胸の前で肋骨(一般的に「あばら骨」と呼ばれる)が重なっていますが、その下の骨がない部分のことを指します。 ちょうどその場所には胃や膵臓が位置しています。 よく「みぞおちを殴られると痛い」といわれますが、これはみぞおちの奥に多数の交感神経が通っており、痛みに敏感なためです。 みぞおちには、主要な臓器が位置し、多数の交感神経も通っているにもかかわらず、骨に覆われていません。 そのため、体の不調が出やすい場所なのです。 日常的なものから深刻な病気まで!痛みの原因 みぞおちの痛みの原因は、日常的なものから深刻な病気までさまざまです。 パーツ別に、考えられる原因をご紹介します。 心臓の病気 心筋梗塞 「みぞおちが痛い」というと、胃腸や膵臓が不調なのだと思われがちですが、実は心筋梗塞の疑いもあるんです。 心筋梗塞は一般的に肥満傾向にある中年男性が患うといわれていましたが、女性が患う可能性も十分にあります。 みぞおちに圧迫感のある痛みを感じたり、冷や汗、吐き気があるときは、すぐに受診しましょう。 胃の病気 食あたり 腐った食べ物を食べてしまったときや、海外の水・井戸水が体に合わなかったときに、胃やみぞおちに激しい痛みを感じたり、下痢や吐き気をもよおしたりします。 急性胃炎 みぞおちがキリキリと痛む場合は急性胃炎の可能性があります。 食中毒やウイルス、ストレスによって胃の粘膜がただれてしまうことが原因です。 逆流性食道炎 みぞおちが痛むだけでなく、胸やけや吐き気もするのであれば、逆流性胃腸炎の可能性が高いです。 胃の中の食べ物を消化して、それを腸に運ぶ機能が低下し、胃の中にいつまでも食べ物が残ってしまうため、胃もたれを起こしてしまいます。 また、症状が幅広いのも逆流性食道炎の特徴です。 胃酸が過剰に分泌されるのが原因で、咳が出たり、耳が痛くなるのもこの病気の症状です。 腸の病気 十二指腸潰瘍 空腹時に特に痛んだり、みぞおちから右わき腹にかけて痛みがあったりする場合は、十二指腸の可能性が高いです。 潰瘍が深くなると、膵臓を突き抜けて、痛みが背中に達します。 みぞおちだけでなく背中にも痛みを感じたら、病状がかなり悪化している証拠です。 急いで病院に行きましょう。 盲腸 我慢できないほどおなかが痛くなり、手術すれば治る病気として、知っている方も多いですよね。 そんな盲腸の初期症状にも、みぞおちの痛みといった症状が見られます。 胆石というと、中年男性に多いイメージがありますが、30代以降の女性にもよくみられる病気なので注意が必要です。 膵臓の病気 膵臓がん 肝臓と同じく「沈黙の臓器」とよばれる膵臓は、その呼び名の通り、さまざまな臓器に囲まれていて症状が出ても分かりにくいです。 そのため、膵臓がんを患っても発見が遅れる場合が多いです。 初期の症状は特になく、進行してくるとみぞおちの痛みや違和感、体重の減少が生じてきます。 膵炎 この病気を患う人は年々増えており、女性に多いのも特徴です。 この病気はお酒の飲みすぎが主な原因です。 激しいみぞおちの痛みを伴います。 膵炎によるみぞおちの激しい痛みは、おへそまで及んだり、背中まで突き抜ける場合があり、咳や急な動き、深呼吸さえも耐えられないほどになってしまいます。 どれも劇的なものではないため、我慢してしまい、気が付いたころには進行してしまっている、というケースが多いです。 たばこを止めるなど生活習慣の改善や定期的な健康診断が一番効果的でしょう。 自律神経の乱れ 過度な精神的ストレスだけでなく、夏はエアコン、冬は暖房による過度な温度差も自律神経の乱れを引き起こす原因になります。 また、昼夜逆転した生活や、乱れた食生活など、不規則な生活習慣も自律神経の乱れを引き起こします。 自律神経は胃や十二指腸をコントロールしているため、胃酸の過剰分泌によって胃や十二指腸の粘膜が傷つき、みぞおちが痛むことがあります。 キリキリとした痛みがある場合は、この原因を疑う必要がありそうです。 みぞおちの痛みには注意が必要です みぞおちはさまざまなパーツに通じる場所です。 日常的な痛みの原因から、もちろん深刻な病気の可能性もあります。 「なんとなくみぞおちが痛いな」と感じている方で、放置してしまっている方も意外と多いのではないでしょうか? 病院を受診する際には「いつから」「どの辺が」「どのように」「どれくらい」痛いのか、正確に説明できるようにしておきましょう。 先延ばしにせず、早めに病院を受診しましょう。
