑した。 ……唐突になにを言い出すのか、と思われたかも知れないが、実はこれ、林信吾流 「罪なき者、石もてこの女を打て」 という話なのである。 前回、インフォデミックについて紹介させていただいたが、 「みんながネットで書いてることだから、本当だ」 と簡単に信じ込んでしまう人たちには、この女の子を嘲笑する資格はない、と私は思う。 NHKの特集番組でも取り上げていたが、今年2月に 「新型コロナウイルスは生物兵器である」 という話が広まり、ネットがたちまち沸騰した。 ここで「炎上」と書かないのは、そんなバカな、という批判的な声が存外少なく、結構みんな真に受けていたように思われるからである。 同じ頃、感染による死者数などのデータが公表されたが、武漢においては、 「65歳以上の人が感染した場合の致死率は70パーセント以上」 「心臓や呼吸器系に持病があった人が感染した場合、致死率は85パーセント」 であるものの、世界レベルでは致死率2パーセント台にとどまっている上に、若年層は感染率・致死率ともにかなり低いことが明らかとなった。 「若くて健康な人であれば、たとえ感染してもそう簡単には死なない」 のであって、どこの暇人がそんな「兵器」の開発に血道をあげるというのだろうか。 これはおそらく、デマではなく単に 「ビリギャル的誤解」ではあるまいか。 このような情報が誤解されたまま拡散したのかも知れないが、いずれにしても不確実で、あくまでも私見であると明記しておくが、 「中国の市場では、野生のコウモリや野ネズミが、そのまま食材として売られているので、それが感染源だ」 という説の方が説得力があるように思う。 かねて中国の食文化について、 「四本足で食べないものは机だけ。 飛ぶもので食べないものは飛行機だけ」 などと言われてきたし、有名な『美味しんぼ』という漫画(雁屋哲・原作 花咲アキラ・画 小学館)でも、その「食に対する情熱」が幾度となく賞賛されていたが、世界中の観光地で中国人の姿を見かけないことはない、という昨今であれば猶更のこと、衛生管理にも少しは情熱を傾けてほしいものだ。 一方では、こんな問題もある。 新型コロナウイルスが、もっぱら中国人の観光客や移民労働者によってもたらされた、という話が広まったため、各地でアジア系住民に対する排斥の動きがあり、とりわけ歴史的にこの問題が深刻な米国西海岸では、当のアジア系住民を中心に銃の売り上げが伸びているという。 彼らの心配が杞憂に終わることを願うしかない。 3月に入ってから、ヨーロッパでの感染拡大が相次いで伝えられ、特にイタリアの深刻さが報じられている。 3月20日段階で、死者4000人を超えたとか。 これについても、中国人の移民労働者が多いからだ、という言説が拡散した。 米国西海岸やブラジルの方が、中国系移民の密度ははるかに高いのだが、どうしてイタリア以上に深刻な事態とならないのだろうか。 この理由は割合簡単で、イタリアは10年来の経済危機で医療機関の閉鎖が相次ぎ、残った病院でも人手不足が深刻で、つまりは医療崩壊の状態にあった。 最近ようやく回復の兆しが見えてきたと伝えられていたが、その出鼻をくじかれたというか、最悪のタイミングでパンデミックに巻き込まれてしまったのである。 この点わが国は、中韓からの渡航制限など、初動の対策では後れをとったものの、医療機関がまだまだ(少なくともイタリアやスペインとの比較で言えば)しっかりしていたため、感染率は世界17位にとどまった。 しかしながら、致死率は世界5位で韓国より高い。 現状の検査では発見率が70パーセントにとどまると前回述べたが、 検査率と検査能力の差が致死率の差に直結していることもまた事実なのだ。 総じて言えることは、 「日本政府の対応がきちんとしているから、未だ非常事態宣言にも至らないで済んでいる」 という政府筋からの情報は、鵜呑みにしないほうがよい。 すでに本誌でも清谷信一氏が、厚生労働省などの記者クラブは「報道機関ではなく広報機関」だとする記事を書いているが、確かにその通りで、マスコミが権力を監視する機能を自ら放棄したに等しい有様だから、新聞などよりネット情報の方が信用できる、と信じ込む人が増えたのである。 自分で調べ考えたことを書かない彼らもまた「ビリギャル」のことを嗤う資格などない。 今次のパンデミック、そしてインフォデミックは明らかに人災だと私は考える。 (3に続く。 1) トップ画像:新型コロナウイルスに関しネット上で流言飛語も飛び交う。 画像は医療関係者が「パニックを起こすな」と呼びかけるイメージ画像(2020年3月19日撮影)出典:.

