花 より 男子 二 次 小説 類 つくし。 新たな道へ 16

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花 より 男子 二 次 小説 類 つくし

つくしは一人悩んでいた。 どうして、こんな事になってしまったのか。。。 稜には、別れるように言ったが、納得するハズが無い、、、 自分でも、どうしていいのか、わからなかった。 そして、考えた末に、花沢類に連絡をしていた。 「花沢類?あの、、牧野です。 忙しいのにごめんなさい。。。 ちょっと相談したいことがあるんだけど、時間もらえますか??」 「牧野?相談?、、、あぁ、わかったよ。 キョロキョロしながら、カフェを探していると後ろから、呼ぶ声がした。 「牧野!」 振り返ると、花沢類が手を振っていた。 つくしは、急いで類に駆け寄った。 その様子を、離れたところから、偶然司が見ていた。 ミーティングで、ホテルを訪れていた。 「類?」 こんなところで、女と会ってるのなんて、珍しいな。 ちょっと、冷やかしてやるか笑 司は、類達のあとから、カフェに入り、離れた席から様子を見ていた。 「話って?」 類が、切り出した。 「うん。。。 稜の事なんだけど。 」 「稜君がどうかした??仕事で何かあったとか?」 「ううん、仕事の事じゃないの。。 」 「じゃあ、、、何?」 つくしの様子に、何か感づいたようだったが続けた。 「花沢類は、道明寺のお嬢さんのこと知ってる?」 「梓ちゃんの事?ああ、もちろん。 司の娘だし、小さい頃から知ってるけど?」 「それが、どうかした??」 「、、、うん。 どういう経緯かは、わからないんだけど、その梓さんと、稜がお付き合いしてるみたいなの。 」 「、、、そう」 「ごめんなさいっ!こんな事、相談できる人いなくて。。。 両方の事を知ってるのって、花沢類だけだと思って。。。 」 「いや、いいよ。。。 」 「私、どうしたら。。。 稜には、お付き合いを辞めなさいと言ったけど。。 ねぇ、花沢類。 私、どうしたらいいの??」 つくしは、その場で涙を流し始めた。 類は、とりあえず一旦落ち着こうよ、と つくしの背中をさすりながら、店を出て行った。 2人の様子を見ていた司。 驚きを隠せず、立ち上がれないでいた。 類が会ってた女って、、、、 牧野か? どうして?? 会話は聞こえて来なかったが、親密そうに話をしていた。。。 類が背中に手を回していた様だった。。。 まさか、付き合っているのか?? そういえば、少し前に再会したと言っていた。。 昔、オレがNYに行って牧野が迎えに来た頃、類もアイツの事が好きだった、と言われた。 昔の気持ちを告白された牧野が、類を受け入れたのか?? 司の心は、かき乱されていた。 ponypo1980 「稜、ちょっといい??」 「ん、何??」 「あなたに、話しがあるの。 」 深妙な顔つきのつくしを不思議に思いながら、稜は座った。 「母さん、今日来た道明寺さんとのお付き合いは賛成できないの、、、」 「えっ??何で?だって、あんなに会うの楽しみにしてたし、実際、楽しかったでしょ?? 彼女、何かした??」 「彼女は、とても素敵な人だと思うわ、、、。 けどね、私達とは、住む世界が違うの。 わかるでしょ??何もかもが違うのよ。 」 「そんなの、最初からわかってるよ。 」 「わかってない。 友達だったら、何も言わない。 でも、お付き合いするのは、あなた達が辛いだけ。。 」 「母さん。 どうしたの??こんな事言われるの初めてだよ、、、。 何で??」 稜の質問に、黙ったまま俯くつくしだった。 まさか、道明寺の娘と、稜が付き合っているだなんて、夢にも思っていなかった。 道明寺とは、10数年前、ばったり会ったっきり。 自分はおろか、子供同士に接点なんてないはずなのに。。。 どうして、こんな事になっているのか、、、。 ponypo1980 ピンポーン 佐伯家のインターホンが鳴った。 「はーい」 つくしが返事をしてドアを開けると、稜と女の子が立っていた。 「稜、おかえり。 あら、こちらが例のお嬢さん??」 「うん。 あっ、これがオレの母さん。 」 「はじめまして。 今日は、お招きありがとうございます。 」 梓は、お辞儀して、挨拶をした。 「さぁ、入って入って!待ってたのよ〜」 ダイニングに入ると、テーブルの上にいろいろな料理が並んでいた。 「母さん、今日はりきったね!」 「そうよ〜、沢山作ったから、沢山食べてちょうだいね。 」 つくしに促され、席に着いた。 「はじめて食べるものばかりかもしれないけど、召し上がれ。 」 3人の誕生日会が始まった。 一通り、食事が終わり、デザートのケーキを食べていた時だった。 「あっ、そういえば。 お嬢さんのお名前聞いてなかったわね、うっかりしてた笑」 「あっ、オレも言いそびれてた笑」 「じゃあ、自己紹介してくれるかしら?」 つくしは、梓に笑いかけた。 「はい。 私は、道明寺梓と申します。 」 つくしは、その言葉に凍りついた。 「えっ??ど、道明寺??」 「はい。 珍しい名前ですよね?」 