次の動くと胃が痛い原因とは 動くと胃が痛い原因と一口に言っても、様々な疾患があります。 まずは、動くと胃が痛いといった症状が出る中でも緊急性の高い疾患からご紹介していきます。 自分の症状が当てはまるという場合は、救急外来を受診する事をお勧めします。 一般的に「 盲腸」という俗称で呼ばれています。 虫垂炎の症状• みぞおちの激しい痛み• 時間が経つと右下腹部に痛みが移動してくる• 吐き気、嘔吐• 食欲不振• 下記は虫垂炎の特徴です。 当てはまらないかチェックしましょう。 ジャンプして着地したときなどの 衝撃・振動で痛みが響く• 右下腹部を押してパッと手を放すと、押さえていた時より強い痛みが出る( 反跳痛)• 下痢を伴わない(感染性胃腸炎などとの区別) 虫垂炎は時間経過と共に悪化します。 24時間を経過すると虫垂破裂の可能性が生じます。 虫垂が破裂すると腹膜炎を併発。 高熱と激痛を伴い、命の危険にさらされることもあります。 一度できると生涯そこに残ります。 多くの場合は無症状である為、治療の必要はありません。 憩室炎とは 憩室炎(けいしつえん)は、憩室内部に細菌が繁殖して起こる炎症を指します。 憩室炎の多くは大腸憩室に便のつまりなどが生じて起こる大腸憩室炎です。 大腸憩室炎の症状• 胃から腸にかけての痛み• 圧痛(お腹を押すと痛む、特に右下腹部である事が多い)• 反跳痛• お腹の張り(膨満感)• 重症化していない健康成人であれば、通常は外来治療で治癒できます。 早め早めの受診を心がけましょう。 憩室炎が進行すると穿孔(せんこう(穴が開くこと))、穿孔性腹膜炎を発症する場合もあります。 (緊急性が高くない=病院に行かなくても大丈夫という意味ではないのでご注意を!) 急性胃炎 病院から今戻る。 急性胃炎でダウン。 辛いでござる。 イテテテ、イテッ。 動くとお腹全体が痛い。 — cawamichan cawaichan 様々な原因から胃の粘膜が炎症を起こし、突然キリキリと痛みます。 急性胃炎を繰り返していると慢性胃炎になってしまいますので、胃炎の根本原因から取り除く事が大切です。 胃・十二指腸潰瘍 胃潰瘍は食後に、十二指腸潰瘍は空腹時に特に胃が痛むという特徴があります。 衝撃が響くと言う痛み方ではありませんが、症状が重い場合は歩くのも辛い状態に。 よくあるのが、胃カメラを飲むのが怖くて病院へ行くことを躊躇ってしまい重症化するケース。 痛みが続く場合は、無理せず早めに医療機関にかかり、適切な診断・治療を受けましょう。 スポンサーリンク こんな痛み方はすぐ病院へ! ここまで、動くと胃が痛いといった症状が出る主な疾患をご紹介しました。 ここからは「危険な痛み方」の特徴と、その代表的な疾患をご紹介します。 こんな痛み方をした場合は、速やかに医療機関へかかる事をお勧めします。 歩いたり、振動が加わるとお腹の痛みに響く 腹膜炎 この症状で一番怖いのが 腹膜炎です。 腹膜炎は他の消化器がなんらかの病気にかかったときに 合併症として起こる病気で、虫垂炎や憩室炎などの重症化によっても併発します。 お腹の激痛を伴い、振動が痛みに響く他、下記のような症状が出ます。 発熱(高熱)• 悪心(みぞおちや胸の不快感)• 浅い呼吸 何の前触れもなく強く痛む 狭心症・心筋梗塞 突然胃が強く痛んだ場合、胃の病気ではない場合があります。 これは痛みの原因となる内臓と胃が近い為、脳が胃の異常と誤認して起こります。 よくあるケースが 狭心症や心筋梗塞よる胃の痛みです。 これには下記のような特徴があります。 みぞおちや胸が締め付けられるように痛む• 胸が重苦しい• 背中や左腕が痛い なお、 痛みの強さと重症度は比例しません。 狭心症の場合、安静にしていると発作が5~15分くらいで治まるため、安心してしまい見逃す事があるので注意が必要です。 激痛 胆石症による疝痛(せんつう) 胆石が胆管を塞ぐと激痛が走ります。 