コルト シングル アクション アーミー。 コルトを超える、『シングルアクションアーミー』というジャンル。

コルト ピースメーカー

コルト シングル アクション アーミー

みなさんこんばんわ。 早いもので、あっという間に暖かい日が多くなってきましたね。 マーもからガスガンに持ち替え始める今日この頃。 みなさんもそろそろ衣替えを考える季節じゃないでしょうか(^^ なんやかやと、冬場もガスブロメインだったですが。 ようやく使える銃の選択肢が増えてきたという感じがします。 さて、そんな今日この頃ですが。 今宵はこんな銃を手に入れたので、比較&レビューと参りましょう。 出でよ!西部を征服した銃! マルシン コルト シングルアクションアーミーです! いやー。 シングルアクションアーミーって格好いいですね。 西部のにおいがするなあ。 今回入手したマルシン製はXカートリッジというライブカートタイプの弾にBB弾を詰め込んで銃に装填するタイプで、西部劇さながらのガンアクションが楽しめる一品です。 木製グリップが奢られているタイプで、新古品のような状態のものを格安で入手することが出来ました。 真鍮製のカートが男心をくすぐりますね! まず外観をざっと見ていきましょう。 バレル左側にはメインの刻印があります。 タナカ製ペガサス機構搭載のシングルアクションアーミーと比べると、大きくてはっきりした刻印です。 エキストターというのでしょうか。 発砲後の薬莢を押し出すためのロッドもリアルに可動します。 写真で言うとバレル下部に見えている、スプリングの入った筒状の部分ですね。 シリンダー下側に見えているフレームのパーティングラインははっきり見えてしまっているのがちょっともったいない感じです。 シルバーのハンマーは金属製のよう。 グリップシャーシおよびトリガーガードなどを構成するフレーム部分は樹脂にメッキという仕様になっています。 ピカピカして美しいですね! 黒鉄色の部分はヘビーウェイト樹脂製です。 フレーム左側にも刻印があります。 コルトのトレードマークの跳ね馬も見えますね。 それにしてもメッキの艶ピカがたまらなく美しい。 このモデルではグリップパネルはデフォルトで木製パーツとなっています。 やはり銃にウッドパーツという組み合わせは色気があって素敵ですね。 銃の右側にはほとんど刻印はありませんが、マルシン製品であることを示す一文のみ、控えめにシリンダー下側に刻印されています。 さて、この銃はライブカート式という事で、BB弾を込めたカートをこのようにして一発ずつシリンダーに込めていきます。 この動作がもうロマンの塊というか、西部劇好きにはたまらない瞬間です! このはグリップにガスタンクがあるタイプですので、ガスはグリップ底部から注入します。 実射性能は銃本体を多少温めた状態で60mps程度です。 旧来のタイプだとホップなしだったようですが、新盤となったこのタイプでは固定ホップを搭載し飛距離が飛躍的に伸びたとのこと。 少し温めた状態で撃つと15mではになりかけていましたので、常温状態で撃つとちょうどいいホップの掛かり具合となるのかもしれません。 タナカのシングルアクションアーミー(下側)とのツーショットです。 どちらも中古で入手していますが、タナカ製の方ははた目にも結構傷みがあります。 でもこの銃に限れば、傷みはむしろ存在感アップに貢献しているような気がします。 なんせ、西部を征服した銃ですからね。 戦いの傷跡があるくらいの方が、リアリティがあって良いような気がします。 19世紀の銃ですからねぇ。 銃身の刻印の違いもはっきり判りますね。 タナカ製の方はマルシン製に比べるとだいぶ控えめな印象の刻印です。 の違いも、史実派というかモデルガン的な楽しみを志向する人には大きな違いかもしれません。 左がマルシンで右がタナカ。 タナカ製の方が銃弾の通り道としてはリアルだし、真鍮製のインナーバレルがから見えないように工夫が施されていますね。 この二丁の大きな違いはライブカート方式かそうでないかでしょう。 ゲートを開けて見比べるとこんな感じになります。 意外と、この状態だとタナカ製(右側)の方がリアルな見た目ですね。 もっとも、薬莢をシリンダーに込めるアクションを味わえるという意味で大きなアドバンテージを持っているのはマルシン製です。 タナカ製の良さはガスを込め、BB弾を込めるというとしての機能のほぼすべてをシリンダーに集約しているところ。 そのおかげで撃鉄の引き具合、シリンダーの回転具合、トリガーの引き味などシリンダー内部以外の部分でのリアリティを確保しているとのこと。 