美しいシルエットを実現していたサッシュレスの4ドアハードトップ HT は4ドアモデルのクーペ版であり、まさに花形であって、乗用車ニーズのなかで大きなシェアを占めていた。 2ドアクーペの優雅さを4ドアにも与えることで、豪華さや特別感を演出する狙いがあった4ドアHTは、多くの子供たちに「大人になったらこういうクルマに乗ってみたい!」と思わせるオシャレさがあった。 このため、自動車産業が成熟するとともにさまざまなモデルに4ドアHTが設定され、送り出された。 しかしながら、この4ドアHTはバブル期である90年代に絶頂期を迎え、2000年を境に続々と採用モデルが生産を終了。 気がつけば絶滅種となり、今では「4ドア」といえばすなわちセダンを指す言葉となってしまった。 あれほどの高い人気を誇った4ドアHTの消滅の背景には、RVやミニバンブームにおけるユーザーの居住性重視の志向に加え、90年代から側面衝突などより高度な衝突安全性の実現に向けた取り組みや高速域での静粛性向上にサッシュレス構造が仇となることなどから、メーカーも4ドアはセダン構造の中で差別化を図っていくという選択をしたことにある。 そんな「失われた魅力」をまとう4ドアHT、本企画ではそれを代表するモデルたちを振り返り、復活を期待したい。 走破性と走行性能を両立したクロスオーバーSUVが大流行するのであれば、美しいデザインと走行性能と安全性能をクロスオーバーした4ドアHTだって(復活すれば)流行するのではないか!? 2ドアクーペの持つ優雅さと4ドアモデルの実用性を兼ね備えた4ドアハードトップ HT のスペシャルティカーとして、1985年に送り出された。 最大の特徴は、やはりそのデザイン。 トヨタ初のピラーレス4ドアHTによるクーペライクなシルエットは実にスタイリッシュ。 キリリと引き締まったマスクも相まって、スポーティかつ優雅でありながら、若々しさも備えていた。 インテリアも専用デザインとし、スペシャルティカーに相応しいものに仕立てられていた。 このためカリーナを名乗っていたが、そのキャラクターは、ベースを共有するセリカの4ドア版ともいえた。 因みに名前のEDは「エキサイティング・ドレッシー」の頭文字である 長年の疑問が解けた人もいるのでは……。 トヨタの狙いは見事的中。 若者だけでなく、洒落っ気のある年配層にも受け入れられ、大ヒットを記録した。 3世代で生涯を終えたが、最後まで自身の個性であるスタイリッシュな4ドアHTというコンセプトを守り抜いた男気のあるモデルでもあった。 セダンからスタートしたローレルは、ハイオーナーカーの元祖でもあった。 このため、パーソナルユースのニーズを意識して1977年登場の3代目 C230 と早い時期から4ドアHTを設定。 1986年登場の6代目(C33)からは、4ドアHTに一本化された。 特に最後のピラーレスとなった6代目 C33 は、その構造から、走りの面では不利であったが、4ドアHTの魅力である解放感が存分に味わえた。 販売面ではライバルのマーク2には遠く及ばなかったが、そのシックな大人の雰囲気を評価するファンも多かった。 C33では4ドアHTらしいスタイルを優先したため、後席居住性に不満が多く、7代目(C34)では4ドアHTでありながら、セダンぽいスタイリングに……。 最終型となる8代目(C35)では軌道修正を図るもすでにニーズはなく、返り咲くことなく、FFの4ドアセダンであるティアナにあとを譲った。 初代レオーネからの財産であるサッシュレス4ドアHTとサッシュレス構造を(当時珍しい「スタイリッシュなワゴン」というコンセプトとともに)継承。 この魅力を最大限活かすことで、スポーティかつ高性能なレガシィのイメージ構築することに成功した。 このスタイルはスバルのイメージを一新させるほど力を持っていた。 自動車専門メディアでよく話題に上るのはGTやRSなどの高性能モデルだったが、実際には普及グレードがよく売れ、レガシィシリーズを人気車へと押し上げた。 その後、4ドアHTは今でもファンの多い4代目まで受け継がれ、大型化した5代目からセダンとサッシュ付きのワゴンにシフトした。 これによりキャビンの居住性は大きく向上されたものの、歴代レガシィの持つ若々しさが薄れてしまったのはまことに残念。 結果、レガシィはより上級モデルへと進化し、ボディが大きく幅広くなっていくことになる。 マーク2などをライバルとするアッパーミドルクラスでありながら、全車にV6エンジンを搭載し、2. 