これを「疝痛発作」といいます。 食後に症状が出る事が多く、結石の大きさによってはのたうち回るほどの痛みを感じる場合も。 急性膵炎 膵臓は食べ物を消化・分解する酵素を作り出しています。 急性膵炎は、 活性化された膵酵素により膵臓自体が消化され、膵臓や周囲の主要な臓器に炎症と障害を引き起こします。 仰向けに寝るように動くと胃が痛い事が多く、膝を抱えて背中を丸めることで痛みがやわらぐのが特徴です。 痛みが何時間も治まらない(持続痛) 痛みが 6時間以上続く腹痛は、手術が必要な疾患である場合が多いです。 冒頭でご説明した虫垂炎や憩室炎も対処が遅れれば手術が必要になる可能性があります。 他にも腸閉塞(イレウス)などみぞおちに持続痛の症状が見られる危険な病気は沢山あります。 3時間以上、強い痛みが続くようであれば医療機関にかかる事をお勧めします。 いつもの腹痛と痛み方が明らかに違う 子宮内膜症 子宮内膜症は、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜が、骨盤の腹膜や卵巣などの中に入り込んでいる状態です。 胃痛と婦人科系疾患との関係は見過ごされがちですが、子宮内膜症によって胃に癒着が起こると、胃痛を伴う場合があります。 子宮収縮と連動して痛むため、 生理が始まると胃の痛みが激しくなるようなら、子宮内膜症を疑ってみて下さい。 妊娠 ハッピーな胃痛も! 胃が痛いと思ったら妊娠だったwwww — Meゐ riorioru 今朝5時頃胃が痛くて目が覚めた。 十数年前急に胃痛に襲われ、穴があいたかもと思ってたら実は妊娠だった。 そして娘誕生。 しばらくしてまた胃痛に襲われ、また穴があいたかもと思ったら今度は息子誕生。 ってなわけで胃痛には注意ってことですよ!今回は絶対に違うけど、って朝から何言ってんだ、私。 — ikemisa ikemisaranger スポンサーリンク 便秘は万病の元?怖い腹痛疾患にならない為に 虫垂炎を防ぐには 虫垂炎の原因は様々なものがあります。 細菌、ウイルス感染• 暴飲暴食• ストレス• 過労 こうして見ると、生活習慣を改善する事は虫垂炎予防に大変有効であると言えますね。 中でも 便秘の予防は虫垂炎の予防に直結します。 便秘により出来た、糞石(ふんせき)という便が化石化したもので、虫垂の入口が塞がれて虫垂炎になるケースが多く見受けられるからです。 憩室炎を防ぐには 憩室炎は再発しやすい病気でもあります。 一度出来た憩室は生涯なくならない上に、年を重ねるごとに増えていくからです。 大腸憩室炎は便の詰まりが原因で起こる事が多いため、 便秘の予防が大切になります。 便秘の人は、元々排便の際にいきんで腹圧が上がるので憩室が出来やすい傾向にあります。 まとめ 動くと胃が痛いという症の中でも、特に振動や衝撃が痛みに響くような場合は注意が必要です。 他にもすぐに医療機関にかかった方が良い痛み方をいくつかご紹介しましたが、もちろん当てはまらないからと言って安心して良い訳ではありません。 痛みがあるのであれば何かしらの原因がある事は間違いありません。 たかが胃痛と思わず、少しでも不安に思う事があればきちんと医師に相談して下さいね。
次の2 お腹が痛い、お腹が張る、などは誰もがよく経験する症状で、様々なことが原因で起こります。 大半は、 食べ過ぎや 飲み過ぎ、 便秘で 便や ガスが溜まっている、といった、病的ではない腹痛です。 しかし中にはこの記事に書くような大きな病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。 腹痛でみなさんが病院を受診した時、私たち医師が質問すること、つまり みなさんにチェックしてほしいことは決まっています。 今回は、 腹痛の時に確認すべき5つのチェックポイントを解説します。 お腹の中には多数の臓器があります。 胃、 小腸、 大腸、 肝臓、 胆嚢、 膵臓などの消化器 子宮や 卵巣といった婦人科系の臓器 膀胱や 尿管といった泌尿器科系の臓器 これらはいずれも腹痛の原因になります。 