日能研 5年生 日能研でも他塾と同様に、4年生から5年生への移行時期は、学習量の増加に戸惑う生徒が多いでしょう。 隔週のカリテを軸にした学習スケジュールを早めに確立しておくべきですが、2週間単位の学習スケジュールに慣れてしまうと、6年生からカリテ実施が隔週から毎週になるため、多くの生徒がそこでペースを崩しがちです。 また、2009年度から5年生9月~翌年1月まで上位生対象に思考力育成テストが月1で実施されるようになり、上位生はカリテ・センター模試・思考力育成テストと毎週何らかのテストを受けることになります。 そこで、新5年生になった当初から、 2週間単位の学習スケジュールではなく、あらかじめ1週間単位の学習スケジュールを組み、その週の学習内容はその週のうちに終わらせるようにしたいところです。 学習スケジュール 「基礎を固める」「骨太な計算力を身につける」が5年生の年間目標ですから、毎日の計算練習を疎かにしてはいけません。 『計算と漢字』の日割り計画を立て、朝に集中して取り組むようにしましょう。 『本科教室』の「学びのひろばのまとめ」「オプション理解」「オプション活用」は必須で、その週のうちに2回転するスケジュールを組むと効果的です。 オプ活には難易度高めの問題が数問含まれていますが、どれも入試においては典型問題ですから、5年生のうちに一度は手をつけてもらいます。 『栄冠への道』は生徒の状況に応じた取り扱いをします。 基本的には 『本科教室』の反復を優先し、それを補う必要がある場合には『栄冠への道』の問題を拾い上げて解くというスタイルで十分です。 また、毎週のカリキュラム内容の学習だけでは、既習内容が抜け落ちて行きます。 2週間前と2ヶ月前のカリキュラムの復習を日曜日に組み込みましょう。 5年生の日曜日を既習単元の復習時間として有効に活用することで、基礎力定着の時期が早まります。 テスト 5年生のうちは、カリテでは共通を完璧に、応用では計算は当然、それ以外に2問以上得点することを目標にしましょう。 センター模試では120点以上をキープし、偏差値65前後を推移できるように。 前述のような学習スケジュールで進めれば、可能な数字です。 本番では2分が目安ですが、制限時間を設けるのは6年生からで十分です。 5年生の間はまずは論理的に無理のない答案作成を目指しましょう。 見栄えは良くなくても減点できない答案なら十分です。 5年生9月から翌年1月まで上位生対象に実施される思考力育成テストについてですが、2009年度の内容を見る限り、JGの出題傾向にはそぐわないものになります。 得点は気にしなくて良いですし、解き直しも突っ込んでやる必要はありません。 ただ、この時期に思考力問題で頭を鍛えること自体は受験生としてマイナスにはなりませんから、良い機会ととらえて、前向きに受けるようにしましょう。 日能研 6年生前半 日能研は、通常授業・講習ともに拘束日数・拘束時間が大手塾の中では断トツに長いのが特徴です。 ゆえに、限られた家庭学習時間で、やるべきことを効率良くこなしていく必要があります。 「基本問題」「演習問題」「発展問題」「練成問題」すべて解くことになりますが、各学校の入試問題を収録した「練成問題」が古すぎるのが少々難点です。 新傾向問題はまったく収録されていません。 ただ、典型問題の解法習得及びスピード強化の素材としては十分使えるでしょう。 新たに『強化ツール』というテキストが配布されますが、「共通」は必須です。 この「共通」と本科の「発展問題」までをきちんと理解・定着させておけば、7月までのカリテの共通問題で80点を切ることはまずありません。 『栄冠への道』は、生徒の状況により、必要ある場合に適宜取り組むという位置づけで十分です。 『計算と漢字』も5年生のときと同様に進めましょう。 6年生になって忙しくて時間がないという理由で計算練習をサボるのは許されません。 毎朝15分程度の時間は心掛け次第で捻出できるはずです。
