キャラクターデザイン制作工程、ラフ案提出について すり合わせのイメージを元に、業者側はラフの状態でアイディアを作成し提出してきます。 取り決めにもよりますが、 最終の納品物がカラーである場合は色付きのラフで作ってもらったほうがイメージに乖離がなくスムーズに進むでしょう。 ・・・ちなみにこちらは先日実際に作成し、クライアント様に提出した ラフ案7点になります。 これを叩き台として双方のイメージをさらに詰めていきます。 制作するキャラクターの具体的なイメージを双方で絞り込んでいく ラフ案から絞りこみつつ業者は調整を進めます。 クライアント側は、表情や所有アイテムなど用途のイメージに合うかどうか細部までチェックしていくことになります。 あとあとでの大きな修正は業者側にとって工数がかさみ難しい場合があります。 また業者には、一定の進捗報告を契約時に義務付けておくといいでしょう。 制作期間をタイトにしすぎると突貫作業で内容が薄くなる場合もありえます。 仕上がりにある程度の質を保つためにも、時間の猶予はしっかりと確保しておきましょう。 結果、制作物の質を保つことに大きく影響します。 ・・・様は前述のようにハワイの天使をご希望だったので、ヤシの葉っぱをスカートにするなどの提案も行いつつ作成を進めていきました。 重要だったのはキャラクターが内包しつつ醸し出すふんわりとした優しい雰囲気だったので、それに沿った方向性を軸に相談や調整作業を進めながら最終形を具体的に固めていきました。 上の画像が ラフの最終状態になります。 最終的にポーズ2案をご提案し、ハートを持ったほうがいいというご回答を頂きました。 制作キャラクターの清書作業について デザインの方向性が完全に固まると業者側は 清書作業に進みます。 この際、 カラーバリエーションを複数用意したり 線のタッチの確認を取ってくることもあるでしょう。 確認対応としては厳密にチェックしつつなるべく 早い回答を心がけてあげてください、 作業者側のモチベーションを止めるようなレスポンスの遅さはオススメ出来ません。 イメージキャラクターを制作する過程では、クライアントも業者も協力して一緒に一つのキャラクターをこの世に生み出す姿勢が重要です。 ポイント!ここに文章大きな直しはラフの段階で済ませておくようにするのが基本ですが、事前の契約と違うなどクライアント側の落ち度がありそうな場合は追加料金も視野に入れつつ丁寧に相談してみましょう。 キャラクターデザインデータの最終確認と納品、請求と支払いについて 清書が完成したら、 納品データにほぼ近い状態で最終確認を行います。 仕様や内容に不適当な部分がないかをクライアントは確認し、気になる点があれば遠慮せずに問い合わせてください。 全てに関して問題なければその旨を業者側に伝え、いよいよ 納品へと進みます。 キャラクターデザイン制作時のアフターサービス 納品物に対してのアフターフォローや追加オプションで別バージョンを取り扱う場合もあります。 もし新たな要望ができた場合は、まずは素直に相談してみてください。 知名度のある大きな会社では難しいことでも、個人や中小業者だと逆に相談に乗ってもらえるケースは多いものです。
次の猫野きなこです!今回のテーマは個性的で魅力的なオリジナルキャラの描き方です。 前回の続きでパルミーのキャラクターデザイン講座第2回の内容を備忘録としてまとめます。 今回は、前回の課題「女の子とクリスマスがテーマの正面向きの絵」の講評が中心で、課題を提出した人数は28人でした。 皆さん絵が個性的ですごく上手い人が多かったです。 でも中にはまだ絵を描き始めたばかりなのかなという人もいました。 井関さんがクリスマスを課題にした理由は「 クリスマスというイメージが完成されているテーマで、どうやってオリジナリティーを出せるか」という点を見たかったからだそうです。 今回の宿題で私は一番描いてはいけない絵を描いてしまいました…。 反面教師として絵を描く皆さんの参考になれば幸いです。 キャラクターデザインで0点の絵を描いてしまった• キャラクターデザインなのに全身絵を描いていない• 「シルエットが重要って言っただろ!何聞いてたんだお前!」