悲しみ よ こんにちは サガン。 「悲しみよ こんにちは」

映画『悲しみに、こんにちは』公式サイト

悲しみ よ こんにちは サガン

2009年7月 福岡天神KBCシネマにて初鑑賞 作家の素顔 以下、『悲しみよ こんにちは』の冒頭ー ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。 その感情はあまりにも自分のことにかまけ、利己主義な感情であり、私はそれをほとんど恥じている。 ところが、悲しみはいつも高尚なもののように思われていたのだから。 私はこれまで悲しみというものを知らなかった。 けれども、ものうさ、悔恨、そして稀には良心の呵責も知っていた。 今は、絹のようにいらだたしく、やわらかい何かが私に蔽いかぶさって、私をほかの人たちから離れさせる。 (朝吹登水子役 『悲しみよ こんにちは』より抜粋) 学生の頃、繰り返し読んだ小説の一冊に、フランソワーズ・サガンの『悲しみよ こんにちは』があり、その繊細で詩的な文章と、地中海に面した海辺で展開するドラマを楽しんだものだった。 どのページを捲っても美しい文章とけだるい感じ(仏語でいうアンニュイ、ennui)に満ちていて、社会で働くことを知らなかった私にはとても心地よかった。 もうカバーは破れて捨ててしまったが、新潮文庫の『悲しみよ こんにちは』はもちろん今でも手元にあり、表紙をめくると、胸の前で両腕を抱えたポーズをしたフランソワーズ・サガンのモノクロ写真が出てくる。 サガンの感受性の鋭そうな眼と、痩せた身体つきにひきつけられる。 決してサガンファンではないが、そんなふうに『悲しみよ こんにちは』をこよなく愛した読者として、この映画にはとても期待していた。 『悲しみよ こんにちは』を書いた作家だもの、魅力的な女性に決まってる。 と、考えるのは当然ですよね。 しかし、残念ながら、期待外れの映画でした。 この映画を作った人たちは、『悲しみよ こんにちは』を読んでいるのかも疑わしい・・・。 名作を書いた人が私生活ではダメ人間だったという話は日本でも沢山あるが 太宰治や石川啄木。 梶井基次郎もひどかったらしい 、それにしても、この映画のサガンはあんまりにも惨め過ぎる。 サガンがギャンブルを好み、ドラッグに溺れ、愚かしい一面があったのが事実としても、サガンが人々を惹きつけた魅力についてはほとんど描き出されておらず、一体何を伝えたい映画なんだろうと思ってしまった。 作家の素顔? あれではわがままなフランス女のステレオタイプのようで、とても真実のサガンがあらわれていたとは思えない。 本のファンとしてはがっくりきました。 ミッテラン大統領とも交流があったというサガン。 交流はあったことは触れられるが、大統領級の人間を惹きついていたサガンの魅力は取り上げられない。 サガンが美人で、奔放だったから? しかし、映画の中のサガンはちっとも美しくないのだ。 しかも、レトロな感じを出すための演出だったのかもしれないが、画像が悪く、セットも安っぽかった気がします。 なんて書いていると、いいところがない映画のように思われ、腹も立ちますが、これを機会にジーン・セバーグがセシルを演じる1957年の『悲しみよ こんにちは』を観ようかなと思っています。

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「悲しみよ こんにちは(サガン)」の名言まとめました

悲しみ よ こんにちは サガン

ベストセラーという映画をみて、実在する作者に基づいた話、というキーワードで思い出しました。 ハマってたんですこの映画。 好きな理由は二つ。 主人公の、いかにも作家らしい刹那的で、破滅へと向かって行ってしまう、その様子が悲しくも美しく描かれてます。 飛び出た才能のある作家って、なんかこう、感受性が強くて、生きづらそう。 見ていて胸がいっぱいになりました。 なんとまーオシャレな映画でしょうか。 プラダを着た悪魔より、グレースケリーの裏窓より、ティファニーで朝食を食べるより笑、今の「フランス人は服を10着しか持たない」ブーム的なシンプルでミニマムなオシャレは圧巻です。 サガンFの大ファンになりました。 最後のお墓のワンフレーズかとても好き。 ネタバレ! クリックして本文を読む 映画「サガン/悲しみよこんにちは」 ディアーヌ・キュリス監督 から。 『悲しみよ こんにちは』の作家、フランソワーズ・サガンの 波乱万丈な生涯を綴った伝記ドラマだけど、 「私は弱い存在なのに、仲間は強いと思い込み、 ひと言で私を打ちのめす。 容赦ない一撃が襲いかかる」と呟くシーンが 印象的に記憶が残る。 傷心を紛らわすための酒と浪費が増大していくが、最期は孤独に死ぬ。 そんな物語のラストシーン、生前中に「自分の墓碑銘」を ある出版社から依頼されたらしい。 ひどいね・・と慰める息子に、母親のサガンはこう答えた。 「 墓碑銘 他人に勝手に書かれずにすむわ」 それは、他人が私の人生を書いたら、たぶん賛美で埋め尽くされ、 本当に私は表現されない、という思いが強いからだろう。 彼女が書いた、彼女の墓碑銘を紹介しよう。 サガン 1954年に文壇にデビュー 「悲しみよ こんにちは」が世界的な事件に。 人生と作品を手際よく、片付けたが・・ その死は、本人だけの事件だった」 孤独で寂しい最期を予測したかのような墓碑銘に、胸が熱くなった。 私が自分の「墓碑銘」を書いたら、どんな表現になるのだろう。 怖くて、まだ書けない。

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『サガン ー悲しみよ こんにちはー』

悲しみ よ こんにちは サガン

ストーリー [ ] 、フランソワーズ・コワレーズ(=サガン)は18歳の若さで小説『』を出版し、ベストセラー作家となり、莫大な富と名声を得る。 次々と話題作を出版するサガンであったが、連日友人と豪遊したり、自動車事故を起すなどして私生活は乱れていった。 キャスト [ ]• - フランソワーズ・サガン• () - ジャック・シャゾ• - ペギー・ロッシュ• - アストリッド• () - ベルナール・フランク• - ジャック・コワレ• - ギイ・シェレール• () - フロランス・マルロー• () スタッフ [ ]• 監督:ディアーヌ・キュリス• 脚本:ディアーヌ・キュリス、マルティンヌ・モリコニ、クレール・ルマレシャル• 撮影:ミシェル・アブラモヴィッチ• 衣装:ナタリー・デュ・ロスコー• 作曲:アルマンド・アマール• 美術:マキシム・ルビエール• 編集:シルヴィ・ガドゥメール• 録音:トミニク・ルヴェール、ギヨーム・ブシャトー、クリスチャン・フォンテーヌ• キャスティング:ジェラール・ムレヴリエール• 装飾:アレクサンドラ・ラッセン• 字幕:• 字幕協力: 外部リンク [ ]• (日本語)• - (英語)• - (英語).

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