次の日能研では、小学校1年生からクラス設置があります。 小1・小2までが中学受験の準備期間、中学受験の本格的な勉強は、小3から4年間かけて綿密なカリキュラムで進められ、各学年半期ごとのステージ制で展開していきます。 中学受験準備期間である小1・小2は、五感を使ってたくさんの「感じる」を楽しむ授業を行う「ユーリカ!きっず」、小3では国語と算数の2科目の学習を通して、「学びの楽しさ」や「学習意欲を持つ」ことを重視して指導する「予科教室」が設置され、小4以降は「本科教室」となります。 「本科教室」では、「授業・家庭学習・テスト・ふり返り」を1つのサイクルに実施。 効率的なふり返りを行うため、授業で使う『本科テキスト』と家庭での復習に使う『栄冠への道』のオリジナルテキストを使用、小4・小5生のうちは隔週で、小6生からは毎週カリキュラムテストが実施されます。 小6後期からはこれまでの総決算として、合格力を徹底的に鍛えるステージに突入します。 これまで培ってきた「学力」に合格技術を鍛えあげて「得点力」をかけあわせたものが日能研の「合格力」。 「日特(日能研入試問題研究特別講座)」や「志望校別特訓講座」とともに毎年約2万人が参加し、精度が高い志望校判定テストで最後の総仕上げとなります。 その過程において、親が勉強を教えることなく、子供の頑張りはそのままで成績を上げる「親技」を構想。 塾講師時代より仲は悪いが、最強のライバルであった2人「ストロング宮迫とタイガー山中」がタッグを組み、2003年成績向上委員会を立ち上げる。 インターネット上で塾任せ、子供任せにしない勉強スタイルを提案している。 PHP研究所から発行した本は完売、教材使用者は2009年春、のべ2000人を越えました。 週2回配信、購読は無料。 他の家庭はどんな勉強してるの?できる子の親はどんなことさせてるの?がわかるメールマガジン。 小4・小5では隔週、小6では毎週実施されるふり返りの復習テスト。 範囲は前回の授業の内容と決まっているため他のテストと比べ勉強はしやすい。 ただし、塾の宿題に時間がかかりカリテの勉強時間が確保できないと悩む人もいる。 「効率の良い勉強のやり方」を身につけることができるかがポイント。 実力判定テスト:小4・小5対象 公開テスト、実判テストと呼ばれるテスト。 小学4年生は全10回。 小学5年生は12回実施される。 出題範囲は公開されておらず、これまで学習した全範囲の中から出題される。 カリテと比べ範囲が広いので対策も難しい。 理科などはその季節に関連した問題が出題されるなど 「時間をかけず的を絞った勉強」が対策のポイントとなる。 ただし、公開テスト対策は、カリキュラムテストの点がちゃんと取れるようになってからにしたい。 合格判定テスト:小6対象 合判テスト、センター模試、公開テストと呼ばれるテスト。 受験学年の前期に「実力判定テスト」「志望校判定テスト」など6回実施。 以後、大学・中高会場で実施される本番さながらの「合格判定テスト」が全5回、志望校合格に向けて合格力を育成する目的の「合格力育成テスト」全5回などが実施。 受験生にとって志望校への合格判定が気になるテスト。 気にはなるが、出題範囲も広くなるのですぐに点を上げることは難しくなる。 一気に上げるのでなく 「緻密な計画を立てて成績アップを目指すこと」が対策のポイントになる。 カリテの点が4年生のときより下がった 2位. 宿題が多くて復習する時間がない 3位. 実力判定テスト(公開テスト)の点が上がらない 5年生の悩みで多いのは、4年のときは調子良かったカリキュラムテストが5年になって思うように点が取れないというもの。 4年時と比べ学習内容が難しくなっただけでなく宿題の量も増え、ますます子供たちの負担は大きくなります。 ここで考えるべきは、4年の勉強のやり方が5年では通用しないということ。 さらに勉強時間を増やせるほどタフなら構いませんが、そうでない方は 今より効率を上げる勉強法を模索すべきでしょう。 カリテの点がしっかり取れるようになったら次は実力判定テスト対策ですから。 今より効率を上げるにはどうすべきか?親子で一緒になって取り組むことをお勧めします。
次の成績上位の子に限らず、どんな子でも受け入れてくれる間口の広い中学受験専門の塾。 特に中堅に強い塾です。 中学受験に必要な知識を満遍なく、一定のペースで進めていきます。 宿題が比較的少なく、同じ問題を何度もじっくり考えさせる傾向があるので、大きく落ちこぼれる子は少ないけれど、一方で面白みに欠けるため、学習意欲が湧きにくい子も出てきます。 日能研は、4~5年生のうちに1週間の学習リズムが作り上げられるかどうかによって親の負担が変わります。 「カリキュラムテスト」や「公開テスト」が来るたびにテスト勉強を慌ててやるタイプの子は、テストの成績も不十分で、そのテスト直しに時間が取られ、次のテストに向けての勉強ができず悪循環に陥ってしまいます。 6年生になるとテストの回数が増えるため、毎週の勉強が全く回らなくなってしまう場合もあり、その際は親の負担が大きく膨らみます。 