5L車を中心としたラインアップを構成。 インテリアも上品に仕立てられた。 その商品性が贅沢を追求したバブル期のニーズにマッチしたこともあるが、「和製BMW」とも評価されたスタイリングはお世辞抜きにカッコよく、多くのユーザーから高い評価を受けていた。 好調な販売を記録するだけでなく、専門家からの評価も高く、1990年の日本カー・オブ・ザー・イヤーでイヤーカー(大賞)にも輝いている。 いっぽう姉妹車となるセダン版のシグマが存在したが、こちらは販売上は不発に終わった。 デザインに共通性を持たせたフォーマルなセダンだったが、ディアマンテのスタリングの完成度には遠く及んでいなかったといえる。 1995年に登場した2代目も4ドアHTを継承していたが、サイズアップしたうえ内外装デザインも野暮ったいものに……。 このため、初代のような注目を浴びることはなかった。 ただデボネア亡きあと、三菱の高級車ニーズを請け負ったこともあり、意外とモデル寿命は長く、2005年まで生産された。 ハイソカーブームを牽引したマーク2は、やはり4ドアHTを語るうえで外せないモデルといえよう。 コロナとクラウンの間を埋めるハイオーナーカーとして生まれたマーク2は長く4ドアセダンがメインであったが、1980年に投入された4代目から4ドアHTを設定。 ソアラやクラウンといった高級車がバカ売れしたハイソカーブームの真っ只中に、大ヒットとなる5代目 70系 を投入した。 ここから、1988年の6代目 80系 、1992年の7代目 90系 、1996年の8代目まで日本の4ドアHTニーズの主力として活躍。 アッパーミドルの4ドアが苦戦する中、スポーツグレードのツアラーシリーズなどの人気グレードも生み出した。 FR+ハイパワーターボエンジン、スタイリッシュな4ドアHTということもあり、8代目のツアラーVは若いクルマ好きにも人気が高い。 最後のマーク2となる2000年登場の9代目は、再びセダンに(以降は「マークX」と車名変更し現在に至る)。 ちなみにトヨタで国内最後の4ドアHTとなったのは3代目ウィンダム(2006年1月に販売終了)であった。 日本車マーケットでは消滅してしまったサッシュレスの4ドアHTカテゴリーだが、パーソナルクーペなどのニーズがいまだ高い輸入車では、4ドアクーペとしてサッシュレス構造が活躍している。 メルセデスCLSを皮切りに、正当な4ドアHTであるマセラティ・ギブリ(2013年に復活)やクワトロポルテなどの人気にもつながった。 また近年ではメルセデス・ベンツCLAなどの新たなコンパクト4ドアHTも誕生するなど、カテゴリーとして再興を見せている。 ただクロスオーバーSUVのスペシャルティ化や4ドアセダン需要が落ち込んでいる状況では、なかなかかつての強さを取り戻すのは難しいかもしれない。 しかし、それでも、こうしたカッコいい4ドアセダンが登場すれば、再びセダンカテゴリーに人気が集まることもあるのではないか! 輸入車での評判は高いだけに、日本車での復活を期待したい。
次のこんにちは! みなさん、窓の構造について気になったことはありませんか? 知らなくても日常生活にはほとんど支障はないと思いますが、 いざ家を建てるとなると窓にかかわる専門用語が突然飛び交います。 「ペアガラス」「アルミ樹脂複合サッシ」にはじまり、 「框」「障子」「桟」といった単語もよく耳にするのではないでしょうか。 たとえば「障子」と「サッシ」の違いって分かりにくいですよね・・・。 よく一緒に登場するので「障子」=「サッシ」? 「障子」の読み方=「サッシ」?? なんて混乱してしまうのは私だけ? ちなみに「障子」はそのまま「しょうじ」と読んでOKです^^;(私は恐る恐る読んでいました) 今回はそんな「サッシ」さらには「窓の構造」まで詳しく調べていきたいと思います! スポンサーリンク 窓のサッシとは? 「サッシは断熱に大きく影響する」 断熱の説明にはよくこんなことが書かれています。 ただ「サッシってどこの部分?」というところまで書かれていることはほとんどありません。 なんとなく「窓のどこかを指しているんだろうな」ということは分かるんですけどね・・・。 そこでネットで調べてみると、 これがどの説明も曖昧だったり統一されていなかったり。 知恵袋を読んでもいろいろな意見があり、さらに混乱に陥ります。 ちなみに、にはこう書かれていました。 