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新型コロナで“インフォデミック”が現実化、8割以上が「ニュースは誰かに伝える」【LINEリサーチ調べ】

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インターネットの普及で、私たちはリアルな繋がりの情報だけでなく、Web上に掲載された情報を見ることが出来ます。 Web上に掲載された情報は、誰でも簡単に見ることが出来るという面で、人間の情報取得方法の画期的な変化であったと言えます。 その後、SNSが発達し、情報の発信のハードルは更に下がります。 誰でも簡単に自らの想いや発見を世界中に発信することが出来るようになったのです。 そのような環境下で起きた新しいリスク「インフォデミック」について、今回はご紹介します。 インフォデミックとは インフォデミックとは インフォメーション(情報)と エピデミック(流行性、伝染)を掛け合わせた造語です。 インフォデミックは、情報の伝染と訳すことができ、大量の情報が溢れ、混乱が生じる現象を指します。 実はインフォデミックという表現は、2003年に流行したSARSが流行した際に、一部で活用された言葉です。 感染症の流行や自然災害の発生時に、正しい情報も不確かな情報も大量にWeb上を行き交うことで、私たちは正しい情報を得にくい状況が生まれてしまいます。 その結果、不安や恐怖心が増幅され、さらなる拡散に繋がるような一種の混乱状態をインフォデミックと説明します。 WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスに関する2月2日のレポートで、 「新型コロナウイルス(COVID-19)の発生には、正確な情報とそうでない情報がネット上にあふれるインフォデミックが伴った」と述べています。 実際に英文で、WHOがmyth(作り話等を意味する)を信じないようにと情報発信を行っています。 (WHO) 今回の新型コロナウイルスに関する「お湯がウイルスを死滅させる」「トイレットペーパーがなくなる」などの不確かな情報をSNSやメディアで目にした人も多いと思います。 まさに、そのような情報の大流行がインフォデミックです。 なぜインフォデミックが生じているのか インフォデミックが今生じている大きな理由は、複数あります。 約100年前、大きな被害が発生した関東大震災後にもデマ(不確かな情報)が拡散されました。 関東大震災後の多くの人々が家を失い、混乱が生じている状況で、「朝鮮人が襲ってくる」という不確かな情報が拡散し、それらを知った民間人は、武装し、朝鮮人や朝鮮人と間違われた人々を殺害してしまう事件が起きてしまったのです。 当時は、現代以上に正しい情報の取得が難しい中で、不安や恐怖心から混乱状態となり、そのような痛ましい行動に繋がったと考えられます。 しかし、今回の新型コロナウイルスという不安や恐怖が生じる状況下でも同様です。 つまり、未曾有の状況を前にすると、人間の習性上、不確かな情報の拡散の可能性が高まると言えます そのような状況に輪をかけるように今回インフォデミックが発生しているのは、テクノロジーの進歩も大きく関係しています。 情報は、リアルなコミュニケーションや手紙、マスメディアを通じて伝えることが出来ましたが、近年のWeb(とりわけSNS)の普及で、誰でも簡単に情報を発信することが出来る。 誰でも簡単に情報にアクセスすることが出来ます。 総務省「平成29年度版情報通信白書」によると、世界のデータトラフィック量は10年で6倍以上増大が予測されています。 世界のトラヒックの状況についてみると、米Ciscoによれば2015年から2020年にかけて年平均成長率22%(5年間で約2. 7倍)でさらに増加していくことが予想されている。 2020年には1か月あたり194エクサバイト(EB)、年間にすると2. 3ゼタバイト(ZB)に達する。 特に、モバイルデータは年平均成長率53%(5年間で約7. 8倍)で増加し、全体の伸びを牽引していくことが予想される。 引用: デジタル化が進んだことで、「情報を生み出しやすくなっている」、「情報が一度に不特定多数へ拡散出来る環境が整っている」、「情報を容易に複製することが出来る」という要素が今までにないインフォデミックに繋がっていると言えます。 新型コロナウイルスにおけるインフォデミックの例 実際には、どのようなインフォデミックが発生しているのでしょうか。 今回の新型コロナウイルス感染拡大期における特徴的なインフォデミックの例を紹介します。 海外の新型コロナウイルスに関する情報の拡散 新型コロナウイルスは、日本だけで起きているものではありません。 世界で発生しており、世界中の医療チームが研究にあたっており、情報発信がなされています。 例えば、SNS上では現在、「緑茶が新型コロナウイルスの予防に効果的」という内容の情報が拡散されています。 そこには、インドの研究チームの論文などが掲載されているのですが、論文は英語です。 自らが1次情報を確かめることなく、1次情報が添付されているので確かな情報だろうという考え、拡散が生じている可能性もあります。 仮に、「緑茶が新型コロナウイルスの予防に効果的」であったとしても、前提条件などの様々な情報が抜け落ちて、一部だけが和訳されて、SNS上で拡散しているとも言えます。 もちろん、1次情報を確認した上で、拡散を行うケースもありますが、確認せずに軽い気持ちで拡散をしてしまうケースもあると考えられます。 先程も紹介したように、WHOも今回の新型コロナウイルス下でのインフォデミックの発生には警鐘を鳴らしており、対策を講じています。 公式HPを始め、TwitterやInstagram、Weibo(中国版Twitter)といったSNSアカウントを通じてWHOの持つ正確な情報を積極的に発信しています。 日本語版の特設ページも作成されています。 職場での対策方法など、グラフィックを活用して、分かりやすく情報発信を行っています。 (Yahoo! ニュース) 実際に公式機関の発信は非常に大きな影響力を持ち、Twitter上の情報拡散も急激に広がりました。 公式機関のSNSアカウントの中の人は、自らの情報発信の意味をしっかりと考え、発信内容を精査する必要があります。 まとめ SNSは情報を瞬時にシェアすることができるメリットがある一方で、不安や心配も瞬時に広がる側面も持っています。 新型コロナウイルスという見えない敵への不安や恐怖がある現在では、その側面はより強くなってきています。 お互いの不安を分かち合うこともできるのはSNSの魅力のひとつですが、自分の不安な思いに都合のいい情報だけを無意識に選んでしまっている可能性もあります。 誰もが発信者として情報をシェアできる時代だからこそ、事実(ファクト)を見極める重要性は高まってきています。 インフォデミックが起きている状況はもちろんですが、平時でもあっても、膨大な情報に踊らされず、信頼できる機関やメディアを自分の考えで選び、チェックしていくことが正しい情報をつかむための第一歩といえるでしょう。 見えない脅威だからこそ、見えるファクトを通じて自分自身の身を守ることが大切です。