特に女性の場合は、 妊娠に関わる腹痛の可能性があるため注意が必要です。 この記事の末尾にチェックリストを用意しています。 受診時のメモとしても便利に使えますので、ぜひご利用ください。 また、下痢や吐き気・嘔吐を伴う場合は、やも参照して下さい。 (注)症状だけで病気を診断することはできません。 必ず医師の診察を受けましょう。 「突然始まる」というのは、何をしている時に始まったか、ということを細かく言えるくらいの突発性の痛みを指しています。 女性の場合は、 子宮外妊娠の破裂や 卵巣出血が突然発症の腹痛の原因になります。 卵巣出血は 性行為の直後に痛くなるのが典型的です。 この経緯は言いにくいと感じる方が多いかもしれませんが、正確な診断のためには、むしろ最初に医師に伝えるべきポイントです (ただし卵巣出血は命に関わる病気ではありません)。 一方で、 虫垂炎(いわゆる「盲腸」)や胆嚢炎、胆管炎、憩室炎などの 炎症性の病気 手術後の癒着や、大腸や小腸の腫瘍が原因で起こる 腸閉塞 はゆっくり始まることがほとんどです。 また炎症性の病気は、大部分は 細菌感染が原因のため、 発熱を伴うことも多い傾向があります。 (高齢の方では 熱が出ないケースもあります) いずれの病気も、手術が必要になることがあります。 いつから、どのように始まったかをきっちりチェックしましょう。 ポイントは、 「押さえると痛い場所が1ヶ所だけある」という症状では ないことです。 「どこを押さえてもなんとなく痛い」というケースがこれに当てはまります。 みぞおちが痛い みぞおちの痛みは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎などを考えます。 これらは、 キリキリ、ズキズキと表現され、差し込むような痛みが特徴です。 また 急性膵炎でもみぞおちの痛みが生じます。 うずくまるほどの、 差し込むような鈍痛が特徴です。 ほかにも例外的に、 胆石発作や胆嚢炎でみぞおちが痛くなるケース 虫垂炎(盲腸)の初期症状としてみぞおちが痛くなるケース があります。 虫垂炎では、 「最初にみぞおちあたりが痛くて、その後右下腹部に移動してきた」 といった、 痛みの場所が移動するということもよくあります。 右上腹部が痛い 右上腹部(お腹の右上、あばらの下、右わき腹)には胆のう、胆管、肝臓があります。 胆石発作や、胆嚢炎、胆管炎といった炎症性の病気が右上腹部痛の原因になります。 ( 肝臓の病気では痛みがほとんど出ないため、腹痛の原因ということはまれです) また大腸も右上腹部を通ります。 頻度は低いですが、 大腸がんなどの腫瘍、大腸の 憩室炎が原因になっていることもあります。 右下腹部が痛い 右下腹部(お腹の右下、へその右横)が痛いケースでは、まず虫垂炎(盲腸)を疑います。 ただ、 虫垂は人によって位置や長さ、大きさが異なるため、 へそ周囲や、下腹部の真ん中が痛くなるケースもあります。 また右下腹部の大腸に起きた憩室炎でも全く同じ症状になります。 私たち消化器外科医でも、 お腹を触っただけでこの位置の憩室炎を虫垂炎と区別することはかなり困難です。 こちらもご参照ください。 また女性では、右下腹部には卵管や卵巣があります。 卵巣出血や 卵管炎、 子宮外妊娠など、婦人科系の臓器が痛みの原因になっていることがあります。 左上腹部が痛い 左上腹部(お腹の左上、左のあばらの下、左わき腹)にあるのは、脾臓です。 ただ脾臓の病気で痛みが出ることはまれで、左上腹部痛であれば、まずそこを通る大腸の痛みを考えます。 つまり、 大腸がんなどの腫瘍、大腸の 憩室炎が原因になっているケースです。 左下腹部が痛い 左下腹部(お腹の左下、へその左横)にあるのは大腸です。 やはり 大腸がんなどの腫瘍、大腸の 憩室炎をまず考えます。 ただし女性では、右と同じく左下腹部にも卵管や卵巣があります。 卵巣出血や 卵管炎、 子宮外妊娠など、婦人科系の臓器が痛みの原因になります。 下腹部中央が痛い 下腹部の真ん中(へその下)には、 膀胱や 直腸があります。 膀胱炎や、 直腸の腫瘍(直腸がん)、 憩室炎などが原因となります。 