2020年1月3日、韓国の化学メーカーが高純度の「フッ化水素」を大量生産が可能な製造技術を確立したと報じました。 このニュースを受けて、ネット上では、 「数か月前も言ったよね」「何度目だ?」「5回目だ」という、以前にも同じような内容を聞いたという声が上がっています。 調べてみたところ、報道各社で大きく取り上げられたニュースとしては、2019年の10月16日のニュースと、2020年の1月3日のニュースの2回でした。 韓国は、2回フッ化水素の開発に成功しているわけですが、いったいどういうことなんでしょうか? この記事では、 スポンサーリンク 【2019年10月】一度目!韓国のフッ化水素の開発成功という報道! 2019年7月22日、日本政府が高純度フッ化水素の対韓国輸出規制を強化しました。 それを受けて、韓国国内では、高純度フッ化水素の国産化を進めようという声が高まっております。 2019年10月16日、韓国の LGディスプレーが、韓国工場で使う液体フッ化水素を全て国内メーカーから調達することに、9月初めに成功したというニュースが報じられました。 2019年の10月からは、ディスプレーの製造工程に、日本製のフッ化水素を使わず、韓国製のフッ化水素に100%代替したようですね。 韓国の「脱日本化」フッ化水素の国産化に成功するものの問題も — Curious Yamato CuriousYamato しかし、これには問題もあったようです。 実は、韓国製と主張しているフッ化水素は、日本の低純度フッ化水素を加工したものであったようです。 加工を韓国に切り替えたという意味では国産化成功ですが、原材料は日本製というわけですね。 また、 研究開発と 製品化の間には『死の谷』と呼ばれる高いハードルがあるそうです。 製品化とは、 高品質で・バラツキがなく・低コストで・大量生産できるといった条件を満たしている必要があると思います。 日本には、 フッ化水素を製品として低コストで安定して大量生産するノウハウがありますが、韓国が一度に製品化へのハードルを越えて、日本に追いつくのは難しいそうです。 このニュースに対する、あの議員の反応 ところで、このニュースを受けて、 立憲民主党の塩村あやか参議院議員がこのようにツイートしたのは、話題になりましたね。 あーあ!! 韓国は困るどころか、ものの数ヶ月で開発成功。 失ったマーケットは二度と戻ってこない! 政治が経済に口を挟むなんてリスク国になった日本。 その他の分野や国もリスク分散をしてくるはず。 半導体高純度も時間の問題ではないか。 — 塩村あやか🐾参議院議員 りっけん shiomura 高純度のフッ化水素の輸出管理の問題は、韓国が不正に某国に高純度フッ化水素を転売するなど、 「軍事転用されないため」であるのが、政府の輸出管理強化の理由だったと思います。 日本が輸出したフッ化水素で大量破壊兵器が作られたら、国際社会における日本の責任問題になることは必至ですものね。 それに 角度をつけて、 経済の問題とみている塩村議員は、さすが 目の付け所が違うんだなぁと思います。 スポンサーリンク 2019年10月の報道と2020年1月の報道の相違点 それぞれの報道のポイントを整理してみました。 2019年10月 LGディスプレーが、 自社のディスプレーの製造工程に、日本製を使わず、韓国製に100%代替成功。 実は、日本の低純度フッ化水素を加工したものを使っている 加工を韓国に切り替えたという意味では国産化だが、原材料は日本製 研究開発と製品化の間には『死の谷』と呼ばれる高いハードルがある。 それを越えるのは難しいとコメント 2020年1月 ・韓国の 化学メーカーが高純度で 大量生産が可能な製造技術を確立 ・韓国の経済メディアによると、韓国内の需要の 70~80%程度を担う規模 考察 2019年10月の報道は、 小規模な研究開発レベルでの成功についての報道 2020年1月の報道は、 大量生産技術の開発成功についての報道 という違いがあるのだと思います。 ただ、1月の報道では、 良いことだけしか言っていないのが気になるところですね。 製品化の条件である、 バラツキがない安定性とか、 コストの問題とか、いろいろとあると思うのですけれどね。 高純度フッ化水素の製造を、製品化するレベルまで持って行くのは、一朝一夕では難しいと言われていました。 しかし、今まで韓国や中国が行ってきた 日本の技術者の引き抜きなどがあれば、割と早く開発に成功するかもしれないと懸念されてきました。 それに対しては、これまでと同様、政府は対策を取れていないと思われるので、心配ですね。 また、こういった報道が、 およそ二か月おきにされるのは、 文大統領の支持率や、 株価の問題があるのではないかと推測されています。 スポンサーリンク 塩村議員のツイッターで再び炎上 2020年1月2日のツイッターで塩村あやか参議院議員が再び、このように発言しました。 高純度も時間の問題だと以前に書いたら、ネット右翼からすり替え批判をかなり受けましたが、こうした現実を受け止めないと、新たなエラーや過ちを起こしてしまいます。 — 塩村あやか🐾参議院議員 りっけん shiomura 「エラー」や「過ち」とは、おそらく日本が韓国に対して行ったフッ化水素の輸出規制の事を指していると思いますが、以前のツイートと考えは変わっていないようですね。 私は、韓国が自国の努力で、高純度のフッ化水素を開発する分には、何の問題もないんじゃないかと思うんですがね。 そして、そのフッ化水素を、韓国が自国の責任で、北朝鮮やイランに輸出すればいいじゃないですか。 日本を 国際的な犯罪に巻き込むなと言いたいです。 塩村議員は、 輸出管理の問題を、どうしても経済の問題に持って行きたいようですね。 私と同じ視点でリツイートしている方もおられますね。 イヤ、良いんですよ? 韓国さんに頑張っていただいて。 日本は 「ロクに管理もせず韓国に輸出してたら、それが横流しされて世界の安全保障を脅かしている」 という問題を回避したかったダケなので 笑。 それは「韓国の技術力」や「日本の市場」などよりも 遙かに深刻な問題なので 笑。 — HIT MAN 1919 1919Hit 国会議員の先生も、ネット右翼とか言うのですね 笑 失礼ながら、匿名掲示板じゃないんだから、そういう単語を使うのはどうなのかなぁと思いますね。