それぞれ、味わいがあります。 撃鉄が落ちる先の部分はどうでしょう。 マルシン製はのっぺりしている感じですが、タナカ製はガスバルブのノッカーが見えています。 タナカ製はこのノッカーを撃鉄が叩くことでガスを噴射しBB弾を発射。 マルシン製はその機構は内部に隠れているようです。 ちなみにタナカ製のこの個体では、銃本体を温めて撃つと90mps程度の初速が出ます。 命中精度に関して言えば、どちらもお世辞にも良いとは言えない感じです。 マルシンのに比べれば、タナカの方が直進する気がしますが。 それでも15m先のA4ターゲットペーパーを撃っても5発中3発当たれば御の字という程度なので、やはりどちらも良いとは言えないことには変わりないですね。 まあ、式のですからねぇ。 これでも初速、命中精度とも20年前に比べたらだいぶ良くなりましたね。 いかがだったでしょうか。 二丁のピースメーカー、それぞれに魅力があると思います。 重量の比較だとマルシン製が600g強、タナカ製が800g強です。 より堅牢でな感じがするのがタナカ製。 一方のマルシン製は動作を楽しむ目的で作られた模型というような感じがします。 ライブカートを込めるアクションを楽しめるのはマルシン製。 撃鉄、トリガーのフィーリングはタナカ製の方が実物に近いらしいし。 どちらか一方を選べと言われると本当に迷うだと思います。 両者触って比べてみると、的にはタナカ製の方が好きかな。 90mpsを発生する高出力は撃発音も素晴らしく強烈で、撃っている感じがより強い気がします。 さりとて、ライブカートを込めるアクションはそれはそれで何物にも代えがたい喜びを感じてしまうのも事実。 うーん。 実に悩ましい。 で使うことはなくても、このアイテムさえ手元におけば西部劇を見るのが何割り増しかに楽しくなること請け合いですのでね。 西部劇好きにはたまらない達であることは間違いないと思います。 うーん。 って、本当に楽しいですね。 それではまた。 でした。 tanukichi-in-mtsemba.

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SAAとは (シングルアクションアーミーとは) [単語記事]

コルト シングル アクション アーミー

概要 [ ] 装弾数は6発。 弾薬にはを使用するが、と弾薬の互換性を持たせるため、. 44-40弾を使用する物も存在していた。 当初はを用いた弾薬を前提とした設計であったが、後ににも対応した。 作動方式はシングル・アクションオンリーで、ではないので能動的な安全装置は持たない。 当時、式リボルバーの開発で社に後れを取っていた社が、従来の自社製リボルバーのシリンダー上部にフレームを渡して強度改善を図る形で、本銃のデザインが考案された。 SAAのシリンダーと一体型のソリッドフレームと単純なメカニズムによる信頼性、. 45LC(ロングコルト)弾の威力は、に制式拳銃がに更新されるまで、アメリカ軍の将兵から評価を得ていた。 また、「北米大陸最古の州管轄法執行組織」という歴史を持ち、西部劇でも度々登場する有名な「」では、現在でも一部の隊員の中にはSAAを装備して勤務している者もいる。 経歴 [ ] 1872年にアメリカ陸軍の採用試験が行われ、翌年の7月23日にはコルト社に8,000丁が発注された。 その後1890年までに37,060丁を納入している。 1896年に無煙火薬用にフレームが強化され、シリンダーピン止めネジがフレーム貫通式に変更となった。 1940年にはのためいったん製造中止となるが、1947年に生産が再開され、これはポスト・ウォー(戦後)モデルと呼ばれた。 特許が切れたため、20世紀後半からたくさんの銃器メーカーがSAAのコピーモデルを発売し、の影響もあってSAAモデルが人気が高いシングルアクションリボルバーになった。 21世紀になっても、SAAモデルのリボルバーが() などのスポーツ射撃によく使われている。 バリエーション [ ] バリエーションそれぞれに愛称が与えられ、民間向け. 44-40口径モデルの「 フロンティア」(フロンティア・シックス・シューター)、民間向け. 45口径モデルの「 ピースメーカー」、向け約5. 5インチモデルの「 アーティラリー」、向け約7. 5インチモデルの「 キャバルリー」、キャバルリーより長い最短8インチ、最長16インチの長銃身型を総称した「 バントラインスペシャル」、短銃身でエジェクター(排夾装置)レスの「 シェリフズ」等がある。 民間向けのモデルは「 シビリアン」と総称され、代表的な4. 