全世界で感染拡大が続く新型コロナウイルス(COVIT-19)。 治療薬も見つかっていない中、飲んでよい薬・飲んではいけない薬はあるのでしょうか? 中国・武漢から始まり、日本や欧米でも感染拡大が続いている新型コロナウイルス・COVIT-19(以下、新型コロナ)。 私が営んでいる漢方薬局でも「抵抗力を上げる漢方に変更して欲しい」といった旨の相談が多くなっております。 同氏が挙げた新型コロナの感染者が避けるべき薬とは 「イブプロフェン」や「コルチゾン」と呼ばれる抗炎症薬です。 同氏は続けて、感染者がこれらの薬を服用すると症状を悪化させる恐れがあると記しています。 これは信頼できる情報なのか、実際にこれらの薬は避けるべきなのか、本記事では一般の方がドラッグストアなどでも入手可能な「イブプロフェン」に絞って解説いたします。 イブプロフェンとは……頭痛、生理痛、歯の痛みなどにも使われる抗炎症薬 イブプロフェンとは、炎症を鎮める代表的な薬です。 専門的にはNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるカテゴリーに含まれます。 イブプロフェンは炎症を抑える作用があることから、主に頭痛、生理痛、腰痛、関節痛、歯の痛み、そして発熱などに対してしばしば使用されます。 イブプロフェンは病院で医師が出す処方薬としてだけでなく、一般の方がドラッグストアなどで購入できる頭痛薬などにも含まれることが多い成分でもあります。 その分、今回のツイート内容が多くの方にも注目されているのでしょう。 新型コロナでイブプロフェンを避けるべき根拠はあるのか 大国の厚生大臣が発表するほどのことですので、根拠が薄いとも考えにくいのですが、同大臣のツイッターでも「新型コロナ感染者がイブプロフェンなどを服用していると症状が悪化する」と短く記されているのみです。 本記事を執筆している2020年3月18日の段階では、まだ新型コロナとイブプロフェンの明確なつながりはわかっておらず、科学的根拠は明らかにされていません。 まだ確実な情報とは断言できない中で、どのような薬を選ぶべきなのか、現状の薬は変更する必要があるのか、悩まれる方は少なくないと思います。 以下では、現状の新型コロナウイルスの脅威の中で、私たちがどのようにイブプロフェンに代表される抗炎症薬と付き合っていくべきかを解説します。 病院からイブプロフェンが処方されている場合……自己判断での安易な中止は避ける 腰痛や関節痛など何らかの症状があり、既に病院からイブプロフェンが処方されている場合、 自己判断での中止は避けるべきです。 急な服用停止により、抑えていた痛みなどが再燃してしまう可能性もありますので勧められません。 一方、病院受診時とは異なる症状が現れた場合は、処方医や調剤を受けた薬局に連絡を入れて指示を仰ぐのが良いでしょう。 具体的な「異なる症状」とは、 急な発熱、咳やのどの痛み、関節痛、寒気などといった、いわゆる「インフルエンザや風邪のような症状」です。 その理由については後述します。 市販薬のイブプロフェンを服用している場合……無症状なら過度な心配は不要 もし頭痛や生理痛などで市販薬のイブプロフェンを服用している場合も、上記で挙げたようなインフルエンザや風邪のような症状がなければ過度に心配する必要は少ないでしょう。 一方でそのような症状がある場合は薬剤師などに相談しつつ、NSAIDsとは異なるカテゴリーに含まれる 「アセトアミノフェン」という抗炎症成分が入った薬を選ぶのが良いでしょう。 冒頭で紹介した仏厚生大臣も発熱の際などはアセトアミノフェンの使用を推奨しています。 イブプロフェンによる「ライ症候群」とは……ウイルス感染症時の服用による副作用 ではなぜ「インフルエンザや風邪のような症状」が出たときは、まず専門家に相談するべきなのか。 その理由の一つに「 ライ症候群」の存在があります。 イブプロフェンに代表されるNSAIDsには、ライ症候群という副作用が知られています。 ライ症候群とは、インフルエンザなどのウイルス感染症を患っている際にNSAIDsを服用すると意識障害、嘔吐、けいれんなどが起こりやすくなるというものです。 