こんにちは、あんずです。 日本で遺伝子組み換えの食品について問題になってきたのはかなり前ですが、なんとなく「悪い」イメージはあるもののなぜ、どう「悪い」のかまで把握していない人もまだまだ少なくないのではないでしょうか。 遺伝子組み換えという言葉だけを聞くと、栽培のしやすさなのか何かしらの理由で遺伝子を操作したんやな~ということはわかるものの、 それって結局何が問題なの?遺伝子が多少変わっても同じ食べ物やし毒が入ったわけでもないし大丈夫なんじゃないの? なんて思いませんか? わたしも子どもが産まれてようやくそのあたりが気になり始めて調べてみたところ、 やっぱり遺伝子組み換え食品は食べたくないという結論に至りました。 本日は、なぜそう思ったのかをまとめたいと思います。 Contents• 遺伝子組み換え食品はなぜ「悪い」のか 遺伝子組み換え食品は問題ありと判断したポイントの一つ目は、 遺伝子組み換えを行う理由にありました。 遺伝子組み換えを行う理由 遺伝子組み換えは動物でも植物でも行われていますが、食品として認可されているのは現状植物だけで、それら植物の遺伝子組み換えの理由は以下の通り。 除草剤に負けないようにするため(除草耐久性)• 害虫に負けないようにするため(殺虫性) 農家さんにとっては手間のかかる雑草や害虫への対応を、遺伝子を組み換えた作物をつくることで解消しちゃおうじゃないのということなのですね。 しかし、想像してみてください。 除草剤撒いても枯れないのだから気にせず一緒にかけちゃえ~と除草剤にまみれて育てられた作物を。 虫が葉を食べたらその消化器官を破壊して殺してしまう作物を。 いや、 どう考えてもそれを普通に人間が食べるのはNGなのでは。 と思いますよね。 ちなみに、遺伝子組み換え賛成派の意見を見ると• 農薬の量は遺伝子組み換え作物が増えたことでむしろ世界的に減っている• 虫の消化器官だけを破壊するもので動物は問題ないことが証明されている のだそう。 2つめの虫だけにというのはまぁ成分的な問題で100歩譲って納得するにしても、 農薬の量については量というよりかけかたの問題では?と思うのですが。 普通の作物だと、雑草だけを枯らすために作物にかからないよう気を付けて撒くところを、何も気にせずだばーーっとかけるてことですよね? 農薬使用量の問題というよりはどれだけ農薬が作物にかかっているかが気になるのですが。 実際、遺伝子組み換え作物の栽培で行われている飛行機を使った空からの農薬散布は有名です。 遺伝子組み換え作物の危険性の大きなものの一つは、この農薬問題なのですね。 農家周辺の住人と環境の問題 私たち消費者に直接かかわる問題は先述の通りですが、 それらの作物が育てられている地域では空中からの大量の農薬散布により多大な健康被害が発生しているとのこと。 (農薬、減ってるんじゃないの?と思いますが、このあたりの実際の使用量に関してははっきり証明できる情報がみつかりません。 ) 散布された農薬は風により空気中に舞い流れるだけでなく、土にしみこみ、その地域の飲み水など生活用水にもしみだします。 黒い斑点だらけの皮膚で産まれてきたり、内臓に大きな障害をもって産まれてくる子ども、、 他にもがん、白血病、肝炎、免疫不全など、遺伝子組み換え作物が育てられてる周辺ではあらゆる病気が多く発生しているそうです。 がんで言うと、平均の41倍という数値も出ているそう。 調べるほど、 これが事実なら大問題だと感じる被害を知ることになりました。 