「母さん知ってる?道明寺グループって? 彼女のお父さんが社長なんだよ。 」 つくしは、返す言葉がなかった。 そして、そのまま、梓が帰るまで、黙ったままだった。 ponypo1980 梓の誕生日パーティ当日。 場違いな雰囲気に、稜は戸惑っていた。 「こっち、こっち!」 梓が、遠くから手を振る。 梓の周りには、西門麗香、美作姉妹も揃っていた。 ドレスアップしている姿に、稜は少し怖気づいていた。 「今日は、招待してくれてありがとう。 あの、、、今日は、いつもと感じが違うっていうか。。。 ドレス素敵だね。 」 照れながら、褒める稜。 それを、横で見ていた麗香達が近づいてきた。 「梓の付き合ってる人って、あなたの事ですか??」 「えっ〜、ちょっと今までとだいぶタイプが違くない??」 「意外なんだけど〜」 勝手に話始める3人に、今、紹介するから黙って、と、なだめる梓。 「こちらは、佐伯稜さん。 」 よろしく、と3人に頭を下げる稜。 その時、後ろの方がザワつき始めた。 そしてF4が、パーティーに現れた。 「ねぇ、F4よっ!!まさか、こんなところでお目にかかれるなんてっ!」 「大人になっても、やっぱり素敵だわぁ」 パーティーに出席していた女性達が、騒ぎ始めた。 「F4って??何?」 「F4っていうのは、梓のの、と、私の父の西門総二郎、こちらの美作姉妹のの、美作あきら、そして花沢物産社長の花沢類、この4人の学生時代の呼び名なの。 」 麗香が、稜に教えた。 「へぇ〜。 何か、やっぱり君達って凄いんだね、、、。 」 想像以上の世界に、驚きが止まらない稜。 「あれ?佐伯君??」 花沢類が、稜に気付いた。 「あっ、花沢社長。 」 類に気付き、軽く会釈をした。 「何?彼、類の知り合い??」 あきらが類に尋ねた。 「うん。 うちの社員で、佐伯稜君。 」 「へぇ。 で、何で君がここにいるの??」 あきらが突っ込んだ。 あの、梓さんに招待されまして。。。 」 「へぇ、じゃあ梓の彼氏ってこと??」 「あきら、まぁ、そのへんにしとけよ。 ビビってるだろ?」 総二郎が悪いね、と間に入り、あきらを連れ出した。 「佐伯君、梓ちゃんと付き合ってるんだって?」 「しゃ社長、なんでそれを??」 「あぁ。 さっき、あきらんちの双子達が噂してたからさ。 君のこと。 」 「は、はぁ。 そうでしたか。。。 」 「オレは、応援してるからさ。 」 そう言って、類は稜の肩をポンと叩き、その場から離れて言った。 「おい、総二郎。 梓のやつ、付き合ってるヤツがいるってホントか??」 「らしいな。 今日、来るみたいだぜ。 」 「どんなヤツだった??」 「おまえ、だろ?自分で確かめろよ。 」 総二郎に、背中を押されたその時、前を通りすぎそうとした人物にぶつかった。 「あっ、すみません。 」 「いってぇな〜、総二郎押すなよ。 あぁ、君。 悪かったな。 」 「いえ。 」 司は、ぶつかった相手の顔をじっーと見て、立ち止まっていた。 「あ、あの?ホントすみませんでした。 」 「ああ。 いや、いいんだ。 オレが悪かった、、、。 そんな事より、君とどこかで会ったことあったかな??」 「えっ?えーと、どこかでお会いしたような気もしますが、、、すみません、覚えてないです。 」 司は、どこかで会った、というよりも、過去の記憶が呼び戻されるような気がしていた。 「君、名前は?」 「はい、佐伯稜です。 」 「佐伯?」 聞いたことがない名前だった。 でも、目元や、顔の雰囲気は、どことなく見覚えがあった。 ponypo1980 「ねっ。 今度、私の誕生日会があるんだけど、来てくれる??」 「えっ、誕生日?いつ?」 「12月28日」 「12月28日??」 「そうだけど、、、??都合悪かった?」 「いや、、、実はうちの母親も同じ誕生日なんだ。 」 「えっ!?そうなの〜??スゴい、偶然じゃない?」 「うん、ビックリした。 」 「じゃあ、28日は無理かな、、、」 「いや、行くよ!母さんは、プレゼントだけ渡せば喜んでくれるだろうから。 」 「じゃあ、楽しみにしてる。 」 梓は嬉しそうに帰って行った。 「ただいま。 」 「おかえりなさい。 」 「ねぇ、母さんの誕生日って12月28日だったよね??」 「そうよ〜。 何?プレゼントのリクエストでも聞きにきたの?笑」 「違うよ、そんなんじゃなくて。 今、付き合ってる彼女も、同じ誕生日だったんだよ。 」 「え?そうなの?偶然ね。 何かプレゼント考えてるの?」 「う〜ん、それなんだよね。。。 何がいいかなって思ってさ。 彼女、欲しい物は何でも手に入っちゃうみたいだし。。 プレゼントとか貰い慣れてるだろうから。。 」 「お嬢様みたいじゃない笑そうね〜 だったら、いつもご馳走は食べ慣れてるだろうから、うちの食事でよければ、一緒にお祝いなんてどうかしら??」 「えっ?うちで??」 「そう。 お嬢様みたいな生活してたら、きっと庶民のご馳走とか知らないんじゃない?笑」 「そうか。。。 聞いてみるよ。 母さんと一緒の誕生日なんて、彼女も驚いてたし。 」 「母さんも、会ってみたかったし、オッケーしてくれたら嬉しいわ。 