75インチをはじめとする各種銃身長が用意されていた。 口径では. 45LC弾や. 44-40弾を使用するものの他に、. 22口径モデルなど36種のバリエーションが存在する。 また、シングルアクション故に使用者のスキルによってシューティングが大きく左右されることに由来して、体格や腕力の差を均一化するという意味から「イクォライザー」(の変化形)という別名も存在する。 特許はすでに切れており、コルト社以外からもコピーモデルが発売されている。 また、コルト社は100丁以上からカスタムモデルの製造を請け負っていたため、記念モデルなどとして彫刻、象嵌、メッキ、象牙グリップの装着などの装飾を行ったものも存在する。 こうした特注銃の中では、将軍が携帯していた装飾入りで象牙グリップの個体(製造番号332088)が有名である。 になくてはならないものとされるアイテム「荒野」「砂漠」「馬」「銃」の一つ、その西部劇を制した銃としてと並べて挙げられることが多く、「西部劇の代名詞」とまで言われている。 ただし、から四年間は製造されたものが全て軍に納入されているので、以前を舞台とする西部劇において民間人が本銃を使用する描写は間違いである。 バントライン・スペシャル [ ] 「バントライン・スペシャル」と呼ばれる長銃身型は、の小説家 ()が特注したもので、西部開拓史に貢献した者に授けるための5挺のみが生産されたと言われる。 も使用していたとされ、他のバントライン・スペシャルが12インチ銃身で、取り回しを改善すべく使用の際には更に短く切断改造されていたと言われる中、アープのバントライン・スペシャルは16インチ(約40センチ)と長く、射撃姿勢を安定させる鉄棒製スケルトンストックをつけたとも言われる。 贈られたのはワイアット・アープ、チャーリー・バセット、バド・マスターソン、ビル・ティルグマン、ニール・ブラウン。 しかし、資料によっては 、これを贈ったとされる当時のコルト社の記録には12インチ銃身を持つ拳銃を制作した記録は無いとし、作家バントラインの創作である可能性を提示している。 しかし、知名度は高く、バントライン・スペシャルはレプリカ(コルト・シングルアクション・フロンティアスカウト など)を含めて、度々、長銃身モデルとして商品化されている。 登場作品 [ ]• ヒーローたちのGUN図鑑. 12-13. HEROS Gunバトル ヒーローたちの名銃ベスト100. 2010-11-29. 32-33. 22口径での使用を前提にしたコルト社の拳銃。 形はSAAそっくりだが、全長は23. 3cm。 重量も680g(通常型。 バントライン型のスペックは不明)と小型・軽量化されている。 『ピストルと銃の図鑑』(小橋良夫・関野邦夫共著、池田書店)P46。 関連項目 [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するメディアがあります。 外部リンク [ ]• (英語) - コルト社公式サイト この項目は、・に関連した です。 などしてくださる(/)。

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コルトシングルアクションアーミー…ことピースメーカーが登場する映画および登場しない映画…これが結構時代考証の目安になったりする

コルト シングル アクション アーミー

SAA on movies or not on movies コルトシングルアクションアーミー…ことピースメーカーが登場する映画および登場しない映画…これが結構時代考証の目安になったりする テッポをひとつ取り上げたらそれが登場する映画を取り上げるというポリシーを考えていたが、ピースメーカーが出てくる映画なんて40や50はすぐに挙げられるので紹介する意味があるのか…というぐらいにピーメはポピュラーなテッポだ。 むしろピーメが出てくる映画と出てこない映画…という比較をしたら面白いんじゃないか…という気がしてきた。 普通に考えたらピーメが出てくる映画って西部劇だけども、西部劇の名作を順番に紹介…なんて面白くもなんともない。 実際の西部開拓時代ってどんな時代だったのか…という話の方がきっと面白い。 