長門 湯本 温泉 星野 リゾート。 長門市と星野リゾートの投資が人を巻き込む、長門湯本温泉の再生|新・公民連携最前線|PPPまちづくり

山口県、湯本温泉。星野リゾートの参入で何が変わる?【y】

長門 湯本 温泉 星野 リゾート

水辺活用の可能性を追究する官民協働プロジェクト「ミズベリング」のフォーラムで、関係省庁や関連企業が多数のピッチ(短い講演)を行った。 フォーラムは2020年2月20日、東京都内で開催された。 この記事では、多数のセッションの中から星野リゾート(本社・長野県軽井沢町)による長門湯本温泉(山口県長門市)の温泉街再生の取り組みについての発表を紹介する。 星野リゾートの企画開発部プロジェクトマネージャーである石井芳明氏は、山口県長門市で同社が市や地元と連携して手掛けた温泉街再生プロジェクトについて語った。 長門湯本温泉は600年の歴史を持つ温泉地で、昭和50年代には年間40万人が訪れたという。 2016年に安倍首相がロシアのプーチン大統領と会談したことでも知られる。 [画像のクリックで拡大表示] ただし、山口宇部空港から車で90分ほどと、もともとアクセスに難のある立地だったのに加えて「地元の有名ホテルが倒産し、温泉街の中心地が廃墟のようになってしまった」(石井氏)ことをきっかけに、集客が落ち込んだ。 そこで、大西倉雄市長(当時)が土地を買って建物を解体し、その跡地活用を星野リゾートに打診した。 前市長は、同社の温泉旅館「界」ブランドの新施設を誘致したいと考えていた。 石井氏によると、採算の見通しが厳しいことから一度は市からの打診を断ったものの、首長のオファーは非常に熱心なものであり、星野リゾートとしては、「旅館の進出だけでなく、マスタープランをつくり温泉街全体を魅力的にすること」を提案し、これを進出検討の条件とした。 長門市で検討が重ねられた結果、星野リゾートは2016年4月、山口県知事立会いのもと、長門市と進出協定を締結した。 星野リゾートはマスタープランを策定。 その特徴は、一帯を面的に整備していくことだった。 「エリアに東京ドーム1個分の市有地があったが、その枠を超えて提案した。 中間発表会に集まった地元の皆さんの中には、自分の土地がなぜか計画に組み込まれているということで、非常に驚かれる方もいた。 かなり思い切った提案だった」(石井氏)。

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長門湯本温泉に「星野リゾート界 長門」がオープン(3/12)

