末期の胃がんにおける黄疸の症状・原因・ケア法 胃がん末期の症状として、黄疸(おうだん)が見られることがあります。 黄疸とは、皮膚や、目の白目の部分が黄色味を帯びる症状。 尿の色が濃くなったり、全身の倦怠感、皮膚のかゆみ、発熱、風邪のような症状を伴ったりすることがあります。 ここでは、胃がん末期における黄疸の原因、および黄疸への対処法・ケア法について詳しく解説しています。 ステージ4(末期)の胃がんにおける黄疸の原因 黄疸とは、皮膚や粘膜などが黄色味を帯びてくる症状のこと。 胃がんに関連して言えば、胃がんが直接的な原因となって黄疸が生じるわけではなく、 胃がんが肝臓や胆管などに転移した場合に生じます。 胃がんが転移した状態とは、すなわち 末期胃がんということになります。 黄疸の診断 黄疸に似た症状として、柑皮症(かんぴしょう)があります。 ミカンなどの柑橘類を短期で大量摂取したときに、手のひらなどが黄色味を帯びる症状です。 柑皮症の原因は、体内におけるカロテノイド色素の増加です。 これに対して黄疸は、血中のビリルビン色素の増加。 黄疸の種類• 黄疸が生じる原因には、主に以下の4つがあります。 溶血性貧血による黄疸…赤血球の破壊によって生じる黄疸• 肝細胞性黄疸…肝細胞の障害によって生じる黄疸• 閉塞性黄疸…胆汁の流れの障害によって生じる黄疸• 体質性黄疸…遺伝的体質によって生じる黄疸 これらのうち、がんに関連している黄疸は「2」と「3」。 それぞれについて詳しく見てみましょう。 肝細胞性黄疸とは 何らかの理由により肝細胞が広範囲にわたり壊死し、黄疸が生じることがあります。 肝臓がんを始め、肝硬変、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎など、様々な肝疾患が原因となり発症します。 胃がんが末期に至った場合、肝臓への転移が多く見られます。 よって、末期胃がんと診断されている患者においても、このタイプの黄疸が見られることがあります。 閉塞性黄疸とは 胆管が閉塞されて胆汁の流れが悪くなると、黄疸を生じることがあります。 胆管が閉塞される原因は、 膵頭部がん、胆管がん、ファーター乳頭部がんなど。 胃がんの末期段階では、すでに、がん細胞は全身の様々な部位に転移しています。 胆管への転移も珍しくありません。 ステージ4(末期)の胃がんにおける黄疸のケア法 黄疸の原因となっている原疾患(がんなど)が進行すると、黄疸の症状が一気に進行する恐れがあります。 黄疸が進行した場合、皮膚のかゆみ、浮腫(むくみ)、皮膚の乾燥、易出血(出血しやすい状態)など、様々な症状が生じることでしょう。 これら症状の進行により間接的な悪影響が生じないよう、適切かつ細やかなケアをすることが大切です。 特に、浮腫(むくみ)が生じた場合には、感染症にかかりやすくなっていることに注意しなければなりません。 皮膚の保湿をする 黄疸が生じた皮膚は乾燥しがちになります。 乾燥した皮膚には痒みが生じやすく、かつ痒みを無意識で掻いてしまうことにより、 皮膚を傷付けて感染症を起こしてしまうかも知れません。 医師の指導にしたがい、適切な保湿ケアを行いましょう。 痒みを誘発する衣類を避ける ウールや化学繊維で作られた衣類は、皮膚の痒みを誘発することがあります。 温度と湿度を適切に管理する 室温が低い場合には皮膚に乾燥を招き、痒みを誘発します。 逆に、室温が高い場合には皮膚に発汗を招き、痒みを誘発します。 かつ湿度40~60%を目安に室内環境を整えましょう。 爪を短く切る 万が一、患者が無意識で皮膚を掻いてしまったときに備え、 爪を常に短く切っておきましょう。 爪用のヤスリを用いて爪の先端を丸くすれば、より皮膚を傷付ける心配が減ります。 