」 梓の誕生日の次の日に、稜の家に招待することにした。 ponypo1980 司は、黙って玲人の話を聞いていた。 「それで?彼女とは?」 「それっきり、、、音信不通です。 」 「それでいいの?」 「、、、、」 「彼女の事、本当に愛してたのか?? このまま、中途半端に気持ちを引きずったまま、先になんて進めないんだぞ。 君も、彼女も。。。 ちゃんと自分の気持ちにケジメをつけるべきだ、、、。 オレが言えた立場じゃないが。。。 」 「あの、、、道明寺さん、 やっぱり梓さんとの結婚は、僕から破棄させて頂けませんか?勝手なお願いだとは、承知の上ですが。。。 」 玲人は、頭を下げた。 司は、無言で頷いた。 「で、どうするつもり??」 「はい、とにかくフランスに行って、彼女を探して、何もかも謝ってきます。 許されるとは、思ってませんが、、、。 」 「、、、後悔するなよ。 あとの事は、こっちに任せればいいから。 」 「はい。。。 あの、話聞いて頂いてありがとうございました。 」 最後に一礼すると、玲人は店から出て行った。 「司です。 神崎玲人と、梓との結婚の話ですが、双方が、破棄したいとの事で一致しました。 そういう事なので、この件は、ここまでにして下さい。 」 司は、用件をだけ伝えると、あっさりと電話をきった。 ponypo1980 司は、ホテルのバーに玲人を呼び出していた。 「神崎君、今回の件、本当に申し訳ない。 」 頭を下げた司に、玲人もビックリしていた。 「いやっ、その、やめて下さい。 道明寺さん。 」 「今回の事は、梓のワガママでしかないんだ。 だから、君には本当に申し訳ない。 」 「いえ、、、実は、僕も本当の事を言うと、この結婚には迷っていました。。。 もちろん、彼女の事は好きでした。。 でも、なんか、自分の中で、結婚まで吹っ切れないというか。。。 」 「君も、いろいろあったみたいだね。。 」 「はい、、、。 あの、今からいう話は、 ここだけの話にしてもらえますか?? 誰にも言うまいと思っていた話なので。。 」 「ああ、わかったよ。 」 そして、玲人は話し始めた。 大学2年の頃、初めて心から愛する女性に出会ったこと。 3歳上の彼女とは、食事していたレストランで出会った。 彼女は、そこでソムリエを目指して勉強していた。 彼女は、玲人のスタッフに対する横柄な態度が許せず、彼をその場で叱った。 慌てた上のスタッフが出てきて、玲人に謝罪したが、彼女は頭を下げなかった。 玲人は、今まで誰かに、真剣に怒られたことが無かった、自分のしている事は全て許される、親の力、金の力で何とかできると思って生きてきた。 彼女の存在が気になってしょうがなかった。 あの瞬間から、彼女に惹かれている事に気付いた。 数日後、店に行ってみると、彼女は辞めていた、あの一件後、半ば辞めさせられていたのだ。 必死に、彼女の居場所を探した。 数週間後、ようやく都内のレストランで働く彼女を見つけた。 彼女は、玲人を見るなり、何しに来たの?と冷たい言葉を掛けた。 それから、玲人は、週1回彼女の働くレストランに、通うようになった。 最初は、相手にもされなかった。 しかし、ソムリエを目指す彼女との話を合わせるために、玲人も必死に、ワインの勉強をして、会話のきっかけをつくっていた。 そんな、玲人の姿に、彼女も惹かれていき、2人の距離が縮まっていった。 毎日、彼女の仕事が終わった後、彼女の部屋で一緒に料理を作り、ワインを選んで呑む、それがささやかな幸せだった。 そして、お互いに愛し合うようになっていった。 彼女の部屋で暮らし始めて数ヶ月後の事だった。 彼女が、妊娠していることがわかった。 その状況に、嬉しさよりも、自分の今の立場や親になるという事が理解出来ず、気付くと、部屋から飛び出してしまっていた。 まだ、大学生である自分。 親に言うべきだろうか、いや、いっそ家を出てしまおうか。。 駆け落ちでもいいじゃないか。 でも、どうやって暮らしていく? 何をして働く? 親子3人で生活できるほど、稼ぐ事が、自分はできるんだろうか?? 神崎家に生まれ、何不自由なく育った環境以外で生きていくことが、恐怖に感じていた。 その間にも、彼女から連絡はあったものの、自分の答えを見つけ出せないままだった。 しばらくたったある日、玲人は彼女の部屋を訪れた。 そこには、彼女の姿はなく、部屋も空き部屋になっていた。 彼女の働いていた店を訪ねたが、そこにも彼女の姿はなかった。 数日前に、退職していた。 同僚が、玲人に、手紙を渡してきた。 彼女からの手紙だった。 そこには、 「さようなら」とだけ書かれていた。 仲の良かった同僚の話では、 玲人に会うために、神崎家を訪ねてきていた事、そこで、玲人との事を話すも許してもらえず、代わりに、フランスでのソムリエ留学と手術費用を条件に、別れるように告げられたという。 彼女は、玲人に相談しようとしたが、一向に連絡がつかないことに気持ちも絶望し、 子供を産むことを諦め、フランスに旅立って行った、と聞かされた。 ponypo1980.

