- 目次 -• カリウムは微妙で重要な栄養素 カリウムはほとんどの食品に含まれています。 つまり食事をすればカリウムを摂取することになります。 カリウムはわたしたちの体のなかで、細胞の代謝や酵素を活性化して、神経や筋肉の収縮といった働きをつかさどる大切な栄養素です。 そしてとても微妙な栄養素でもあるのです。 ヒトにとって必要不可欠ですが、過剰に摂取しても、不足しても障害が発生する可能性があります。 カリウムはミネラルの一種で体内の塩分を利尿作用によって排出する役目をはたしています。 カリウムは塩分(ナトリウム)とバランスをはかりながら、体内の血圧や細胞の状態を調整しています。 1日の塩分摂取量は6gが適切といわれていますが、過剰摂取した塩分はカリウムとともに尿から排出されます。 また、過剰摂取したカリウムも尿から排泄されます。 もし、腎機能に障害があるとカリウムが排泄されなくなり高カリウム症が発生する可能性が出てきます。 高カリウム症になると不整脈が発生するなどの症状のほかに、場合によっては心停止にいたることもあります。 このため、腎機能に問題を抱える人はカリウムの摂取を慎重に行う必要があります。 カリウムの摂取をコントロールして、減少させるためには、カリウムが少ない食品を知っておく必要があります。 カリウムの少ない食品 成人男子が一日に必要なカリウム量は約2,500mg/日、女性は2,000mg/日といわれています。 穀類でカリウムが低いのは、白玉粉3mg、うどん(ゆで)9mg、ごはん(精白米)29mg、ビーフン(乾麺)33mg、そば34mgなど、逆に高いのはアマランサス600mg、とうもろこし(玄穀)290mgなどです。 魚類で低いのは、ふかひれ3mg、わかさぎ120mg、タラ(デンブ)120mg、メザシ170mg、うなぎ(きも)、しめさば、さんま、ししゃもがいずれも200mg、高いのは煮干し1,200mg、かつおぶし940mgとなります。 肉類・卵類で低いのはくじら(さらしくじら)0mg、うずら卵(水煮缶)28mg、豚足50mg、ピータン65mg、牛ミノ(胃)83mg、たまご(卵黄)87mgとなり、高いのはビーフジャーキー760mg、生ハム470mgとなっています。 海藻類で低いのは、かんてん1mg、ところてん2mg、もずく2mg、塩蔵ワカメ(塩抜き)12mgとなり、高いのは、昆布(乾)5,300mg、ワカメ(素干し)5,200mgなどです。 乳製品で低いのがカッテージチーズ50mg、プロセスチーズ60mgなどで、高いのは脱脂粉乳1,200mgなどです。 調味料で低いのはオリーブ油 、ごま油、サラダ油、ラード(豚脂)、ラー油、ショートニングはいずれも0mgです。 高いのはベーキングパウダー3,900mg、カレー粉1,700mg、ドライイースト1,600mg、こしょう(黒)130mgなどです。 カリウムの少ない野菜 ほとんどの野菜が100g中、400mg以上のカリウムを含みます。 そのなかでカリウムの少ない野菜を集めてみました。 いずれも100gあたりのカリウム量です。 緑豆もやし69mg、かいわれだいこん99mg、めたで140mg、玉ねぎと赤玉ねぎとヘチマはいずれも150mg、スナップエンドウと茎ニンニクはいずれも160mg、チコリ170mg、ピーマン190mg、白ネギ、レタス、きゅうり、冬瓜、キャベツはいずれも200mgとなっています。 逆に高いのが、ふだんそう1,200mg、パセリ1,000mg、よもぎ890mgなどで、カリウム摂取を減らしたい場合はこれらの摂取は避けた方がよいでしょう。 カリウムが少ない果物は、オリーブ47mg、ブルーベリー70mg、あけび95mg、マンゴスチンとレモンはいずれも100mg、りんご110mgとなっています。 ベリー類は、全体的にカリウムは少な目ですが、ジャムにするとカリウム量が増加します。 食べる分量を減らすことで調整を試みましょう。 カリウムが多い果物は、アボカド720mg、ドリアン510mg、バナナ360mgなどですのでこれらは避けるようにしましょう。 調理方法で工夫する カリウムの摂取を減らしたい場合、調理方法を工夫するのもポイントの一つです。 野菜や根菜類はゆでるとカリウムが減少します。 生で食べる場合も必ず水にさらすようにしましょう。 例えばタマネギは薄く切って水にさらすと、およそ40%カリウムが減少します。 もともとカリウムの少ない緑豆もやしですが、水からゆでて沸騰したらザルにあけ、水でさらすことでカリウムの量は約半分ほどになります。 味付けはカリウムの多いバルサミコ酢や米酢や黒ゴマは避けて、カリウムの少ない白醤油を使うとよいでしょう。