皮膚を清潔に保つ 万が一、患者が皮膚に傷を付けてしまった時に備え、 常に皮膚を清潔に保つようにしてください。 少しでも感染症への罹患リスクを低下させるためです。 睡眠導入剤の使用については、医師に相談する 黄疸を原因とした皮膚の痒みにより、患者は不眠に至る可能性があります。 しかしながら、安易に自己判断で睡眠導入剤を使用することは避けましょう。 睡眠導入剤の中には、肝臓に強い負担をかける可能性があるからです。 肝臓へのがん転移を原因とする黄疸の場合、睡眠導入剤の使用は危険です。 参考文献 母は2016年の夏、末期の胃がんと診断されました。 病気が分かってからも懸命に治療に励んでいましたが、ちょうど1年前の今日、黄疸が出て入院しました。 病院に付き添った後一旦会社に戻ったものの、突然の出来事に1日中気が動転して泣きじゃくっていたのを覚えています。 私がお世話するから。 安心して任せて。 いるだけで親孝行。 自分の生活大事に。 幸せになる権利ある のだから 母のお世話が出来てしみじみ幸せ 夜中も背中をマッサージしながら思ったけれど 出口のわからない出口のわからない介護は 本当に大変なんだなと 今さらながら思いました ベッドから起き上がる介添えも どうしたら楽なのかわからない 前回母に会った時にも介添えの実践と感じたのに そのままにしていた自分を アホーって て思いました。
次の- 目次 -• 黄疸の特有の症状 黄疸の症状は、血液中のビリルビンが増加して、目の白目や皮膚が黄色くなります。 また皮膚がかゆくなる症状もあります。 白目や皮膚が黄色くなり、あるいは皮膚がかゆくなります。 また尿の色が濃い黄色を呈し、便の色が薄くなるような症状もあります。 その他、病的な症状として体の倦怠感や強い疲労感を感じたり,感冒の症状を呈したり、あるいは発熱があったりします。 黄疸症状が出る原因 黄疸症状が出る仕組みは、血液中の赤血球の寿命が来て破壊されるときに形成されるビリルビンという黄色い色素の増減が大きく関わっています。 正常な時は血液から肝臓に運ばれ、胆汁に含まれ、その後に十二指腸や小腸を経て尿や便として排出されます。 これが 肝臓や膵臓、血液などに炎症(障害)が起こった段階でビリルビンの排出がうまくいかないで、ビリルビンが溜り過ぎて黄疸という症状が認められるわけです。 ではビリルビンが溜り過ぎる原因となっている障害とはどんなものがあるでしょうか。 溶血による障害 血液中にある赤血球の寿命は大体120日ですが、この寿命が異常に短縮した状態を溶血といいます。 この寿命が異常に短縮したためにビリルビンが大量に形成されることによる障害をいいます。 肝細胞の障害 肝細胞の障害による代表的な病気は急性肝炎です。 急性肝炎を引き起こす原因はウイルス、薬剤、アルコール、自己免疫などいろいろあります。 急性肝炎は黄疸症状を認めますが慢性肝炎は、通常黄疸はありません。 肝硬変では黄疸症状がありますが、これが判る段階では肝機能がかなり悪化していると思われます。 胆汁の流れに障害がある 閉塞性黄疸といいます。 肝内胆汁うっ滞症と閉塞性黄疸の2種類あります。 肝内胆汁うっ滞症とは、胆汁の流れる量が少なくなる症状のことで胆汁排せつ物質のビリルビンや胆汁酸が滞ります。 急性肝炎の1つのタイプでウイルスや薬剤などが原因とされます。 閉塞性黄疸とは、結石、腫瘍、などが原因となり、胆汁の通路である胆管が狭くなってビリルビンが排せつされにくくなるために黄疸がみられます。 体質性のもの(体質性黄疸) 遺伝性で極めて少ないです。 黄疸が出たら血液検査で原因究明ができる 肝機能障害や胆管閉塞障害などは血液検査で血液中のビリルビンの量を調べることでわかります。 まず、総ビリルビン値と直接ビリルビン値を調べます。 次に総ビリルビン値から直接ビリルビン値を引いて間接ビリルビン値を出します。 