サッシ()とは、 サッシュともいい、枠として用いるのことをいう。 あるいは、窓枠を用いたであるサッシ窓そのものをサッシと呼ぶことも多い。 ふむふむ、語源は外国由来ということは分かりました。 ただ「呼ぶことも多い」・・・この書き方がひっかかります。 どうやら状況や人、現場、立場によっても使い方が変わるようなんです。 そもそも、ここに書いている「窓枠」というのも定義も微妙です。 ガラスの周りの枠なのか、 レール部分のことなのか、 はたまたその回りの木枠の部分なのか? そうなんです。 窓って 枠だらけなんですよね! このへんも深堀りしてみたいと思います。 窓の構成について理解する サッシを理解するためにはもっと窓について理解が必要そうです。 というわけで構成図を作成してみました。 まずは「 家側」と「 窓本体」の二つに分けて見ていきたいと思います。 左の画像は「 家側」と「 窓本体」すべてを含んだ 窓全体の構成です。 右の画像は 窓の断面図です。 構成はできました。 それでは、こちらの構成図を日本を代表する大手サッシメーカーYKKさんとリクシルさんに見てもらい 「サッシとはどこの部分なのか?」教えていただきたいと思います! (両社とも我が家でたくさん採用してるので許してね^^;) スポンサーリンク YKK AP株式会社にサッシの定義について聞いてみた YKKさんからはメールでご回答をいただきました。 以下、一部引用させていただきます。 サッシの定義を教えてください 弊社では窓枠部分(枠+障子、部品含む)をサッシと総称して呼ぶことが多いです。 ガラス等も込みで取り付ければ窓として機能する状態まで工場で完成させた商品を 窓と呼んでおります。 ただ、専門で携われている方と日常使用している方では 言葉の捉え方が異なりますので、話す者同士が同じ認識で会話しているか 確認しながら、言葉を選んだ方がよろしいかと思われます。 額縁は窓またはサッシには含まないという理解でよろしいでしょうか? 弊社においては、「サッシ」「窓」には額縁(木枠)は含まれないことが多いです。 会話中にどこまでを含んで使用しているのか確認しながら ご相談していただければ幸いです。 何度かやりとりをさせていただきまして、 結論として以下で了解をもらいました。 とても感じの良い方で丁寧に詳しく教えてもらいました。 リクシル好感度アップ v^^v なんと回答はYKKさんとほぼ同じでした。 (いや、良かった、安心しました) LIXILの担当の方も現場で曖昧になっているということは認識されているようでした。 これについても聞いてみたのですが、 「フレーム」は正式名称としては使っておらず、窓に詳しくない人にも 分かりやすくするために使ったようです。 個人向けのカタログはメーカーさんもいろいろと分かりやすく工夫しているということなんですね~。 (それが、今回の混乱の元だったりもするので、難しいところです・・・^^;;) 2大メーカーのサッシの定義をまとめると・・・ ひとまず2大メーカーの定義はどちらも同じということが分かりました。 額縁あくまでも家側の部品ってことなんですね。 また、サッシメーカーはガラスを含まない窓枠部分のみを出荷し、 ガラスは現場ではめていました。 つまり 「サッシ」とは昔サッシメーカーから送られてきた金属部品一式 を呼んでいたのが今でもその名残が残っているモノと言えるのかもしれません。 完成品の形のある窓とは違い、あくまでも窓の建材の一部というイメージです。 それが、技術の進歩によりペアガラス、トリプルガラス、ガス注入といった製品が登場し サッシメーカーがガラスをはめこんだものを出荷することが一般的になってきました。 しかし、ガラスがはめこまれたからといって現場ではサッシに変わりありません。 厳密には、ガラスをはめこむと「窓」なのですが、 現場で 「本日からサッシのことは窓と呼ぶことになりました」ってなっても 現場はおっちゃん達の阿鼻叫喚であふれ混乱するだけな気がします。 そもそも「窓」って意味が広すぎます。 現場で部品を指す名称としては曖昧すぎますね。 むしろ「サッシ」は「サッシ」のままであり続けることのほうが都合が良さそうです。 框(かまち)と桟(さん)の違いについて 框と桟の違いも分かりにくいのでまとめておきたいと思います。 框は「縁(ふち)」や「枠」という意味で説明されています。 框の一番わかり易い例は玄関框ですね。 