ホトトギスは、もっぱらウグイスを托卵の相手(宿主)として利用します。 托卵を受けてしまったウグイスは、ホトトギスの卵・雛の世話をする羽目になるうえ、ホトトギスの雛がウグイスの卵を巣外に捨て去ってしまうために、自分の子をまったく残すことができません。 カッコウの宿主の中には、卵の模様や色からカッコウの卵と自分の卵を区別して巣外に捨てたり、托卵に気づくと巣を放棄して再び営巣したりして、托卵を拒否するものがいます。 しかし、ウグイスとホトトギスの卵はいずれもチョコレート色で模様がなく、区別が難しいのか、ウグイスがホトトギスの卵を区別して托卵を拒否する行動は見られません。 ウグイスはその分布域で広くホトトギスの托卵を受けていますが、ホトトギスがいない北海道では同じくカッコウ科のツツドリによる托卵を受けます。 ホトトギスはほぼウグイスのみに托卵します。 伊豆諸島では、イイジマムシクイ、ウチヤマセンニュウにも托卵していますが、主な宿主はやはりウグイスです。 ウグイスの巣は、ホトトギスの渡来期以降46〜54%が托卵を受けます。 繁殖期を通じての被托卵率は21〜24%です。 東京大学の樋口広芳博士はかつて、ウグイスの巣に人工の卵を入れて反応を調べました。 ウグイスは白やピンクの卵を入れると巣を放棄しましたが、なんと赤い卵は抱き続けたのです。 ウグイスは托卵を拒否しようとしていますが、ホトトギスの卵擬態が勝っており、卵を区別できずにいる状態のようです。 参考:Higuchi、 H. 1989. Responses of the bush warbler Cettia diphone to artificial eggs of Cuculus cuckoos in Japan. Ibis 131: 94—98.
次のウグイスの繁殖期 ウグイスの繁殖期は、4月~9月の終わりになります。 ホーホケキョという鳴き声は、オスがメスを自分の縄張りに呼んでいる鳴き声です。 ウグイスは、一夫多妻制で一匹のオスが複数のメスと共寝をして卵を産みます。 一度に生む卵は、4~6個の卵を産みます。 Sponsored Link ウグイスの産卵とヒナの育て方 ウグイスは、4~6個の卵を産みます。 孵化までには2週間ほどかかり、孵化したあとは2週間ほど経過すると巣立ちをします。 オスは、共寝をした後はほとんど巣には近づかず、1日に数回様子を見に来る程度で、ヒナの世話はほとんどがメスが行います。 ヒナに与えるエサは、ガやチョウの幼虫が多く、クモやバッタなどの昆虫を与えることが多いようです。 2週間ほど経過をして、巣立ちを行った後も、母親となるメスがエサを取ってくる場合もあるそうです。 ウグイスと托卵 ウグイスは、ホトトギスに托卵されることがあるそうです。 托卵は、他の鳥の巣に卵を産み、別の鳥に育ててもらうという行動で、カッコウやホトトギスなどが行います。 ホトトギスは、ウグイスの巣に卵を生むことがあるそうで、産む際にウグイスの卵を1つ巣から落として自分の卵を産んでいきます。 ホトトギスの卵が孵化をしてヒナが生まれると、ホトトギスのヒナは、ウグイスの卵を巣から落としていきます。 それによってホトトギスのヒナが、ウグイスの親からエサを充分にもらえるようになるための行動だと言われています。 まとめ ウグイスの産卵期は、4月~9月の間です。 ホーホケキョと鳴くのはオスがメスを呼ぶためです。 卵は一度に4~6個を産み、2週間で孵化、2週間で巣立ちをします。 ホトトギスによって托卵をされることもあり、ヒナが生まれると、ウグイスの卵をすべて巣から落としてしまいます。 Sponsored Link.
次の肉食性• 托卵 肉食性 ホトトギスは肉食性です。 「ガの幼虫」や「昆虫」を主食としていますが、特に「毛虫」を好みますよ。 毛虫を好む理由としては、とても食べにくい毛虫を食べることで他の鳥たちとエサの奪い合いを回避していると考えられています。 托卵 托卵とは、他の鳥の巣に卵を産み抱卵や育雛をその巣の主に任せてしまう習性のことをいいます。 ホトトギスは主にウグイスの巣に托卵しますが、他にもミソサザイ、クロツグミ、アオジ、ベニマシコ、センダイムシクイにも托卵しますよ。 托卵するときは巣から1卵くわえとり、ウグイスの卵によく似たチョコレート色の卵を1つ生みます。 抜き取った卵は産卵中もくわえたままでいることが多いですが、最終的には食べてしまいますよ。 ウグイスはやられっぱなし?? ホトトギスに托卵されることが多いウグイスですが、ウグイスも黙って托卵されているわけではないですよ。 ホトトギスに対して激しく威嚇、托卵されたと気づけば卵を取り除いたり巣を放棄するなど対抗措置を行います。 ホトトギスを使った後世の句 天下を取りにいった最も有名な三人の武将の後世の句が有名です。 織田信長:なかぬなら殺してしまへ時鳥(ほととぎす) 豊臣秀吉:鳴かずともなかして見せふ時鳥(ほととぎす) 徳川家康:なかぬなら鳴くまで待てよ時鳥(ほととぎす) 実際は本人たちが詠んだ句ではなく『詠み人知らず』として後世に残ったものですが、武将それぞれの性格を端的に表しており面白いですよね。 ホトトギスの分布は?どこに生息している? ホトトギスは、インドから中国南部・マダガスカル・アフリカ東部まで広く分布しています。 夏鳥として5月ごろに日本に渡ってきて、北海道南部・本州・四国・九州・伊豆半島・沖縄で繁殖します。 林の周辺にある藪のある場所、草原などに多く生息していますよ。 ホトトギスの鳴き声は? ホトトギスのオスは、「キョ、キョ、キョキョキョキョ」と4節目にアクセントがある鳴き方で鳴きます。 夜明け前や日没後に鳴く場合が多いとされていますよ。 メスは、カッコウやツツドリよりも高くテンポの早い声で「ピピピピ」と鳴きます。 メスはこの「ピピピピ」という鳴き声だけしか鳴きません。 聞きなし(鳥の鳴き声を人の言葉に置き換えたもの)では「特許許可局」「本尊懸けたか テッペンカケタカ 」と表現しますよ。 鳴き声に注目して観察してみよう! ホトトギスはカッコウやツツドリとの外見上の区別が難しいため、鳴き声が最大の識別ポイントとなっていますよ。 この記事で紹介した内容を参考にして、古来から様々な詩歌や万葉集に詠われてきたホトトギスを観察してみてくださいね。
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