どんな症状が出るの? ノロウイルスもロタウイルスも主な症状としては同様で、 嘔吐 おうと や下痢、発熱等が現れます。 お年寄りや幼児の場合、嘔吐物が喉に詰まって死亡してしまうというケースもあります。 ノロウイルス 症状は子供が嘔吐が、成人は下痢の症状が出やすく、1、2日間続きます。 症状が安定してからもウイルスを排出している事もあり、長くて1ヶ月程続きます。 感染した人が身近にいたら治っていても、他の人に感染しない様、予防して気をつけなければいけません。 ロタウイルス ノロウイルスに比べ症状は5、6日と長く続き、 便が白くなることもあります。 これは、通常肝臓から出る胆汁というものが便に色をつけるのですが、ウイルスの影響で肝臓が機能しないためです。 ロタウイルスでの感染症状の特徴でもありますが、必ずしも白いからと言ってロタウイルスとは限りません。 またロタウイルスは感染しても症状が発症しないこともあり、これは体の免疫 めんえき による部分があります。 大人は免疫ができているので症状は軽めで済む事が多いのですが、免疫がまだ弱い小さな子供は重症になる事もあるので、気をつけなればいけません。 流行りの時期と潜伏期間 ノロウイルスとロタウイルスで違いがあります。 流行りの時期はノロウイルスが冬の前半、ロタウイルスが冬の後半から春にかけてです。 潜伏期間はノロウイルスが1、2日、ロタウイルスは2〜4日間とロタウイルスの方が日数がかかります。 ウイルスの感染経路 感染系はどちらとも、 口から感染して腸内で繁殖 はんしょく していきます。 ただ、口に入ってしまうまでの経路は異なります。 ノロウイルス 手指、食品を通じて感染します。 感染した生野菜を食べた場合の他に、感染した二枚貝の加熱不十分や生で食べた時に感染するケースもあります。 この貝のケースは調理する人から貝に感染し別の人にうつる、というのではなく、元からウイルスがいる生活排水が海に流れ、そこで貝が感染してしまうというものです。 よく生牡蠣で食中毒になる、というのはこのノロウイルスが原因の時もあります。 生食用の牡蠣というのは、安全性もクリアして販売されているもので、加熱用を加熱せずに食べたという事がなければ通常は大丈夫です。 ロタウイルス ノロウイルス同様で感染した物を触った手から口にという流れですが、 感染者の便や嘔吐物からも感染する事があります。 汚物が乾いた物からホコリを通じて、口に入る事でうつってしまいます。 そのため子供が嘔吐した場合等は処理に十分気をつけなければいけません。 治療、検査はどのような方法? 現在の所、特効薬というのはありません。 ロタウイルスに予防ワクチンはありますが、体に免疫をつくることが目的で 免疫のない子供にしか注射することができません。 病院での検査方法 どちらとも便を使う検査キットでの検査です。 ロタウイルスの場合、検査は保険適用となっており、結果も20分程ではわかるのですが、感染していても感染してないという結果になる事もあります。 ノロウイルスの場合、3歳未満と65歳以上の人しか検査キットで調べる保険が適用にならず、診療代が高くなってしまいます。 そのため病院でも検査キットを置いていない所もあります。 病院での治療はどうするのか 病院でも特効薬がないため、対処療法という 症状に対しての治療を行います。 下痢で水分不足になるので水分や栄養の補給、また整腸剤というもので腸の動きを整える薬を出します。 喉を詰まらせる可能性のある小さな子供やお年寄りでなければ、症状が軽い場合は栄養と水分を補給して自宅で療養でも大丈夫です。 もちろん、不安になった時や症状が酷い時は受診しましょう。 どのように予防するべきか ノロウイルスもロタウイルスも、 手洗いや消毒が予防する上で重要になってきます。 トイレの後、調理や食事前にせっけん、流水で手洗いをしっかり行いましょう。 手洗いの時には時計は外し、爪はできれば短くしておきます。 正しい手洗い 正しい手洗いの手順は以下の通りです。 