つまり、框で縁を構成し、桟で框の間をつなぐというのが本来のイメージでしょうか。 商品の説明によっては、組み方によっても呼び方が変わる場合があるように思います。 たとえばこんな感じ。 詳しい方がいらっしゃったらコメントでご指摘いただけると幸いです。 サッシと障子(しょうじ)の関係 最後に「サッシ」と「障子」にも触れておきたいと思います。 答えは上にも書いたとおりですが以下のようになります。 なので、 「窓の障子の一部はサッシで構成されている」または 「窓のサッシは障子の一部を構成する 」 という関係が成り立つといえます。 サッシと障子が完全な包含関係ではないので、混乱するんですね。 やっとスッキリしました。 いかがでしたでしょうか。 サッシの定義はメーカー、現場、人、状況によっても呼び方が変わることがあり プロと個人の間でも分かりやすく言葉を選んでいるのもあり この問題をさらにややこしくしている原因なのではないかと思いました。 ひとまず、これでもやもやは解消されました。 今後も窓は進化していきます。 それにともないサッシの定義はまた変わっていくのかもしれませんね。 でわ! カテゴリー• 345• 155• 128• 342• 111•
次の美しいシルエットを実現していたサッシュレスの4ドアハードトップ HT は4ドアモデルのクーペ版であり、まさに花形であって、乗用車ニーズのなかで大きなシェアを占めていた。 2ドアクーペの優雅さを4ドアにも与えることで、豪華さや特別感を演出する狙いがあった4ドアHTは、多くの子供たちに「大人になったらこういうクルマに乗ってみたい!」と思わせるオシャレさがあった。 このため、自動車産業が成熟するとともにさまざまなモデルに4ドアHTが設定され、送り出された。 しかしながら、この4ドアHTはバブル期である90年代に絶頂期を迎え、2000年を境に続々と採用モデルが生産を終了。 気がつけば絶滅種となり、今では「4ドア」といえばすなわちセダンを指す言葉となってしまった。 あれほどの高い人気を誇った4ドアHTの消滅の背景には、RVやミニバンブームにおけるユーザーの居住性重視の志向に加え、90年代から側面衝突などより高度な衝突安全性の実現に向けた取り組みや高速域での静粛性向上にサッシュレス構造が仇となることなどから、メーカーも4ドアはセダン構造の中で差別化を図っていくという選択をしたことにある。 そんな「失われた魅力」をまとう4ドアHT、本企画ではそれを代表するモデルたちを振り返り、復活を期待したい。 走破性と走行性能を両立したクロスオーバーSUVが大流行するのであれば、美しいデザインと走行性能と安全性能をクロスオーバーした4ドアHTだって(復活すれば)流行するのではないか!? 2ドアクーペの持つ優雅さと4ドアモデルの実用性を兼ね備えた4ドアハードトップ HT のスペシャルティカーとして、1985年に送り出された。 最大の特徴は、やはりそのデザイン。 トヨタ初のピラーレス4ドアHTによるクーペライクなシルエットは実にスタイリッシュ。 キリリと引き締まったマスクも相まって、スポーティかつ優雅でありながら、若々しさも備えていた。 インテリアも専用デザインとし、スペシャルティカーに相応しいものに仕立てられていた。 このためカリーナを名乗っていたが、そのキャラクターは、ベースを共有するセリカの4ドア版ともいえた。 因みに名前のEDは「エキサイティング・ドレッシー」の頭文字である 長年の疑問が解けた人もいるのでは……。 トヨタの狙いは見事的中。 若者だけでなく、洒落っ気のある年配層にも受け入れられ、大ヒットを記録した。 3世代で生涯を終えたが、最後まで自身の個性であるスタイリッシュな4ドアHTというコンセプトを守り抜いた男気のあるモデルでもあった。 セダンからスタートしたローレルは、ハイオーナーカーの元祖でもあった。 このため、パーソナルユースのニーズを意識して1977年登場の3代目 C230 と早い時期から4ドアHTを設定。 1986年登場の6代目(C33)からは、4ドアHTに一本化された。 特に最後のピラーレスとなった6代目 C33 は、その構造から、走りの面では不利であったが、4ドアHTの魅力である解放感が存分に味わえた。 販売面ではライバルのマーク2には遠く及ばなかったが、そのシックな大人の雰囲気を評価するファンも多かった。 