次の腎機能が低下すると、電解質の1つであるカリウムの排泄も減少し、「高カリウム血症」が認められます。 したがって、カリウム制限が必要になります。 血清カリウム値5. なお、カリウムは細胞の中に存在し、水やお湯に溶けるので、野菜などは小さく切って「湯でこぼし」「流水にさらす」などを行い、カリウム成分を少しでも除くことができます。 また、果物は缶詰から取り出した実はカリウムが少なくなっています。 カリウム含有量の多い主な食品を示します。 カリウムの多い食品• 果物: バナナが最も多く、なつみかん、メロンなどが続きます。 干し柿、100%ジュースも多く、注意が必要です。 野菜・いも いも類は全体的に多く、特に里芋が一番多く含みます。 かぼちゃ、にら、水菜、なす、白菜、セロリ、キャベツも比較的多く、切干大根やかぶなども多く含みます。 肉・魚 すべて比較的多く含まれます。 特にお刺身などは注意が必要です。 主食 麺(茹でたあとに湯きりをします)• 海藻類など とろろ昆布、干しひじき、納豆• 調味料 黒砂糖、だし• 乳製品 牛乳• お菓子 スィートポテト、あんみつ• 飲み物 トマトジュース、野菜ジュース、豆乳、日本茶(玉露)、黒ビール ペットボトルのお茶やスポーツドリンクはそれほど多くありません。
次のもくじ• 20位から11位まで さっそくですが、ランキングを見ていきましょう。 まずは、ランキング11位までです。 以下、一覧表にまとめています。 順位 食品名 量 mg 20 グァバ 白肉種 生 240 19 ざくろ 生 250 18 さくらんぼ 米国産 生 260 17 かりん 生 270 13 (かんきつ類) さんぼうかん 砂じょう 生 280 13 パッションフルーツ 果汁 生 280 13 まくわうり 黄肉種 生 280 13 まくわうり 白肉種 生 280 11 (かんきつ類) すだち 果皮 生 290 11 キウイフルーツ 緑肉種 生 290 グァバやパッションフルーツなど、南国フルーツがランクインしていますね。 13位の「まくわうり」は、ウリ科の果物です。 メロンなど、ウリ科の果物は、カリウム含有量が多い傾向にあります。 10位から1位まで それでは、ランキング後半戦、10位から1位までを、順に見ていきましょう。 ここからは、ちょっとした解説も加えています。 10位 10位にランクインしたのは、「 キウイフルーツ 黄肉種 」です。 こちらは、 ゴールデンキウイと呼ばれている、果肉が黄色い品種です。 キウイはカリウムだけでなく、ビタミンCや食物繊維も豊富な果物です。 とくに、 ビタミンCに関しては果物類トップクラスの含有量なんです。 さらに、ゴールデンキウイは緑色のキウイと比べて糖度が高く、カリウムやビタミンCの含有量が多いのが特徴です。 数ある果物のなかでも、健康に、美容に、とてもよい果物といえるでしょう。 8位 同率8位の果物が2つありましたので、表現上、9位は飛ばして、8位にランクインした果物を2つ、ご紹介します。 1つ目 同率8位の1つ目は、「 アテモヤ」です。 アテモヤは、世界三大果実のひとつ「チェリモヤ」と、「バンレイシ シャカトウ 」という、2つの果物を交配させて生まれた果物です。 ちなみに、世界三大果実とは、【マンゴー】【チェリモヤ】【マンゴスチン】のことをいいます。 とても糖度が高く甘い果物で、「森のアイスクリーム」や、その舌触りから「カスタードアップル」などと呼ばれることもあります。 