人間だけではなく、農薬が流れ出た川に住む魚や水鳥の変死も報告されています。 さらに最悪なのは、 対策したはずの害虫や雑草に耐性を備えたものが出現し、遺伝子組み換え作物や農薬もさらに強化しなければならない「いたちごっこ」の事態がすでに起こっていることです。 生物が進化を続けるものである限りこのいたちごっこが自然に止まることはないので、 遺伝子組み換え作物の悪影響の強さもどんどん強まっていくのですね。 いかがでしょうか。 食べた時の健康被害• 栽培時の健康・環境被害 という大きな懸念が(どこまでが事実かはわからないにしても)あるかぎり、 やっぱり遺伝子組み換え作物で作られた食品は避けたいと私は結論付けました。 では続いて、日本で出回っている遺伝子組み換え食品について見てみます。 原材料が「国産」であれば大丈夫だと言えます。 (ただ栽培が禁止されているわけではないのでいつ出てきてもおかしくはないですが) そして主に出回っている遺伝子組み換えの輸入品は、• とうもろこし• 綿実 の4種類。 (日本に輸入が許可されている作物は、とうもろこし、大豆、菜種、綿実、じゃがいも、てんさい、アルファルファ、パパイヤの8種類。 ) たしかに豆腐やコーンの缶詰などの原材料表記をみると「遺伝子組み換えでない」といった表示を見ますね。 日本の食品表記の決まりでは遺伝子組み換え食品を使っていたらそれを表示しなければならないですが、使っていないことのアピールもされているのですね。 検索すると遺伝子組み換え賛成派の意見もいろいろと出てきますが、 そもそも完全に100%安全なものなら、日本の食品表示法で「遺伝子組み換え」を表記しなければならない理由が謎です。 というわけでとにかくまずはこの とうもろこし、大豆、菜種、綿実の4種類を覚えましょう。 ただ、遺伝子組み換え食品を使っていたらそれを表示しなければならないという決まりには、いくつかの抜け穴があり、「使っているのに書かなくていい」パターンが相当数存在しています。 その中でも特に気になるのは、 醤油や油。 大豆や菜種やコーンが主な原料になるはずなのに、遺伝子組み換えのものを使っていても表示義務がないのです。 理由は、遺伝子組み換え作物のDNAや、それによって作られたタンパク質が入っていないなら書かなくてOKとのこと。 それだけで本当に問題ないの? という疑問は残りつつもこう決まってしまっている以上は買う側で注意するしかなく、 企業側があえて記載している「遺伝子組み換えでない」という表示を探すほかありません。 もしくは、 国産大豆、国産菜種100%使用という商品を選ぶ手もあります。 高いですけどね。 高いにはそれなりの理由があるんですね。 他にも、 原材料中5%未満だったり原材料に占める重量の割合が上位4位以下だった場合も、表示義務がありません。 これらにより、目に見えない形で多量の遺伝子組み換え作物を日本人は摂取しているのですね。 もっというと、遺伝子組み換えのトウモロコシなどをエサにしているお肉類にももちろんその記載義務はありません。 外食や表示義務のないものに関してはすべてを疑ったほうがよさそうですが、せめて目でみて確認できるものくらいは避けていきたいものです。 これまで遺伝子組み換え食品についてなんとなくの知識でとどまっていましたが、今更ながら調べてみてよかったと思いました。 現状の日本に置いて、遺伝子組み換え作物に関する決まりは中途半端な状態であることは確かです。 今後どんな方向に向かっていくのかも、注目ですね。 ではまた次回!.
