妊娠すると、基礎体温は高い状態が続くことをご存じの方も多いと思います。 では、何日ぐらい高温期が続くと妊娠の可能性があるといえるのでしょうか。 また妊娠中の体温はどうなるのでしょう。 基礎体温のキホンとともにお届けします。 この記事の監修ドクター 荒木記念 東京リバーサイド病院 星 真一先生 1995年昭和大学医学部卒業。 昭和大学病院、総合守谷第一病院などの勤務を経て、現在、荒木記念東京リバーサイド病院の産科部長を務める。 日本産婦人科医会幹事、昭和大学産婦人科兼任講師、首都大学東京非常勤講師。 「妊娠かも? 」の可能性がある高温期の持続期間はどれくらい? 妊娠したかどうかは、産婦人科を受診することで確定されますが、その前に自分で予測を立てることができます。 ここでは基礎体温の変化で妊娠の可能性を予測する方法をお伝えします。 基礎体温の仕組みについて 基礎体温は、朝目覚めてすぐの安静時に測る体温のこと。 女性ホルモンの分泌と連動して、基礎体温も変化します。 一般的に排卵があれば高温の期間(高温期)と低温の期間(低温期)の2つに分けられ、それぞれが14日前後続きます。 妊娠の可能性がある基礎体温とは 妊娠していない場合、生理(月経)から排卵までが低温期、その後、排卵の後に高温期になり、次の生理 とともに再び低温期が始まるというサイクルが続きます。 高温期は正常であれば10日以上続きます。 これは黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する卵巣のなかにある「黄体」(排卵後の卵胞が変化したもの の寿命が約14日間 のためです。 しかし、妊娠が成立すると、黄体は「妊娠黄体」となり、妊娠をサポートするために黄体ホルモンを出し続けるため、高温期が続きます。 高温期が17日以上続いて生理にならないようであれば、妊娠している可能性が高いといえるでしょう。 妊娠中はいつまで高温期が続く? 妊娠中も基礎体温は高温期が続きます。 しかし、出産まで高い体温が続くわけではなく、妊娠12〜16週頃から次第に低下します。 妊娠初期には卵巣の妊娠黄体から黄体ホルモンが分泌されていますが、これは次第に減少し、妊娠7〜8週頃 からは黄体ホルモンを出す役割を胎盤が引き継ぎます。 胎盤由来の黄体ホルモンには体温を上昇させる作用はないため、妊娠4カ月頃には体のほてりやだるさがとれ始めると言われています。 高温期・低温期の体温は何度くらい? 生理周期と連動している基礎体温のサイクルは、高温期と低温期の2相に分かれます。 それぞれ何度ぐらいで、どのぐらいの期間続くのでしょうか? 高温期・低温期の目安は? 正常な排卵が行われている女性の基礎体温は、低温期と高温期の2相に分かれ、それぞれ14日程度でひとつの周期になっています。 基礎体温を毎日測り表にしてみると、このサイクルがわかりやすいです。 ただし、体調によっても変わるので1周期だけの計測で判断はできません。 2〜3周期は計測しておくと、自分の基礎体温のリズムがわかってきます。 低温期と高温期の2相に分かれていたとしても、高温期が10日以内で短いと、黄体機能不全の可能性も考えられます。 体温の数値だけでなく、その期間にも注目しましょう。 高温期・低温期の差はどれくらい? 一方、基礎体温は安静時の体温を測るもので、同一の人で発熱していない限りそれほどの差はありません。 低温期と高温期との基礎体温の差は正常な場合0. 3〜0. なぜ体温が上がるの? 女性の体の仕組み 排卵がある女性は、基礎体温が生理周期の中で2相に分かれます。 生理のリズムに合わせて基礎体温が変動するのは、その時分泌される女性ホルモンが原因となっています。 女性ホルモンの分泌が生理のリズムによって変わっていく仕組みとは? 高温期の体の仕組み 女性ホルモンの変化は、卵巣の中にある卵胞の発育、またその中にある卵子の動きと密接な関係があります。 