栄養面でいうと、カリウムのほかに、ビタミンB6やビタミンCを多く含みます。 2つ目 同率8位の2つ目は、「 メロン 温室メロン 」です。 こちらは、ビニールハウスなど、環境を整えた場所で育ったメロンです。 上の画像のような、網目のあるメロンは、明治時代に日本にやってきたそうです。 その後、温室栽培などがスタートしましたが、高級品のため、庶民の手には届かない状態でした。 一般の家庭でも食べられるようになったのは、戦後になってからだそうです。 今でも、高級品のイメージがありますよね。 カリウムのほかに、リラックス効果のあるアミノ酸の一種、GABA ギャバ などを多く含みます。 メロンについては、以下の記事で詳しく紹介しています。 栄養・効能や、美容効果、保存方法など、メロンに関する情報満載です。 5位 いきなり順位が飛んでしまいました・・・。 1つ目 ではさっそく、1つめですが、「 ドラゴンフルーツ」がランクインしました。 鮮やかな赤色と、トゲトゲした形が特徴的なドラゴンフルーツは、中南米の熱帯雨林地帯が原産の果物です。 日本で流通しているのは、ほとんどが輸入品ですが、最近になって沖縄の奄美地方や九州で栽培されるようになってきました。 各種ビタミンや食物繊維をバランス良く含んでいますが、なかでもミネラルが豊富で、カリウムはもちろん、マグネシウムの含有量も果物類トップクラスです。 2つ目 2つ目は、「 メロン 露地メロン 緑肉種」です。 露地メロンとは、ビニールハウスなどといった環境の整った施設を使わずに、自然環境下で育ったメロンです。 一方、ビニールハウスなどで育ったメロンは、8位でご紹介した、温室メロンです。 食品成分表では、この2つを分けて掲載しています。 また、緑肉腫とは、その名の通り、果肉が緑色のメロンのことです。 一方、果肉の赤いものは赤肉種といいます。 3つ目 3つ目は、「 メロン 露地メロン 赤肉種」です。 こちらは、果肉が赤いほうのメロンです。 ケタが違います。 これは、果物類のなかでもトップクラスです。 免疫力の向上や、目の健康維持に効果的です。 スポンサーリンク 4位 4位は、 バナナです。 カリウムが豊富な果物として有名ですが、ここで貫禄のランクインです。 バナナが日本にやってきたのは、明治に入ってからで、統治下の台湾から移入されたのが始まりといわれています。 以降、長らく高級果物として扱われ、一般庶民は手に取りにくい希少品でした。 余談ですが、私の祖母も「昔はバナナは高かったんだよ~」と、よく言ってました。 1963年の輸入自由化以降、しだいにお求めやすい価格になっていき、今では、スーパーなどでお手軽に買えるようになりました。 栄養面ですと、豊富なカリウムのほかに、食物繊維やビタミンB6などを多く含み、エネルギー補給や便通の改善に効果的です。 また、リラックス・安眠効果のあるセロトニンも多く含みます。 不眠の改善にもおすすめです。 3位 3位は、「 うめ 梅干し 」です。 ご飯のお供として人気ですね。 お弁当の定番です。 カリウム以外ですと、クエン酸を多く含みます。 梅干しの「酸っぱさ」のもととなっている成分ですね。 エネルギー代謝を促進する成分で、疲労回復に効果的です。 とくに、運動などで大量に汗をかいたときには、不足しがちなカリウムも一緒に補給できます。 夏バテ対策にも効果的です。 2位 2位は、「 ドリアン」です。 「果物の王様」と呼ばれており、強い独特な香りが有名ですね。 おもに東南アジアで栽培されており、日本で流通しているものの多くは、タイから輸入されたものです。 強烈な香りのイメージが強いですが、じつは、カリウムをはじめ、ビタミンCやビタミンEを多く含む、栄養のある果物です。 1位 栄えある第1位は、「 アボカド」です!最も栄養価の高い果物としてギネスに認定されており、「森のバター」とも呼ばれています。 ここ最近で、日本でもたくさん見られるようになりました。 アボカドを使ったコラボ商品などが増え、おなじみの食材になりつつあります。 カリウムだけでなく、ビタミンEや食物繊維が豊富で、私たちの健康や美しい肌づくりなどをサポートしてくれます。 