C33では4ドアHTらしいスタイルを優先したため、後席居住性に不満が多く、7代目(C34)では4ドアHTでありながら、セダンぽいスタイリングに……。 最終型となる8代目(C35)では軌道修正を図るもすでにニーズはなく、返り咲くことなく、FFの4ドアセダンであるティアナにあとを譲った。 初代レオーネからの財産であるサッシュレス4ドアHTとサッシュレス構造を(当時珍しい「スタイリッシュなワゴン」というコンセプトとともに)継承。 この魅力を最大限活かすことで、スポーティかつ高性能なレガシィのイメージ構築することに成功した。 このスタイルはスバルのイメージを一新させるほど力を持っていた。 自動車専門メディアでよく話題に上るのはGTやRSなどの高性能モデルだったが、実際には普及グレードがよく売れ、レガシィシリーズを人気車へと押し上げた。 その後、4ドアHTは今でもファンの多い4代目まで受け継がれ、大型化した5代目からセダンとサッシュ付きのワゴンにシフトした。 これによりキャビンの居住性は大きく向上されたものの、歴代レガシィの持つ若々しさが薄れてしまったのはまことに残念。 結果、レガシィはより上級モデルへと進化し、ボディが大きく幅広くなっていくことになる。 マーク2などをライバルとするアッパーミドルクラスでありながら、全車にV6エンジンを搭載し、2. 5L車を中心としたラインアップを構成。 インテリアも上品に仕立てられた。 その商品性が贅沢を追求したバブル期のニーズにマッチしたこともあるが、「和製BMW」とも評価されたスタイリングはお世辞抜きにカッコよく、多くのユーザーから高い評価を受けていた。 好調な販売を記録するだけでなく、専門家からの評価も高く、1990年の日本カー・オブ・ザー・イヤーでイヤーカー(大賞)にも輝いている。 いっぽう姉妹車となるセダン版のシグマが存在したが、こちらは販売上は不発に終わった。 デザインに共通性を持たせたフォーマルなセダンだったが、ディアマンテのスタリングの完成度には遠く及んでいなかったといえる。 1995年に登場した2代目も4ドアHTを継承していたが、サイズアップしたうえ内外装デザインも野暮ったいものに……。 このため、初代のような注目を浴びることはなかった。 ただデボネア亡きあと、三菱の高級車ニーズを請け負ったこともあり、意外とモデル寿命は長く、2005年まで生産された。 ハイソカーブームを牽引したマーク2は、やはり4ドアHTを語るうえで外せないモデルといえよう。 コロナとクラウンの間を埋めるハイオーナーカーとして生まれたマーク2は長く4ドアセダンがメインであったが、1980年に投入された4代目から4ドアHTを設定。 ソアラやクラウンといった高級車がバカ売れしたハイソカーブームの真っ只中に、大ヒットとなる5代目 70系 を投入した。 ここから、1988年の6代目 80系 、1992年の7代目 90系 、1996年の8代目まで日本の4ドアHTニーズの主力として活躍。 アッパーミドルの4ドアが苦戦する中、スポーツグレードのツアラーシリーズなどの人気グレードも生み出した。 FR+ハイパワーターボエンジン、スタイリッシュな4ドアHTということもあり、8代目のツアラーVは若いクルマ好きにも人気が高い。 最後のマーク2となる2000年登場の9代目は、再びセダンに(以降は「マークX」と車名変更し現在に至る)。 ちなみにトヨタで国内最後の4ドアHTとなったのは3代目ウィンダム(2006年1月に販売終了)であった。 日本車マーケットでは消滅してしまったサッシュレスの4ドアHTカテゴリーだが、パーソナルクーペなどのニーズがいまだ高い輸入車では、4ドアクーペとしてサッシュレス構造が活躍している。 メルセデスCLSを皮切りに、正当な4ドアHTであるマセラティ・ギブリ(2013年に復活)やクワトロポルテなどの人気にもつながった。 また近年ではメルセデス・ベンツCLAなどの新たなコンパクト4ドアHTも誕生するなど、カテゴリーとして再興を見せている。 ただクロスオーバーSUVのスペシャルティ化や4ドアセダン需要が落ち込んでいる状況では、なかなかかつての強さを取り戻すのは難しいかもしれない。 しかし、それでも、こうしたカッコいい4ドアセダンが登場すれば、再びセダンカテゴリーに人気が集まることもあるのではないか! 輸入車での評判は高いだけに、日本車での復活を期待したい。
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