真面目にコツコツと学習して、以前に学んだことをきちんと覚えていられる子に向いている塾です。 灘中と開成中の合格者総数は100名を超えます。 日能研の「開成特訓」も、開成中高の裏にある日暮里校舎で、各校舎からの「漢字組」(カリテの成績優秀者は名前が漢字表記となるため)を筆頭とした精鋭を集めて実施されます。 関西では、「灘特進」クラスを7教室で展開しています。 日能研では、生徒一人ひとりの特徴を把握し、適切な支援をしてくれます。 教室には自習室も用意されていて、アットホームな雰囲気の中で、授業時間以外でもお世話になることができます。 先生と生徒も、生徒同士も、信頼や友情に基づいた関係が構築されやすい雰囲気です。 入塾とともに、製本された分厚い教材が配布されるほか、系列のみくに出版からの問題集や受験関連書籍も役に立ちます。 全国展開をしていますから、転勤族の子弟にとっては、引越しをしてもそれまでの学習を継続できるという点が、受け入れられていると思います。 我が家は、小学校4年生から5年生の途中まで浜学園、関西から関東への転居前後で日能研、小学校6年生7月からはSAPIXに在籍をしました。 それぞれの大手塾で、さまざまな点から息子の力を伸ばしていただきました。 なお、大手塾から大手塾への転塾は、躊躇される方も多いでしょう。 我が家は、転勤や進路希望の変更に合わせて、転塾しました。 ただし、大手塾の場合、6年生の夏期講習前が、塾を移る最後のチャンスになりますから、タイミングには十分に注意する必要があるでしょう。 出典: リセマム 日能研 中学受験塾最大手の塾です。 講師・テキスト・テストともに質が高い人気のある塾です。 成績良好の生徒と成績不良の生徒がいます。 それは日能研に関わらず、どの塾にも当てはまることです。 日能研の生徒が成績不良になる原因をみてみましょう。 この状態が半月も続いたら危険信号です。 日能研の膨大なカリキュラムをこなすために、授業の進度が早い、そして理解不足の単元が出てくるのは当然のことです。 そこで大事なのが、家庭学習になります。 ほとんどの生徒は、何かしらの原因で分からない単元をそのままにしています。 そこで、 家庭学習でのポイントは、 授業で理解できなかったところを理解する 知識として覚えておかなければいけないことを復習する 塾の宿題 苦手教科単元の穴埋め カリテの対策 公開模試の対策 です。 日能研の生徒は、以上のようなポイントを抑えておく必要があります。 何から取り掛かるかは、生徒の状況次第ですが、上記ポイントの全てをお子さんに任せてしまうのは無理でしょう。 たくさんの生徒を指導してきて、上記のポイントをつかんで家庭学習をやっている生徒はほとんどいません。 宿題をやるだけでも大変なお子さんがいるのも事実です。 特に苦手単元・強化の穴埋めは、一人でやれるはずがありません。 なぜなら子どもは、好きなことしかやらないからです。 よく言われていることですが、 中学受験を成功させるには親御さんの力が必要です。 そこで、 家庭学習を管理するのが親御さんになるわけですが、管理のポイントを挙げておきます。 やるべきことの優先順位 覚える必要のあるところを取捨選択 効果的なテスト対策 子どもの性格を踏まえての指導 同じ目線で立つこと 正しい学習法であれば、成績は必ず上がります。 成績良好の生徒は、正しい学習法が身についているのです。 カリキュラムは、対象が成績上位に限定されることなく、幅広い層にまで行き届いた標準スタイルですので対応しやすいと言えます。 通っていて確かな安定感と安心感を持てる塾、と言えるのではないでしょうか。 例えば早稲田アカデミーでは慣行されている、講師からご家庭への電話かけも、積極的に行われているとはいえません。 担当講師と話をしたくても、窓口が別になってしまうことも時折見られます。 日能研が、時に淡白、と言われてしまうのも止むを得ないかな、の感はたしかにあります。 教室とのコミュニケーションを密度濃くされたい場合には、少し物足りなさを感じるかもしれません。 すべての単元を完成させなければ過去問を解く意味はない、の考え方はわからないではないのですが、志望校の出題傾向をできるだけ早くつかむことは大事ですし、過去問演習が生徒さんのモチベーションアップにもつながる効果は軽視できないのでは…の思いはあります。 塾のシステムや情報を有効に活用しながら、生徒さんそれぞれが抱える課題をご家庭で早期適確に見つけることが必要になるでしょう。 