コルトシングルアクションアーミーことピースメーカー これが登場する映画は一体何本存在するんだろう…と振っておいて 数える気全く無しというぐらい映画ではポピュラーなテッポ イーストAさんのカタログから典型的なハリウッドスタイルのガンベルト これをズボンのベルトよりも低い位置に斜めに巻いて 銃を思いっきり低い位置に吊るのが映画のスタイル 実際にこれを巻いてみればわかるがこれに火薬を仕込んだ銃を吊ると 銃を取り落としそうな気がしてものすごく歩きにくい…というか歩けない ましてや馬に乗るなんてありえない…というぐらい安定しない より実際のテキサスレンジャーの写真 使用している銃器から1880年代初旬の写真と思われる 彼らが使っているガンベルトはズボンのベルトと同じ高さに巻くタイプ そこにハイライドという拳銃のグリップがベルトよりも高い位置にくるホルスターを全員つけている 全員がアーティラリー、キャバルリータイプ以上の長い銃身の銃を吊っていることにも注目 同サイトからテキサスレンジャーのメンバーのひとりジム・ホーキンスの肖像写真 やはりハイライドのフラップ付きホルスターに7. 5インチの銃を吊っていることに注目 つまり実際の西部開拓時代には西部劇みたいなカッコして歩いている人は一人もいなかった 西部開拓時代の実際の写真を見ると映画とかなり違うことに気がつく。 ジョン・フォードの時代にはウエスタンのガンマンは、折り目がピシッと入ったスーツを着てパリッと糊の利いたシャツにローライドのファーストドローのガンベルトを巻いていた。 時代が降るにつれて悪役は小汚ないデニムシャツで善玉は糊の利いたシャツという使い分けができて、さらにニューシネマ以降の西部劇は悪役も善玉も埃まみれの汚ないカッコをするということにルールが変わってきた。 実際の西部開拓時代の写真を見るとジョン・フォード時代ほど身綺麗ではなかったが、ニューシネマほど小汚ないやつばかりではなかったことがわかる。 写真を撮るときはさすがにスーツを着てその下にハイライドのガンベルトを巻くというのが実際の西部の男の身だしなみだったようだ。 映画「OK牧場の決斗」はこのジョン・フォード時代の綺麗なガンマンとニューシネマの小汚ないガンマンのちょうど中間の時代で、カーク・ダグラスやバート・ランカスターは身綺麗なカッコをしている。 そして登場人物はすべてコルトのピーメの4. 75インチシビリアンモデルを使用している。 「OK牧場の決斗」の決闘シーンのクラントン一家 全員がファーストドロー用ガンベルトにシビリアンタイプ(4. 75インチバレル)のピーメを吊っている これはドク・ホリデー(カーク・ダグラス)が女のことでリンゴーキッドと揉めているシーン 机に置いた銃を手に取ったら即撃ち合いになるという一触即発のシーン 同アングルのアーティラリー(5. 5インチバレルモデル) これと比較すると映画の銃は銃身が短いのがわかる 実際の開拓時代はみんな長い銃身の銃を使っていたが 西部劇では4. 75インチの短い銃を使うというの決まりみたいなものだ 実際のドク・ホリデーが使用したのはピーメではなくコルトのM1860アーミーの コンバージョンモデル(金属薬莢を使用できるように改造されたパーカッションモデル) これはHWSのモデルガンだがこの銃身をさらにソウドオフして短くし トリガーガードも切断してトリガーを紐でぐるぐる巻きにして引き金が 常時引きっぱなしになるようにしてファニングで撃ったらしい このドク・ホリデーの改造モデルが「西部の早撃ちは短銃身」 というイメージにつながったのかもしれない この映画は前にも書いたが銃器の考証的にはちょっと問題がある映画で、この時代には存在すらしないバントラインスペシャルが登場したり、全員がピーメのシビリアンで撃ち合いというのも違和感がある。 1881年ならもちろんピーメは市中にも普及し始めているが、前にも書いたようにコルト社と陸軍の間に軍への納入を優先するという契約があったために、そんなに普及していなかったように思う。 銃器だけではなく事実関係もかなり実際と違っていてリンゴーキッドはこの「OK牧場の果たし合い」には参加していないし、女関係でもめたのはリンゴーとドク・ホリデーではなくワイアット・アープとクラントン一家の肩を持っていた郡保安官だった。 まあ、西部劇なんて日本の時代劇と同じで歴史劇ではなくただのエンターテインメントなんだから、事実と違ったって面白ければいいということかもしれない。 日本の時代劇だって遠山左衛門尉は桜吹雪の刺青を入れていたわけではないし、水戸光圀は諸国を漫遊したわけではない…というようにいっぱいウソがある。 同じく「OK牧場の決闘」を取り上げた映画で、かなり時代は下るがローレンス・カスダン監督、ケビン・コスナー主演の「ワイアット・アープ」はやはりピーメ使用説を支持しているみたいだが、時代が最近な分だけややジョン・スタージェスの時代よりは考証がされている。 