卵子は毎月、卵胞から排出され、卵管に吸い込まれていきますが、 この卵子が卵巣から排出されることを「排卵」といいます。 排卵後、卵巣に残った卵胞は黄体に変化し、黄体ホルモンを多量に分泌するようになります。 黄体ホルモンには、受精卵が着床しやすくなるように子宮内膜を変化させる作用があるのです。 この時期、黄体からは卵胞ホルモン(エストロゲン)も分泌され、黄体ホルモンと共に受精卵が着床しやすいよう子宮内膜の状態を整えるのに役立っています。 先に紹介したように、 黄体から分泌される黄体ホルモンには基礎体温を上昇させる作用がありますが、黄体の寿命は約14日間のため、妊娠が成立しなかった場合、再び体温が下がり低温期となって 、生理が始まります。 低温期の体の仕組み 低温期は生理初日から次の排卵の前後まで続きます。 生理が始まり、子宮内膜が体外に排出されると同時に、新たな卵胞が卵巣の中で発育します。 卵胞の発育に伴って卵胞ホルモンの分泌が活発になり、その作用によって子宮内膜が厚くなって、次の機会に備えた妊娠の準備が始まるのです。 なお、低温期は日が進むに従って卵胞ホルモンの分泌量は増えますが、体温上昇の作用がある黄体ホルモンの分泌量は低いままです。 ですから、体温はあまり上昇しません。 基礎体温の上手な測り方・見方 基礎体温は、運動や飲食などの行動による影響をできるだけ排除し、生命を維持するために内臓が必要とする最低限のエネルギー(基礎代謝)のみが反映される条件で測った体温のことを示します。 どう測って、何を確認すればよいのでしょうか。 基礎体温の測り方 基礎体温は一定時間(4〜5時間)以上の睡眠後、 起床してすぐ、起き上がる前の安静にした状態で測ります。 そのため、就寝前に枕元に婦人体温計を用意しておくとよいでしょう。 婦人体温計は0. この体温計を舌の裏側の根元にあて、検温できるまで安静に待ちましょう。 検温時間は婦人体温計によって異なります。 約5分間測る「実測式」と、短時間で5分後の平衡温を予測する「予測式」があります。 自分の生活スタイルに合わせて、使いやすいものを選びましょう。 基礎体温表の見方 基礎体温は毎日測り、グラフにしてみると変化がわかりやすいです。 排卵がある場合は、低温の期間と高温の期間に分かれます。 また、それぞれどのぐらいの期間続いているのか、生理は何日周期で来ているかなど過去の記録をさかのぼるとわかることがたくさんあります。 さらに、基礎体温と一緒に生理や体調不良、性交日なども記録しておきましょう。 そうすることで、体調や体温が変化した際の原因を自分なりに探ることもできます。 最近はパソコンやスマートフォンで記録を管理するアプリがあり、自動的にグラフ化したり、排卵予定日や生理開始推定日を示してくれるものもあるので活用してみるのもおすすめです。 なお、最も妊娠しやすい時期は、排卵の1〜2日前であり、そのころに増加する頸管粘液の状態(水様のおりもの)も記録しておくと妊娠に役立つでしょう。 異常が考えられる基礎体温 基礎体温が低温期のままのケース 基礎体温がいつまで経っても低温期のままで高温期に移行しない場合、排卵が行われていない可能性があります。 排卵すると卵胞は黄体に変化し、黄体ホルモンの分泌が増えて体温が上昇します。 高温期が短いケース 妊娠していない場合、高温期は14日程度とされています。 その期間には個人差がありますが、正常であれば10日以上続くので、これより期間が短い場合は注意が必要です。 黄体ホルモンの分泌が不十分な黄体機能不全の可能性があります。 この場合、生理のタイミングも平均的な28〜30日より短くなります。 ただし、卵胞の発育が遅れる場合もあり、そうなると低温期が長く高温期が短くなるので、生理周期そのものが短くなるとは限りません。 あくまで高温期が短くなっていないかを確認するとよいでしょう。 低温期と高温期の差が0. 3〜0. 高温期が短いケースと同様に、子宮内膜が充分な厚みにならず、受精卵が着床しにくく、不妊につながることもあります。 