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新たな道へ 15

花 より 男子 二 次 小説 類 つくし

新たな道へ 8 <18> ---花沢邸--- 花沢類は仕事を終え、どこにも寄らずに自宅へ帰っていた もうつくしが自分の目の前からいなくなってから 今は、将来つくしが見つかったときに、自分が恥ずかしくないよう そして、もしつくしと出会うことが出来、そして自分の気持ちが 受け入れられたとき、両親に反対されないようにするためには、 自分が力をつけるしかない・・・自分の親を納得させるために、 花沢類は一心不乱に仕事をしていた そのことで最近大きなプロジェクトも成功させ、 実力のあるJr.としても業界で有名になりつつあった ----------------------- 花沢遼は自宅の書斎で考え事をしていた・・・ 花沢遼のところには、最近実力のあるJr. として有名になりつつある 花沢類と自分の娘を結婚させようとたくさんの縁談が来た 遼はどこも花沢にとってプラスになる企業ばかりだったので、 もし、類に見合いする気があればと思い、 類に自分の所に来たたくさんの娘さんの写真を見せたが 全く興味をしめさず、写真も見ようとはしなかった しかも類はこう言ったのだ 「俺には心に決めた人がいる・・・その人しかいらない・・ その人が俺の傍にいてくれるならと思ったからこそ みんなに認められようと仕事を一生懸命頑張ってきたんだ 今までも・・・そしてこれからも・・・ だからもう二度と見合いなんて持ってこないで」 類のその言葉に遼は驚いた 「付き合ってる人がいるのか?」 そう遼が聞くと類はふと寂しそうな顔をした 「ううん・・・いないよ。 でも絶対彼女を見つけてみせる・・・」 類は遠い目をしながらも、その目は凛とした意思を感じた そして、その表情は遼が見たこともないようなやさしい顔だった 遼は花沢をさらに大きくさせるためには、類に政略結婚させたほうが いいとは思っていたが、子供の頃、類の気持ちを無視し続けた為に 類の心を病院に行く寸前まで壊してしまった その類の子供の頃のことが心に引っかかった そして、あのときの類の意思が遼に政略結婚をすすめるのを ためらわせていた・・・ それにしても、類の思い人とはだれなんだ? 遼は考え事をしながら、一本煙草を取ると吸い始めた そしてまた類の過去について考え始めた ・・・高校3年の頃からの類は見違えるほど変わっていったな・・ あれは類が高校3年の頃だったか・・・ 小さい頃、私は類に将来立派な経営者となってもらおうと 過剰なまでの厳しい躾をそして英才教育を施した その為に、類の心を壊し、感情が不安定になり、いつもおどおどしていた ときには急に吐きだしたりしたものだった 病院にお世話になるか・・そう思っていたとき それを藤堂さんのところの静ちゃんのおかげで吐いたりすることは なくなったが、それでも無表情、無関心、無感動な性質は直らなかった・・ 一時期、静ちゃんを追いかけてフランスへ行ったときはさすがに驚いた このまま帰ってこないんじゃないかと不安になったが それでも、私は口を出すことはしなかった しかし、すぐ類は帰ってきた 一時期は荒れてたらしいが・・・ その後、なにがきっかけかは分からないが 類は見違えるほど変わっていった 無愛想なのは相変わらずだが、 花沢の家で類が笑っていることがあるなんて思わなかった 使用人から、ある友人が来るといつも笑い声が聞こえてくると 報告を受けたときは、思わずカップを落としそうになった 真偽を確かめようと、類の友人が来ているという時間帯に自宅へ そっと戻ってみると、家の外にも聞こえるくらいの類の笑い声が 聞こえてきた 使用人の話は本当だった・・・あの類が・・・ 遼は目頭が熱くなる想いがした あのあと、秘書に類の友人達を調べてもらった ちいさいころからいっしょだったメンバーに加えて一人 一般家庭の子が交じっていた 写真を見せられると そこには その一般家庭の娘といつも一緒にいる類の姿が映っていた そして自分には見せないやさしい表情をしていた もしかして・・・類はこの子が好きなのか? そう思ったが、その子は司君の彼女と聞いた しかし、片思いとはいえ、そのことで類の表情が戻るのならと 思っていた その後、司君は記憶障害になり、彼女は失踪したと聞く・・・ 失踪した後の類はひどいものだったが・・ いつしか仕事をしたいといい、大学と仕事の両立を見事にこなしている