それでも、より難関校の合格を目指したい生徒さんにとっては、最近数年の上位校での合格実績で、サピックスとの差が開いていることを見て、サピックスへ転塾した方がよいのでは…と考えることがあるかもしれません。 その際には、できるだけ早くに決断することをお勧めします。 サピックスのカリキュラム、授業の進度は際立って早く(特に算数)、期の途中からその流れに乗って、サピックス内でのクラスを上げて行くことはかなり難しいです。 できれば5年生の夏くらいを時期的なリミットと考えて、慎重な決断をすることが必要になるでしょう。 また、ご家庭と教室・講師とのコミュニケーションがどうしても行き届かない、塾側からの働きかけに物足りなさを感じるといった際には、まずは塾に相談して状況改善を目指すことが優先ですが、それでも変わらない場合には、早稲田アカデミーなど、面倒見のよい塾へ移られることも検討の価値は十分にあります。 サピックスのようにカリキュラムがかなり先を進んでいる塾からでしたら対応はしやすいかもしれませんが、できるだけステージの初めから在籍をして、確実にカリキュラムの順を追うこと、塾内テストのシステムに早期に慣れることが、より早く日能研生としての方向性を定めるうえでは必要になるでしょう。 どの塾にもあてはまりますが、大事な選択になります。 慎重に考えましょう。 「まだ過去問を解くレベルではない」との理由で、演習を止められるケースも耳にします。 確かに基本の定着から余りにかけ離れていては、過去問演習の効果は見えづらいことはありますが、カリテやセンター模試の結果だけで、志望校を選定することはとても危険です。 できるだけ早めに、より多く過去問を解くことで、生徒さんと過去問との相性を見て、問題の特徴に慣れるようにすべき、とも思われます。 塾の先生の言葉はしっかりと受け止めた上で、冷静な判断をするようにしましょう。 生徒さんが受けたテストの答案を専用スキャナで読み込み、答案をイメージデータとして扱う方式のことなのですが、この採点方式によって、テストを受けて間もないうち(2日後前後)に「答案用紙」の採点&解説、成績データをパソコン上で見ることができます。 これにより、テストを受けた記憶の新しいうちに見直しができるメリットは、かなり大きいものです。 特に国語などでは、1週間もすると問題文の内容や、自分がどう解いたかを忘れてしまうことがあります。 そうなると、もう一度文章を読み直すロスは避けたい、結果見直しをしないままに終わってしまうということにもなりかねません。 そうした流れをつくらず、テストの演習価値を大きく上げる、とても価値のあるシステムです。 いずれ他塾も追随することになるのではないでしょうか。 理科・社会は、解説は極めて充実しているのですが、写真も含めてすべてが白黒で、やや見づらさを感じる生徒さんもいます。 その場合はカラーの資料集や他の参考書(四谷大塚『予習シリーズ』など)で補うなどの方法も有効です。 6年生からは、通常授業の他に、毎週日曜に実施される『日特』や特別講座が開催されます。 いずれもより実戦的な演習ですのでメリットは多くありますが、時間の拘束や、体力的な問題は十分に考えて、注意深く受講を選択することが必要です。 生徒さんの状況をしっかりと見て、適切な選択をすることが大事です。 この成績に応じて所属のクラスや席順の昇降が判断されるので、自宅学習の目標を明確にできますし、「カリテで高い点数を取りたい!」という動機を、生徒さんに自然に持たせることができるメリットがあります。 『センター模試』は、一ヶ月単位で実施されるオープンテストで、6年後期からは『合格判定テスト』と、本格的な名称に変わります。 日能研の生徒さんは四谷大塚の『合不合判定テスト』をほとんど受験しませんので、この『合格判定テスト』が志望校を選定するうえでの貴重な材料になります。 出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋 日能研で困ること このページでは、お子さんを日能研に通わせている親御さんために情報を提供します。 日能研の問題点、生徒が困ること、伸び悩む原因などを列挙しています。 以下の問題をご家庭内で解決できない場合は、プロ家庭教師をご活用ください!! 1.宿題のチェックが十分ではない 日能研は1クラス30人前後が多いようです。 先生はみな社員で高い水準を維持していますが、さすがに30人の生徒を十分にはみれません。 