の映画のページでもちょっと取り上げたが、若き日のワイアットが初めて手にする銃はピーメではなくM1851アーミーのコンバージョンモデルというピーメよりもちょっと古いモデルを使用しているところなんか 「ちゃんとしているな」 と思った。 この映画の冒頭シーンでこれからOK牧場に向かうワイアットのシーンがある。 「ワイアット・アープ」の冒頭タイトルバックのシーン 酒場の机に置かれたのはピーメのキャバルリー7. 5インチモデル 同じアングルのCMCキャバルリー7. 5インチ ケースエジェクターロッドよりも銃身が1. 5倍長いのでキャバルリーであることが確認できる ローレンス・カスダン監督はピーメ使用説を支持しているようだが さすがにキャバルリーを使用してリアリティーには気を使っている アメリカのオールドタイマーな西部劇もマカロニもニューシネマも銃器の考証についてはいい加減な映画が多いなと思っている。 そうしたなか90年代にウエスタンのリバイバルブームが起きて西部劇映画が何本かヒットした。 上のローレンス・カスダンの「ワイアット・アープ」もその一つだが、このリバイバルウエスタンの走りになったのがクリント・イーストウッド監督・主演の「許されざる者」だった。 クリント・イーストウッド監督は俳優としては結構荒唐無稽な映画にも出演しているが、自身の作品についてはリアリティーを追求する監督として定評がある。 「ハドソン川の奇跡」では廃機になったA320の実機をプールに浮かべて、ハドソン川に不時着水した乗員乗客の脱出劇を再現して見せたし、硫黄島の決戦を描いた「硫黄島からの手紙」では日本人のキャストを集めてすべてのシーンを日本語で撮影した。 そういう人だから西部劇の描き方も、 「実際の西部はこんなところだったに違いない」 「実際のガンファイトはこんな風だったに違いない」 「実際に人を銃で撃ってしまった人間はこういう心理になるに違いない」 というところをリアルに描く手法が取られていた。 物語は1888年ごろということだからもう西部開拓時代は終わりかけの頃の話だが、主人公たちは南北戦争時代の古い得物を持っている。 かつては「動く者はなんでも殺す」と恐れられたマニー一味は、今ではすっかり改心して善良な農民になっている…しかし生活苦は容赦なく襲ってくる…仕方なく舞い込んできた賞金稼ぎの話に昔の得物を取って向かう…というストーリー展開にぴったりの銃が選択されている。 ピーメが出てくる日本映画についてもひとつ。 以前大老井伊直弼襲撃事件を描いた映画「桜田門外の変」がちゃんとコルトのM1851アーミーを使用していて時代考証が正確だと書いた。 今度はその逆の例を… 桜田門外の変で使用されたコルトM1851アーミーはコルト社製の純正品ではなく、実は水戸藩でコピーされたコピー品だった。 そもそもコルトが幕末の日本に来たのはペリー提督の黒船来航の時だった。 ペリーは嘉永6年(1853年)と嘉永7年(1854年)に来航しているが、この二回目の時にアメリカからいろいろな贈り物を持参している。 その中に陸蒸気(蒸気機関車)の模型などアメリカの産品が多く含まれていたが、コルトのM1851アーミーという当時の最新式拳銃も贈られていた。 このうちの一挺が水戸藩に渡り、産業振興に熱心だった水戸藩主の命でこのコルト拳銃の国産化が進められた。 この銃がのちに桜田門外の変(1860年)で使用され井伊直弼暗殺の嚆矢になった。 黒船来航も桜田門外の変も幕末期の日本史に重大な影響を及ぼす大事件だったが、この両方の事件にコルトの拳銃が絡んでいるのが面白い。 桜田門外の変で使用されたコルトM1851アーミー(のコピー品) 映画「桜田門外の変」ではCAWのモデルガンがプロップガンとして使用されている 「サムライマラソン」の冒頭の黒船来航のシーン そもそもなんでサムライがマラソンをする羽目になったかという導入でペリーの浦賀来航が描かれるが この時にアメリカ大統領よりの贈り物が金属薬莢のコルトシングルアクションリボルバー… 美しいカットなんだけどちょっと待てペリー来航は1853〜1854年、コルトのSAAの発売は1873年 さすがはアメリカ大統領、20年も未来の銃を持ってくるとは…ってこれじゃ井伊直弼はSAA で撃たれたことになってしまい歴史が変わってしまうよ〜〜…というような大げさな話ではなく 時代考証ができていない映画の典型的な例がこういうこと この映画の監督はイギリス人らしいけどアメリカと日本の時代考証にはかなり疎い人らしい 幕末モノでピーメやボルトアクションのライフルを持ち出してくる時代劇は ほぼいい加減な作品と考えて差し支えない ピーメが印象的な使われ方をしている映画はないかなと色々思い出していた。 