そんな類があれほどの思いを抱える相手は・・・彼女なのか? だとしたら・・・ 遼は、はっとした・・・・もしかして・・・ そして何かを思いついたように使用人を呼び、 類を書斎に呼ぶように依頼したのだった <19> 花沢類は、遼が自分を呼んだことに不快感を示した (こんな時間に書斎に呼び出すなんて・・・どうせろくな事じゃない きっとまた見たくも無い女の写真を見せられるだけだ・・・) そう思いながらも、父の呼び出しを無下にするわけにはいかず、 書斎へと向かった 書斎のドアを叩き、部屋に入るなり 「父さん、なに」 と無愛想に花沢類は言った 「まぁ、そんなに不機嫌な顔をするな。 とりあえず座りなさい」 遼がそういうと、花沢類はしぶしぶとソファーに座った 使用人がお茶を入れ終わると、遼は人払いをした 部屋には、遼と花沢類の二人だけになった 「父さん、人払いまでして・・そんなに聞かせたくない話するの?」 遼は花沢類の反対側のソファーに座ると 「まぁ、類、聞きなさい。 仕事の話だ。 今花沢物産が新規事業に映画産業に入ることは知ってるな?」 花沢類は無言で頷いた 「そこで、先日出版社へ行って依頼してきたが・・・ 類、お前にその新規事業の責任者になってもらいたい。 もうこれは決定事項だ。 今原作となる新人賞の選定をするころだ。 お前には選定から携わってほしい。 新規事業に将来花沢を担うお前が成功に導けば、お前も さらに花沢の後継者としての地位が確立する。 やってくれるな」 花沢類ははぁーっと息をついた 「もう決定事項なんでしょ。 じゃあしょうがない、やるよ。 話はそれだけ?」 花沢類が席を立とうとすると、 「まだある。 この新規事業が成功に導くことが出来れば、今来ている お前の見合い話についてはとりあえず全て白紙にしてやる・・・ だから、このプロジェクトをなんとしても成功させろ。 そして・・・プロジェクト期間中、私情は絶対にはさむなよ。 いいな」 花沢類は遼の言ってることが分からない部分はあったが、 とりあえず成功すれば今来ている見合い話はなくなることは 類にとっては嬉しいことだったので素直に了承した。 類が書斎の部屋を後にすると、 「類・・・彼女が傍にいるとどれほどお前が変わるか、 花沢にとってプラスになるか・・・試させてもらうぞ・・・」 ひとこと遼はつぶやいた そう・・・遼はすでにあの時ぶつかったのは類の友人でもあり、 失踪した牧野つくしだと確信した。 そして、今後のことを含め類を試そう・・・そう思い至ったのだ。 業務提携をして花沢自体は大きく出来ても、肝心の後継者の類が 仕事のやる気が全くなく、無気力でいれば、裏をかかれ、花沢は 結婚相手の会社に吸収され、そして・・・花沢物産はなくなってしまう。

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花 より 男子 二 次 小説 類 つくし

つくしは一人悩んでいた。 どうして、こんな事になってしまったのか。。。 稜には、別れるように言ったが、納得するハズが無い、、、 自分でも、どうしていいのか、わからなかった。 そして、考えた末に、花沢類に連絡をしていた。 「花沢類?あの、、牧野です。 忙しいのにごめんなさい。。。 ちょっと相談したいことがあるんだけど、時間もらえますか??」 「牧野?相談?、、、あぁ、わかったよ。 キョロキョロしながら、カフェを探していると後ろから、呼ぶ声がした。 「牧野!」 振り返ると、花沢類が手を振っていた。 つくしは、急いで類に駆け寄った。 その様子を、離れたところから、偶然司が見ていた。 ミーティングで、ホテルを訪れていた。 「類?」 こんなところで、女と会ってるのなんて、珍しいな。 ちょっと、冷やかしてやるか笑 司は、類達のあとから、カフェに入り、離れた席から様子を見ていた。 「話って?」 類が、切り出した。 「うん。。。 稜の事なんだけど。 」 「稜君がどうかした??仕事で何かあったとか?」 「ううん、仕事の事じゃないの。。 」 「じゃあ、、、何?」 つくしの様子に、何か感づいたようだったが続けた。 「花沢類は、道明寺のお嬢さんのこと知ってる?」 「梓ちゃんの事?ああ、もちろん。 司の娘だし、小さい頃から知ってるけど?」 「それが、どうかした??」 「、、、うん。 どういう経緯かは、わからないんだけど、その梓さんと、稜がお付き合いしてるみたいなの。 」 「、、、そう」 「ごめんなさいっ!こんな事、相談できる人いなくて。。。 