特にライ症候群は小児に起こりやすいことが知られています。 つまり、新型コロナかどうかに関わらず、ウイルス感染症に対して、NSAIDsの使用には注意が必要なのです。 一般の方は、発熱があっても、その体調不良がただの風邪なのか、インフルエンザによるものなのか、新型コロナなのか、またはそれ以外のものなのか判断することは不可能でしょう。 したがって、インフルエンザや風邪っぽい症状がある場合、特に小児の場合は、市販薬で対応するのなら、アセトアミノフェンを含んだものが推奨されています。 イブプロフェンは「悪役」ではない……正しく理解して適切な使用を イブプロフェンに代表されるNSAIDsは決して怖い薬ではありません。 冒頭で挙げた通り、炎症を鎮める代表的な薬なので、頭痛、生理痛、関節痛など、幅広い症状の緩和に有効です。 一方で上記のように今回の新型コロナウイルス感染症に限らず、インフルエンザなどの感染症とは相性が悪いこともすでに知られている通りです。 繰り返しになりますが、 新型コロナに対してNSAIDsがどのように影響するのか、現段階では分からない点が多いです。 しかし、 新型コロナに限らず感染症による症状が疑われる場合、NSAIDsはより慎重な使用が求められます。 誤解やフェイクニュースに注意 本記事をご一読頂いた方は問題ないと思うのですが、他メディアにおいて見出しだけを見るとあたかも 「アセトアミノフェン(またはイブプロフェン)が新型コロナの撃退に有効」と勘違いしてしまいそうなものがあります。 SNSが発達した現代では素早く情報が世界中を駆け巡ります。 一方で誤解やフェイクニュースも新型コロナと同じように国境に関係なく拡散してしまいます。 その点にも気を付けながら日々の情報に接して頂きたいと思います。 本記事のまとめ• 仏厚生大臣が「新型コロナにかかった場合においてイブプロフェンなどの服用は症状を悪化させる」可能性に言及した• 一方でイブプロフェンを含むNSAIDsという抗炎症薬のグループは危険な薬などではない• しかし、インフルエンザを含む一部の感染症においてNSAIDsは慎重な使用が求められる• 感染症の可能性がある場合、抗炎症薬にはアセトアミノフェンが推奨されている 新型コロナ感染症騒動に思うこと……基本の手洗いと睡眠時間確保で体調管理を 最後に一薬剤師として、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に、私たちはどう向き合うべきかについても触れたいと思います。 まず現時点で、 新型コロナに対する一番の対処法は、自身の免疫力を落とさないことに尽きると考えます。 新型であろうと旧型であろうと、ウイルスに対して私たちの身体に備わっている免疫はそれを排除し、さらに崩れた体調をもとに戻そうと働きます。 連日の報道を見ていると、ついその日の感染者数や死亡者数にばかり目が行って不安な気持ちになってしまうかもしれませんが、多くのケースでは感染後に回復しています。 詳しくは厚生労働省の「」をご参照ください。 したがって、西洋医学的な治療法が確立していない現段階においては、頻繁な手洗いと睡眠時間の確保が最も有効な対応法と考えられています。 最新の情報に接するのは良いことですが、情報過多になり睡眠不足になってしまっては本末転倒です。 本記事が新型コロナ、さらに感染症とNSAIDsに代表される抗炎症薬との正しい付き合い方の一助になれば幸いです。
次のイブプロフェンをはじめ、その鎮痛効果を高めてくれるアリルイソプロピルアセチル尿素・無水カフェイン、さらに、胃粘膜を保護するとともにイブプロフェンの吸収を促進する成分酸化マグネシウムを配合しました。 イブクイック頭痛薬の効果・効能 頭痛・肩こり痛・歯痛・月経痛(生理痛)・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・抜歯後の 疼痛・ 打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛。 悪寒・発熱時の解熱。 