と言わずに優しくアドバイスしてくれる井関先生すみませんでした。 優しさが痛いです。 他にも褒められていた方はたくさんいましたが、ツイッターやサイトで講座の絵を公開している方の絵を許可を頂いて紹介させて頂きます。 みなさんすごく絵が上手いし、シルエットも個性的で勉強になります! 歌舞伎のオリジナル要素を入れた出出焉さん さんの作品です。 こ、個性の宝石箱や~!!! デザインの隅々まで個性がありすぎてビビりました。 洋風のクリスマスに和風をぶつけるという発想が素晴らしいです! 井関さんは斬新で退屈にさせないシルエットなので皆も参考にしたほうがいいと言っていました。 3人の個性を活かしたキャラクターを描いたこばるさん さんの作品です。 絵を見たときにプロですか?プロですよね?プロって言って!と肩を揺さぶりたくなりました。 絵も線がきれいで可愛らしいし、3人描いてくるという発想がすごいです!キャラクターの説明書きを入れているので、一枚絵でそれぞれの個性がわかるようになっています。 全体的に非常に完成度が高く、末っ子のツインテールは井関さんがシルエットが素晴らしいとべた褒めでした。 ツリーのオーナメントをキャラクターにした阿佐ヶ谷みなみさん さんの作品です。 トナカイの角をデザインしたメカの翼をつけた女の子という発想がとっても個性的でカッコイイです! 前回井関さんも言っていましたが、メカやパーツのデザインは、日頃からメカっぽいデザインが好きで観察していないと描けないと思います。 井関さんは事前の打ち合わせでADVENさんの絵を見た時に「こう来たか」と悔しがっていたそうです。 シルエットのインパクトが強いので、個人的に好きだと言っていました。 キャラクターデザインの基本 キャラクターデザインの基本は「1枚絵でわかるように描くことが大切」ということです。 1枚絵でわかりやすく、デザインが目を引くように描く「キャラクターデザインの基本的なポイント」をまとめました。 キャラクターデザインの基本的な描き方• 全身を描く• テーマに自分のプラス要素を入れる• 絵で伝えられない設定やストーリーは文字で書く• アイレベル(目線の高さ)を意識して描く• 正面ではわかりにくい部分は違う角度の絵も描く• 手の長さや指は不自然にならないように気をつける• 真正面ではなく、少し斜めから描いた方がわかりやすい キャラデザがもっと良くなる!井関さんのアドバイス 井関さんは28人分丁寧に講評してくれました。 1時間30分の授業が1時間55分になるほど、1人1人親身になってアドバイスしてくれて神様かと思いました。 井関さんのアドバイスとして「 自分のアイデアは強調した方がいい」という言葉は何度も言っていました。 キャラクターをもっと魅力的に表現する描き方• 個性を表すデザインやアイテムは強調する• 服や道具のデザインは統一する(服がメカならサンタの袋もメカっぽく)• ゴムや皮など、素材が解るように描く• 設定とデザインは整合性を持たせる(OL設定なら服もOL風に)• キャラが小さい設定なら大きさがわかるようにする• 服の細部にまでテーマを取り入れるように意識する• やわらかさを絵で伝える(重力を意識する)• シルエットにメリハリや強弱をつける(目立つ部分を作る)• 小物は細かい部分も描きこむ• 服装やキャラクターに合うポージングで描く• 顔は見せ場なので極力影を入れない 井関さんの課題作品 出典: 井関さんは課題でサンタを描く人が多い事は予想していたためサンタは外し、「自分がサンタの手伝いをするトナカイになれれば」という意味を込めてトナカイを描いたそうです。 デザインが被らないようにしっかりと考えて、自分なりのテーマをきちんと盛り込んでいます。 井関さんは人数を2人描いていましたが、キャラクターデザインに複数の人数を描くという発想自体が自分にはなかったのでビックリしました。 トナカイの特徴を捉えつつ魅力的で可愛らしい女の子に仕上がっていて、やっぱりプロは違うなぁと思いました。 パイナップルの女の子の絵も描いてくれた井関さん 前回、司会の伊藤さんが出したテーマのパイナップルの絵が井関さん的に悔しかったそうで、パイナップルの女の子も仕上げて来てくれました。 