宿題を明確に示さない校舎もあるようです。 ちゃんと宿題が出る校舎でも、そのチェックは十分ではありません。 生徒が自宅でどのくらい勉強し、理解不足をどうチェックするのかは、親御さんに委ねられます。 しかし、それを満足のいくほど実行できる御家庭は少ないでしょう。 宿題をしていても、そのチェックをしっかりやらないために成績が伸び悩む生徒が少なくありません。 また、試験の解説もすべての問題を入念には行えていません。 カリテや公開模試の解説は実に薄く、不十分なものです。 2.生徒の人数が多すぎる クラスの人数の多さは、さまざまなところで伸び悩みの原因になります。 まず、内気な子は授業中に質問できません。 下位クラスでは、意欲の低い生徒が授業に集中しない例が多く見られます。 塾の授業で解法を理解できなければ、自宅学習の効率は極端に下がります。 日能研の講師のレベルはかなり高いのですが、きめ細かい指導とはいえません。 カリテなどの試験や受験のデータ等はかなり豊富ですが、その子にとって重要な情報が何かを見極めなければなりません。 親御さんのフォローが十分でないと、かなり勉強が非効率になると思われます。 上位クラスは、塾側からのフォローが手厚いようですが、下位クラスはお客様状態です。 過度に塾に期待せず、自宅学習の充実を図っていってください。 3.テキストや試験の解説が不十分 日能研はテキストや試験の量が多く、問題量は十分にあります。 すべてのテキストをやり、試験の間違い直しをやれば、御三家も恐れるに足りず、です。 しかし、そんな子はほとんどいません。 多くの生徒が、テキストのごく一部をやっているだけです。 それは仕方ないのですが、気になるのが例題の解説が少なく、試験の解説も不十分なことです。 授業での解説だけではとても足りません。 自宅で解説を読みつつ反復して勉強しなくてはならないのですが、それが実行しにくい塾であると言えます。 やたらテキストが多く、小6になるとメモリーチェックなど、さらに追加されます。 勉強は1冊のテキストを繰り返す方が記憶に定着するのに、と私は思います。 問題量の多さで、成績を伸ばすという塾なので、解説を行う大人が必要になります。 塾側としては、「それはユリウスで補いましょう」と言いたいのかも知れません。 4.以前の単元の抜けが目立つ 日能研の生徒をみていると、既習単元の抜けが目立ちます。 カリテ中心のカリキュラムなので、その回のカリキュラムに集中する内容になっています。 それはそれで良いのですが、以前の単元を理解し直す作業が少ないように思います。 カリテの応用問題に比べて、公開模試のレベルがそれほど高くないのも気になります。 公開模試の入念な復習が不可欠なのですが、カリテでクラスが決まる傾向が強いためか、多くの生徒において公開模試の復習が不十分になっているようです。 受験勉強は全範囲をまんべんなく勉強することが求められます。 教材や講師のレベルの高さの割に、一部の他塾に比べて合格実績が伸び悩んでいる原因は、そこにあるように思います。 勉強は全範囲を常に穴埋めしていかなければならないのです。 5.気合いが入っていない 一部の他塾に比べて、落ち着いているイメージがある塾です。 それはそれで良いのですが、意欲を引き出すという塾の役割を十分に果たせていないように思うのです。 他塾の中には、体育会系のノリの良さを売りにしているところもあります。 それが苦手な子もいますが、小学生はやはり元気いっぱいの方が、自宅学習に向かう意欲が湧くのではないでしょうか。 常に、お子さんの勉強意欲を刺激しなければならないのですが、その点に関して、やや不十分な気がするのです。 しかし、先生の解説やテキスト・テストの水準は高いので、モチベーションはぜひ御家庭で上げていきたいものです。 6.自宅学習の時間がとれない 日能研の生徒をみていて思うのは、自宅学習の時間が少ないということです。 たとえば小6の上位クラスは、火・水・木・土・日の5日が塾のようです。 自宅学習できる時間は、月・金と土曜の午前中しかありません。 これでは、自宅で1人で勉強する時間は十分にとれません。 塾での勉強ももちろん重要ですが、自宅で時間を計りながら1人で勉強するのが最重要です。 本番の試験は1人なのですから、1人で勉強できなければなりません。 どうも、日能研の生徒さんにはそこの訓練が不十分な気がするのです。 特に小6の最後の時期は、志望校の過去問に特化した勉強が必要です。 