イブクイック頭痛薬の構成成分 2錠中 イブプロフェン150mg、酸化マグネシウム100mg、アリルイソプロピルアセチル尿素60mg、無水カフェイン80mg イブクイック頭痛薬の用法・用量 次の1回量を1日3回を限度とし、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用してください。 服用間隔は4時間以上おいてください。 成人(15歳以上):1回2錠。 15歳未満:服用しないこと。 <用法・用量に関連する注意> 1.用法・用量を厳守してください。 2.錠剤の取り出し方 添付文書図のように錠剤の入っているPTPシートの凸部を指先で強く押して裏面のアルミ箔を破り、取り出してお飲みください。 (誤ってそのまま飲み込んだりすると食道粘膜に突き刺さるなど思わぬ事故につながります。 ) イブクイック頭痛薬の主な副作用 1.次の人は服用前に医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください (1)医師又は歯科医師の治療を受けている人。 (2)妊婦又は妊娠していると思われる人。 (3)授乳中の人。 (4)高齢者。 (5)薬などにより アレルギー症状を起こしたことがある人。 (6)次の診断を受けた人。 心臓病、腎臓病、肝臓病、、 (7)次の病気にかかったことのある人。 胃・、、 2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください 関係部位・・・症状 皮膚・・・ 発疹・ 発赤、かゆみ、青あざができる 消化器・・・吐き気・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胃痛、、胸やけ、胃もたれ、胃腸出血、腹痛、下痢、 血便 精神神経系・・・めまい 循環器・・・ 動悸 呼吸器・・・息切れ その他・・・目のかすみ、耳なり、 むくみ、、歯ぐきの出血、出血が止まりにくい、出血、背中の痛み、過度の体温低下、からだがだるい まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。 その場合は直ちに医師の診療を受けてください。 症状の名称・・・症状 ショック()・・・服用後すぐに、皮膚のかゆみ、、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁等があらわれる。 ()、・・・高熱、目の充血、目やに、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の広範囲の発疹・発赤等が持続したり、急激に悪化する。 肝機能障害・・・発熱、かゆみ、発疹、 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。 腎障害・・・発熱、発疹、尿量の減少、全身のむくみ、全身のだるさ、関節痛(節々が痛む)、下痢等があらわれる。 無菌性・・・首すじのつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐き気・嘔吐等の症状があらわれる。 (このような症状は、特に又はの治療を受けている人で多く報告されている。 ) ぜんそく・・・息をするときゼーゼー、ヒューヒューと鳴る、息苦しい等があらわれる。 再生不 良性・・・青あざ、、歯ぐきの出血、発熱、皮膚や粘膜が青白くみえる、疲労感、動悸、息切れ、気分が悪くなりくらっとする、 血尿等があらわれる。 ・・・突然の高熱、さむけ、のどの痛み等があらわれる。 3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください 、眠気 4. 5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この説明書を持って医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください イブクイック頭痛薬の添付文書.