きっとこういう負けず嫌いな気持ちが絵を上手くするんですね! デザインはいろいろ試行錯誤して全部で4段階描いた上で最終的に線を少なくして完成図を描いていました。 パイナップルの見た目を服全体に取り入れるだけではなく、髪の毛の形や目の中までパイナップルの要素を取り入れて描いていました。 パイナップルの完成絵は講座でしか見れないので、見たい人はパルミーのキャラクターデザイン講座をご検討ください。 (第2回の個人的な見所は、最後に井関さんがする投げキッスです) 仕事でキャラデザをする時に気をつけるポイント 1回目にクライアントに見せるときは、やりすぎくらいがちょうどいいそうです。 その後クライアントから「ここはいらない」とか言われるので、そこで外していけばいいとのことでした。 いかに個性を出すかが大切だそうです。 しかし、仕事でキャラクターデザインをする場合はテーマから外れたものは描かない方がいいという事でした。 クリスマスにはサンタクロースやトナカイ、ツリーやプレゼントなど使いやすいテーマがいくつかあります。 使える要素がいっぱいあるのにそれ以外の要素を入れるのは悪い言い方をすると「逃げ」になってしまうので、逃げずにクリスマスだけでテーマを統一させることが仕事にするうえでは大切なのだそうです。 今回の課題に関してはありでも、仕事でする場合はテーマの中でやるしかないので、 クライアントから「全然そういうのは求めていない」と言われるリスクがあるそうです。 例外としてテーマに説得力がある場合や、全力でやりきっている場合は自分のテーマが通る場合もあるそうです。 しかし勇気がいることなので、井関さんはテーマだけの中でやるようにしていると言っていました。 次回の課題.
次の今回「石川善樹さんの考えを広める」という目的で、石川善樹さんをウサギのキャラクターに見立てて、8コママンガを描いているのですが、そのキャラクターデザインのプロセスをまとめてみました。 こちらが石川善樹さん。 話の内容は、「現代社会で焦るようになってしまったカメ」が「いい時間を過ごすのが上手なウサギ 石川善樹さん 」と、接していく中で、ウェルビーイングになっていくというもの。 いろんなパターンを描いてみたのですが、マンガ専科のイラスト講師でもあるO氏から、アドバイスを受け、1番うまくいったプロセスを共有したいと思います。 まず、大まかなプロセスとしては、この4つ。 似顔絵を描く・顔の最小限の構成要素を見つける これが、描いた似顔絵。 O氏曰く、似顔絵を描く上で、重要なのは、「造形」の一致ではなく「印象」の一致を目指すこと。 それまで僕は石川さんの写真の横に並べて、似せようと頑張っていたのだが、大事なのは写真を見ずに、心に浮かんだ石川さんの印象を描くこと。 「印象」の意識を持っていると、自然とどこがその人の印象を決定づけているのかを探すようになる。 そして、余計な情報をなるべく削ぎ落としながら、最適な線と位置を探り、石川さんの「印象」に寄せていく。 コラージュみたいな感覚にも近い気がする。 最小限の構成要素の中でデフォルメをする これが、上の似顔絵をデフォルメしたもの。 この時に意識したのは、どこを強めて、どこを引き算するか。 「印象」に影響する要素を強めて、関係なさそうなところを引き算していく。 【引き算した箇所】 ・眉毛 ・涙袋の線 ・鼻筋 【強めた箇所】 ・常に少し笑っているような印象を受けたので、目の前上のラインをアーチ状にして下のラインを直線にした。 ・鼻の先端の膨らみ具合。 ・上唇が鼻のほうにクッと上がっていく感じ。 ・しっかりとした顎の印象。 ウサギキャラに落とし込む 最小限の構成要素をデフォルメしたものをウサギに落とし込んだものがこれ。 今回ウサギキャラを選んだのは、造形上の理由以外に、ゆとりがあるんだけどスピード感がある、軽快な石川さんの雰囲気に合ってるのでは、とか、カメキャラとのコントラストがあって分かりやすいのでは、とか、石川さんの研究内容である「よく生きるとは何か?」が描きやすいのではないか、という理由があります。
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