自宅で過去問を入念に勉強し、できなかった箇所の類題を数こなす必要があります。 うまく塾を活用するように、塾まかせにせず、御家庭で計画を立ててみてください。 7.下位の生徒の意欲が低い これは日能研に限りませんが、下位クラスの生徒の意欲が低いのが気になります。 特に最下位クラスに半年以上いる生徒は、勉強の意欲は皆無です。 塾は友達と会って遊ぶ場ではありません。 しかし、小学生の生徒はそのくらいにしか考えません。 下位クラスが定着すると、お互いに勉強が苦手な仲間になってしまうのです。 日能研は成績順に席順まで決められてしまいます。 下位クラスから抜け出すには、カリテの共通問題もある程度できなければなりません。 しかし、授業ではカリテの基礎問題ばかりで、共通問題までは手が回りません。 その結果、クラスが上がらない状態が定着してしまうのです。 たとえばSAPIXなら、細かくクラスが分かれているので、最下位クラスから抜けだしやすいのです。 日能研ではクラスが少ないだけ、最下位脱出が難しいのです。 8.テキストの種類が多すぎる 他塾もその傾向がありますが、日能研のテキストは多すぎるように思います。 本科教室、栄冠への道、強化ツール、メモリーチェック、ステージVなど。 勉強は、1冊の良質の参考書と問題集を繰り返すのが一番です。 日能研のお子さんは、どのテキストも中途半端になりがちです。 私の経験上、ベストチェックとメモリーチェックを3回繰り返して学習させれば、ほぼすべての生徒が偏差値55にはなりました。 ということは、あれこれテキストを摘み食いするのではなく、レベルの合ったものを繰り返すのが良いのです。 しかし、塾には塾の都合があって、多くのテキストを使わざるをえないようです。 生徒さんによって、志望校も苦手分野もさまざまなので、ぜひ御家庭で上手くプランを立ててあげてください。 下位クラスのお子さんには、ベストチェックとメモリーチェックをお勧めします。 中位クラスのお子さんは、過去のカリテや公開模試の見直しをお勧めします。 偏差値によりますが、たとえば偏差値55の生徒は、正答率30%以上で間違えた問題を総復習すると良いでしょう。 そういった細かな学習スタイルが重要です。 9.御三家対策が不十分 どちらかと言うと中堅校に強い塾なので、SAPIXなどに比べると御三家レベルへの対応が弱いように思います。 もとろん、御三家を志望しない子にとっては、関係ありません。 あくまで、開成や櫻蔭を目指す子にとっての話です。 御三家を受験する場合、圧倒的な勉強量と本物の理解を求められます。 日能研は、そこの徹底がやや不足していると言わざるをえません。 しかし、言い換えれば、偏差値50台中学を目指す受験生にとっては、無理なく勉強を進められるといえます。 個別指導のユリウスでは御三家対策は望めないので、御三家を目指す場合、プロの家庭教師が必要になるかもしれません 10.奇問・難問が少ない 他塾のテキストやテストと比較すると、日能研は標準的というか癖が少ないように思います。 奇問・難問に触れる機会が少ないだけ、最上位校に進学する数字が伸び悩んでいるのかも知れません。 しかし、それだけ、標準的な問題を反復できるというメリットがあります。 また、カリテが、基礎・共通・応用に分かれているので、試験の復習もしやすくなっています。 中堅校に確実に合格するには、優れた塾だともいえます。 ただ、解説が少ないので、上手くサポートしてあげる必要もあります。 日能研の生徒の伸び悩みは、最下位と最上位の生徒に多く見られます。 出典: 中学受験の塾情報 日能研用語集 あ行 【栄冠への道】 本科教室の補助テキスト。 授業で使用されることはなく、自宅学習用の教材として活用される。 本科教室だけでは問題数が確保できないため、類題演習の教材としては欠かせない。 補助的役割のため、問題についての解説はないが、国語の「解法のポイント」などは、端的に重要な内容が込められていて、効用が高い。 か行 【カリキュラム】 日能研のカリキュラムは、中学受験対策として極めてスタンダードな進度と言える。 サピックスのように5年生で算数のすべての範囲を一通り終えるような速度ではなく、また大手以外の塾で見られる進度の遅さもない。 地道に理解を固めるには問題のない内容になっている。 ただし、入試過去問演習の開始時期だけはなぜか遅い。 教室によっては12月まで手をつけないように言われることもある。 秋以降は塾の指示は聞いたうえで、独自の判断で過去問演習に着手する強い意志を持つことが必要である。 