全体的に線がギザギザのケース 高温と低温が不安定に繰り返されるなどで、グラフの線がギザギザしている場合があります。 睡眠時間が不十分だったり、起床時間に大きな差があるような不規則な生活や体調不良の時などは、体温がきれいに2相に分かれない場合もあります。 排卵や黄体ホルモンの分泌の異常も考えられるので、生理のリズムを2〜3周期観察してみましょう。 生理が終わった後も高温期が続くケース 生理の期間には個人差がありますが、3〜7日が正常範囲とされています。 生理がそれ以上続く場合、子宮内膜の一部が月経血と共に逆流して腹膜や卵巣に付着して起こる子宮内膜症をはじめ、子宮筋腫や子宮腺筋症などによる出血が疑われます。 また、生理の後も高温期が続く場合は、正常な妊娠以外にも、子宮外妊娠や流産でも起こる可能性があります。 こうした場合はとくに、医師の診断を受け適切な処置を受けることが重要です。 まとめ 基礎体温をつけると、自分のからだのリズムを知ることができます。 高温期が17日以上続く場合は妊娠している可能性が大きいです。 妊娠成立後はいずれ体温は下降するので、測定しなくてもよいでしょう。 赤ちゃんを望んでいる方は排卵の有無や黄体機能などもある程度わかるので、基礎体温を付ける習慣を日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょう。 必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。 本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます.
次の妊娠すると、基礎体温は高い状態が続くことをご存じの方も多いと思います。 では、何日ぐらい高温期が続くと妊娠の可能性があるといえるのでしょうか。 また妊娠中の体温はどうなるのでしょう。 基礎体温のキホンとともにお届けします。 この記事の監修ドクター 荒木記念 東京リバーサイド病院 星 真一先生 1995年昭和大学医学部卒業。 昭和大学病院、総合守谷第一病院などの勤務を経て、現在、荒木記念東京リバーサイド病院の産科部長を務める。 日本産婦人科医会幹事、昭和大学産婦人科兼任講師、首都大学東京非常勤講師。 「妊娠かも? 」の可能性がある高温期の持続期間はどれくらい? 妊娠したかどうかは、産婦人科を受診することで確定されますが、その前に自分で予測を立てることができます。 ここでは基礎体温の変化で妊娠の可能性を予測する方法をお伝えします。 基礎体温の仕組みについて 基礎体温は、朝目覚めてすぐの安静時に測る体温のこと。 女性ホルモンの分泌と連動して、基礎体温も変化します。 一般的に排卵があれば高温の期間(高温期)と低温の期間(低温期)の2つに分けられ、それぞれが14日前後続きます。 妊娠の可能性がある基礎体温とは 妊娠していない場合、生理(月経)から排卵までが低温期、その後、排卵の後に高温期になり、次の生理 とともに再び低温期が始まるというサイクルが続きます。 高温期は正常であれば10日以上続きます。 これは黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する卵巣のなかにある「黄体」(排卵後の卵胞が変化したもの の寿命が約14日間 のためです。 しかし、妊娠が成立すると、黄体は「妊娠黄体」となり、妊娠をサポートするために黄体ホルモンを出し続けるため、高温期が続きます。 高温期が17日以上続いて生理にならないようであれば、妊娠している可能性が高いといえるでしょう。 妊娠中はいつまで高温期が続く? 妊娠中も基礎体温は高温期が続きます。 しかし、出産まで高い体温が続くわけではなく、妊娠12〜16週頃から次第に低下します。 妊娠初期には卵巣の妊娠黄体から黄体ホルモンが分泌されていますが、これは次第に減少し、妊娠7〜8週頃 からは黄体ホルモンを出す役割を胎盤が引き継ぎます。 