昔観たマカロニウエスタンだったと思うけど、裏切りを疑われたガンマンが主人公に突きつけたピーメの銃口を上に向けて、ローディングゲートから一発づつ弾を抜いていき「裏切っていない」ということを見せるというシーンがあったけど、映画のタイトルが思い出せない。 ピーメだからできるドラマチックなシーンだが(レミントン1875アーミーでもできる…とかいうことじゃなくて…)、そういう心理を描くシンボリックなプロップガンの使い方をできる監督はテッポのことをよくわかっていると思う。 そういえばマカロニウエスタン出身のイーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」でもピーメが印象的に使われているシーンがあったよねと思い出した。 アメリカの伝説的スナイパーのクリス・カイルは派遣されたイラクの戦地の狂気と敵スナイパー「ムスタファ」の影に帰国後も苦しめられる… 「ケリをつけなければ心も帰国することはできない」 と決意しムスタファとの決着をつけに行くが… 1920メートルという信じ難い遠距離狙撃を成功させムスタファを斃してもなお心が癒えないカイルは、帰還兵の心のケアをするボランティア活動を通じて初めて心の平和を得られる。 そして心優しい父親、夫として家族の元に戻ったクリス・カイルは… 優しい夫に戻ったカイルはコルトのシングルアクションを構えて密かに妻の背後に忍び寄る… このシーンは有名な映画のワンシーンが元ネタになっている その元ネタになっているのがこの映画。 「壁の穴」列車強盗団の「ブッチ&サンダンス」は度々襲ったユニオンパシフィック鉄道の社長の怒りを買いついに史上最強の賞金稼ぎのグループに追われる羽目になった。 山も川も越えて地の果てまで追いすがって来る不気味な追跡隊…その追跡をかわすためにサンダンスの恋人と3人でボリビアに渡る…というストーリー。 地の果てまで追われる羽目になる前に、ひととき平和な時間が彼らに訪れる。 サンダンスキッド(ロバート・レッドフォード)が忍び込んだのは恋人(キャサリン・ロス)の家。 「全部脱げ」「髪を下ろせ」「頭を触れ」と銃を突きつけながら命じるサンダンス しかし実はサンダンスもブッチ(ポール・ニューマン)も彼女には優しく ボリビアに渡ってからは彼女をスペイン語の先生として頼りにしている この三人のつかの間の平和な日のワンシーンがこのふざけて銃を突きつけるシーン クリス・カイルがSAAを持ち出したのはテキサスの男のつかの間の平和のシンボルだった この映画はニューシネマの走りなのでまだ使用銃はピーメ一辺倒なのだが ボリビア軍に囲まれたレッドフォードがケースエジェクターロッドを使って 排莢をするシーンがしっかり描かれていてそれまでの百連発コルトとは違うリアリティがあった SAAにはピースメーカー、平和を築く者というニックネームがある。 6連発の火力が抑止力になり結果的に平和が訪れるという意味だ。 これとよく似た意味で「イコライザー」というニックネームもある。 暴漢に襲われたら体格がでかくて腕力がある方が勝つが、この火力があれば体格も腕力も関係なく、女も子供も平等の力を持つという「平等化する者」という意味だ。 イコライザーというとオーディオに興味がある人にはパライコ(パラメトリックイコライザー)、グライコ(グラフィックイコライザー)という言葉が馴染みがある。 あれは音の周波数帯域をコントロールして原音に近い波形に同等化するものという意味だが、あれと同じスペル。 アメリカで銃乱射事件が起きるたびに、日本のワイドショーなどでコメンテーターがわけ知り顔に 「なんで銃を禁止しないのでしょうかね?アメリカ人にはそんな知恵もないのか?」 みたいな無責任なコメントをヒステリックにしゃべる光景が毎回見られるが、この「イコライザー」という言葉を知ったらいかに彼らのコメントが実情を知らないかがわかる。 イコライザーがあるから平和があるのだと信じている人たちに「お前らはバカか」とかいくら言ったって何の意味もない。 デンゼル・ワシントン主演の映画タイトルにもなっているくらいなので、このイコライザーという概念はアメリカ人にはとても一般的なのだと思う。 よくわからない外国の歴史や思想、常識をああだこうだ批判するのはただの自己満足だということがわかる。 2020年3月23日.

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