【カリキュラムテスト(カリテ)】 1週間分(4年生は2週間分)の演習範囲の復習テスト。 全クラス共通に解く「共通問題」と、クラスによって問題の分かれる「基礎問題」「応用問題」の二部構成になっている。 偏差値は出ず、10段階での評価となる。 復習徹底主義の日能研では、このカリテの成果が理解の指標にもなるので、テストの見直しが必須となる。 試験日から2,3日後にインターネットで答案が返却される(【DI学習支援システム】参照)というスピードがその特徴のひとつである。 【記述力模試】 記述重視の上位校対策を目的とした模試。 当初は5年生のみが対象であったが、現在は6年生が3月に、4、5年生が8月に受験する。 問題が難しいため、上位校志望の生徒のみが対象となり、教室によっては上位クラスにのみ案内される(半強制とする教室もあり)。 6年生については3月に実施されることもあり、難問に手を焼く生徒がとても多い。 したがって受けるかどうかについては状況に応じた判断が必要で、無理をする必要はない。 【共通問題・応用問題】 カリキュラムテスト(カリテ)での問題の名称。 センター模試にはこの区別はない。 「共通問題」は言葉通り、テストを受ける全員が解答する問題。 「応用問題」は、各教室の上位クラスの生徒が解答する問題。 下位クラスは「基礎問題」を解くことになる。 「応用問題」と「基礎問題」の問題レベルの差は科目によっても異なるが、総じて大きい。 上位にもう少しで届く状況の生徒にとっては、「基礎問題」から卒業することがモチベーションのひとつにもなる。 【クラス編成】 日能研は、習熟度別のクラス編成で、教室によって構成は異なる。 かつての栄冠・マスターといったクラスは今やほとんどの教室で見ることはなく、代わりにR・G・Wといった区別をし、WについてはW1、W2とさらに細分化される。 教室によってはRがなく、MやAといったクラスがあるなど、未だに統一されていない感が強い。 1クラスは20名前後で、サピックスや四谷大塚より若干多い程度。 成績によるクラス替えはあるが、その回数は教室によって異なる。 また、テスト結果によって、クラスの席順が変わり、それを生徒への動機付けとしている。 【月謝】 日能研の月謝システムはクラスによって異なる。 SAPIXや四谷大塚のような、テスト代・テキスト代込みでの提示ではないことに注意が必要。 一例として、日能研小6のMクラスで38,475円であるのに対して、SAPIX小6の平常授業が49,785円と違いがあるが、上記のようにその他の費用が含まれるかどうかもあり、トータルして塾選びの要素とすべき程の違いはない。 【合格オン・ザ・ロード】 日能研が開催する入試報告会の名称。 入試終了後の3月頃に会場をわけて開催される。 内容としてはスタンダードな構成になっており、営業色は薄い。 会の進行や会場整理なども無駄がなく、塾としての体制の強さを感じる。 特筆すべきは、冒頭に流されるビデオ映像の完成度。 内容としては日能研生の1年間の過ごし方に始まり、合格発表ならびに生徒の声で終わるのだが、毎年合格発表の場面になると、会場が一斉に涙につつまれる。 この映像の完成度は他塾を大きくリードしている。 さ行 【シカクいアタマをマルくする】 入試過去問題から日能研が選んだ「考える力」を求める問題群。 電車の額面広告に記載されており、受験に関係のない人々までもが、車内で問題を解こうと凝固している風景は頻繁に見られる。 その知名度の高さから、書籍化さらには任天堂のDSソフトとしても売り出されるに至っている。 受験生でなければ持ち得ない技術がなくても解ける難問、がほとんどで、結果として「中学受験で学ぶ内容は社会常識につながる」ことを見事に表現している。 【進学レーダー】 日能研の関連企業である「みくに出版」が毎月刊行している情報誌。 学校情報ひとつをとっても、併願パターンからの分析や通学路別の紹介など、様々な切り口で発信がされている。 また、生徒用のテキストからは想像もつかないほどに、色彩豊かでビジュアル的にも見やすく作られている。 マンガや写真をふんだんに使っているので、読物としても飽きが来ない。 日能研の情報面での強さを見せつけられる逸品。 【ステージ】 日能研のカリキュラムの段階を指す名称。 【セキュリティ】 防犯Nブザー(【Nバッグ・防犯Nブザー】参照)以外にも、日能研では生徒を保護するシステムが明示されている。 それが「Nセキュリティ」と「キッズセキュリティ」。 