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「星野リゾート 界 長門」の開業日を2020年3月12日と発表。 会見や内覧会などを実施した 山口県長門市、長門湯守、星野リゾートは共同で会見を開き、「長門湯本温泉観光まちづくり計画」の進捗や、「星野リゾート 界 長門」について説明した。 公衆浴場「恩湯」など長門湯本温泉の温泉街としての全面リニューアルは2020年3月に、界 長門も3月12日に開業する。 会見は長門市深川湯本にある創建応永17年(1440年)といわれる大寧寺(たいねいじ)で開かれ、長門市 市長の大西倉雄氏、長門湯守(ながとゆもり)共同代表の大谷和弘氏、星野リゾート 代表の星野佳路(よしはる)氏、界 長門 総支配人の三保裕司氏が登壇した。 星野リゾート 代表 星野佳路(よしはる)氏 星野リゾートの星野代表は、同社や界ブランド、そして界 長門誕生の経緯などについて説明した。 星野リゾートでは「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO」などのブランドで宿泊施設を国内外に設置しており、界は「王道なのに、あたらしい。 」をテーマにした温泉旅館として全国15か所に展開。 16か所目として、界 長門が2020年3月12日に開業する(2021年春に大分県別府市に「界 別府」が開業予定)。 また、界では旅館が進出する各エリアの伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽(ごとうちがく)」、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴となっている。 長門湯本温泉は、高度経済成長時代には約40万人の旅行客が訪れていたが、旅行スタイルの変化などから2014年には約20万人まで減少。 そこで長門市が主体となり、2014年から温泉街の再生に向けた取り組みがスタートした。 長門市の大西市長からの熱い要請を受け、2016年1月に星野リゾートが「長門湯本温泉マスタープラン」の策定を受託。 界の進出を含め、地域・民間・公共が連携した温泉街再生に向けた取り組みを推進しており、いよいよ界 長門が11月12日から宿泊予約の受付を開始、2020年3月12日に開業となる。 星野リゾート 界 長門 総支配人 三保裕司氏 三保総支配人は、界 長門の詳細について説明した。 界 長門のテーマは「藩主の御茶屋屋敷」。 ロビーや客室は武家文化を活かしたデザインで、ご当地楽にはこのエリアの特徴でもある赤土から作られた赤間硯を使ったアクティビティが検討されている。 武家文化を活かしたご当地部屋は、藩主が泊まる部屋をイメージ。 寝台は一段高く、ヘッドボードには室町時代から800年以上続き、山口県の無形文化財に指定されている「徳地和紙」を使用。 床の間には、長門湯本温泉近隣在住の田原崇雄氏、坂倉正紘氏、坂倉善右衛門氏が制作した、界 長門オリジナルの萩焼が飾られる。 また、客室サインには萩ガラスを、客室の入口には大内塗の工芸品を配する予定だ。 「長門湯本温泉観光まちづくり計画」では、「全国温泉地ランキングTOP10」入りを目標に魅力的な温泉街を生み出す6つの要素を戦略的に表現し、統一感のある開発や、持続可能な観光地経営につなげていくために、各分野の専門家で構成する推進体制を構築し、事業推進を図っている。 6つの要素とは、「外湯」「食べ歩き」「文化体験」「回遊性」「絵になる場所」「休む・佇む空間」であり、これらを長門湯本の地形や観光資源などで表現し、魅力を最大化するためのリノベーションを進めている。 スケジュールとしては、2019年12月末までに空き家をリノベーションしたシェアハウスが開業。 2020年1月に、駐車場、竹林の階段、メインエリア(音信川右岸側)が供用開始するなど、温泉街の一部がリニューアルオープン。 そして3月に、おとずれ通り(音信川左岸側道路)の整備が完了し、公共温泉施設「恩湯」や飲食施設「恩湯食」、空き家をリノベーションした土産店、バー・カフェ、そして界 長門が開業と、温泉街が全面的にリニューアルオープンとなる。 大西市長は、街を挙げた一大プロジェクトが進捗していることに手応えを感じつつも、「民間投資をしっかりと呼び込んでいくことが重要であり、今からがスタート」と決意を新たにしていた。 長門湯守株式会社 共同代表 大谷和弘氏 長門湯守の大谷代表は、同社が手がける温泉施設「恩湯」、飲食施設「恩湯食」、それらをつなぐ憩いの空間となる「恩湯広場」などについて説明した。 長門湯本温泉は約600年前に大寧寺が所有する温泉として歴史をスタートしたとされる歴史温泉で、近現代では行政が運営していたが、慢性的な赤字が続き2017年5月の公営での営業を終了。 自立的な温泉地経営を目指すため、大谷代表ら地元有志によって立ち上げた「長門湯守株式会社」が開発・運営していくことになる。 長門湯守は民営化後も多くの観光客を誘客するとともに地域に愛される温泉であるために多くの説明会を開催し、地域住民・業者との意見交換を重ね、理解を深めてきた。 2019年10月からは「恩湯再建のためのご寄付のお願い」をスタートし、地元を中心に延べ約150組からの寄付が集まり、現在も寄付が継続しているという。 長門湯守の中核となる温泉施設「恩湯」は、木材をふんだんに使った平屋造りで、恩湯内では掘削ではなく自噴による泉源直上での源泉掛け流しの温泉を楽しめる。 また、一般的な公衆浴場の浴槽は50~60cmの深さとされるが、恩湯は深さ約1mの「伝統的な深風呂」となっており、全身が温泉にしっかりつつかり、しっかりと水圧がかかることで結構を促進し、むくみや冷え性の解消になるといわれている。 旧施設の解体や整備などに時間がかかり、開業が後ろ倒しになっていたが、2020年3月を開業予定とし(これ以上の延長はないという)、工事を進めている。

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水辺活用の可能性を追究する官民協働プロジェクト「ミズベリング」のフォーラムで、関係省庁や関連企業が多数のピッチ(短い講演)を行った。 フォーラムは2020年2月20日、東京都内で開催された。 この記事では、多数のセッションの中から星野リゾート(本社・長野県軽井沢町)による長門湯本温泉(山口県長門市)の温泉街再生の取り組みについての発表を紹介する。 星野リゾートの企画開発部プロジェクトマネージャーである石井芳明氏は、山口県長門市で同社が市や地元と連携して手掛けた温泉街再生プロジェクトについて語った。 長門湯本温泉は600年の歴史を持つ温泉地で、昭和50年代には年間40万人が訪れたという。 2016年に安倍首相がロシアのプーチン大統領と会談したことでも知られる。 [画像のクリックで拡大表示] ただし、山口宇部空港から車で90分ほどと、もともとアクセスに難のある立地だったのに加えて「地元の有名ホテルが倒産し、温泉街の中心地が廃墟のようになってしまった」(石井氏)ことをきっかけに、集客が落ち込んだ。 そこで、大西倉雄市長(当時)が土地を買って建物を解体し、その跡地活用を星野リゾートに打診した。 前市長は、同社の温泉旅館「界」ブランドの新施設を誘致したいと考えていた。 石井氏によると、採算の見通しが厳しいことから一度は市からの打診を断ったものの、首長のオファーは非常に熱心なものであり、星野リゾートとしては、「旅館の進出だけでなく、マスタープランをつくり温泉街全体を魅力的にすること」を提案し、これを進出検討の条件とした。 長門市で検討が重ねられた結果、星野リゾートは2016年4月、山口県知事立会いのもと、長門市と進出協定を締結した。 星野リゾートはマスタープランを策定。 その特徴は、一帯を面的に整備していくことだった。 「エリアに東京ドーム1個分の市有地があったが、その枠を超えて提案した。 中間発表会に集まった地元の皆さんの中には、自分の土地がなぜか計画に組み込まれているということで、非常に驚かれる方もいた。 かなり思い切った提案だった」(石井氏)。

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