次の最終更新:平成30年3月9日 はじめに 私たちが毎日食べているお米や野菜、果物の多くは、長い年月をかけて「育てやすさ」や「美味しさ」等のために、品種改良が進められてきました。 その結果、私たちは現在、様々なニーズに沿った食材を手に入れることができています。 この品種改良技術のうちの一つとして、遺伝子組換え技術が開発され、農作物等の改良の範囲の拡大や、改良期間の短縮等ができるようになりました。 一方で、遺伝子組換え技術を利用して生産される農作物や食品 以下、「遺伝子組換え食品」という。 の安全性について、不安を感じる方もいらっしゃいます。 ここでは、遺伝子組換え食品に関する情報を紹介します。 遺伝子組換え食品とは何ですか? 遺伝子組換え食品とは、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術を利用して作られた食品です。 遺伝子組換え技術では、自然では交配しない生物から遺伝子を持ってくることができるため、従来の掛け合わせによる品種改良では不可能と考えられていた特長を持つ農作物を作ることができます。 例えば、害虫抵抗性のとうもろこしでは、農薬をまかなくても害虫の繁殖を抑えることができるため、収穫量も多くなります。 また、除草剤耐性の大豆では、雑草を除く作業が楽になるだけでなく、雑草を取り除くために土を掘り返さなくてもよくなるため、地表の土壌が風により舞い上がって失われるのを防ぐことができます。 このように、これまでの技術では開発できなかった新しい性質を持った品種は、 食糧問題や環境保全にも大きなメリットがあります。 一方で、このような特定のメリットをもたらす遺伝子組換え食品が 健康や環境に対しての問題を引き起こすことがあってはなりません。 そのために、遺伝子組換え食品には、次の項目のように安全性を確保する仕組みがあります。 どうやって安全性を確保しているの? 日本で遺伝子組換え食品を利用するためには、• 「食品」としての安全性を確保するために「食品衛生法」及び「食品安全基本法」• 「飼料」としての安全性を確保するために「飼料安全法」及び「食品安全基本法」• 「生物多様性」への影響がないように「カルタヘナ法」 に基づき、それぞれ科学的な評価を行い、 問題のないもののみが栽培や流通させることができる仕組みとなっており、日本で安全性が確保され、流通させることが認められている遺伝子組換え食品は、平成30年2月時点では、じゃがいも、大豆、てんさい、とうもろこし、なたね、わた、アルファルファ、パパイヤの8品目です。 なお、平成30年2月時点では、遺伝子組換え技術を利用した農作物について、日本での栽培は試験的にされていますが、商業栽培はされていません 「観賞用」のバラを除く。 農林水産省ウェブサイト「生物多様性と遺伝子組換え 基礎情報 」より抜粋。 厚生労働省ウェブサイト• 農林水産省ウェブサイト• 生物多様性... 農林水産省ウェブサイト 遺伝子組換え食品と遺伝子組換え食品でない食品は選択できるの? 食品の表示は、 消費者が商品を選択する上で重要な情報です。 表示には 義務表示と任意表示の2つがあります。 【義務表示】• よくある質問 厚生労働省 厚生労働省ウェブサイト• 1 遺伝子組換え食品とはどのようなものですか• 2 遺伝子組換え技術 組換えDNA技術 とはどのような技術ですか• 3 食品としての安全性確保のためにどのような管理を行っているのですか• 4 どのような経緯で安全性審査が導入されたのですか• 5 遺伝子組換え食品の安全性はどのような考え方で評価するのですか• 6 遺伝子組換え食品に対してどのような懸念がありますか• 7 諸外国での規制の状況はどのようになっているのですか 農林水産省 農林水産省ウェブサイト• 1 遺伝子組換えとは• 2 どのように安全性を評価しているの• 3 遺伝子組換え生物の使用や流通の状況について• 4 未承認の遺伝子組換え生物の侵入防止 消費者庁 消費者庁ウェブサイト• 1 遺伝子組換え食品の表示制度はどのような制度ですか• 2 表示の基本的な考え方に関し、以下の2点について教えてください。 1油やしょうゆなどの食品に表示が義務付けられていないのはなぜですか。 2意図せざる混入の許容混入率が設定されているのはなぜですか。 3 添加物については遺伝子組換え表示が義務付けられていますか。 4 従来のものと組成、栄養価等が著しく異なる遺伝子組換え農産物及びその加工食品の表示の考え方について教えてください。 5 高オレイン酸大豆と通常の大豆は何が違うのですか。 6 高リシンとうもろこしとはどのようなとうもろこしなのですか。 7 平成23年8月に新たにパパイヤを表示義務の対象に追加した経緯について教えてください。 8 ステアリドン酸産生大豆とはどのような大豆なのですか。 等 参考 各府省庁のページ 食品安全委員会• 厚生労働省• 農林水産省• 消費者庁•