Nセキュリティは警察OBだけの防犯組織の名称で、キッズセキュリティはPASMOを使った生徒の入退室確認システム。 他塾と比べてもそうした防犯システムのアピールは徹底されている。 た行 【知の翼】 日能研の通信講座。 全学年が対象となっているが、実質は低学年がメインターゲットになっている。 趣旨としては、通信講座で体験的に日能研カリキュラムを提供して、後に日能研本体への入塾につなげることを目的としている。 そのため低学年が対象となることが多いが、5、6年生も受講可能である。 内容としては本科教室のカリキュラムだが、特に低学年向けにはゲーム感覚を重視しており、好評を得ている。 な行 【日特】 「日能研入試問題研究特別講座」の略称。 「日曜特訓」の略ではない。 学校別の日特は後期からで、前期日特は後期で言うところの「合同日特」と同じ内容になる。 「学校別日特」の対象校は増加しているが、上位校に絞られる状況は変わっていない。 志望する学校の日特がない場合には、似た傾向の学校日特を勧められても、慎重に検討する必要がある。 また学校別ではない「前期日特」や「合同日特」についても、無理に受けるだけの価値があるかどうかは疑問。 志望校の日特がない場合に、早稲田アカデミーのNNを受講するケースが見られる。 【日能研リーグ】 日能研のカリキュラムを他塾で受けられるシステム。 四谷大塚のYTネットの日能研版とも言える。 は行 【本科教室】 日能研のメインテキスト。 塾ではこのテキストを使って授業が進められる。 レベル別に問題が構成されていて、例えば算数であれば、基本問題・発展問題・練成問題とレベルアップして行く。 練成問題は入試問題の抜粋となるため、難問が揃う。 四科とも解説が充実しているが、全紙白黒のためか、特に理科・社会では扱いづらさ、馴染みづらさが感じられるケースがある。 6年生の後期からは名称が『合格力完成教室』に変わる。 ま行 や行 【ユリウス】 日能研の個別指導部門ならびに家庭教師派遣部門。 個別指導部門では基本は生徒1名に対して講師2名のスタイルとなっており、希望によっては1対1のかたちも選ぶことができる(料金は約1. 5倍)。 個人の特徴を踏まえて集団ではできない学習を、という理念と日能研の情報を活用できるというメリットは大きい。 ただし、講師が大学生中心であること、1対2の授業形態で集中を維持することの難しさなどを考えると、周りに流されずに勉強に取り組むための、確固たる意志が必要になる。 ら行 わ行 英数字 【DI学習支援システム】 日能研が誇る、インターネットを活用したテスト採点システム。 日曜日に受けたテストの答案が、インターネット上で火曜日には表示される、といった他塾にないスピードで、早期に見直しをすることができる。 登録IDがなければ答案を見ることはできないため、セキュリティは徹底されている。 各問の全体正答率が表示されたり、「偏差値ランクを上げるためにはこの問題」といったかたちで問題が抽出されるなど、教材としてのテストの価値を一層高める効果を生んでいる。 【MY NICHINOUKEN】 インターネットを活用した会員サービス制度。 上記DIシステムもこのサービスに登録することで利用することができる。 テストの結果以外にも、入試の過去問題や、学校情報などが提供される。 【Nバッグ・防犯Nブザー】 日能研生専用のカバンをNバッグと呼ぶ。 青地に大きく「N」と書かれたカバンが会社帰りのサラリーマンの間をかいくぐる風景は、21時頃の駅でよく見かけられる。 日能研生のほとんどが入試会場にもこのカバンで現れるため、Nバッグが大挙して会場に集まることになる。 他の受験生に対して無言の圧力をかける武器ともなり、また「あのカバンには負けない」と思わせる刺激剤にもなる。 Nブザーはカバンの肩ひも部分に装着する防犯ブザー。 【R4偏差値】 日能研センター模試(【センター模試】参照)の結果で、合格率80%の指標となる偏差値。 RはRANGE(範囲)の頭文字で、「R4=80%、R3=50%、R2=20%」となっているが、学校案内などに掲載されている四谷大塚や首都圏模試の偏差値表も合格率80%のデータなので、日能研でもR4以外はほとんど使われることはない。 出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋.
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