石鹸を手の全体につける• 手のひらをよく洗う• 手の甲をのばすように洗う• 指先、爪の間をよくこする• 指の間を洗う• 親指と手のひらをねじってあらう• 手首を洗う• 十分に水で流し洗いする• 乾いたタオル、ペーパータオルでしっかりと拭く 特に 指先、爪の間はウイルスが残りやすいので気をつけましょう。 調理器具の予防 シンク、洗剤用スポンジや布巾、調理器具は使用後に消毒しましょう。 85度以上の熱湯で1分間以上つけておくことで消毒できます。 触る物にも注意 下痢をしている人がいる時はドアノブを消毒、小さい子供が感染した場合はおもちゃ等もしっかり消毒を心がけます。 消毒液の作り方 ドアノブ、おもちゃ等の消毒は次亜塩素酸 じあえんそさん ナトリウムを0. 02%にしたもので消毒します。 これは家庭用漂白剤のハイター、ブリーチ等を薄めることで作れます。 500mlのペットボトルを用意して、キャップ半分弱の消毒剤原液と、それに加えペットボトルいっぱいになる水を加えると約0. 02%の稀釈となります。 これをスプレーできる容器等にいれ、おもちゃやドアノブに吹きかけるのが良いです。 食事はしても大丈夫? 小さな子供でなければ、食事をしてはいけないという事はありません。 できるだけ 辛味や刺激のあるもの、油が多い物は避けましょう。 お菓子や乳製品は油が多いので控えておきます。 日頃の食事で良いもの 普段からヨーグルトを食べていると、腸の中の環境が整うためウイルスが来ても繁殖せずに症状が出にくくなります。 症状が出てからも食べる事は問題ないのですが、脂肪分が多く消化に悪いので、たくさん食べる事でお腹に負担がかかってしまいます。 お風呂は大丈夫? お風呂も入って問題はありません。 ですが下痢をしている人がいる時には、 入浴用品を通じて感染する可能性があるので気をつけなければいけません。 入浴時の注意点 感染して下痢をしている場合、お風呂は一番最後に入る様にします。 またお尻にウイルスが残っている事もあるので、しっかりと洗いましょう。 入浴用品は清潔に お風呂内で使っている道具はしっかりと清潔に洗い、調理器具と同様で85度以上の熱湯に1分間以上つけておくと殺菌効果があります。 またタオル類は感染者と同じものを別の人が使わない様にしましょう。 特にバスタオルは普段家族で使い回しをしたり、翌日また使ったりする家庭も多いので注意が必要です。 出席や出勤の停止はある? 仕事や学校等を休まなければいけないかどうかですが、 ノロウイルスもロタウイルスもどちらも定められていません。 そのため自己判断とはなりますが、症状が治ってからも他の人に感染させないよう予防が必要です。 保育園は事前に確認を 保育園の場合、登園届や病院の証明が必要な事もありますので、決まりを確認しておきましょう。 食品を扱う仕事は注意 食品を通じて感染する事もあるため、 食品を扱う仕事の場合は慎重にならなければいけません。 病院で感染性胃腸炎と診断された場合は仕事場に報告しておきましょう。 下痢の症状があった場合、直接食品を触る仕事をしてはいけない等、職場で決まっている事もあります。 流行時期になったら 流行時期の下痢、嘔吐は全てノロウイルス、ロタウイルスと疑うという医者も多い程、よく流行る病気です。 周りにその症状が出ている人がいたら消毒、予防をしっかり行いましょう。 症状も成人であれば重症化となる事はほとんどありませんので、自分がかかってしまったと思われる場合、水分を十分にとって安静にしましょう。
次の冬の集団感染の代名詞といえばインフルエンザ・ノロウイルス…。 もしノロウイルスにかかってしまったら、激しい下痢やおう吐に苦しむため、 とても仕事ができる状態ではありませんね。 周りの人にうつさないためにも、基本的には会社を休む必要があります。 ノロウイルス・アデノウイルス・ロタウイルスなどが原因の 『感染性胃腸炎』については、 実際のところ「出勤停止期間」などは 法的に特に定められていません。 しかし、もし体が元気で 「仕事はできるから会社にいく!」 と自分では思っているのに、会社から 「周りにうつすから出勤しないで自宅療養してください」 と言われた場合の お給料や休み方はどうなるのでしょうか? また、復帰の目安期間はどれくらいでしょう。 ・ 「ウイルス性胃腸炎」 流行性嘔吐下痢症 ・「細菌性胃腸炎」 ・「寄生虫」 と 3種類に分けられ、いずれも胃や小腸、腸などに感染し、• 激しい下痢• 発熱 などの炎症を起こします。 ウイルス性胃腸炎はノロウイルスが代表的 そして、冬の時期はノロウイルスなどの 「ウイルス性胃腸炎」 によるものが圧倒的に多くなります。 感染性胃腸炎・急性胃腸炎・食中毒の違いは? 「感染性 胃腸炎」は、しばしば聞かれる 「急性胃腸炎」・ 「食中毒」 とはどのような違いがあるのでしょうか。 これは、 症状・病原体によって区別されるわけではなく、医学的にみて総合的にどのように診断されるのかで決まります。 ・ ・労働安全衛生法第68条 という2つの法律があります。 しかし、このどちらも、 ノロウイルスなどの『感染性胃腸炎』については、就業禁止の対象になっていません。 つまりノロウイルスに感染しても 出勤NGとなるような法律はもともと無いということです。 この場合、会社の 『就業規則』 に以下のような記載があれば、会社側は感染した従業員に自宅療養を命じる事ができます。 1 感染症患者および疑似患者 2 その他感染のおそれのある者 自分の会社の就業規則をあまりじっくり見ることは無いかもしれませんが、 これを機に一度確認してみてくださいね。 手元にない場合は総務課・人事課などで管理しているはずです。 [出勤しないで]と会社から言われた時の給料は 会社は「就業規則」に沿って、従業員側に自宅療養を命じることができますが、 会社側から、つまり 『会社都合』で 「出勤しないで自宅療養してください」 と言われた場合、 雇用されているあなた(従業員側)は少なくとも 『休業手当』 として 平均賃金 日給相当額 の60%を会社に請求することができます。 どうして会社側は休業手当を払わなくてはいけないの? 事業主が『会社都合』で働いている人を強制的に休ませる場合、 法令 労働基準法第26条 の定めを超えた「会社の自主的な判断」に過ぎないとみなされます。 会社から[有給扱いで申請して]と言われたら? 普通の風邪などで会社を休む場合、 有給 年次有給休暇 日数が残っている人は 『有給扱い』 で申請することが多いと思います。 ではノロウイルスなどで休むときに、会社から 「有給扱いで申請して」 と言われたらどうすればよいのでしょうか。 結論から言うと、 これには応じる必要はありません。 なぜなら、本来、有給という権利は、 「労働者本人に決定権があり、会社側から利用を命じる権利はない」 ものだからです。 とはいえ、「休業手当」が支給されると言っても、金額は平均賃金の60%。 もらう金額を考えると、有給として申請したほうが得の場合もあるので、 有給の取得予定や残り日数を確認してみてくださいね。 休業手当が申請できるときのおさらい 休業手当を申請できる状況はあくまで、 まとめ ノロウイルスの感染力は非常に強く、集団感染を起こしやすい病原体ですが、 出勤停止の決まりなどは法的に定められていないため、 個人個人がしっかり感染を防ぐという意識を持つことが大切です。 仕事を休めないからと無理をせず、嘔吐や下痢などの症状があるうちは、 自主的に出勤を控え、しっかり身体を休めましょう。 感染症胃腸炎にかかっても、充分働ける状態の体とであるにもかかわらず、 会社側が『出勤停止』を命じてきた場合は、 「休業手当」の支払いを会社に請求する事が出来ます。 就業規則などを今一度確認して、しっかり万一に備えておきましょう。 日頃から[]をし、感染症にかかりにくい強い体作りをしていくことも大切です。