総ビリルビン=直接ビリルビン+間接ビリルビンです。 間接ビリルビンとは ビリルビンは赤血球の中のヘモグロビンから作られます。 このヘモグロビンはヘムという黄色の組織とグロビン(鉄分)というたんぱく質に分解されます。 このヘムがビリルビンです。 ヘムが酵素の働きでオレンジ色のビリルビンになります。 これが間接ビリルビンです。 直接ビリルビンとは この後、間接ビリルビンは血液の流れにのって肝臓に運ばれ、再び酵素の働きでグルクロン酸と結合して水溶性のビリルビンになります。 これが直接ビリルビンです。 そして腎臓で尿の1部となって排出されます。 総ビリルビンとは間接ビリルビンと直接ビリルビンの和です。 間接ビリルビン値が高いと溶血性貧血、肝梗塞、敗血症、甲状腺機能低下症などが疑われます。 直接ビリルビン値が高いと胆汁うっ滞など、胆管の閉塞が考えられます。 直接ビリルビン値が高く、中間型高ビリルビン血症の場合は肝細胞に異常があり、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などの疑いがあります。 GOT、GPTも重要な指標です 上記の血液検査でビリルビンの値が高かった場合はさらに血液検査でGOT AST 、GPT ALT を調べます。 GOT,GPTとは、人体の重要な構成物質であるアミノ酸をつくる働きのあるトランスアミナーゼという酵素です。 この酵素の量を調べて肝臓や心筋、骨格筋の障害、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変など肝疾患を判別します。 血液検査の他にも肝機能検査、腹部超音波検査、腹腔鏡検査、肝生研などの検査を行い病気の種類の確定と治療方針を決定します。 カテゴリから探す•
次の母乳性黄疸は治療の必要なし 母乳性黄疸の場合は、特に治療の必要はありません。 病産院では、入院中からミノルタ黄疸計などで毎日黄疸の数値を測定していますし、肌の黄色が強くなった場合は足の裏などから血液を採取して血中のビリルビンの値を測定します。 母乳性黄疸が気になる場合は、お家で赤ちゃんを寝かせておく場所を窓越しの明るい場所にしたり、ベランダ越しに外気浴をさせる事で「光線療法」の役割をして早く黄疸が引く場合があります。 外気浴は日光を足元のほうから少しずつ薄着にして当てて行いますが、夏場や直射日光が強い季節はカーテン越しでも構いません。 また母乳をミルクに変えると早めに黄疸が引きますが、必ず主治医の指示に従って行うようにしてください。 新生児黄疸が強い場合は、光線療法などの治療処置を もし黄疸が高くなると「高ビリルビン血症」となります。 血中ビリルビンが1. 心配な黄疸は「血液型不適合」などの溶血性黄疸や「胆道閉鎖」などの閉塞性黄疸があり、黄疸の数値が高い場合は原因を特定する検査が行われます。 新生児黄疸の光線治療 黄疸の一般的な治療は「光線療法」です。 特殊な光線を赤ちゃんの皮膚に照射することにより、光エネルギーが皮膚や皮下のビリルビンの構造を変化させ、胆汁や尿に排泄させるという原理。 赤ちゃんはオムツ1枚の裸状態となり、目隠しをしてブルーのライトを浴びるので、さながら「日焼けサロン」のような状態となります。 また、重度の高ビリルビン血症の場合には「交換輸血」と言い、全身の血液を交換する処置が行われます。 新生児黄疸には治療の必要がある場合、無い場合があります。 もし、気をつけるように言われたら、主治医の先生から退院後の過ごし方などを聞いておくとよいでしょう。 また退院してから皮膚の黄疸が強くなった場合には、出産した産院や小児科を受診してご相談ください。 【関連記事】•
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