次の1.EVEの特徴は? EVEは、市販薬としてEVEと同じ主成分であるロキソプロフェンが60mg含まれています。 ただし使用には、十分に注意する必要があります。 EVEは、イブプロフェンの成分が200mg含まれている市販薬です。 これは医療機関から処方されるブルフェンと、全く同じ成分が同じ量含まれています。 しかしブルフェン自体、決して安全なお薬ではありません。 むしろブルフェンは使ってはいけない疾患も多くありますし、妊婦に使用すると赤ちゃんに影響が出ることがあることがあるため、時期によっては使用できません。 ブルフェンが身近にあるのは安全な薬だからではなく、多くの病気に対して効果があるからです。 市販薬であるEVEでも、添付文章をみると細かく注意が記載されています。 EVE自体の副作用および安全性について知りたい人は、「」「」を一読してみてください。 そのためEVEは第2類医薬品に分類されていて、薬剤師との対面販売が努力義務となります。 なお同じNSAIDsであるは第1類医薬品に指定されており、薬剤師との対面販売が絶対に必要となっています。 この点をよく理解したうえで、どういった時にEVEを使用するべきか考えていきましょう。 ちなみにEVEは、• EVE A• EVE A EX• EVEクリック• EVEクイックDX の4種類があります。 しかし主成分であるイブプロフェンの量は変わりません。 最も新しい薬が2016年に発売されているEVEクイックDXですが、追加されているのはマグネシウムで、これにより胃腸障害をマイルドにする効果があります。 基本的に効果を強く使用すると、副作用も強くなります。 そのため副作用が増えないように成分を追加したものが新しく発売されているだけなので、医師からみると、この4つにそこまで効果の違いはないように感じます。 EVEのどれを使うかよりも、EVEをどの疾患に対して使用するかの方がはるかに大切です。 ちなみにEVEの価格ですが、 錠数 価格 EVE A 24錠 税込810円(税抜750円 EVE A 36錠 税込1,188円(税抜1,100円 EVE A 48錠 税込1,404円(税抜1,300円 EVE A 60錠 税込1,728円(税抜1,600円 2016年10月14日製薬会社が提示している価格です。 それではEVEはどういった時に使用すればよいか、続けてお伝えしていきたいと思います。 2.EVEの適応疾患について 主に生理痛と頭痛に対して適応があります。 医師が状況を判断して処方するEVEは、様々な疾患に対して使用できます。 しかし市販で買うEVEは医師の診断がないまま使用するため、非常にリスクもあります。 EVE自体、痛みや疼痛をとる魔法のお薬ではなく、痛みの原因となる物質を一時的に阻害して誤魔化すお薬だからです。 そのためEVEの適応疾患は、• 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛• 悪寒・発熱時の解熱 に限られています。 この中で最もよく使用されるのが、• 生理痛 の2つです。 これら2つは、多くの人が痛みに困っています。 そのため、これらの人が医療機関に受診しなくてはEVEが手に入らないとなると、医療機関がパンクしてしまいます。 こうした事情から、EVEが市販薬として発売されています。 実際にでも、頭痛・生理痛を中心に宣伝しています。 その他の疾患も、• 打撲や捻挫などの整形疾患• 歯の痛み 虫歯 など、原因がある程度推定できるものに限られています。 正直医師からすると、• 咽頭痛• 神経痛• 耳痛 などは原因が分からず、痛み止めを使用するのはかなり抵抗があります。 原因によっては、かなり重篤な疾患が隠れている可能性があるからです。 一方で風邪での発熱に対しても適応があります。 しかし風邪に関しても、慎重になる必要があります。 これらの病気に関しては、別項目で詳しくみていきましょう。 またEVEは15歳未満は適応外になっています。 ブルフェンは小児に対して適応がありますが、EVEが適応がないのは小児には危険だからではなく、医療機関を受診せずにEVEを飲み続けることが危険だからです。 特に年齢が小さければ小さいほど免疫力も弱いため、EVEで様子をみていたら重症化しやすくなります。 そのため、EVEは15歳以上に使用するのにしましょう。 