両方の事を知ってるのって、花沢類だけだと思って。。。 」 「いや、いいよ。。。 」 「私、どうしたら。。。 稜には、お付き合いを辞めなさいと言ったけど。。 ねぇ、花沢類。 私、どうしたらいいの??」 つくしは、その場で涙を流し始めた。 類は、とりあえず一旦落ち着こうよ、と つくしの背中をさすりながら、店を出て行った。 2人の様子を見ていた司。 驚きを隠せず、立ち上がれないでいた。 類が会ってた女って、、、、 牧野か? どうして?? 会話は聞こえて来なかったが、親密そうに話をしていた。。。 類が背中に手を回していた様だった。。。 まさか、付き合っているのか?? そういえば、少し前に再会したと言っていた。。 昔、オレがNYに行って牧野が迎えに来た頃、類もアイツの事が好きだった、と言われた。 昔の気持ちを告白された牧野が、類を受け入れたのか?? 司の心は、かき乱されていた。 ponypo1980 「稜、ちょっといい??」 「ん、何??」 「あなたに、話しがあるの。 」 深妙な顔つきのつくしを不思議に思いながら、稜は座った。 「母さん、今日来た道明寺さんとのお付き合いは賛成できないの、、、」 「えっ??何で?だって、あんなに会うの楽しみにしてたし、実際、楽しかったでしょ?? 彼女、何かした??」 「彼女は、とても素敵な人だと思うわ、、、。 けどね、私達とは、住む世界が違うの。 わかるでしょ??何もかもが違うのよ。 」 「そんなの、最初からわかってるよ。 」 「わかってない。 友達だったら、何も言わない。 でも、お付き合いするのは、あなた達が辛いだけ。。 」 「母さん。 どうしたの??こんな事言われるの初めてだよ、、、。 何で??」 稜の質問に、黙ったまま俯くつくしだった。 まさか、道明寺の娘と、稜が付き合っているだなんて、夢にも思っていなかった。 道明寺とは、10数年前、ばったり会ったっきり。 自分はおろか、子供同士に接点なんてないはずなのに。。。 どうして、こんな事になっているのか、、、。 ponypo1980 ピンポーン 佐伯家のインターホンが鳴った。 「はーい」 つくしが返事をしてドアを開けると、稜と女の子が立っていた。 「稜、おかえり。 あら、こちらが例のお嬢さん??」 「うん。 あっ、これがオレの母さん。 」 「はじめまして。 今日は、お招きありがとうございます。 」 梓は、お辞儀して、挨拶をした。 「さぁ、入って入って!待ってたのよ〜」 ダイニングに入ると、テーブルの上にいろいろな料理が並んでいた。 「母さん、今日はりきったね!」 「そうよ〜、沢山作ったから、沢山食べてちょうだいね。 」 つくしに促され、席に着いた。 「はじめて食べるものばかりかもしれないけど、召し上がれ。 」 3人の誕生日会が始まった。 一通り、食事が終わり、デザートのケーキを食べていた時だった。 「あっ、そういえば。 お嬢さんのお名前聞いてなかったわね、うっかりしてた笑」 「あっ、オレも言いそびれてた笑」 「じゃあ、自己紹介してくれるかしら?」 つくしは、梓に笑いかけた。 「はい。 私は、道明寺梓と申します。 」 つくしは、その言葉に凍りついた。 「えっ??ど、道明寺??」 「はい。 珍しい名前ですよね?」 「母さん知ってる?道明寺グループって? 彼女のお父さんが社長なんだよ。 」 つくしは、返す言葉がなかった。 そして、そのまま、梓が帰るまで、黙ったままだった。 ponypo1980 梓の誕生日パーティ当日。 場違いな雰囲気に、稜は戸惑っていた。 「こっち、こっち!」 梓が、遠くから手を振る。 梓の周りには、西門麗香、美作姉妹も揃っていた。 ドレスアップしている姿に、稜は少し怖気づいていた。 「今日は、招待してくれてありがとう。 あの、、、今日は、いつもと感じが違うっていうか。。。 ドレス素敵だね。 」 照れながら、褒める稜。 それを、横で見ていた麗香達が近づいてきた。 「梓の付き合ってる人って、あなたの事ですか??」 「えっ〜、ちょっと今までとだいぶタイプが違くない??」 「意外なんだけど〜」 勝手に話始める3人に、今、紹介するから黙って、と、なだめる梓。 「こちらは、佐伯稜さん。 」 よろしく、と3人に頭を下げる稜。 その時、後ろの方がザワつき始めた。 そしてF4が、パーティーに現れた。 「ねぇ、F4よっ!!まさか、こんなところでお目にかかれるなんてっ!」 「大人になっても、やっぱり素敵だわぁ」 パーティーに出席していた女性達が、騒ぎ始めた。 