次の家族が胃腸炎に…うつる可能性があるのはいつまで? 感染性の胃腸炎を起こす病原体にはさまざまあり、具体例としては以下が挙げられます。 腸炎ビブリオ• サルモネラ• 病原性大腸菌(O-157など)• カンピロバクター• ロタウイルス• ノロウイルス など 上記の病原体のうち、特にとして、近年では広く周知されるようになりました。 ノロウイルスは、牡蠣なのど二枚貝を感染源として1~2日の潜伏期間を経て発症し、下痢や嘔吐、腹痛、発熱などの激しい症状を2~3日間にわたり引き起こします。 感染ルートとしては、 最初の感染者が吐き出した嘔吐物や便などに触れたことによる接触感染、または これらが乾燥して飛散することによる空気感染の2つがあります。 このため家族や職場など、所属するコミュニティのうち1人でも感染者が出ると、周囲で看病をする家族・友人・同僚、近隣にまで感染が拡大することも少なくありません。 ノロウイルスが集団感染を起こしやすく厄介だと言われるのは、このためなのです。 また、発症から2~3日で症状が治まるノロウイルスですが、 感染後2週間は、感染者の便から、新たな感染源となるウイルスを排出し続けています。 ノロウイルスの約2週間という保有期間は、サルモネラ菌やO-157の約7日間に比べてもかなり長く、この点も感染予防するうえでは非常に厄介であるといえます。 胃腸炎の家族感染を予防するには? 家族に感染者が出たときに、家庭内での感染性胃腸炎の感染拡大を予防するには、家の中での衛生管理を徹底するのが有効です。 以下に、家庭内での感染性胃腸炎の予防に有効な対策を具体的にご紹介しますので、しっかり確認のうえ、実践しましょう。 感染者と非感染者でトイレ、または洗面所などの水まわりは分ける 排出された便や嘔吐物に接触する可能性が最も高いのは、トイレや洗面所だと思います。 もし、家にトイレが2つ以上ある場合は、トイレを感染者とそれ以外の家族で分けましょう。 また、洗面所や石けんも分けるのが望ましいです。 難しい場合は、手を洗う石けんだけ分けるか、トイレに感染者専用の石けんを用意し、指や爪の間までしっかり洗ってから出てきてもらうようにしましょう。 汚物や汚染された衣類などは、漂白剤で作った消毒液で消毒する 嘔吐物が落ちた場所や、便が付着したトイレに触れたり、またこれらがついた衣類をほかのものと一緒に洗濯すると、 ウイルスが広がって家族内感染の原因となります。 感染者が使用したトイレはその都度、部屋のなかで吐いてしまった場所、またウイルスが付着した衣服について、速やかな消毒が必要です。 以下、用途別にノロウイルスなど感染性胃腸炎の感染予防に効果的な消毒液の作り方を紹介します。 主に汚物の処理に対して直接使う、濃いめの消毒液 1. 5リットルの水に対し、洗濯または台所用漂白剤を25ml(ペットボトルのキャップで約5杯分)入れる 主に汚染された部屋やトイレのふき取りに使う、薄めの消毒液 1. 5リットルの水に対し、洗濯または台所用漂白剤を5ml(ペットボトルのキャップで約1杯分)入れる 上記の消毒液はいずれも、汚物や汚染箇所に吹きかけて使えるよう、霧吹きに入れておくことをおすすめします。 なお、汚れた衣類は 手袋とマスクをつけたうえでバケツなどで水洗いして汚れを落とし、用法・用量に従って薄めた 洗濯用漂白剤に30分以上、または85度のお湯に1分以上漬けて消毒してから洗濯機に入れましょう。 徹底的に、感染者が排出した糞便や吐しゃ物との接触を避ける 感染者の便や嘔吐物を処理するときは、 必ずマスクと手袋を着用して感染源との接触・空気感染を徹底的に避けてください。 また、汚物を処理するときもそのままふき取るのではなく、まずは飛び散らないようにキッチンペーパーをかけ、前述の消毒液をたっぷり吹きかけてからペーパーごと捨てましょう。 このとき、ペーパーと一緒に処理に使用した手袋やマスクも同じビニール袋にそっと入れて、密閉して捨てます。 マスクや手袋の使いまわしは厳禁です。 なお、汚物を処理した箇所には、薄めの消毒液でふき取ることも忘れないでください。 おわりに:感染性胃腸炎がうつる期間は約2週間!しっかり消毒して家族への感染拡大を予防しよう 感染性胃腸炎が周囲にうつる期間は病原体によっても異なりますが、ノロウイルスの場合では、感染から約2週間はウイルスを排出し続け、感染拡大を起こすといわれています。 このため、1人から他の家族への感染拡大を予防するには、徹底的に糞便・吐しゃ物への接触を避け、トイレや家のなかを消毒する必要があります。 この記事を参考に、感染性胃腸炎について正しい知識と予防策を身に着けておきましょう。
次の