胎盤由来の黄体ホルモンには体温を上昇させる作用はないため、妊娠4カ月頃には体のほてりやだるさがとれ始めると言われています。 高温期・低温期の体温は何度くらい? 生理周期と連動している基礎体温のサイクルは、高温期と低温期の2相に分かれます。 それぞれ何度ぐらいで、どのぐらいの期間続くのでしょうか? 高温期・低温期の目安は? 正常な排卵が行われている女性の基礎体温は、低温期と高温期の2相に分かれ、それぞれ14日程度でひとつの周期になっています。 基礎体温を毎日測り表にしてみると、このサイクルがわかりやすいです。 ただし、体調によっても変わるので1周期だけの計測で判断はできません。 2〜3周期は計測しておくと、自分の基礎体温のリズムがわかってきます。 低温期と高温期の2相に分かれていたとしても、高温期が10日以内で短いと、黄体機能不全の可能性も考えられます。 体温の数値だけでなく、その期間にも注目しましょう。 高温期・低温期の差はどれくらい? 一方、基礎体温は安静時の体温を測るもので、同一の人で発熱していない限りそれほどの差はありません。 低温期と高温期との基礎体温の差は正常な場合0. 3〜0. なぜ体温が上がるの? 女性の体の仕組み 排卵がある女性は、基礎体温が生理周期の中で2相に分かれます。 生理のリズムに合わせて基礎体温が変動するのは、その時分泌される女性ホルモンが原因となっています。 女性ホルモンの分泌が生理のリズムによって変わっていく仕組みとは? 高温期の体の仕組み 女性ホルモンの変化は、卵巣の中にある卵胞の発育、またその中にある卵子の動きと密接な関係があります。 卵子は毎月、卵胞から排出され、卵管に吸い込まれていきますが、 この卵子が卵巣から排出されることを「排卵」といいます。 排卵後、卵巣に残った卵胞は黄体に変化し、黄体ホルモンを多量に分泌するようになります。 黄体ホルモンには、受精卵が着床しやすくなるように子宮内膜を変化させる作用があるのです。 この時期、黄体からは卵胞ホルモン(エストロゲン)も分泌され、黄体ホルモンと共に受精卵が着床しやすいよう子宮内膜の状態を整えるのに役立っています。 先に紹介したように、 黄体から分泌される黄体ホルモンには基礎体温を上昇させる作用がありますが、黄体の寿命は約14日間のため、妊娠が成立しなかった場合、再び体温が下がり低温期となって 、生理が始まります。 低温期の体の仕組み 低温期は生理初日から次の排卵の前後まで続きます。 生理が始まり、子宮内膜が体外に排出されると同時に、新たな卵胞が卵巣の中で発育します。 卵胞の発育に伴って卵胞ホルモンの分泌が活発になり、その作用によって子宮内膜が厚くなって、次の機会に備えた妊娠の準備が始まるのです。 なお、低温期は日が進むに従って卵胞ホルモンの分泌量は増えますが、体温上昇の作用がある黄体ホルモンの分泌量は低いままです。 ですから、体温はあまり上昇しません。 基礎体温の上手な測り方・見方 基礎体温は、運動や飲食などの行動による影響をできるだけ排除し、生命を維持するために内臓が必要とする最低限のエネルギー(基礎代謝)のみが反映される条件で測った体温のことを示します。 どう測って、何を確認すればよいのでしょうか。 基礎体温の測り方 基礎体温は一定時間(4〜5時間)以上の睡眠後、 起床してすぐ、起き上がる前の安静にした状態で測ります。 そのため、就寝前に枕元に婦人体温計を用意しておくとよいでしょう。 婦人体温計は0. この体温計を舌の裏側の根元にあて、検温できるまで安静に待ちましょう。 検温時間は婦人体温計によって異なります。 約5分間測る「実測式」と、短時間で5分後の平衡温を予測する「予測式」があります。 自分の生活スタイルに合わせて、使いやすいものを選びましょう。 基礎体温表の見方 基礎体温は毎日測り、グラフにしてみると変化がわかりやすいです。 排卵がある場合は、低温の期間と高温の期間に分かれます。 