「F4って??何?」 「F4っていうのは、梓のの、と、私の父の西門総二郎、こちらの美作姉妹のの、美作あきら、そして花沢物産社長の花沢類、この4人の学生時代の呼び名なの。 」 麗香が、稜に教えた。 「へぇ〜。 何か、やっぱり君達って凄いんだね、、、。 」 想像以上の世界に、驚きが止まらない稜。 「あれ?佐伯君??」 花沢類が、稜に気付いた。 「あっ、花沢社長。 」 類に気付き、軽く会釈をした。 「何?彼、類の知り合い??」 あきらが類に尋ねた。 「うん。 うちの社員で、佐伯稜君。 」 「へぇ。 で、何で君がここにいるの??」 あきらが突っ込んだ。 あの、梓さんに招待されまして。。。 」 「へぇ、じゃあ梓の彼氏ってこと??」 「あきら、まぁ、そのへんにしとけよ。 ビビってるだろ?」 総二郎が悪いね、と間に入り、あきらを連れ出した。 「佐伯君、梓ちゃんと付き合ってるんだって?」 「しゃ社長、なんでそれを??」 「あぁ。 さっき、あきらんちの双子達が噂してたからさ。 君のこと。 」 「は、はぁ。 そうでしたか。。。 」 「オレは、応援してるからさ。 」 そう言って、類は稜の肩をポンと叩き、その場から離れて言った。 「おい、総二郎。 梓のやつ、付き合ってるヤツがいるってホントか??」 「らしいな。 今日、来るみたいだぜ。 」 「どんなヤツだった??」 「おまえ、だろ?自分で確かめろよ。 」 総二郎に、背中を押されたその時、前を通りすぎそうとした人物にぶつかった。 「あっ、すみません。 」 「いってぇな〜、総二郎押すなよ。 あぁ、君。 悪かったな。 」 「いえ。 」 司は、ぶつかった相手の顔をじっーと見て、立ち止まっていた。 「あ、あの?ホントすみませんでした。 」 「ああ。 いや、いいんだ。 オレが悪かった、、、。 そんな事より、君とどこかで会ったことあったかな??」 「えっ?えーと、どこかでお会いしたような気もしますが、、、すみません、覚えてないです。 」 司は、どこかで会った、というよりも、過去の記憶が呼び戻されるような気がしていた。 「君、名前は?」 「はい、佐伯稜です。 」 「佐伯?」 聞いたことがない名前だった。 でも、目元や、顔の雰囲気は、どことなく見覚えがあった。 ponypo1980 「ねっ。 今度、私の誕生日会があるんだけど、来てくれる??」 「えっ、誕生日?いつ?」 「12月28日」 「12月28日??」 「そうだけど、、、??都合悪かった?」 「いや、、、実はうちの母親も同じ誕生日なんだ。 」 「えっ!?そうなの〜??スゴい、偶然じゃない?」 「うん、ビックリした。 」 「じゃあ、28日は無理かな、、、」 「いや、行くよ!母さんは、プレゼントだけ渡せば喜んでくれるだろうから。 」 「じゃあ、楽しみにしてる。 」 梓は嬉しそうに帰って行った。 「ただいま。 」 「おかえりなさい。 」 「ねぇ、母さんの誕生日って12月28日だったよね??」 「そうよ〜。 何?プレゼントのリクエストでも聞きにきたの?笑」 「違うよ、そんなんじゃなくて。 今、付き合ってる彼女も、同じ誕生日だったんだよ。 」 「え?そうなの?偶然ね。 何かプレゼント考えてるの?」 「う〜ん、それなんだよね。。。 何がいいかなって思ってさ。 彼女、欲しい物は何でも手に入っちゃうみたいだし。。 プレゼントとか貰い慣れてるだろうから。。 」 「お嬢様みたいじゃない笑そうね〜 だったら、いつもご馳走は食べ慣れてるだろうから、うちの食事でよければ、一緒にお祝いなんてどうかしら??」 「えっ?うちで??」 「そう。 お嬢様みたいな生活してたら、きっと庶民のご馳走とか知らないんじゃない?笑」 「そうか。。。 聞いてみるよ。 母さんと一緒の誕生日なんて、彼女も驚いてたし。 」 「母さんも、会ってみたかったし、オッケーしてくれたら嬉しいわ。 」 梓の誕生日の次の日に、稜の家に招待することにした。 ponypo1980 司は、黙って玲人の話を聞いていた。 「それで?彼女とは?」 「それっきり、、、音信不通です。 」 「それでいいの?」 「、、、、」 「彼女の事、本当に愛してたのか?? このまま、中途半端に気持ちを引きずったまま、先になんて進めないんだぞ。 君も、彼女も。。。 ちゃんと自分の気持ちにケジメをつけるべきだ、、、。 オレが言えた立場じゃないが。。。 」 「あの、、、道明寺さん、 やっぱり梓さんとの結婚は、僕から破棄させて頂けませんか?勝手なお願いだとは、承知の上ですが。。。 