次のContents• 遺伝子組換えとは 遺伝子組換えとは、 生物の細胞から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、植物などの細胞の遺伝子に組み込み、新しい性質をもたせることです。 具体的には、私たち人間も含め生物は DNAを保有しており、DNAは 塩基と呼ばれる物質で構成されています。 実はこの 塩基の並び方によって、DNAには 様々な遺伝情報が保存されています。 ある一定の 遺伝情報を保有している塩基配列の部分を遺伝子と呼んでおり、生物は遺伝子から 遺伝情報を読み取って様々なタンパク質を作ることで生体を構成しています。 この塩基情報を保有している遺伝子は、科学技術によって生物から取り出し複製したりすることができます。 また、取り出した遺伝子を別の生物のDNAに組み込むことも科学技術によって可能であり、それによって新しい性質(例えば、作物が大きくなる性質等)を付与することを遺伝子組換えといいます。 ではなぜ遺伝子組換えの作物を作る目的はなんでしょうか? 答えは実に簡単であり、除草剤耐性、病害虫耐性、貯蔵性増大などの 生産者や流通業者にとっての利点のある性質を持たせたり、食物の成分を改変することによって栄養価を高めたり、有害物質を減少させたりし消費者にとっての利点を持たせたりするためです。 遺伝子組換え生物を英語でgenetically modified organism ということから、遺伝子組換え作物のことを GM作物、GMOということもあります。 ただし、GMOは遺伝子組換え生物を指すため、作物に限らず遺伝子組換えが行われた生物全てを指します。 遺伝子組換え食品の種類 では遺伝子組換え食品は実際どのようなものがあるのでしょうか? 日本で安全性が確認され、販売・流通が認められているのは、 食品8作物(169品種)、添加物7種類(15品目)です。 添加物はほとんどが酵素であり、遺伝子組換えの微生物を用いることで、酵素の生産性を向上させています。 酵素の中でもキモシンは、チーズの製造に用いられますが、天然のキモシンは子牛の胃からしか取得できず安定供給が困難ということで、微生物を使って生産した遺伝子組換え品の流通が認められています。 リボフラビンはビタミンですが、製造の際に遺伝子組換えの微生物を用いて製造してます。 遺伝子組換え作物の主な用途については下記のとおりです。 とうもろこし:飼料用、スターチ用(異性化糖、水飴)、グリッツ用 大豆:製油用、飼料用、豆腐、油揚、納豆、みそ、しょうゆ なたね:製油用 わた:製油用 パパイヤ:食品用 遺伝子組換え食品の安全性 遺伝子組換え食品と聞いて、消費者が最も懸念するのは安全性だと思います。 安全性については、 厚生労働省を中心に国の機関が安全性を評価し、問題がない場合に認可しています。 安全性の評価ポイントの礼としては以下のようなものです。 ・組み込む前の作物(既存の食品)、組み込む遺伝子、などはよく解明されたものか、人が食べた経験はあるか。 ・組み込まれた遺伝子はどのように働くか。 ・組み込んだ遺伝子からできるタンパク質はヒトに有害でないか、アレルギーを起こさないか。 ・組み込まれた遺伝子が間接的に作用し、有害物質などを作る可能性はないか。 ・食品中の栄養素などが大きく変わらないか。 上記のものを含め、様々な項目について科学的なデータを基に評価し、総合的に判断しています。 必要に応じて動物を使った毒性試験や、新たな科学的な知見が生じた場合は再評価を行っています。 厚生労働省から発信されている安全性に関する報告書は下記リンクで閲覧可能です。 また、遺伝子組換えによってできるタンパク質にアレルギー性がないことも同時に評価しています。 具体的には、下記のようなことを中心に評価しています。 ・胃や腸できちんと消化されるか。 ・熱に弱いか(加熱処理で分解されるか)。 ・既に知られているアレルゲン(アレルギーの原因物質)と似ていないか。 ・その食品の主要なタンパク質にはならないか。 アレルギーについては下記ページに詳細を記載していますので、ご確認ください。 上記の項目について、きっちり国が評価しているため、食品科学者の私の意見としては、遺伝子組換え食品は安全であると考えております。 まとめ 遺伝子組換え食品について纏めてみましたがいかがでしょうか? 今後は世界的な人口増加に伴って、食料不足の問題が顕著になると考えられます。 そういったときに、遺伝子組換えによって単位面積当たりの収穫量を増加させることは、食糧問題を解決するうえで重要となるため、今後は遺伝子組換え食品がどんどん増えていくと考えられます。 私達消費者は正しい知識を持って、遺伝子組換え食品について理解し利用していかなければならないと思います。
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