膀胱炎では、 排尿時の痛み、 残尿感、 頻尿といった尿の症状を伴います。 また女性では下腹部中央に子宮があります。 子宮内膜症、子宮腺筋症が痛みの原因になります。 これらは月経周期と関係する痛み( 強い生理痛)が特徴です。 また、子宮周囲に感染症による炎症を起こす 「骨盤内炎症性疾患(PID)」が下腹部痛の原因になります。 原因は 性感染症(性病)ですので、 不特定多数の人との性交渉がある女性や、 性風俗関連の仕事をしている女性ではリスクになります。 PIDは 入院での治療が必要な病気です。 お腹全体の激痛 お腹全体がすごく痛い、歩けないほどの激痛があるという場合は、 腸閉塞や 穿孔性腹膜炎(胃や腸に穴があいて腹膜全体に炎症を起こしている状態)を考えます。 穿孔性腹膜炎でお腹全体に腹膜炎が起こっているケース(汎発性腹膜炎)では、 お腹のどこを触っても激痛 軽く押すだけ、あるいは触れるだけでも激痛 座る、立つ、咳をするといった軽い 振動でも激痛 といった症状が典型的で、 うずくまって脂汗をかいて動けない、ということがほとんどです。 腹膜炎で「痛みでのたうちまわる」ということはありません(少し動くだけでも痛いからです)。 一方、 腸閉塞でも激痛が起こりますが、腹膜炎よりは症状が軽く、 「お腹が張って苦しい痛み」が 長時間続くのが特徴です。 帝王切開を含め、お腹の手術を一度でもしたことがある人は腸閉塞のリスクがあります(お腹の中の癒着が原因です)。 また、 大腸や小腸のがん(腫瘍)や、 腸重積、 鼠径ヘルニア(いわゆる「脱腸」)など、お腹の手術以外にも 腸閉塞を起こす要因はあります。 ここに書いたことを参考に、どの場所が痛いか、あるいは 痛みが移動したりして 痛みの場所が複数ある場合は、どの場所からどの場所にどんな時間経過で移動したかをチェックしてみましょう。 また例外として、帯状疱疹などの皮膚の痛みを腹痛と捉える人もいます。 ピリピリ、チクチクといった痛みは体表面の痛みである可能性が高いため、必ず目で皮膚の表面を見て変化がないか確認しましょう。 虫垂炎や 憩室炎は周囲の腹膜に炎症が起きるため、歩くと お腹に響くような痛みがあります。 穿孔性腹膜炎など重症の疾患は、歩くとお腹に響くので全く歩けない、というのが典型的です。 前述の通り、腹膜炎の痛みは少し動くだけでお腹に響くので、 「痛くてじっとしている、うずくまっている」 というのが普通です。 逆に、 「痛くてのたうちまわっている、暴れている」というようなケースは、むしろ上述した腹膜炎の可能性は低く、 尿路結石などが原因となることが多いです。 症状が軽い場合は、 ジャンプしたり、背伸びした後かかとをストンと落として、痛い部分に響くかどうか確認してみましょう。 なお、 「お腹をへこませると痛い」というのは、腹膜炎の典型的な症状ではありません。 腹壁(お腹の壁)によって 小腸や大腸が圧迫されたときの痛みですので、便秘で便やガスが溜まっている時に起こる可能性はあります。 広告 4. お腹の手術を受けたことが一度でもある人は、癒着が原因で 腸閉塞になりやすくなっています。 腸閉塞では、便が出ないどころか、ガスも全く出なくなります。 (「おならが出ない」は危険ですが、「おならがよく出る」は全く問題ありません) 一方、 水のような下痢をしている場合は、 腸炎による腹痛である可能性が高くなります。 「どんな便が出ているか?」「最終排便(直近に排便した日)はいつか?」といった排便状況を私たちは 必ず聞きますが、突然聞かれると思い出せないこともあるでしょう。 事前に確認しておきましょう。 どのような始まり方でしたか? 突然始まった ゆっくり始まった 2. どの部分が痛みますか? 一定しない みぞおち 右上腹部 右下腹部 左上腹部 左下腹部 へそ周囲 下腹部中央 お腹全体 3. 歩くと響きますか? 響く 響かない 4. 便秘・下痢はありますか? 便秘をしている 下痢をしている 通常の排便 最終排便:[ ]日前 5. 他の症状をチェックする場合は以下の記事へ.
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