また、それぞれどのぐらいの期間続いているのか、生理は何日周期で来ているかなど過去の記録をさかのぼるとわかることがたくさんあります。 さらに、基礎体温と一緒に生理や体調不良、性交日なども記録しておきましょう。 そうすることで、体調や体温が変化した際の原因を自分なりに探ることもできます。 最近はパソコンやスマートフォンで記録を管理するアプリがあり、自動的にグラフ化したり、排卵予定日や生理開始推定日を示してくれるものもあるので活用してみるのもおすすめです。 なお、最も妊娠しやすい時期は、排卵の1〜2日前であり、そのころに増加する頸管粘液の状態(水様のおりもの)も記録しておくと妊娠に役立つでしょう。 異常が考えられる基礎体温 基礎体温が低温期のままのケース 基礎体温がいつまで経っても低温期のままで高温期に移行しない場合、排卵が行われていない可能性があります。 排卵すると卵胞は黄体に変化し、黄体ホルモンの分泌が増えて体温が上昇します。 高温期が短いケース 妊娠していない場合、高温期は14日程度とされています。 その期間には個人差がありますが、正常であれば10日以上続くので、これより期間が短い場合は注意が必要です。 黄体ホルモンの分泌が不十分な黄体機能不全の可能性があります。 この場合、生理のタイミングも平均的な28〜30日より短くなります。 ただし、卵胞の発育が遅れる場合もあり、そうなると低温期が長く高温期が短くなるので、生理周期そのものが短くなるとは限りません。 あくまで高温期が短くなっていないかを確認するとよいでしょう。 低温期と高温期の差が0. 3〜0. 高温期が短いケースと同様に、子宮内膜が充分な厚みにならず、受精卵が着床しにくく、不妊につながることもあります。 全体的に線がギザギザのケース 高温と低温が不安定に繰り返されるなどで、グラフの線がギザギザしている場合があります。 睡眠時間が不十分だったり、起床時間に大きな差があるような不規則な生活や体調不良の時などは、体温がきれいに2相に分かれない場合もあります。 排卵や黄体ホルモンの分泌の異常も考えられるので、生理のリズムを2〜3周期観察してみましょう。 生理が終わった後も高温期が続くケース 生理の期間には個人差がありますが、3〜7日が正常範囲とされています。 生理がそれ以上続く場合、子宮内膜の一部が月経血と共に逆流して腹膜や卵巣に付着して起こる子宮内膜症をはじめ、子宮筋腫や子宮腺筋症などによる出血が疑われます。 また、生理の後も高温期が続く場合は、正常な妊娠以外にも、子宮外妊娠や流産でも起こる可能性があります。 こうした場合はとくに、医師の診断を受け適切な処置を受けることが重要です。 まとめ 基礎体温をつけると、自分のからだのリズムを知ることができます。 高温期が17日以上続く場合は妊娠している可能性が大きいです。 妊娠成立後はいずれ体温は下降するので、測定しなくてもよいでしょう。 赤ちゃんを望んでいる方は排卵の有無や黄体機能などもある程度わかるので、基礎体温を付ける習慣を日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょう。 必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。 本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます.