3.EVEを頭痛に対して使用する場合は? いつもと違った症状があれば、脳出血(くも膜下出血)などが疑われます。 その場合はすぐに病院を受診しましょう。 EVEで使用して良い頭痛は慢性頭痛といって、いつも頭が痛くなる人です。 慢性頭痛=片頭痛と考えている人は多いかと思います。 しかし実は慢性頭痛は、主に3つの疾患が考えられます。 片頭痛…ズキン、ズキンと拍動性に痛む• 緊張性頭痛…ぎゅーっと全体が締め付けられる• 群発性頭痛…目の奥に強烈な痛みが決まった時間帯にある このような慢性頭痛に対して、EVEは非常に適応があります。 片頭痛が最も有名かもしれませんが、実は緊張性頭痛が最も多いです。 そのため、まずは内科で必ず診断を受けてからが大切になります。 何となく慢性的に続く頭痛にも、このように3つの病気があるのです。 なぜ3つの病気に分けられているのかというと、治療方針や重篤になった時の症状に違いがあるためです。 そのため頭痛で使用する場合は、自分がどの頭痛か診断を受けてから使用すべきでしょう。 また頭痛に使うときは、慢性的に使わないようにすることが大切です。 EVEなどの痛み止めを毎週連用していると、薬剤乱用性頭痛の原因になってしまうこともあります。 痛みが繰り返す場合は、医療機関でしっかりと治療を受けてください。 さらに気を付けることは、頭痛は重篤な疾患も数多くあります。 脳出血• 髄膜炎 脳炎• 脳腫瘍 癌 など、どれも命に直結する疾患です。 この中で気を付けて欲しいのが脳出血です。 脳出血で一番多いのがクモ膜下出血です。 特徴としては、• 突然の頭痛• 今まで感じたことないの強い痛み が特徴です。 もともと片頭痛などお持ちの方も、これらの症状の場合は急いで病院受診するようにしてください。 脳出血は時間単位で治療を争う病気です。 1~2時間遅れただけで命に関わり、場合によっては植物人間になってしまう恐ろしい病気です。 また痛みの性状以外にも• 意識障害• 激しい嘔吐• 手足の麻痺 などの付随症状が出た場合も、すぐに病院を受診するようにしましょう。 4.EVEを風邪 熱 に対して使用する場合は? EVEは風邪を治す薬ではなく、症状をとる治療です。 そのためEVEを飲むくらい症状が辛いのであれば、必ず休むようにしましょう。 風邪をひくと、「発熱が出ると辛い!だから下げたい!!」そう思う人が大半だと思います。 そもそもどうして風邪にかかると発熱するのかということから説明していきます。 まずは大まかな流れを理解してみましょう。 ばい菌が侵入すると、白血球やマクロファージなどの細胞でばい菌などの異物を食べるように取り込みます。 この際に取り囲んだ細胞が、サイトカインという発熱を促す物質を出します。 サイトカインが脳に行くことで、体内にばい菌が侵入したことを知らせます。 脳の視床下部の体温調節中枢が、体内の温度を上昇させます。 この順序で熱は上がります。 ばい菌が体内に侵入した事がきっかけですが、私たちの身体が必要だから熱を上げているのです。 ではなぜ、熱を上げるのでしょうか?以下の3つが挙げられます。 ばい菌を熱で繁殖を抑制します。 熱が産生されることで、ばい菌と戦う白血球などの面積細胞の活動がさらに高まります。 私達自身が病気になったと気づくことができます。 これによって体を休めなきゃと自覚するのです。 熱が出るときには、関節や筋肉痛、気持ち悪い、寒気などの症状が認められますが、この症状もサイトカインの働きです。 これらの症状は辛いですが、そのために無理ができずに身体を休めることができます。 「熱が高くなっているのは、ばい菌を頑張って体が退治している」ことに他なりません。 つまり熱は、我々自身の体がばい菌と戦うために自ら発しているのです。 EVEは、この熱の原因となるばい菌をやっつけて熱を下げるのではなくて、熱や痛みの物質を一時的に阻害して解熱させる治療薬です。 つまりEVEを飲んだからといって、早く風邪が治るわけではありません。 むしろあなた自身とばい菌の戦いに、水を差すとも考えられます。 このことを理解してEVEを飲むようにしてください。 ですから、EVEを飲んだら必ず安静加療を心がけましょう。 