」 玲人は、頭を下げた。 司は、無言で頷いた。 「で、どうするつもり??」 「はい、とにかくフランスに行って、彼女を探して、何もかも謝ってきます。 許されるとは、思ってませんが、、、。 」 「、、、後悔するなよ。 あとの事は、こっちに任せればいいから。 」 「はい。。。 あの、話聞いて頂いてありがとうございました。 」 最後に一礼すると、玲人は店から出て行った。 「司です。 神崎玲人と、梓との結婚の話ですが、双方が、破棄したいとの事で一致しました。 そういう事なので、この件は、ここまでにして下さい。 」 司は、用件をだけ伝えると、あっさりと電話をきった。 ponypo1980 司は、ホテルのバーに玲人を呼び出していた。 「神崎君、今回の件、本当に申し訳ない。 」 頭を下げた司に、玲人もビックリしていた。 「いやっ、その、やめて下さい。 道明寺さん。 」 「今回の事は、梓のワガママでしかないんだ。 だから、君には本当に申し訳ない。 」 「いえ、、、実は、僕も本当の事を言うと、この結婚には迷っていました。。。 もちろん、彼女の事は好きでした。。 でも、なんか、自分の中で、結婚まで吹っ切れないというか。。。 」 「君も、いろいろあったみたいだね。。 」 「はい、、、。 あの、今からいう話は、 ここだけの話にしてもらえますか?? 誰にも言うまいと思っていた話なので。。 」 「ああ、わかったよ。 」 そして、玲人は話し始めた。 大学2年の頃、初めて心から愛する女性に出会ったこと。 3歳上の彼女とは、食事していたレストランで出会った。 彼女は、そこでソムリエを目指して勉強していた。 彼女は、玲人のスタッフに対する横柄な態度が許せず、彼をその場で叱った。 慌てた上のスタッフが出てきて、玲人に謝罪したが、彼女は頭を下げなかった。 玲人は、今まで誰かに、真剣に怒られたことが無かった、自分のしている事は全て許される、親の力、金の力で何とかできると思って生きてきた。 彼女の存在が気になってしょうがなかった。 あの瞬間から、彼女に惹かれている事に気付いた。 数日後、店に行ってみると、彼女は辞めていた、あの一件後、半ば辞めさせられていたのだ。 必死に、彼女の居場所を探した。 数週間後、ようやく都内のレストランで働く彼女を見つけた。 彼女は、玲人を見るなり、何しに来たの?と冷たい言葉を掛けた。 それから、玲人は、週1回彼女の働くレストランに、通うようになった。 最初は、相手にもされなかった。 しかし、ソムリエを目指す彼女との話を合わせるために、玲人も必死に、ワインの勉強をして、会話のきっかけをつくっていた。 そんな、玲人の姿に、彼女も惹かれていき、2人の距離が縮まっていった。 毎日、彼女の仕事が終わった後、彼女の部屋で一緒に料理を作り、ワインを選んで呑む、それがささやかな幸せだった。 そして、お互いに愛し合うようになっていった。 彼女の部屋で暮らし始めて数ヶ月後の事だった。 彼女が、妊娠していることがわかった。 その状況に、嬉しさよりも、自分の今の立場や親になるという事が理解出来ず、気付くと、部屋から飛び出してしまっていた。 まだ、大学生である自分。 親に言うべきだろうか、いや、いっそ家を出てしまおうか。。 駆け落ちでもいいじゃないか。 でも、どうやって暮らしていく? 何をして働く? 親子3人で生活できるほど、稼ぐ事が、自分はできるんだろうか?? 神崎家に生まれ、何不自由なく育った環境以外で生きていくことが、恐怖に感じていた。 その間にも、彼女から連絡はあったものの、自分の答えを見つけ出せないままだった。 しばらくたったある日、玲人は彼女の部屋を訪れた。 そこには、彼女の姿はなく、部屋も空き部屋になっていた。 彼女の働いていた店を訪ねたが、そこにも彼女の姿はなかった。 数日前に、退職していた。 同僚が、玲人に、手紙を渡してきた。 彼女からの手紙だった。 そこには、 「さようなら」とだけ書かれていた。 仲の良かった同僚の話では、 玲人に会うために、神崎家を訪ねてきていた事、そこで、玲人との事を話すも許してもらえず、代わりに、フランスでのソムリエ留学と手術費用を条件に、別れるように告げられたという。 彼女は、玲人に相談しようとしたが、一向に連絡がつかないことに気持ちも絶望し、 子供を産むことを諦め、フランスに旅立って行った、と聞かされた。 ponypo1980.

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