次のそのため日本の輸出規制が、むしろ韓国素材部品産業のきっかけになったという評価も出ている。 10月16日、半導体業界によると、LGディスプレイは9月初めにフッ化水素の国産化に成功し、10月から製造工程に日本製を使わず、韓国製に100%代替したという。 LGディスプレイ側は「量産ラインのOLED(有機発光ダイオード)パネルの生産に使用される高純度フッ化水素を国産化した」と確認した。 サムスンディスプレイも液体フッ化水素の国産化テストを終え、現在残っている在庫がなくなり次第、国産フッ化水素を生産ラインに投入する予定。 ディスプレイの中核工程に欠かせない「ポリイミド」はすでに韓国製を使用しており、ディスプレイ業界は日本発の危機から脱する形勢だ。 韓国政府は去る10月11日、「第1回 素材・部品・設備の競争力委員会」で、「輸出規制品目の迅速な多様化と独自技術の確保で素材・部品・設備の競争力強化対策が軌道に乗った」と評価した。 業界も、日本の輸出規制が韓国の素材・部品産業を強化させたとの評価を出した。 特にサムスン電子は、今回のきっかけを脱日本化と技術独立の機会にするという方針も決めた。 サムスン電子は半導体の素材部品だけでなく、「国産化できるものはすべて国産化する技術を確保する」と関連企業に伝え、日本製の素材を国産化したり、第3国の素材と交換したりする作業を行うよう要請した。 ただディスプレイとは異なり、半導体を製造するサムスン電子とSKハイニックスの韓国製フッ化水素の投入時期は、まだ知らされていない。 サムスン電子の半導体生産現場 両社は半導体の一部の工程に国産フッ化水素製品を投入するテストを実施中だが、ディスプレイに使用されるフッ化水素よりも高純度製品が必要となるため、代替が容易ではない。 これらの企業は日本製フッ化水素の代わりに、台湾や中国のフッ化水素を投入して製品を生産している。 一方、韓国と違って日本は、自らが行った経済報復がブーメランになっているとの見方も出ている。 韓国経済研究院によると、今年7〜8月に韓国人観光客が急減したことで、日本の生産誘発減少の規模は3537億ウォン(約354億円)を超え、8月に日本を訪れた韓国人観光客は30万8700人と1年で半分に減った。 また関税庁によると、9月の日本ビールの輸入額はわずか700万ウォン(約70万円)で事実上、輸入が中断されている。 文在寅大統領も10月8日の国務会議で、「政府と企業の迅速かつ全方位的な対応、ここに国民の応援まで加わって、現在までは概ねうまく対処してきた」とし、「輸入先の多様化と技術の自立化、大・中小企業共存協力など、さまざまな面で意味のある成果も生み出している」と評価した。 外部サイト.
次のまず、塩村議員が引用したニュースは10月15日に配信されたもので、ツイートの2週間前に発表されたです。 しかし、経済という観点から 注目しなければならないのは「なぜ韓国は国産化することができなかったのか」という点です。 韓国が心理的に嫌う日本(の企業)に自社の命運を握られる状況が続いていたのですから、その理由を把握できなければ意味がありません。 塩村議員はこの視点が完全に欠落していると言わざるを得ないでしょう。 国産化はなぜ進まないのか。 「品質、価格、納期。 すべてを満たしているのが日本だからだ」。 韓国の電機大手幹部の説明は明快だ。 「韓国企業もつくろうと思えば、何とかつくれる。 ただ歩留まりが悪かったり、割高になったりして、採用は難しい。 価格や納期も品質のうちだ」 要するに、 「企業にとって重要な採算性を満たすフッ化水素は日本製」という現実があるのです。 「LG が国産化に成功した」というのは低純度のフッ化水素を用いる『エッチングガス』で、原料は日本から輸入しています。 つまり、「韓国で最終加工したから国産」と主張しているに過ぎず、従来よりも余分なコストがかかるという皮肉な状況になっているのです。 韓国の現状は『低純度のフッ化水素』でさえ、(採算性の問題から)日本からの輸入に頼っているのです。 この事実を認識する必要があると言えるでしょう。 フッ化水素などを国産化できるなら、日本の輸出管理強化は韓国にとって渡りに船 また、塩村議員が「韓国政府が何度も輸出管理強化の撤回を要求していること」を都合良く見落としすぎです。 韓国がフッ化水素などの国産化ができるなら、日本の輸出管理強化は「渡りに船」です。 なぜなら、 日本からの製品輸入のハードルが上がるため、韓国市場での競争力を失われることになるからです。 しかし、韓国政府は一貫して「日本は輸出管理の強化を撤回しろ」と言い続けているのです。 これは「韓国国内で代替製品を確保することができていない」と言っていることと同じです。 リスク国は日本ではなく、条約を無視した判決を平気で下す韓国です。 採算性の観点が欠落している政治家は経済政策で非現実な内容を平気で打ち出すことでしょう。 間違いに気づいて提案内容を速やかに修正していれば良いのですが、指摘を無視して突っ走る政治家は経済に大きな悪影響を及ぼす可能性が高いと言わざるを得ません。 sqboe.
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