部活動 などを無理して行うために、EVEを飲むことは絶対にやめましょう。 また風邪は簡単そうに見えますが、実は医者でも診断を確定するのは非常に難しいです。 熱が出て風邪だと思ってEVEで様子を見ていたら、• 咽頭膿瘍• 腎盂腎炎 などで重篤な状態で運ばれてきた患者さんを、私たちは多く経験しています。 EVEの市販薬が12錠4日しかないのは、EVEで様子をみていたけど良くならなければすぐに病院を受診すべきからです。 またインフルエンザの発熱は、EVEなどを使用するとインフルエンザ脳症のリスクがあるため勧められていません。 詳しく知りたい方は、「」を一読してみてください。 理解していて欲しいのは、熱が出たら全て風邪というわけではありません。 そしてばい菌による感染でも重篤なものもありますし、インフルエンザでは逆にEVEは使用してはいけない状態です。 また、癌や膠原病など特殊な病気でも熱が出ます。 そのため熱でEVEを使用する場合は、• 食事がとれる程度の軽症例• EVE が効かなかった場合すぐに病院に行く の2つを念頭に使用しましょう。 5.EVEが向いてる人は? <向いてる人>• 生理痛• 診断がついてる頭痛• 打撲や捻挫• 若年者の軽症の発熱 EVEのCMでも、「生理痛・頭痛」を中心に売り出しています。 適応として他の疾患も書かれていますが、やはりこの2つの疾患が中心だと思います。 ただし頭痛は、一度内科に診断してもらってからの方が良いでしょう。 頭痛の中には怖い疾患が多くあります。 痛み止めで長年過ごしていたら、重症疾患が隠れていたことはよくあることです。 また、急に頭が痛くなった場合は、痛み止めで様子を見ることは非常に危険です。 打撲や捻挫など原因が分かってる痛みに対しては、EVEは非常に効果的です。 ただし腰痛など、長期間EVEを内服しなければいけないような場合は、一度整形外科で診断を受けた方が良いです。 解熱薬として使用するお勧めは、若年者です。 基本的に若年者では体力・免疫力が十分にあるので、病気が重症化しても余力があります。 ただしそんな若年者でも、EVEを内服するくらい症状が悪いのであれば、必ず安静加療を心がけてください。 そして症状が強い場合は、EVEを内服する前に病院を受診してください。 喉が痛くて食事がとれない。 喉頭蓋炎疑い• 咳や痰が多く息が苦しい 肺炎疑い• インフルエンザが家族にいて自分も熱が出てきた インフルエンザ疑い など怖い病気の可能性があります。 一方で高齢者でEVEを使用する場合は、かなり慎重になる必要があります。 個人的には高齢者は、市販薬で様子を見るのは禁忌に等しいと思っています。 高齢者では体力・免疫力が低下傾向であり、放置していくとすぐに命に関わることが多いです。 実際に私も、多くの高齢者の肺炎による入院治療していますが、残念ながら治療が間に合わなかった人も多いです。 そういった方の多くは、EVEなどの痛み止めで様子をみていてたら急激に悪化して、慌てて病院に駆け込んだケースです。 残念ながら、現在の医療でも限界があります。 かなり重篤化してから病院に来ても、助からない病気も多いです。 こういったことがないように、ご高齢の方はEVEは基本的に使用しないようにしましょう。 このようにEVEは市販薬として気軽に買える反面、病気を診断せずに曖昧にしてしまう怖さもあります。 そのため医師から言えることは、EVEは病気を治す薬ではなく病気を誤魔化す薬であるということをよく自覚して、病院受診の代わりにはならないことを肝に銘じて使用して欲しいということです。 まとめ• EVEは市販薬としてイブプロフェン200㎎が含まれています。 これは医療機関が処方するブロフェンと同じ量です。 EVEは病気を治すお薬ではなく、熱や痛みなどの症状を誤魔化すお薬です。 EVEは生理痛・原因の分かっている頭痛など、特定の疾患に限られます。 EVEを熱冷ましとして使用する場合は、軽症例に限って使用し良くならない場合は即病院を受診するようにしましょう。 2017年3月22日 カテゴリー• 1,162• 月別アーカイブ•
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