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新型コロナウイルスによって生じる「インフォデミック」とは?

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新型コロナウイルスが世界全体に拡散している。 WHO(国際保健機構)は3月11日に、ついにパンデミックを表明した。 世界の政治・経済・社会が大混乱に陥っている。 2020東京オリンピック・パラリンピックの延期も決定した。 そんなある日、ある新聞の女子高校生の投稿に目が引かれた。 家のトイレットペーパーがなくなりそうになり、母親に頼まれて近くのスーパーに行った時の経験だった。 一袋だけ残っていたトイレットペーパーを手に取ろうとした時、向かいから猛ダッシュで来た中年の女性にその最後の袋を持っていかれた。 女性はうれしそうに友人のところへ行き、トイレットペーパーを手にしたことを自慢した。 その瞬間、とても悲しく、情けなく感じてしまった。 彼女は、元はといえば「トイレットペーパーが品薄になる」という噂がネット上で流れ、この一言から世の中が変わったと記載している。 わずかな人物から始まり、SNSなどで情報が恐怖心となって伝染し、人の在り方をも変えてしまった。 それは、世界中に感染が広がった新型コロナウイルスと同じくらい怖いと感じたと結んでいる。 SNSなど「インフォデミック(infodemic)(情報伝染)」が加速している。 インフォメーション(情報)とエピデミック(流行)を組み合わせた言葉で、根拠のない情報を大量に広範囲に拡散することで混乱が生じることだ。 新型コロナウイルス以上の速さでインフォデミックも広がっている。 SNSやインターネットは、多くの情報発信とその情報をもとに正しい判断を導く手段となる一方で、意図的なデマ拡散の格好のツールとなる。 今回の感染症も中国の生物兵器、ワクチンは開発されていて製薬会社の商売目的、米軍の陰謀説などさまざまな情報がまことしやかに流れ、社会に混乱を引き起こしている。 身近なところでも、前述のように、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどが、各地の店頭で品切れとなり長い行列をつくったのがその典型である。 フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグ氏は、国も武器も持たない新勢力が台頭し、既存勢力に衝撃を与えていると主張している。 SNSを使う人々を行政、立法、司法、既存媒体の次の「フィフス・エステート(第5勢力)」と呼び、好意的にとらえている。 しかし、本当にそうだろうか。 おそらく長期戦になるのは避けられないだろう。 だからこそ、溢れんばかりの情報の中から、背景・根拠、発信源など真偽を見定めるための自分なりの基準を持ち、取捨選択していくことが極めて重要である。 また、政府には、国民のさまざまな複合的な不安に応えるための、データに基づいた公正な知見を積極的に公開し、その分析と国民へのわかりやすく丁寧な説明が求められている。

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