次の妊活を本格的に始める多くの方は基礎体温を記録していきます。 このときに「高温期」という言葉を初めて知る方は多いでしょう。 せっかく基礎体温をつけても「高温期」の知識がなければ、体温の推移が何を意味するか理解することができません。 一般的には高温期が21日継続すれば妊娠の可能性が高いとされております。 しかし、 どのタイミングで高温期に入ったのか? どのタイミングで高温期が終わったのか? 判断できなければ、高温期が何日継続したのかを知ることはできません。 そして基礎体温を測るメリットは妊娠だけではありません。 毎日の基礎体温を測ることで自分の体のサイクルを知り、体調の変化にも気づきやすくなるのです。 ここでは、 高温期ってなに?という疑問から温度の目安、基礎体温の測り方から理想的な基礎体温にする改善策まで詳しく紹介していきます。 [co-7] この記事の目次• 高温期って何? そもそも、『高温期』とは、どのような状態にあることを言うのでしょう? 高温期=高い体温が続く期間 毎日体温を計っていると、自分の体温がある一定のリズムで変化を繰り返していることに気が付きます。 体温の低い期間が約2週間あり、排卵日を境に、体温の高い期間が約2週間続きます。 この、『体温の高い期間』が高温期です。 しかし、女性の体はそれだけではなく、常にその内部が活動を続けています。 高温期に起こる体内の変化とは? 月に一度の間隔で、女性には月経が訪れます。 月経は、妊娠しなかった場合に、子宮内で不要となったものが排出される状態をいいます。 その子宮内では、次の妊娠に向けての準備として、次のような活動が始まります。 高温期の体温の目安!平均値と理想値 健康だとされる女性の場合について、どのくらいの体温が一般的なのでしょう。 高温期の理想体温とは? 【高温期の体温(平均値)】 現代の成人した日本人の女性の平均体温は、約36. 2~36. 高温期の体温は、36. ただ、現代人の食生活や生活リズムが、昔に比べると変化していることもあり、平均体温が低く、低体温の女性が増えています。 【高温期の体温(理想値)】 理想的な体温は、新陳代謝が良く、健康で活動的、免疫力の高い状態は、平均体温が36. 0~37. 低温期と高温期の体温差 低温期の体温が36. 3~36. つまり、その差が 0. 3~0. 低温期の体温が36. 8~37. 0ということになります。 平均値にすると、0. グラフに表すと、きれいにくっきりと二層に分かれているのがわかります。 排卵日から高温期への体温上昇率 低温期から高温期へは、2~3日かけて、じわじわと上昇するのが一般的です。 上昇する日は、排卵日の翌日が基本ですが、体質や体調によって、排卵中から上がったり、また排卵日前から上昇し始めることもあります。 高温期の体温には個人差がある! 理想的な体温、そして体温変化や上昇率はありますが、個人差があります。 平均値は目安として捉えよう! 前述した体温等は、あくまでも平均値や理想値です。 もともとの体温が低い人は高温期でも36. 5度にも満たない場合がありますし、反対に38. 0度にまで上がる体質の人もいます。 体調の善し悪しによっても変わりますので平均値はあくまでも平均であると、大まかに捉えてください。 また、上昇率についても同様、実際にきちんと計測していた人の中には、毎回1. 5度も上がるという数値も出ています。 これは、体質によるものであり、病気や悪い傾向だと言い切ることはできません。 要は、毎回同じくらいの上昇率であれば、それが自分にとっての正しい数値であると受け止めるべきなのです。 上昇の仕方も、2~3日かけて上がって行く人が大半ですが、一気にぐっと上がる体質の人もいます。 体質に関係なく、妊娠していれば一気に上がるという傾向にもあります。 【基礎体温が安定しない6つの原因】 ・ストレスが溜まっている ・生活リズムが不規則 ・新陳代謝率が低い ・生殖器の機能低下 ・黄体機能や排卵機能の病気 ・体の冷え 低温期と高温期の温度差が大きい 0. ・免疫機能のトラブル ストレスが主な原因で、自己免疫疾患と呼ばれる病気になることがあります。 ・ウイルスや最近に感染 風邪の症状が疑われることもあります。 ・悪性リンパ腫 37. ・甲状腺機能亢進症 甲状腺から分泌されるホルモンが異常に増え、体温を高めてしまうことがあります。 ・鉄欠乏症貧血 女性に多く見られる疾患です。 体温調整を行う自律神経に悪影響を及ぼし、体温が高くなります。 