脂質が多いので食べ過ぎには注意ですが、油の多くは、オレイン酸やリノール酸などといった不飽和脂肪酸で、コレステロール低下や動脈硬化予防に効果的です。 TOP10ランキング一覧表 これまで見てきたランキングのTOP10を、一覧表にしました、ぜひ、振り返ってみて下さい。 順位 食品名 量 mg 10 キウイフルーツ 黄肉種 生 300 8 アテモヤ 生 340 8 メロン 温室メロン 生 340 5 ドラゴンフルーツ 生 350 5 メロン 露地メロン 緑肉種 生 350 5 メロン 露地メロン 赤肉種 生 350 4 バナナ 生 360 3 うめ 梅干し 塩漬 440 2 ドリアン 生 510 1 アボカド 生 720 5位までは、同率順位のものが多く、ランク付けがちょっと難しかったです・・・。 【参考】乾燥品も含めたTOP10ランキング 参考までに、乾燥品も含めた、すべての果物のランキングを紹介します。 順位 食品名 量 mg 10 ドリアン 生 510 9 なつめやし 乾 550 8 かき 干しがき 670 7 アボカド 生 720 6 ぶどう 干しぶどう 740 5 なつめ 乾 810 4 いちじく 乾 840 3 りゅうがん 乾 1000 1 あんず 乾 1300 1 バナナ 乾 1300 乾燥品でも、やはりバナナはカリウム含有量が多いですね。 ちなみに、6位の干しぶどうはレーズンのことです。 カリウムのはたらき これまで、果物のカリウム含有量ランキングを紹介してきましたが、そもそも「カリウムってどんなはたらきをしているの?」って思う方は多いはずです。 そこで、ここではカリウムのおもなはたらきについて、簡単にご紹介していきます。 ナトリウムの排泄 カリウムには、体内の余分な ナトリウムを排泄するはたらきがあります。 ナトリウムとは、簡単に言うと「塩」のことです。 ナトリウム 塩分 の取りすぎは、高血圧の原因となりますので、しっかりカリウムを摂って高血圧を予防しましょう。 むくみの解消 しょっぱいものを食べると、喉が乾きませんか?これは、わたしたちのからだが、上昇した塩分濃度を下げるために、水分を蓄えようとするからです。 じつは、この「水分を蓄える」はたらきが、むくみの原因のひとつになっています。 カリウムには、ナトリウムを排泄するはたらきがありますが、このときに余分な水分も一緒に尿として排出します。 余分な塩分と水分が排出されるため、 むくみの解消に効果的です。 筋肉のはたらきをよくする カリウムには、 筋肉の収縮・弛緩を調節するはたらきがあります。 このため、カリウムが不足すると、筋肉の動きが悪くなったり、疲れやすくなります。 運動時や、夏の暑さなどで大量に汗をかくと、汗と一緒にカリウムが流出してしまいます。 水分補給とともに、しっかりとカリウムを補給することが大切です。 カリウムを効率的にとるには? カリウムは 水に溶け出しやすい成分です。 このため、調理の過程で損失しやすいんです。 ゆでる場合は、ゆで汁をまるごと飲めるスープなどにすると、効率的にカリウムを摂取できます。 また、野菜や果物などの場合は、サラダなど、生食で食べるようにすると、カリウムの損失が少ないです。 果物は、比較的、生食に適していますので、カリウムをとりやすい食材といえますね。 まとめ 今回は、カリウムの多い果物を、ランキング形式でご紹介しました。 カリウムといえばバナナのイメージでしたが、ほかにもカリウム豊富な果物がたくさんあり、興味深い内容となりました。 カリウムは、むくみの解消や高血圧予防、筋肉の収縮機能維持など、わたしたちの体内でさまざまな役割を果たしています。 果物は、比較的カリウムをとりやすい食材ですので、しっかり食べてカリウムを補給し、健康的に毎日を過ごしていきましょう! カリウムをとりたいなら、こちらもおすすめです。 ほかの成分が気になる方は、こちらがおすすめです。
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