何らかの疾患が原因で体温が上昇する場合、ちょうど高温期の時期にあたると、発見が遅れる可能性も高まります。 普段の高温期より体温が高かったり、また期間が長い場合は、上記の疾患が原因になることもあると覚えておきましょう。 高温期が10日にも満たない 高温期が周期的に訪れても、その期間が毎回短すぎる場合は、黄体ホルモンの分泌量が少ないことが原因と考えられます。 普段は正常なのに、たまたま短い場合は、その時だけの疲れやストレスが原因かもしれません。 しかし、毎回となると、子宮や卵巣の冷えに繋がり、体全体の血液循環が悪くなってしまいます。 その結果、次のような悪影響を及ぼす可能性が高まります。 【高温期が短い場合の悪影響】 ・ホルモンの分泌が少なく、妊娠しやすい状態を作ることができない。 ・妊娠に必要な子宮内の状態を作ることができない。 ・卵胞の発育が不順になり、無排卵や無月経につながる。 ・自律神経のバランスが崩れ、身体的・精神的に正常な状態を保つことができない。 ・排卵の発育が不順になる 低温期から高温期への上昇日数が3日以上かかる。 低温期から高温期に移行するのは、2~3日。 1日という女性もいます。 それが3日以上かかってしまう場合は、上記同様に、黄体ホルモンの分泌量が少ないからと考えられます。 上記と同様の悪影響を及ぼす可能性が高まります。 1回だけで判断しないで! 基礎体温は、体調の不具合や、ストレスなどの精神的な状態によっても左右されます。 1回だけで「おかしい!?」と疑わず、数か月計測したうえで判断することが大切です。 毎回の体温変化が理想と大きくかけ離れていると、妊娠できない可能性が高くなると言われます。 しかし、それが自分自身の体質であり、毎回同じサイクルであれば、問題なく妊娠できることも充分にあります。 一喜一憂することも精神的なストレスとなり、基礎体温の異常や不妊に繋がりかねないことも覚えておきましょう。 基礎体温の正しい計り方 より正確なサイクルを知るために、基礎体温の計り方に誤りがないかを見直してみてください。 朝起きた時に計りましょう。 1日の中でもっとも体が安定した状態の時に体温を測ることが基本です。 それは、朝、目覚めた時が最適です。 まだ布団から出る前に、まず体温を計りましょう。 口の中で計りましょう。 舌の下側奥にある『舌小帯』と呼ばれる部分の両側が、正しい検温位置です。 脇で測る方が多いと思いますが、脇は外気の温度の影響を受けやすく、正確な体温ではありません。 基礎体温は0. 記録して変化をチェック! 毎日繰り返し、その日の体温をきちんと記録することで、自分のサイクルを知ることができます。 記録して、できればグラフにすることで体温の変動を知り、自分にとっての低温期・高温期の平均値を正確に出すことができます。 また、風邪気味であったり、前日に夜更かしをした等、その時々の体調の不具合等も記載しておくと、サイクルが狂ってしまった原因を見極めることができます。 【関連記事】 健康的に過ごすために! 人の体のサイクルには個人差があります。 自分の基礎体温を知ることから始めましょう。 自分の平均値を知ることから! 高温期だからと言って、誰もが同じ体温にはなりません。 目安は自分自身の体の中にあります。 まずは基礎体温を毎日計り、自分の平均値を知ることから始めましょう。 毎日同じサイクルでの体温変動が繰り返されることが最も大切であり、そのサイクルが一定であることが、妊娠する・しないに関わらず、より健康的な体を作るために大切なことです。 妊娠したいと焦ることは禁物。 健康体であれば、自然と妊娠できる可能性は高まるはずです。 一般的な正常値や理想体温と比較する場合は、精神的ストレスにならないよう大らかな気持ちで捉えながら、出来る範囲内で理想に近づけることを考えて行けると良いですね。 [co-9].
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